
こんにちは。
プライマリ・ケアサポート きらぼし、鍼灸師・看護師のKagayaです。
「褥瘡(じょくそう)=床ずれ」は、介護の世界ではとても重たいキーワードです。
できてしまうということは、介護の質そのものが問われることにもつながります。
プロとして、あってはならない――そんな厳しい視点さえあります。
病院や介護施設では、24時間体制で体位交換が行われています。
介助者が交代しながら、寝返りや姿勢調整を丁寧に行うことで、褥瘡の発生リスクを抑えています。
でも、在宅介護ではそう簡単にいきません。
老老介護、ワンオペ育児、働きながらの介護など、現実は本当に厳しいです。
24時間体位交換をするなんて、正直なところ限界があります。
そんな在宅介護の味方が、「体交枕(たいこうまくら)」です。
体位交換をサポートしてくれるクッション類ですね。
実は、ボロボロに潰れた古いクッションほど、絶妙にフィットしてくれたりもします。
バスタオルを丸めて体交枕にすることも多いです。
でも、何年も使っているうちにカバーが破れてしまったりして、「どうにかならないかな……」と悩むご家族もいらっしゃいました。
「普通にカバー作ればいいんじゃない?」と、つい言ってしまいましたが、みんながみんな、裁縫が得意なわけではありませんよね。
そんなとき、なぜか「私、作ります!」と張り切ってくれたのが、いつも明るいヘルパーさん。
裁縫が得意というわけではなかったのですが、シンプルな縫い方を伝えて、なんとか形にしてくれました。
その姿を見て、「私も何か作ってみたいな」という気持ちがふつふつと。
せっかくなら、オリジナルの生地で、自分だけのケア用品を作ってみたい!そんな思いが、今回のハンドメイドにつながりました。
🌟 オリジナル生地作り|「鍼」「針」「はり」の原点から
Kagayaはずっと「はり」と共に生きてきました。
看護師として注射の「針」仕事に携わり、今は鍼灸師として「鍼」仕事を続けています。
でも、実はそのずっと前、一番最初の「はり」仕事は――縫い針を使ったハンドメイドでした。
もう何年も針と糸を手に取っていませんでしたが、久しぶりに「作ってみたい!」という気持ちが湧き上がってきたのです。
ハンドメイドの世界では、「8割は布地で決まる」とも言われます。
どんなに丁寧に縫っても、生地が微妙だと仕上がりの印象が変わってしまうからです。
最近では町の手芸屋さんも少なくなり、理想の布地を探すのも一苦労。
大きなお店に行くにも、時間と体力が必要……。
だったら、自分でデザインしてしまえばいいのでは?と思い立ち、「オリジナル生地」と検索してみました。
すると、なんと自分の描いたイラストやデザインを、そのまま布地に印刷してくれるサイトを発見!
どちらも、画像データをアップロードすれば布地にしてくれるサービスです。
しかも、審査に通れば販売も可能!商用利用OKな生地が作れるという点でも、ハンドメイド作家にとってはありがたい存在です。
今回は「リアルファブリック」さんを選びました。
操作もわかりやすく、初心者でも安心して注文できる印象です。
もちろん、生地のお値段は市販品に比べると割高です。
でも、自分だけのデザインが形になる喜びはプライスレス。
「きらぼし」のロゴ生地も、現在審査申請中です。
もし承認されたら、他の方にも使ってもらえる日が来るかもしれません。
🌟 原画とオリジナル生地|Canvaでもきれいにプリントできる?
リアルファブリックで生地を注文する前に、口コミをいくつか確認してみました。
口コミでは「絵柄がにじんでいた」「モチーフの境目に白い線が出た」など、少し気になる内容もあって、正直ドキドキしていました。
でも、実際に届いた生地を見てびっくり。
印刷はとてもきれいで、心配していたようなトラブルは一切ありませんでした!
モチーフの線がかすれることもなく、色味も画像通り。
境界線がぼやけることもなく、細部までしっかり表現されていました。
プロの方はPhotoshopやIllustratorなど高機能なソフトを使うのかもしれませんが、Kagayaは無料で使えるCanvaでデザインしました。
それでも十分にクオリティの高い仕上がりになりました。


こちらが「きらぼし」のロゴです。
キラキラ感を出すために、小さなドットを背景に入れました。
写真では少し見えづらいですが、その点々もちゃんと表現されていて感動しました。
背景色もモニターで見ていた色とほぼ同じ。
これには正直、予想以上のクオリティで驚きました。


こちらはホームページにも登場している看板キャラクター、親子の「ラピスとヒナ」です。
少し複雑なイラストでも、布地への再現はばっちりでした。
縮小サイズにすると、さすがに細かいフレーム装飾部分は潰れてしまいましたが、全体の雰囲気はしっかり保たれています。


ロゴの一部だけを並べて布地にしたバージョンも作ってみました。
背景色を変えたり、サイズ感を調整してみたり、バリエーションを考えるのも楽しいです。


こちらは背景色を変えて縮尺も変更したもの。
拡大しても問題なく印刷されていますが、写真のピントが甘くて申し訳ないです…。


背景をグラデーションにして、画像を反転してみたら、おしろい幾何学模様のような印象になりました。
こういうアレンジも布だと一気に雰囲気が変わって面白いです。
注文から到着までは約1週間。
てっきり柄ごとに裁断されたパネルが届くと思っていましたが、3mほどの布地に50×50cmのパターンが連続で印刷されている形でした。
布が丸ごと届くなんて、ちょっとサプライズ!アレンジの幅が広がるので、これはこれで嬉しい誤算でした。
🌟 体交枕カバー作り|オリジナル生地でケアをもっと楽しく
体交枕を作る|古いタオルや布団でSDGs

↑このように、不要になったバスタオルや古布団をくるくると丸めていきます。
必要があれば輪ゴムなどで固定してもOKです。

巻き方や折り方で厚み・サイズ感も自由自在。
まさに「その人に合わせた枕」が自宅で簡単に作れます。
これぞ、在宅ケアの知恵と工夫。
そして何より、SDGsにもつながるエコな方法です。
捨てようと思っていたタオルが、誰かの命を守るアイテムになるかもしれません。
これで、中に入れるクッション部分の完成です!
カバーを作る|縫うだけで完成!簡単ハンドメイド
水通し・地直しを忘れずに
新しい生地は、一度洗って「水通し」をすると、完成後の洗濯での縮みを防げます。
乾いた後は「地直し」といって、アイロンで歪みを整えると、仕上がりがグッときれいになります。
Kagaya流は…洗濯機で一気に回して一晩乾かし、生地の裏からざっくりアイロン。
プロからしたら邪道かもしれませんが(笑)、家庭用ならこれでも充分です。

枕のサイズに合わせて布をカット
中身のクッションに合わせて布を切ります。
今回は「もったいない精神」から、54×50cmの生地を切らずにそのまま使用しました。
脇と底を袋縫いで仕上げる
カバーの縫い方はとてもシンプル!半分に折って、筒状にして、両端を縫うだけです。
本来ならミシンの方が楽ですが、今回は手縫いでチャレンジ。
糸は2本取りで並み縫いです。

あれ?表側で縫ってる?…はい、うっかり表でした(笑)でも大丈夫。
これは「袋縫い」という方法で、端がほつれにくくなる縫い方です。

袋縫いのやり方はネット検索でたくさん出てきます。
「袋縫い 方法」と調べてみてくださいね。
上側の口を三つ折りにして縫う
布の口部分は、1cm幅で三つ折りにしてアイロンをかけ、まつり縫いで仕上げます。
ステッチを見せたい方は並み縫いでもOKです。

完成!自分だけのケアアイテム

クッションの中身を入れて、余った布は内側に折り込んで完成です。
しっかり詰めたいときは紐で口を縛っても◎。

世界に一つだけの「体交枕カバー」。
在宅ケアを少しでも楽しく、優しくするアイテムに育ちました。
古いバスタオルを丸めてクッションにし、それに合わせたサイズのカバーを作りました。
まずは生地を水通し・地直しし、簡単に袋縫いで作成。
手縫いでも、意外と頑丈に仕上がります。
🌟 ハンドメイド×ケアをもっと楽しく!
今回は、世界にひとつだけの体交枕カバーを、オリジナル生地で手作りしてみました。
作り方はとってもシンプル。
でも、出来上がったカバーは、自分だけの色と温もりにあふれていて、とてもかわいく仕上がりました。
オリジナル生地は正直ちょっと割高。
でも、お子さんの描いた絵をそのまま生地にして、入園バッグや枕カバーにする――そんな使い方も、きっと一生の思い出になります。
ハンドメイド作品を販売するなら、商用利用可能な布が必要になります。
その点でも、リアルファブリックのようなサービスはとてもありがたい存在です。
今後は「きらぼしShop」として、ハンドメイドの医療・介護グッズも展開予定です。
“年収1000万クラスの鍼灸師”になるには「物販がカギ」と聞いたことがありますが……。
Kagayaは1000万を目指してるわけじゃないけど、「鍼」仕事(鍼灸師)で生きていけるまで、「針」仕事(看護師)で支えつつ、「はり」仕事(ハンドメイド)を楽しんでいこうと思っています。
「鍼」と「針」のお店~きらぼし~
この屋号、実はヘルパーさんが付けてくれたんです。
素朴だけど、なんだかあたたかい響きですよね。
とはいえ、実店舗はないので「お店」というよりは、想いのこもった“拠点”のようなものかもしれません。
鍼と針、そしてはり――3つの「はり」が織りなす暮らしの中で、これからも誰かのケアにつながるものを形にしていきたいです。
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