不登校と訪問看護|「利用できる?」の前に、
親が本当に知りたいことを整理する

こんにちは。
きらぼし、鍼灸師・看護師のKagayaです。
朝が来るのが怖い。
「今日も起きられないのかな」と、時計を見て息が詰まる。
行けない日が続くほど、「このままでいいの?」という問いが積もっていく——。
この記事では、制度の整理だけでなく、家庭で今すぐ使える視点とセルフケアまで丁寧にまとめます。
🌟 「不登校」は診断名ではない|だから制度の入口でつまずきやすい
「不登校」は診断名ではなく、状態を表す言葉です。
背景には複数の要素が絡み合います。
- 睡眠の乱れ(夜眠れない・朝起きられない)
- 頭痛・腹痛・吐き気・めまいなどの身体症状
- 強い不安・パニック・過呼吸
- 発達特性(感覚過敏・切り替え困難・対人の疲労)
- いじめ・人間関係・先生との相性
- 学習へのつまずきや自己肯定感の低下
- 家庭内の緊張、きょうだい関係、親の消耗
制度は「不登校だから〇〇」ではなく、背景の状態(医療的管理が必要かどうか)で支援が決まります。
「こんなに困っているのに制度につながらない」と感じるのは、ここで言葉がズレているからです。
このズレを理解するだけでも、少しだけ視界が開けます。
🌟 訪問看護とは何か|できること・できないことを正直に
訪問看護は、医師の指示書にもとづき、看護師がご自宅に訪問して医療的なケアや健康管理を行うサービスです。
特に精神科訪問看護の領域では、生活の整え方・不安への対処・家族支援も重要な役割になります。
一方で、医師の指示書が必要で、保険制度のルールに沿った提供となるため、回数・時間にも制限があります。
期待を膨らませすぎると、つながらなかった時のショックが大きくなります。
まずは「制度としての輪郭」を押さえます。
🌟 不登校で訪問看護が使えるケース|鍵は「医療的管理の必要性」
「不登校」という状態だけでは訪問看護の対象になりにくいのが現実です。
ただし、背景に次のような状態があれば可能性があります。
- 抑うつ状態が強く、日常生活が成り立ちにくい
- 強い不安やパニックがあり、外出や受診が難しい
- 自傷リスクがあり、安全確保の支援が必要
- 医師が「継続的な観察・支援が必要」と判断している
- 起立性調節障害などで生活が大きく崩れ、医療的管理が必要
大事なのは「訪問看護を使いたい」ではなく、「医師が必要と判断する状態かどうか」という制度側の入口です。
ここが現実のルールなので、知っておくことで次の一手が考えやすくなります。
🌟 親が知りたいのは制度より先のこと|家で起きていることの読み解き
悩みが深い保護者ほど、「制度の説明だけでは足りない」と感じます。
本当に困っているのは、日々の暮らしの中の"具体"だからです。
- 朝起きられないのは、怠け?それとも身体の問題?
- 昼夜逆転は放っておくと戻らない?
- 頭痛・腹痛は「学校に行きたくないから」なの?
- 家では元気なのに、学校の話になると崩れるのはなぜ?
- 受診させたいが、拒否される。無理に連れて行っていい?
- きょうだいが我慢している。家庭が回らない。
- 親の方が限界。泣きたいのに泣けない。
✅ 見立ての軸|神経が「安全ではない」と判断している状態
不登校の背景には、神経が過緊張になっている状態が混ざっていることがあります。
そうなると身体はこうなりやすいです。
- 寝つきが悪い/眠りが浅い
- 朝になると吐き気・腹痛・頭痛が出る
- 動悸、息苦しさ、過呼吸
- 音や光、匂いに敏感になる
- 「行こう」と思っても身体が動かない
- 夕方〜夜に急に元気になる(緊張が抜ける時間帯)
ここに「やる気」だけで介入すると、親子ともに消耗が増えます。
学校の前に、身体と神経の状態を見ていくことが大切です。
🌟 よくある勘違い|「心の問題」だけにしてしまう危うさ
不登校は「心の問題」と言われがちです。
もちろん心の要素はあります。
けれど、それだけにすると見落としが増えます。
「怠けているだけ」——でも本当は?
起立性調節障害・睡眠相後退症候群など、意思とは無関係に身体が動かない状態があります。
「気合いで何とかなる」問題ではないことが多いです。
「家では元気 = 仮病」——でも本当は?
学校という環境が神経にとって「危険」と判断されている可能性があります。
家で落ち着けることは回復のサインであり、責める材料ではありません。
「親が甘やかすから」——でも本当は?
神経が過緊張のとき、安全な場所(家・親)に頼ることは自然な反応です。
厳しくしても神経の緊張は解けません。
むしろ消耗が増えることがあります。
「受診すれば解決する」——でも本当は?
医療は大切ですが、生活の緊張が変わらなければ根本は変わりにくいです。
医療+生活支援の両輪が、多くの家庭で必要になります。
心だけに寄せてしまうと、身体と神経のサインが見えにくくなるということです。
🌟 制度の"すき間"|訪問看護にもつながらない、でも確かに困っている
実際の現場では、こんな"すき間"が起きやすいです。
- 受診はしているが、薬以外の支援がほぼない
- 診断はあるが「訪問看護が必要な状態ではない」と言われる
- そもそも受診にたどり着けない(拒否・外出困難)
- 医療化したくないが、家庭が限界に近い
- 学校との調整や家庭内の疲弊が主な困りごと
制度は「医療が必要かどうか」で線を引きます。
けれど家庭が困っているのは、「日常が回らないこと」です。
夕方から荒れて夜が怖い。
家族の会話が減っていく。
きょうだいが我慢する。
親が眠れず、判断力が落ちていく——。
ここに"医療の手前の支援"が必要になります。
🌟 東洋医学の視点|「気・血・水」から不登校の身体を読む
🍃 東洋医学では「気・血・水」のバランスで身体を見ます
西洋医学の診断とは別の枠組みです。
どちらが正しいという話ではなく、生活を整えるための視点として活用してください。
🌬️ 気(き)
身体を動かすエネルギー。
気が不足すると「疲れやすい・朝起きられない・やる気が出ない」。
気が滞ると「胸がつかえる・不安・イライラ」として現れやすい。
🩸 血(けつ)
栄養を全身に届けるもの。
血が不足すると「眠りが浅い・夢が多い・不安感・顔色が悪い」。
不登校で食欲が落ちると、血の不足が進みやすい。
💧 水(すい)
体液・潤い。
水が滞ると「頭痛・めまい・胃腸の不調・むくみ」。
起立性調節障害やめまいには、水の流れの問題が関わることがある。
不登校のお子さんに多いのは、「気の滞り+血の不足」の重なりです。
長く緊張が続いた結果、神経が疲弊し、回復に必要な血(栄養)も作りにくくなっている状態です。
🌟 ツボへの簡単なセルフケア|保護者がお子さんに試せる手順
「施術」ではなく、触れること・圧をかけること自体が安心につながる場合があります。
特に感覚過敏のあるお子さんは、事前に「触ってもいい?」と確認してから行ってください。
🤲 労宮(ろうきゅう)
手のひらの中央(握り拳を作ったとき中指が当たる場所)
気の滞りをほぐし、気持ちを落ち着ける。不安・ドキドキに。
▸ 反対の親指で、ゆっくり10〜15秒押す。左右どちらでも可。
🤲 神門(しんもん)
手首の小指側のシワ上、骨の内側のくぼみ
心を落ち着け、眠りを助けるツボ。不眠・夜の不安に。
▸ 就寝前に、優しく1分ほど押す。強く押しすぎないこと。
🦶 太衝(たいしょう)
足の甲、親指と人差し指の骨が合わさるくぼみ
気の流れを整え、イライラ・怒りっぽさを和らげる。
▸ 足を温めた後(入浴後など)に押すと効果が出やすい。
🦶 三陰交(さんいんこう)
内くるぶしから指4本分上、骨の際
血・水を補い、全身の疲れ・食欲不振・睡眠に働きかける。
▸ 妊娠中は押さないこと。それ以外は入浴後に押す。
✋ ツボは「ここだけ押せば治る」ものではありません。生活全体を整える中の一つとして、無理なく続けられる範囲で使ってください。お子さんが嫌がる場合は無理に行わないでください。
🌟 食事・睡眠・生活リズムの東洋医学的な整え方
☀️ 東洋医学から見た「一日の流れ」の整え方
東洋医学では、時間帯ごとに活発になる臓腑(経絡)があります。不登校家庭の生活リズムは夜型になりやすいため、少しずつ「朝に向かう設計」を意識してみてください。
朝 7〜9時
胃の時間
消化の力が最も高い時間帯。朝食を食べられなくても、白湯や温かいスープだけでも胃腸を動かす習慣を。「食べさせなければ」より「胃を温める」が先。
昼〜午後
活動・消化の時間
外に出られなくても、カーテンを開けて光を入れる・短時間でも身体を動かすことで、体内時計のリセットを助けます。
夕方 17〜19時
腎の時間
疲れが出やすく、不安・イライラが強まりやすい時間帯です。この前後に刺激(宿題・学校連絡)を集中させないよう意識してみてください。
夜 21〜23時
三焦〜胆の時間
神経が整い始める時間。照明を落とし、スクリーンを減らし、身体を温めることで、眠りに向かいやすい状態をつくります。
食事で気・血を補うポイント
- 血を補う食材:レバー・ほうれん草・黒豆・ナツメ・卵など。食欲が落ちているときは一品だけでも意識する
- 気を補う食材:米・芋・かぼちゃ・豆腐・鶏肉など。温かく食べることが重要
- 胃腸に優しい食事:冷たいもの・油っぽいもの・生ものを減らし、温かいスープや粥を増やす
- 水の流れを整える:ハトムギ・はと麦茶・冬瓜など。むくみやめまいがある場合に
🌟 保護者自身のセルフケア|消耗を防ぐ視点
不登校支援で最も見落とされやすいのは、親の疲労です。眠れない、食欲が落ちる、怒りと罪悪感が交互に来る——「自分がしっかりしなければ」と思うほど、心身は追い詰められます。
しかし、家庭の安定は親の神経状態と強く連動します。親が少し呼吸できるようになると、家の空気が変わります。
💆 保護者向け|今日から試せる5つのこと
東洋医学では、時間帯ごとに活発になる臓腑(経絡)があります。不登校家庭の生活リズムは夜型になりやすいため、少しずつ「朝に向かう設計」を意識してみてください。
- 一日5分、自分だけの時間をつくる(何もしない時間でいい。お子さんが落ち着いている時間に)
- 神門・労宮を自分に押す(夜寝る前に1〜2分。親の睡眠の質を上げることが家庭の安定に直結します)
- 「今日できたこと」を1つ書く(問題ではなく事実に目を向ける習慣。罪悪感の連鎖を断ちやすくなります)
- 温かいものを飲む(白湯・生姜湯・ほうじ茶など。副交感神経を優位にし、緊張をほぐします)
- 相談できる場所を一つ持つ(友人でも、支援者でも、LINEでも。「言葉にする」だけで神経の緊張が和らぎます)
🌟 セルフチェック|今「支援の順番」を考えるサイン
不登校の支援は「早く動けばいい」という話ではありません。ただ、次の項目が増えてきたら、家庭だけで抱える負荷が大きくなっているサインかもしれません。
- 子どもが7日以上、ほぼ昼夜逆転している
- 食事が1日1食以下の日が続いている
- 親自身が4時間以下の睡眠が続いている
- 家族の会話がほぼなくなってきた
- きょうだいの様子が明らかに変わってきた
- 子どもが「消えたい」「死にたい」に近い言葉を口にした
- 医療機関に相談したいが、本人が拒否して動けない
- 「もう限界かもしれない」と感じる日が増えた
⚠️ 3つ以上当てはまる場合は、一人で抱えない段階です
きらぼしへの相談、または主治医・スクールカウンセラー・市の相談窓口など、話せる場所を一つ探してみてください。
🌟 受診を迷っているときの判断軸
「病院に行くべきかどうか分からない」——これはとても多いご相談です。
⚠️ こんな場合は医療を優先してください
- 強い抑うつ(何も楽しくない・希死念慮の示唆)がある
- 自傷行為や安全面の不安がある
- 日常生活(食事・睡眠・排泄)が大きく崩れている
- 身体症状が強く、医学的評価が必要と思われる
生活の緊張や家庭内の消耗が主な課題であれば、まず生活支援から整える方が動きやすいこともあります。
大切なのは「正しい選択」を探すことではなく、今の状態に合った順番を見つけることです。
🌟 きらぼしの役割|医療と並行しながら、生活の困りごとを整理する橋渡し
きらぼしはまず状況整理から始めます。
睡眠・呼吸・食事・排泄・体力など生活の土台はどうか、不安が強まるタイミングはいつか、家庭内で緊張が増える瞬間はどこか、親の消耗はどの程度か——「何から整えると、今より少し楽になるか」を一緒に探します。
はりきゅうケア
筋緊張・呼吸・眠り・感覚過敏など、生活場面の身体の困りごとに寄り添う。東洋医学的な視点から気・血・水のバランスを整えます。
自費/75~90分 10,000円、定期プランあり
くらしの動きサポート
姿勢・身体の使い方・生活リズムなど、暮らしの整え方を一緒に考える。
自費/75~90分 8,000円、定期プランあり
家族相談
INEで状況整理(初回15分無料/45分 5,000円・75分 5,000円)。対面はチェレステガーデン「まちの保健室」(毎週木曜)でも受付。
"医療に代わる"のではなく、医療と並行しながら、家庭の生活を整える橋渡しとして関わります。
🌟 最後に|焦らなくていい。でも、ひとりで抱えなくていい
不登校は、親の失敗でも、子どもの弱さでもありません。
身体と神経が「いまは限界だ」と出しているサインの可能性があります。
制度に当てはめる前に、生活を見てください。
学校の前に、呼吸を見てください。
焦らなくていい。
でも、ひとりで抱えなくていい。
順番を整理するだけで、見える景色は変わります。
制度だけでは整理しきれないときは、相談もひとつの方法です。
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※きらぼしの支援は医療行為を目的としたものではありません。診断・治療・緊急対応が必要な場合は、医療機関へご相談ください。ツボのセルフケアは補助的なものです。症状が強い場合は医療機関にご相談ください。

