アロマテラピーとは
「アロマ」は「芳香」、「テラピー」は「療法」、「アロマテラピー」とは「芳香療法」のことです。
植物から抽出した香り成分「精油(エッセンシャルオイル)」を使用します。
西洋医学を補完する代替医療として心と身体の両方に働きかけることができると注目され、アロマテラピーを勉強する看護師も多いです。
アロマテラピーの目的
- リラクゼーションやリフレッシュに役立てる
- 美と健康を増進する
- 心や身体の恒常性の維持と促進を図る
- 心や身体の不調を改善し健康を取り戻す
を目的としてアロマテラピーを活用します。
エッセンシャルオイルの活用方法
エッセンシャルオイルは皮膚や肺から吸収され香りを楽しむことで心と身体に作用します。
芳香浴法
エッセンシャルオイルを拡散して香りを楽しむ方法です。
- ティッシュペーパーに1~2滴たらして、自分の近くに置く
- アロマポットやアロマディフィーザーなどを用いる
沐浴法
入浴の時にエッセンシャルオイルを使用してリラックスし香りを楽しむ方法です。
- 全身浴法
- 半身浴法
- 部分浴法
吸入法
エッセンシャルオイルを積極的に吸入して、呼吸器系の不調を緩和する方法です。
- 洗面器やマグカップなどに熱湯を入れ1~2滴たらして蒸気を吸入する
湿布法
熱湯または冷水をいれた洗面器にエッセンシャルオイルを加え、タオルを浸して絞り、ケアしたい部分にあてる方法です。
- 温湿布:肩こり・頭痛・月経痛など
- 冷湿布:炎症や腫れを抑えるのに効果的
トリートメント法
エッセンシャルオイルをキャリアオイルで希釈したトリートメントオイルを肌にやさしく塗布する方法です。
- キャリアオイルにエッセンシャルオイルを1%以下の濃度になるように混ぜる(顔などの敏感な部分に使用する場合はさらに低濃度にします)
生活の中でアロマを活用する方法
- 洗濯に
- すすぎの時にエッセンシャルオイルを1~2滴入れることで、洗濯物が少し香らせることができます。
- 掃除機に
- ティッシュペーパーにエッセンシャルオイルを1~2滴垂らして吸い込ませることで、排気口からでる風が少し香ります。
- 雑巾がけに
- バケツの水にエッセンシャルオイルを1~2滴入れることで、部屋が少し香ります。
- ルームスプレー
- スプレー容器に無水エタノール5ml+エッセンシャルオイルを3~5滴+精製水45mlを入れ、よく振って混ぜて使用します。
エッセンシャルオイルの購入方法
アロマオイルは100均でも購入することができます。
しかしアロマオイルはエッセンシャルオイルではありません。
エッセンシャルオイルは植物から抽出した天然の香りに対してアロマオイルは人工的に作られた香りです。
香りを楽しむだけであればアロマオイルでもいいのですが心身ともに効果を得たいのであれば、エッセンシャルオイルを選択してください。
エッセンシャルオイルは皮膚や肺に吸収されるものなので、あまりに安いものは購入しない方がいいです。
成分分析表が添付されているエッセンシャルオイルが安心です。
成分表が添付されているということは、天然成分であるとの証明でもあります。
資源の関係から添付されていない場合がありますが、お店に問い合わせると対応してくれます。
「生活の木」や「無印」で購入することができます。
Kagayaは「セラピストの問屋」がリーズナブルなお値段で種類が豊富なのでおススメです。
他にもエッセンシャルオイルの専門サイトがあります。見比べて自分のお気に入りのお店で購入すると良いと思います。
東洋医学とメンタルの関係
東洋医学には陰陽五行説という考え方があります。
「陰陽説」とは物事はすべて「陰」と「陽」で分けられることができるという考え方です。
「五行説」とは万物は「木」「火」「土」「金」「水」の5元素から成り立っているという考え方です。
「五行説」を医学に応用するために、五行と臓器などを関連させました。
五行 | 木 | 火 | 土 | 金 | 水 |
五臓 | 肝 | 心 | 脾 | 肺 | 腎 |
五志 | 怒 | 喜 | 思 | 憂 | 恐 |
五神 | 魂 | 神 | 意 | 魄 | 志 |
木
属する臓器は「肝」です。
「魂」は物事を評価・判断するための常識や理性を司どっています。
怒りの感情を司どっています。
「肝」が正常に働かないと、目的意識とやる気を無くしたり、イライラや怒りっぽくなったりします。
思い悩んだりオドオド・ビクビクなどの情志に影響が出できます。
火
- 属する臓器は「心」です。
- 「神」はすべての精神活動を統率しています。
- 喜びの感情を司どっています。
- 「心」が正常に働かないと、神経質になり自己否定・孤独感・自分の世界に閉じこもって思考が堂々巡りすることもあります。
土
- 属する臓器は「脾」です。
- 「意」は思考・推測・注意力・集中力・学習・記憶といった精神活動を司どっています。
- 思の感情を司どっています。
- 「脾」が正常に働かないと、思考がまとまらず順序立てて話ができなくなったり、決断力がなくなり優柔不断になったりします。
- 集中力に欠け、物覚えが悪く、ボーッとしていて、主体性がなく、人や世間の常識に頼りがちになります。
金
- 属する臓器は「肺」です。
- 「魄」は感覚・運動・情志などの本能的な精神活動を司どします。
- 憂の感情を司どっています。
- 「肺」が正常に働かないと、心配性で人の目が気になったりします。
水
- 属する臓器は「腎」です。
- 「志」は記憶の維持です。
- 恐の感情を司どっています。
- 「腎」が正常に働かないと、物忘れが激しくなったり、根気強く物事を行えなくなったりします。
- 過去の経験にこだわり、頑固で臨機応変に欠けるようになります。
- 感情表現が欠乏し、些細なことを怖がったり臆病で引っ込み思案になったりします。
- 強迫観念に囚われ、状況変化についていく勇気がなく、利己主義になったりします。
緊張と不安に効果的なアロマ
- 東洋医学では臓器とメンタルには深いつながりがあります。
- それぞれの臓器が正常に働かないとメンタルの不調にもつながります。
- エッセンシャルオイルの香りをかいで直感的にその時の気分で選択するのも良いですが、東洋医学の考え方を取り入れるとさらに効果が高まると思います。
- 神経性の緊張には「肝」が影響しています。「肝」は「木」と関係があります。「木」の性質のエッセンシャルオイルを選択すると「肝」気の流れがよくなり緊張がほぐれリラックスすることができます。
- 情緒不安には「腎」が影響しています。「腎」は「水」と関係があります。「水」の性質のエッセンシャルオイルを選択すると「腎」気の流れがよくなり気持ちが安定し不安を軽減することができます。
ラベンダー
ラベンダー:「火」と「木」の性質を持っています。
- メンタルへの働き:神経バランス調整・鎮静・抗不安・リラックス
- 精神的ストレスや不安による不眠に役立つ
- 精神的・神経的な動揺があるときは落ち着かせ、落ち込んでいるときは程よく高揚させてバランスを整える
- 身体への働き:抗菌・抗真菌・抗ウイルス・鎮痛・鎮静・抗炎症・血圧降下・催眠
- 身体を落ち着かせ、呼吸を楽にして、血圧を下げて眠りやすくする
- 感染症予防と症状の緩和作用
- 頭痛や筋肉痛などの痛みを緩和
スイートオレンジ
スイートオレンジ:「木」の性質を持っています。
- メンタルへの働き:鎮静・リフレッシュ・リラックス
- 気持ちを穏やかにし、明るくさせる
- 不安・緊張・不安に役立つ
- 身体への働き:抗菌・抗ウイルス・抗炎症・鎮静・鎮痛・血液循環促進・健胃・腸蠕動
- 心因性の消化器系のトラブルに役立つ
- 手足の冷えを改善
カモミール
スイートオレンジ:「木」の性質を持っています。
- メンタルへの働き:鎮静・神経バランス調整・抗うつ
- 不安や緊張を和らげ、気持ちを落ち着かせる
- ストレスを取り除く
- 身体への働き:抗菌・抗炎症・鎮静・鎮痛・抗アレルギー
- 頭痛を緩和
- 食欲不振・消化不良を改
- 月経痛・PMSなどに役立つ
ベルガモット
ベルガモット:「木」の性質を持っています。
- メンタルへの働き:神経バランス・抗うつ・鎮静
- 精神疲労からくる不眠・緊張・不安・うつに役立つ
- 鎮静と高揚の両方の働きをもつ
- 身体への働き:抗菌・抗ウイルス・抗炎症・血圧降下・血液循環促進・肝臓強壮
- 精神的ストレスからくる食欲不振に役立つ
- 風邪予防
ゼラニウム
ゼラニウム:「水」と「土」の性質を持っています。
- メンタルへの働き:精神バランス調整・鎮静・リフレッシュ
- 神経性に対して鎮静と高揚の両方の働きをもつ
- 不安・ストレス・過緊張・落ち込みなどを和らげる
- 身体への働き:ホルモンバランス調整・血圧調整・鎮痛・鎮静
- ホルモンの乱れからくる不調に役立つ
- PMS・更年期障害の症状緩和
- むくみやセルライトを改善
サイプレス
サイプレス:「金」と「水」の性質を持っています。
- メンタルへの働き:鎮静・神経バランス調整・リフレッシュ
- 情緒不安定を落ち着かせる
- 神経系の負担を和らげる
- 身体への働き:鎮静・鎮痛・鎮咳・ホルモンバランス調整・抗アレルギー・血圧降下
- むくみ・静脈瘤の改善
- 咳止め
- 月経痛・月経不順・月経困難・更年期のほてりなどを改善
まとめ
ストレスなどでメンタル不調を抱えている人はたくさんいます。
東洋医学の考え方からアロマテラピーを取り入れてみるのも良いと思います。
自分に合ったアロマテラピーを選択し、心穏やかに生活できると良いと思います。