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東洋医学

鍼灸学生の東洋医学概論まとめノート~四診~

2023-02-12

四診

望診:神技ともいい視覚を通じた診察

聞診:聖技ともいい聴覚•嗅覚を通じた診察

問診:工技ともいい対話を通じた診察

切診:巧技ともいい触覚を通じた診察

望診

皮膚の色

青色:肝の病・寒証・病証・血瘀を現す

赤色:心の病・熱証を現す

黄色:脾の病・虚証・熱証・湿証を現す

白色:肺の症・虚証・寒証を現す

黒色:腎の病・寒証・痛証・血瘀を現す

顔面の部分

肝:左頬の部位を診る

心:額の部位を診る

脾:鼻の部位を診る

肺:右頬の部位を診る

腎:顎の部位を診る

舌診

舌尖部:心肺を診る

舌辺部:肝胆を診る

舌中部:脾胃を診る

舌根部:腎を診る

舌色

舌色淡紅:健康なもの、表証を現す

舌色淡::血不足、寒証を現す

舌色紅:実熱、陰虚による熱証を現す

舌色紫:血瘀を現す

舌の瘀斑・瘀点:血瘀を現す

舌形

胖大舌:陽虚、痰湿の停滞を現す

痩薄舌:気血不足、陰虚

裂紋舌:気血不足、陰虚

胖大を伴う歯痕舌:陽虚、痰湿の停滞を現す

胖大を伴わない歯痕舌:気虚を現す

点刺舌:熱が盛んなものを現す

舌下脈絡の怒張:血瘀を現す

舌苔

薄白苔:健康、表証ばど病状が軽いものを現す

厚白苔:寒証を現す

黄苔:熱証を現す

薄苔:健康、表証など病状が軽いものを現す

厚苔:痰湿、食滞を現す

少苔:陰虚を現す

膩苔:痰湿の停滞、食滞

聞診

短気:息切れのこと、気虚・肺気虚を現す

少気:慢性的な虚証

嘔吐:胃気上逆(虚寒・実熱)を現す

曖気:げっぷのこと、胃気上逆(食滞胃脘・肝気犯胃・中気不足)を現す

吃逆:しゃっくりのこと、胃気上逆(実熱・虚寒)を現す

失気:放屁のこと、脾気虚、肝鬱気滞を現す

問診

八網病症

  • 裏証、寒証、実証

  • 表証、熱証、実証

表裏

  • 病の深浅(病位)

寒熱

  • 病の病情(病性)

虚実

  • 正邪の盛衰(病勢)

陰虚

ほてり、のぼせ、五心煩熱、長時間微熱が続く、手足身熱、盗汗、頬部紅潮、消痩、潮熱、舌質紅、舌苔少、脈細数

陰盛

  • 寒証症状

陽虚

  • 寒証症状+気虚症状

陽盛

  • 熱証症状

表証

  • 病の部位が浅く、外感病の初期に多い。悪寒・発熱・項強・身体痛・尾閉・鼻汁・咽頭部違和感・脈浮

裏証

  • 病の部位が深く、発病後一定の経過を経て現れる

半表半裏証

  • 表と裏の中間で邪気と正気が争っている状態。寒熱往来・胸脇苦満・口苦・眩暈・脈弦

寒証

  • 冷やすと増悪し、温めると寛解する
  • 悪寒・寒がり・顔面蒼白・四肢の冷え・喜温・小便清長・大便下痢・舌苔白・脈遅

熱証

  • 温めると増悪し、冷やすと寛解する
  • 発熱・暑がり・顔面蒼白・目赤・ほてり・喜冷・口渇・小便短赤・大便秘結・舌苔黄・脈数

寒熱錯雑証

  • 寒証と熱証が同時に存在している

虚証

  • 徐々に起こったもの
  • 発症から長く慢性的に経過するもの
  • 感覚が鈍く力が入らないもの
  • 動いたり、疲れたりで増悪、休養で寛解
  • 呼吸や語勢が弱い・自汗・下痢・喜按・鈍痛・小便の回数が多い

実証

  • 急に起こったもの
  • 発作的・間欠的に起こるもの
  • 呼吸や語勢が強い・無汗・便秘・拒按・滑脈・口苦・疼痛部を押すと痛みが増強する

虚実狭雑証

  • 虚証と実証が同時に存在する

疼痛部位

頭痛後頭部~項背部:太陽経頭痛
前額部~眉間:陽明経頭痛
両側または一側の側頭部:少陽経頭痛
頭頂部:厥陰経頭痛
頸部痛前頸部:陽明経
側頸部:少陽経
後頚部:太陽経
腰痛前屈・後屈:足太陽膀胱経督脈
回旋:足少陽胆経
肩痛肩前面:太陰経陽明経
肩側面:少陽経
肩後面:太陽経

痛みの性質

拒按疼痛部位に触れたり按圧すると痛みが増強する実証
喜按疼痛部位に触れたり按圧すると痛みが軽減または消失する虚証
脹痛脹った感じの痛み気滞
重痛重怠い痛み湿邪
刺痛刺されるような鋭い痛み瘀血
冷痛冷えた感覚を伴う痛み、温めると軽減、冷やすと増悪寒邪・陽虚
隠痛我慢できる程度のはっきりしない痛み虚証
酸痛怠い感覚を伴う痛み気血不足・湿邪
固定痛一定の部位に固定した痛み瘀血・寒邪・湿邪
遊走痛痛む部位が定まらず移動する痛み気滞・風邪
夜間痛夜になると痛みが誘発、増悪する痛み瘀血・寒邪

切診

腹診

肝:臍の左

心:臍の上

脾:臍部

肺:臍の右

腎:臍の下

心下痞鞭心下痞(心下部が自覚的につかえる)+心下鞭(心下部が他覚的に硬く抵抗感がある)心・胃
胸脇苦満季肋下部に充満感があり、肋骨弓下縁に指を入れようとしても苦満感や圧痛があり入らない肝・胆、気滞、少陽病
小腹不仁下腹部に力がなくフワフワしていて、知覚鈍麻がある腎虚、下焦の虚
小腹急結下腹部、とくに左下腹部に抵抗や硬結がある瘀血
裏急腹裏のひきつれ、腹直筋の異常なつっぱり虚労

脈診

脈診
浮脈指で軽くあてると拍動が感じられ、按じると感じ方が弱くなる(感じられなくなる)表証・虚証
沈脈指で軽くあてるだけでは拍動は感じられず、筋骨の間まで按じると感じるもの裏証
遅脈拍動が遅く、1呼吸に3拍以下寒証
数脈拍動が早く、1呼吸に6拍以上熱証
虚脈浮・中・沈のいずれも無力で指を押し返す力の弱いもの虚証
実脈浮・中・沈のいずれも力強く指を押し返すもの実証
滑脈脈の流れが滑らかで、円滑に指に触れるもの痰湿・食滞
濇脈脈の流れが悪く、ザラザラとして渋滞したようなもの血瘀
弦脈琴の弦に触れたような、長くまっすぐで緊張したもの肝胆病・痛証・痰飲
緊脈張った縄に触れたような、緊張して有力なもの実寒・痛証
細脈脈幅が小さく、細いが指にハッキリ感じられるもの血虚
緩脈脈拍が1呼吸に4拍と緩やかで、遅脈より少し速いもの湿証・脾虚
濡脈浮位で触れ、脈幅が小さく、軟らかく、少し按じると絶えそうなもの湿証・虚証
弱脈沈位で触れ、脈幅が小さく、軟らかく、少し按じると絶えそうなもの気血両虚

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