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鍼灸師国家試験対策~四診法~

四診法

(第21回 問題103)

陰虚による舌質の色はどれか。

  1. 淡白舌
  2. 淡紅舌
  3. 紅舌
  4. 紫舌
  • 淡白舌:陽虚・血虚
  • 淡紅舌:正常
  • 紅舌:陰虚
  • 紫舌:瘀血

(第24回 問題98)

陰虚にみられる舌苔はどれか。

  1. 厚苔
  2. 潤苔
  3. 膩苔
  4. 少苔
  • 厚苔:裏証・実証・湿濁
  • 潤苔:湿邪
  • 膩苔:痰飲・湿濁
  • 少苔:陰虚

(第27回 問題97)

舌診で気陰両虚の所見はどれか。

  1. 舌体が腫れて大きい。
  2. 舌苔が剥落している。
  3. 舌の色が青紫色である。
  4. 舌下静脈の怒張がある。

気陰両虚:気虚と陰虚が同時にみられる

  • 胖大舌:陽虚・痰湿停滞
  • 剥落舌:胃気・胃陰の損傷
  • 紫舌:血瘀
  • 舌下静脈怒張:血瘀

(第25回 問題98)

次の文で示す患者の病証でみられる舌象はどれか。

「43歳の男性。主訴は頭痛。めまい、目赤、胸脇苦満を伴う。最近、仕事上のストレスを抱えている。」

  1. 紫舌
  2. 紅舌
  3. 青舌
  4. 淡白舌

肝火上炎:頭痛・めまい・目赤・胸脇苦満、ストレス。本証は実熱証

  • 紫舌:血瘀・熱毒・寒証
  • 紅舌:実熱・陰虚・虚熱
  • 青舌:寒邪・凝滞・血瘀
  • 淡白舌:陽虚・血虚・寒証

(第21回 問題104)

だるい痛みはどれか。

  1. 刺痛
  2. 隠痛
  3. 脹痛
  4. 酸痛
  • 刺痛:瘀血などによって生じる刺されるような、切られるような痛み
  • 隠痛:虚証の所見であり、痛いような重いような痛みで、圧迫されると気持ちがいい症状
  • 脹痛:気滞によって生じるもので、突っ張っるような痛み
  • 酸痛:怠いような痛み

(第20回 問題94)

所見と病証との組み合わせで正しいのはどれか。

  1. 隠痛-陰実証
  2. 潮熱ー陽実証
  3. 盗汗ー陰虚証
  4. 拒按ー陽虚証
  • 隠痛:虚証の所見で痛いような怠いような、圧迫されると気持ちのよい症状
  • 潮熱ー一定の時間になると発熱するもので陰虚の所見
  • 盗汗ー夜間の寝汗を指し、陰虚の所見
  • 拒按ー圧迫されると痛みのために拒絶することがあり、実証を現す

ポイント

一定の時刻に発熱する特徴を持つのはどれか。

  1. 壮熱
  2. 潮熱
  3. 但熱不寒
  4. 往来寒熱
  • 壮熱:熱が盛んな様子を指す
  • 潮熱:潮の満ち引きのように一定時間に発熱する症状を指す
  • 但熱不寒:熱が強く悪寒がないもの
  • 往来寒熱:発熱と悪寒を繰り返す

(第28 問題96)

次の文で示す患者の病証で最もみられる汗の状態はどれか。

「36歳の男性。主訴は咳嗽。水様の鼻汁を伴い、息切れ、倦怠感も訴える。脈は弱。」

  1. 自汗
  2. 盗汗
  3. 大汗
  4. 絶汗

主訴は咳嗽であり、肺が生理物質を推動する力が減退すると、気の不足により息切れ、倦怠感、無力感が起こり、水分代謝が失調すると水様の鼻汁を伴う。

衛気が不足して腠理の開閉に及ぶと自汗が起こる。

(第25回 問題97)

脈診で左手関状「浮」に配当される臓腑の墓穴はどれか。

  1. 日月
  2. 関元
  3. 章門
  4. 石門

左手関状の浮位は足の少陽経や胆が配当される。

  • 日月:足少陽・胆経の墓穴
  • 関元:手太陽・小腸の墓穴
  • 章門:足太陰・脾の墓穴
  • 石門:手少陽・三焦の墓穴

(第26 問題100)

六部定位に配当される脈診部位と絡穴部位の組み合わせで正しいのはどれか。

  1. 右寸口ー尺側手根屈筋腱の橈側側、手関節掌側横紋の上方1寸
  2. 左関上ー長母指外転筋腱と短母指伸筋腱の間、手関節掌横紋の上方1寸5分
  3. 右関上ー前頸骨筋の外縁、外果尖の上方8寸
  4. 左尺中ー長掌筋腱と橈側手根屈筋腱の間、手関節掌側横紋の上方2寸
  1. 右寸口:肺経・大腸経もしくは肺(胸中)で、通里は手少陰心経
  2. 左関上:肝経・胆経もしくは肝・胆(膈)で、列欠は手太陰肺経
  3. 右関上:脾経・胃経もしくは脾・胃で、豊隆は足陽明胃経
  4. 左尺中ー腎経・膀胱経もしくは腎(小腸)で、内関は手厥陰心包経

(第26回 問題99)

次の文で示す患者の病証でみられる脈診所見はどれか。

「52歳の男性。主訴は腰痛。不眠や手足のほてりを伴う。仕事の疲れがたまると眩暈や盗汗が起こる。」

  1. 滑脈
  2. 弦脈
  3. 細脈
  4. 緊脈

腰痛という主訴から、腎を想起したい。不眠や手足のほてり、過労によるめまいや盗汗から陰虚を想起し、腎陰虚という病証が考えられる。

  • 滑脈:湿淡・食滞
  • 弦脈:肝胆病・痛証・痰飲
  • 細脈:血虚・陰虚
  • 緊脈:実証・痛証

(第27回 問題95)

次の文で示す患者の病証で最もみられる脈診はどれか。

「45歳の女性。主訴は膝痛。10日前に転倒して膝を打撲した。現在も膝内側が腫れて痛み、夜間も痛む。」

  1. 滑脈
  2. 洪脈
  3. 濡脈
  4. 濇脈

病因の「転倒して膝を打撲した」は外傷で、瘀血を想起したい。「腫れて痛む」のは出血を示し、夜間も痛むのは血瘀の痛みの特徴である。瘀血の脈状でよくみられるのは濇脈である。

(第20回 問題100・101)

次の文で示す患者について、下記の問いに答えよ。

「45歳の男性。首や肩のこりが強く、寝汗をよくかき熟睡できない。便が硬く排便しずらい。」

この患者の舌の所見と脈状との組み合わせで正しいのはどれか。

  1. 胖舌ー結脈
  2. 痩舌ー滑脈
  3. 紅舌ー細脈
  4. 淡脈ー弦脈

陰虚の舌所見は紅舌、無苔、裂紋、乾燥などである。

脈は細脈を呈しやすい。

  • 胖舌ー結脈:胖舌が気虚・陽虚、結脈が血瘀・寒証
  • 痩舌ー滑脈:痩舌が気血両虚、陰虚、滑脈が湿淡・食滞
  • 淡脈ー弦脈:淡舌が陽虚・血虚。寒証、弦脈が肝胆病・痛証痰飲

季肋部で診る腹商はどれか。

  1. 心下痞鞭
  2. 胸脇苦満
  3. 裏急
  4. 小腹急結
  • 心下痞鞭:心下部のつかえ感と他覚的な固さをあらわす
  • 胸脇苦満:季肋部の抵抗感を示す
  • 裏急:腹直筋の緊張を指す
  • 小腹急結:左下腹部の緊張、圧痛、左腸骨下から臍に向かって腹壁を摩擦したときに自覚する痛み

(第24回 問題99)

次の文で示す患者の腹診所見はどれか。

「75の女性。半年前から膝に力が入らない。姿勢は前かがみで、1回の尿量が少なく、足がむくむ。」

  1. 胸脇苦満
  2. 虚里の動
  3. 少(小)腹急結
  4. 小腹不仁

膝の無力、尿量減少、浮腫から腎虚と判断できる。

  • 胸脇苦満:肝胆の病変
  • 虚里の動:宗気の異常
  • 少(小)腹急結:瘀血・腎・肝・脾の病変
  • 小腹不仁:腎の病変

(第25回 問題100・101)

次の文で示す患者について、下記の2問に答えよ。

「31歳の女性。主訴は頭痛と肩こり。月経は不定期で月経時に頭痛が増悪し、下腹部痛も出現する。月経血に血塊がみられ、舌下静脈の怒張もみられる。」

本患者の痛みの特徴はどれか。

  1. 夜間に痛みが増悪する。
  2. だるい感じの痛みが現れる。
  3. 冷やすと疼痛が軽減する。
  4. 痛む部位が移動する。

月経時の血塊と舌下静脈の怒張から血瘀と考えられる。

  • 「夜間に痛みが増悪する」:血瘀
  • 「だるい感じの痛みが現れる」:湿邪
  • 「冷やすと疼痛が軽減する」:火邪
  • 「痛む部位が移動する」:風邪

本患者の病証でみられる脈状はどれか。

  1. 浮いていて細軟の脈
  2. ザラザラとして渋滞したような脈
  3. 弾力に富、琴の弦を按じるような脈
  4. 絹糸のように細くて力があり、按じて左右に移る脈

瘀血の場合、脈象は濇が現れやすい。

  • 「浮いていて細軟の脈」:濡脈
  • 「ザラザラとして渋滞したような脈」:濇脈
  • 「弾力に富、琴の弦を按じるような脈」:弦脈
  • 「細くて力があり、按じて左右に移る脈」:緊脈

(第28回 問題99)

次の文で示す患者の病証で最もみられる舌所見はどれか。

「54歳の女性。主訴は肩こり。2週間前に感冒にかかり咳が強く出た。現在も透明な鼻汁が出て痰が多い。」

  1. 膩苔
  2. 燥苔
  3. 黄苔
  4. 剥落苔
  • 膩苔:湿痰
  • 燥苔:津液の損傷
  • 黄苔:熱証
  • 剥落:舌胃気や胃陰の損傷

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