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東洋医学~経絡論~

2024-11-06

🌟十二経脈病症

足厥陰肝経の病症

足厥陰肝経(あしけついん かんけい)は、足の母趾から始まり、下肢内側、鼠径部、下腹部、季肋部、側胸部を通って、肝臓・胆のうに連絡し、最終的には頭部や目にもつながるルートを持っています。

肝は「血を蔵し、疏泄を主る(気の流れを調整する)」臓とされており、感情や筋肉、月経、生殖機能、自律神経の調整にも深く関わっています。

肝経が異常をきたすと、経絡の流れに沿ってさまざまな病症が出現します。

代表的な症状には、男性では陰嚢の引きつりや痛み(疝気)、女性では月経困難症や下腹部の張り感などが挙げられます。

これらは、肝の疏泄作用の低下によって、気血の流れが滞っている証拠と考えられます。

また、肝は膀胱系とも関わるため、排尿障害(遺尿、尿閉)などの泌尿器症状がみられることもあります。

腰痛や季肋部(肋骨下部)の張り・痛みも、肝経のルートに沿って出る症状の一つであり、特にストレスや感情の抑圧が続いたときに現れやすいとされています。

さらに、肝の疏泄機能が失調すると、脾胃にも影響が及び、消化器症状(嘔吐・下痢など)が起こりやすくなります。

これは、肝木が脾土を乗っ取る「木乗土」という東洋医学的な病理モデルで説明されることがあります。

肝熱が盛んになると、喉の渇きなど内熱の症状も伴います。

肝血虚や肝気鬱結などの病証では、顔色が青黒くくすむこともあります。

これは血の循環が悪くなったり、うっ滞が起きたりして、顔色に反映されると解釈されます。

また、怒りやすい、ため息が多い、目が疲れる、なども肝の失調と関連する精神神経症状です。

臨床では、足厥陰肝経は月経不順、不妊症、更年期障害、前立腺肥大、排尿障害、肋間神経痛、胃腸障害、ストレス性の身体症状(自律神経失調)などに対して応用されます。

よく使われる代表的な経穴には、太衝(肝経の原穴)、蠡溝(絡穴)、曲泉(合水穴)などがあります。

これらのツボを通じて、肝気の巡りを整え、気滞・血滞・熱証・虚証のバランスを調整します。

国家試験では「疝気」「下腹部の膨満」「季肋部の腫れ」「顔色の青黒さ」などが登場した場合、肝経を答えさせるパターンが非常に多いです。

「肝=疏泄」「肝=気滞と関係が深い」など、理論と症状のつながりを押さえると得点源になります。

  • 疝気(陰嚢の引きつり・痛み)、下腹部膨満感(特に女性)
  • 遺尿、尿閉といった泌尿器系の不調
  • 腰痛、季肋部の張り・腫れ
  • 嘔吐、下痢、喉の渇き(消化器と内熱症状)
  • 顔色がくすみ、青黒くなる(肝血のうっ滞)
  • 情緒不安、怒りやすさ、ため息(肝気鬱)

肝経の経脈病証の症状はどれか。

  1. 後頭部の痛み
  2. 喉の痛み
  3. 腋の腫れ
  4. 陰嚢の痛み

次の文で示す経絡病証はどれか。 「腰が痛み、季肋部が張って苦しく、顔色は青黒い。」

  1. 小腸経
  2. 三焦経
  3. 脾経
  4. 肝経

経脈病証で「顔がすすけて黒く、腰が痛く、陰嚢が腫れて痛み、小便が出ない。」のはどれか。

  1. 足の少陰経脈病証
  2. 足の少陽経脈病証
  3. 足の厥陰経脈病証
  4. 足の太陽経脈病証

次の文で示す症例の経脈病証はどれか。 「65歳の男性。2週間前から腰痛で、前かがみや仰向けができない。最近は下腹部が痛み、季肋部が腫れ、喉が渇き、下痢をする。」

  1. 足の厥陰経
  2. 足の太陰経
  3. 足の少陽経
  4. 足の陽明経

手少陰心経の病症

手少陰心経(しゅしょういん しんけい)は、心臓の機能と深く関係する経絡であり、心臓部から始まり、胸部・腋窩を経て上肢の前内側(掌側)を通って、小指の先端に至る経絡です。

臓腑の中でも「神(しん)」を蔵する心は、血脈を主り、精神活動を司るとされています。

そのため、心経の病変では循環器系の症状だけでなく、精神・神経系の症状も特徴的に現れます。

まず最も重要な症状として「心臓部痛」が挙げられます。

これは狭心症や心筋梗塞に類似する胸痛として現れたり、東洋医学的には「心脈痺阻」や「心血虚」に分類されることもあります。

心経のルートに沿って、上肢前面の内側に走行しているため、この部位に痛みや重だるさ、痺れを訴えるケースも多く見られます。

次に特徴的なのが「手掌のほてりと痛み」です。

これは心火(しんか)と呼ばれる熱が体内にこもることで、手のひらに灼熱感やヒリヒリとした感覚が現れる状態です。

特に夜間に強くなることが多く、寝つきの悪さや不眠とも関連する場合があります。

これはいわゆる「陰虚火旺」による症候です。

心経はまた、舌や喉の働きとも関係するため、「喉の渇き」や「口内炎」などの熱症状が出やすくなります。

これは心火が上炎することで生じるもので、舌尖が赤くなっていたり、口が苦いといった所見とセットで現れやすいです。

また、「脇の痛み」は意外と思われるかもしれませんが、心経は腋窩付近を通過するため、経絡に瘀血(おけつ)や気滞があると、脇下に圧痛や鈍痛を生じることがあります。

特に緊張状態やストレスの蓄積により、心経の流れが滞ると現れやすいです。

心経はまた「神(精神活動)」を主るため、情緒の乱れにも関わります。

例えば、不安感、動悸、驚きやすさ、焦燥感などは、心気虚・心陰虚・心火亢進といった証候と関連しています。

こうした場合、施術では心経を中心に、神志安定を図ることが有効です。

臨床でよく用いられる経穴には、「神門(しんもん)」があり、これは心経の原穴でありながら、精神安定や不眠、動悸など幅広く応用されます。

また、「少海(しょうかい)」「陰郄(いんげき)」なども心の火や痛みを緩和する際に選択されます。

国家試験では、手少陰心経の問題として、「心臓部痛」「手掌のほてり」「上肢前面内側の痛み」「喉の渇き」「精神症状(神志異常)」などが頻出です。

ほかの経絡との違いを明確に覚えることが得点に直結します。

  • 心臓部の痛み(胸内苦悶、刺痛)
  • 上肢前面内側の痛み・重だるさ・痺れ
  • 手掌のほてり・灼熱感(心火上炎)
  • 喉の渇き、舌先の赤み、口内炎
  • 脇の痛み、圧痛
  • 不安、焦燥感、動悸、不眠などの精神神経症状

次の文で示す経絡病証について適切なのはどれか。 「のどが渇き、側胸部が痛む。上肢の前面内側がしびれて痛み、手掌が熱をもって痛む。」

  1. 小腸経
  2. 三焦経
  3. 肺経
  4. 心経

足太陰脾経の病症

足太陰脾経(あしのたいん ひけい)は、足の母趾(親指)の内側から始まり、足関節、下腿、膝、太ももの内側を通って腹部に入り、脾臓や胃を巡って胸部へと上がる経絡です。

脾は「運化(うんか)」を主り、飲食物から得た栄養分を吸収・運搬する役割を果たします。

また「統血(とうけつ)」といって、血を血管内に保つ働きも担っており、消化吸収だけでなく、血液循環や免疫、内分泌にも深く関わります。

脾経の病症ではまず、「消化器系の不調」が目立ちます。

例えば、腹部膨満感や食欲不振、下痢、嘔吐などがよく見られます。

これは脾の運化機能が低下している状態、すなわち「脾気虚(ひききょ)」によって栄養がうまく吸収・運搬されず、水分代謝にも支障が出ている状態です。

また、「全身の倦怠感」や「疲れやすさ」も脾の病症に典型的です。

脾は「気血生化の源」と言われるように、身体にエネルギー(気)と血液(血)を供給する源泉です。

そのため、脾が弱ると全身がだるくなり、日常生活に支障をきたすことがあります。

さらに、足太陰脾経は下肢の内側を通るため、「下肢内側の腫れや痛み」、母趾の麻痺・しびれも見られます。

とくに湿気が強くなった梅雨時などには、脾虚から湿が停滞しやすく、下肢のむくみや重だるさが悪化することも多いです。

胸部に上るルートでは、「前胸部・心下部・腋下の圧迫感」といった症状が見られます。

これは脾経の上行ルートに瘀血や気滞が生じることで、胸や脇に閉塞感を引き起こすものです。

また、脾は「思(おもい)」に属し、思い悩みすぎると脾を傷めるとされています。

精神的な疲労やストレスによって、胃腸症状や倦怠感が出るのもこのためです。

臨床では、慢性胃腸障害、過敏性腸症候群、疲労体質、むくみ、月経過多、内出血しやすい体質などに対して、脾経の調整が有効です。

代表的な経穴には、「陰陵泉(いんりょうせん)」「三陰交(さんいんこう)」「公孫(こうそん)」などがあり、水分代謝や脾気の活性化、消化器系の調整を目的に用いられます。

国家試験では、「下痢・嘔吐」「下肢内側の腫れ・痛み」「母趾の麻痺」「心下部の圧迫感」「全身のだるさ」などが脾経に関するキーワードとして出題されます。

「脾=運化」「脾=気血生化の源」という理論とセットで覚えると得点に結びつきやすくなります。

  • 前胸部、心下部、腋下の圧迫感(気滞・瘀血)
  • 下肢内側の腫れや痛み(湿邪の停滞)
  • 母趾の麻痺・しびれ(経絡の虚損)
  • 腹部膨満感、食欲不振、消化不良
  • 下痢、嘔吐(水穀の運化障害)
  • 全身の倦怠感、疲れやすさ(脾気虚)

脾経の経脈病証について正しい記述はどれか。

  1. 睾丸が腫れる。
  2. 心窩部が痛む。
  3. 耳鳴りがする。
  4. 口が苦い。

経脈病証で前胸部、心下部、腋下部の圧迫感、下肢内側の腫れや痛みがみられるのはどれか。

  1. 少陽胆経病証
  2. 陽明胃経病証
  3. 厥陰肝経病証
  4. 太陰脾経病証

次の文で示す経脈病証はどれか。 「心煩、心下痛、舌の強ばり、舌痛、鼠径部や膝の腫痛や冷え。」

  1. 手の少陰経
  2. 足の太陰経
  3. 手の陽明経
  4. 足の太陽経

次の文で示す病証を呈する経絡はどれか。 「前胸部から心下部への圧迫感、腹部膨満感があり、下肢内側の腫れと痛み、足の母指の麻痺がある。」

  1. 足の陽明胃経
  2. 足の太陽膀胱経
  3. 足の少陽胆経
  4. 足の太陰脾経

次の文で示す経脈の病証はどれか。 「65歳の女性。3週間前から全身の倦怠感がある。胸が苦しくて、みぞおちの痛みがあり、腹の膨満感がある。下肢内側に腫れを認め、足の母指が動かしにくい。」

  1. 肝経
  2. 脾経
  3. 心経
  4. 腎経

手太陰肺経の病症

手太陰肺経(しゅたいいん はいけい)は、肺に属する経絡で、胸部の肺から始まり、肩の前面を通って上肢の前外側を走行し、最終的に母指(親指)の先に至ります。

肺は「気(き)」を主り、「呼吸」と「水分代謝」を司る臓器であり、皮膚や体表のバリア機能(衛気)とも深く関わります。

東洋医学では、肺の機能失調が身体の外側に症状を現すという考えがあります。

肺経の異常ではまず、「呼吸器症状」が中心となります。

具体的には、喘咳(ぜんがい)や息切れ、胸苦しさなどが代表的です。

これらは肺の「宣発(せんぱつ)」と「粛降(しゅくこう)」の機能がうまく働かないときに現れるとされています。

宣発とは気を体表に行き渡らせる働き、粛降とは呼吸を整え気を下に降ろす働きです。

これらが破綻すると咳・息切れ・胸部不快感といった症状が出ます。

また、「胸の熱感」も肺経の熱症としてしばしば現れます。

風邪の引きはじめや、肺に熱がこもった状態では、胸部に熱感を伴う咳や痰、のどの痛み、鼻詰まりなどが見られることがあります。

特に喫煙や長引く咳風邪では、肺の乾燥や熱が原因で症状が悪化する傾向にあります。

次に注目すべきは、「上肢前面外側の痛み」です。

手太陰肺経は肩から母指にかけて走行するため、このルートに沿って痛みやしびれ、筋肉のこわばりなどが出ることがあります。

特に四十肩・五十肩や胸郭出口症候群などの症状が、肺経の異常と関連していることがあります。

また、「手掌のほてり」も重要な症状のひとつです。

これは肺経の内熱、すなわち肺に熱がこもることで末端部に灼熱感が生じている状態です。

特に夜間に熱感が強くなることが多く、不眠やイライラとセットで見られることもあります。

さらに、肺は「皮毛を主る」とされ、皮膚の健康にも関係します。

乾燥肌、アトピー性皮膚炎、花粉症なども、肺の機能と深く結びついており、呼吸器だけでなく皮膚や粘膜の不調にも肺経へのアプローチが効果的です。

代表的な経穴には、「中府(ちゅうふ)」「尺沢(しゃくたく)」「太淵(たいえん)」などがあり、これらは咳・息切れ・のどの不調に対して非常に有効です。

特に中府は肺の募穴でもあり、肺疾患全般において多用されます。

国家試験では「肺経=上肢前面外側の痛み」「胸苦しさ」「喘咳」「手掌のほてり」などが典型例として頻出します。

「肺=宣発・粛降」「肺は皮毛を主る」といった理論とセットで理解しておくと得点に結びつきやすいです。

  • 上肢前面外側の痛み・しびれ(経絡走行上)
  • 手掌のほてり(肺熱や陰虚)
  • 喘咳、息切れ、胸苦しさ(宣発・粛降の失調)
  • 胸の熱感、のどの乾燥・痛み
  • 皮膚の乾燥、花粉症、アレルギー症状

次の文で示す経絡病証はどれか。 「咳が出て胸苦しく、胸に熱感があり息切れし、手掌がほてる。」

  1. 腎経
  2. 心経
  3. 肺経
  4. 脾経

次の文で示す病証に関係する経絡はどれか。 「咳、喘鳴、胸が脹り満ちた感じがあり、上肢の内側に沿った冷えと痛みがある。」

  1. 手の厥陰心包経
  2. 手の太陰肺経
  3. 手の少陰心経
  4. 手の少陽三焦経

足少陰腎経の病症

足少陰腎経(あししょういん じんけい)は、足の小趾の下から始まり、足裏、足関節、内くるぶしの後方を通って下腿内側を上行し、腰・脊柱沿いに上って腎臓・膀胱に連絡し、最終的には舌や咽喉、肺・心へとつながる経絡です。

腎は「精(せい)」を蔵し、「発育・生殖・水分代謝・骨髄・呼吸」など生命の根本的な働きを担う重要な臓器とされます。

腎経の異常がある場合、まず特徴的なのが「腰部や大腿内側の痛み・冷え・しびれ」です。

これは腎経が腰部〜下肢内側を通っているため、経絡の虚損や寒邪の侵入があると、このルート上に痛みや冷感、しびれといった症状が出現します。

特に慢性的な疲労や冷え体質の方に多く見られます。

腎陰虚(じんいんきょ)があると、「足底のほてり」や「午後〜夜間の微熱」「寝汗」「喉の渇き」などの虚熱症状が出やすくなります。

腎は身体の熱を抑える「陰液(いんえき)」の源でもあるため、陰が不足すると末端に灼熱感が出現するのです。

さらに、腎は「水」を主ると同時に、口腔・咽喉・呼吸器とも関係が深いため、「口腔内や咽頭部の炎症」「呼吸が苦しく咳き込む」「血痰が出る」などの症状も腎経の異常と関連します。

特に腎陰が枯れて肺陰を養えないときに、肺腎陰虚(はいじんいんきょ)としてこれらの症状が顕著になります。

腎精が不足すると、「立ちくらみ」「耳鳴り」「聴力低下」「骨の脆弱化(骨粗鬆症)」といった症状にもつながります。

また、「顔色が黒ずむ」というのは、腎が「黒」に属し、機能が低下して代謝が滞っている状態を表しています。

東洋医学では、腎は「恐(おそれ)」と関係があり、腎気が虚すると「心配性でビクビクする」「不安感で眠れない」「人前に出られない」といったメンタル面の不調が出やすくなるともいわれています。

腎精の不足は、情緒の安定にも深く関わっているのです。

また、腎陽虚(じんようきょ)の状態では「空腹感はあるが食欲がない」「寝るのを好んで起きたがらない」「全身が冷える」といった症状が現れます。

特に高齢者や慢性疾患を抱える人に多く、活力の低下や代謝の停滞と関連しています。

代表的な経穴には、湧泉(ゆうせん)、太渓(たいけい)、復溜(ふくりゅう)などがあり、腎の補益、陰陽の調整、気力回復、精神安定の目的でよく使われます。

足裏の湧泉は気を下げて落ち着かせる働きがあり、不安感や不眠にも有効です。

国家試験では、「腰痛」「足底のほてり」「立ちくらみ」「黒ずんだ顔色」「呼吸困難と血痰」「ビクビクしやすい」などのキーワードが出た場合、足少陰腎経を答える問題が出題されやすいため、見逃さないようにしましょう。

  • 腰部・大腿内側の痛み、冷え、しびれ(経絡の走行上)
  • 足底のほてり(腎陰虚による虚熱)
  • 口腔・咽頭部の炎症、血痰、咳(肺腎陰虚)
  • 空腹感はあるが食欲がない(腎陽虚)
  • 顔色が黒ずむ(腎の精血不足)
  • 立ちくらみ、めまい(腎精虚損)
  • 寝たがる、元気が出ない(腎気虚)
  • 心配性、不安感、ビクビクする(腎と「恐」の関係)

腎経の経脈病証の所見として適切でないのはどれか。

  1. 血痰
  2. 立ちくらみ
  3. 季肋部のつかえ
  4. 足底のほてり

次の病証を示す経絡はどれか。 「顔色は黒く、喘鳴や立ちくらみがあり、よく恐れる。」

  1. 心経
  2. 肺経
  3. 腎経
  4. 肝経

次の病証を示す経絡はどれか。 「空腹でも食欲がなく膝から下が冷える。腰痛があって臥すことを好む。」

  1. 足の陽明胃経
  2. 足の少陰腎経
  3. 足の太陰脾経
  4. 足の少陽胆経

次の文で示す症状はどの経絡病証か。 「空腹感はあるが食欲はなく、顔色は黒ずみ、呼吸が苦しくせき込む。」

  1. 足の太陰脾経
  2. 足の少陰腎経
  3. 手の太陰肺経
  4. 足の厥陰肝経

足の経脈病証と痛みの部位の組合せで正しいのはどれか。

  1. 陽明経病証 ――― 大腿外側
  2. 太陰経病証 ――― 大腿前外側
  3. 少陰経病証 ――― 大腿内側
  4. 少陽経病証 ――― 大腿後面

手厥陰心包経の病症

手厥陰心包経(しゅけついん しんぽうけい)は、心包(しんぽう)と呼ばれる心臓を包む膜に由来する経絡で、心の補助的な役割を担っています。

心包は外からの邪気やストレスから「心(しん)」を守る防御システムとされ、精神活動や循環系、情緒の安定と密接に関わっています。

経絡の走行としては、心包の部位から始まり、胸部〜脇〜腋窩を通り、上腕の前内側中央を通って手の中指の先端へと至ります。

このため、心包経に異常があると、胸部・心臓周辺の症状に加えて、上肢の内側に沿った痛みやひきつりなどが現れます。

もっとも特徴的なのは、「心臓部の痛み」「胸苦しさ」などの循環系症状です。

これらは心包が血脈を制御する働きと関係しており、心臓の循環が滞ると胸内に圧迫感や刺すような痛みが生じます。

特にストレスや怒りによって気血の流れが阻害されると、この症状が強まる傾向にあります。

また、心包経の流れが阻害されることで、「脇の腫れ」「季肋部のつかえ(脇腹あたりの詰まり感)」なども起こりやすくなります。

これは気滞(きたい)による症状で、日常的にため息が多くなったり、呼吸が浅くなったりするのもこのパターンです。

「手掌のほてり」や「上肢のひきつり」は、心包経が上肢前内側を通っていることに起因します。

とくに心火(しんか)と呼ばれる熱が盛んなとき、手のひらが熱くなったり、ピリピリしたりする感覚が起こりやすく、精神的な興奮やイライラと連動していることもあります。

さらに、心包は「神志(しんし=精神活動)」の安定にも関与するため、「精神不安定」「イライラ」「不眠」「情緒不安」などの精神症状が目立つこともあります。

特に更年期障害や月経周期に伴う感情変動といったケースでは、心包経の調整が効果的とされます。

顔色が赤くなるのも、心火亢進(しんかこうしん)による典型的な所見です。

火が上に昇りやすくなることで、顔に充血やほてり、発赤が現れるのです。

この場合、心包経の清熱を目的とした施術が有効とされます。

よく使われる経穴としては、「内関(ないかん)」「労宮(ろうきゅう)」「間使(かんし)」などがあります。

特に内関は心包経の絡穴であり、不整脈・動悸・胸内苦悶・不安・吐き気など、幅広い症状に効果がある万能穴として知られています。

国家試験では、「心臓部痛」「胸苦しさ」「手掌のほてり」「精神不安定」「顔色が赤い」などの記述から、心包経を選ばせる問題が出題されます。

心経との違いを問われることもあるため、「心=主に精神」「心包=循環と保護」と区別して覚えることがポイントです。

  • 心臓部痛、胸苦しさ(循環障害・気滞)
  • 脇の腫れ、季肋部のつかえ(気滞による詰まり)
  • 上肢内側のひきつり、手掌のほてり(経絡熱)
  • 精神不安定、不眠、イライラ(心火の上炎)
  • 顔色が赤い(心火亢進による充血)

次の文で示す経脈病証はどれか。 「上肢がひきつり、手掌のほてりがある。胸苦しく、精神的に不安定である。」

  1. 心包経
  2. 三焦経
  3. 心経
  4. 肺経

次の文で示す症状を訴えるのはどの経絡の病証か。 「腋窩部の腫れ、上肢のひきつれ、手掌のほてり及び季肋部のつかえ。」

  1. 手の少陽三焦経
  2. 手の太陽小腸経
  3. 手の厥陰心包経
  4. 手の陽明大腸経

足少陽胆経の病症

足少陽胆経(あししょうよう たんけい)は、外眼角(目尻)から始まり、側頭部・頬・耳の前・肩・体幹外側を経て、腰・臀部・大腿外側・下腿外側・足背を通って第4趾の外側に至る経絡です。

胆は「決断を司る」とされ、肝と表裏の関係にあり、情緒や筋の動き、消化、体内の気の流れに大きく関与します。

胆経の病症の特徴は、その走行に沿った「外側ラインの痛みやこわばり」です。

とくに、目尻・側頭部・顎関節・鎖骨上窩・体幹外側・下肢外側にかけての痛みや違和感が多くみられます。

これらは、胆経に沿った気血の停滞や風寒の侵入によって引き起こされ、偏頭痛、顎関節症、寝違え、側頭部神経痛などに関連します。

「第4趾の麻痺」は胆経の末端に起こる神経伝達の異常を示しており、長時間の立ち仕事やストレス、冷えによっても引き起こされます。

また、「寝返りが打てない」「側臥位がつらい」などの症状は、体幹外側の硬直や筋緊張の偏りが胆経に沿って起こることによって生じるものです。

「足外反しほてる」とは、下肢外側に熱感や張り、異常運動が起こる状態であり、これは胆経上の気血の不通または熱の偏在に起因します。

外反母趾や膝関節の外側痛、腸脛靭帯炎などとも関連があり、特に走行距離の多いスポーツ選手や長時間歩行者によく見られます。

胆は「疏泄(そせつ)」機能を助け、肝とともに気の流れや情緒を調整します。

このため、胆経に問題があると「よくため息をつく」「物事を決められない」「イライラしやすい」「口が苦い」など、精神・情緒症状も現れやすくなります。

これらは「胆虚」「胆火上炎」などの証と関連し、顔色がくすんでツヤがないといった美容的な変化にもつながります。

また、胆経の一部が頸部リンパ周囲を通過するため、「頸部のリンパ節の腫れや結核」といった症状との関連も東洋医学的に考えられています。

これは免疫力の低下、代謝の滞りによる体液循環不良の表れとも解釈されます。

臨床では、側頭部痛、顎関節症、五十肩、坐骨神経痛、足のむくみ、決断力の低下、不安感、月経異常などに対して胆経の調整を行うことがあります。

代表的な経穴には、「陽陵泉(ようりょうせん)」「環跳(かんちょう)」「足臨泣(あしりんきゅう)」などがあり、筋肉の緊張緩和や肝胆気鬱の解消に用いられます。

国家試験では、「体側の痛み」「第4趾の麻痺」「ため息」「口苦」「顔色がカサカサしてくすむ」「寝返りが打てない」などのキーワードで出題されることが多く、胆経であると判断できるようにしておきましょう。

  • 目尻、側頭部、顎関節、体側・下肢外側の痛み
  • 第4趾の麻痺、足外反・ほてり
  • 寝返りが打てない、筋緊張の偏り
  • 口が苦い、ため息、決断力の低下、怒りっぽさ
  • 顔色がくすみ、乾燥してツヤがない
  • 頸部リンパ節の腫れ・結核傾向

次の文で示す経脈病証はどれか。 「口が苦い、缺盆の部分と腋下が腫れ、膝の外側が痛む。」

  1. 胃経
  2. 胆経  
  3. 腎経
  4. 脾経

喉の腫れ、鼻出血および下の歯の痛みを呈する経脈病証はどれか。

  1. 三焦経
  2. 膀胱経
  3. 大腸経
  4. 胆経

手太陽小腸経の病症

手太陽小腸経(しゅたいよう しょうちょうけい)は、小指の外側から始まり、手の甲側、前腕・上腕の後面を上行して肩関節・肩甲部を通り、頚・顎・耳の前後をめぐって外眼角まで至る経絡です。

五臓六腑では「小腸」に属しており、主に消化吸収、清濁の分別とともに、体表の循環や熱の代謝にも関与します。

表裏関係にある「心」と密接に関連し、精神的・神経的な病態にも関係します。

手太陽小腸経に異常があると、「頚部の腫れ」や「首が振り向けない」「後屈がつらい」など、頚部の運動制限が特徴的に現れます。

これは経絡が頚の後面を通過するためで、肩こりや寝違え、むちうち後遺症などもこの経絡との関係が深いです。

また、「肩関節や上腕後面の激しい痛み」「肩甲間部の緊張」「腕を後ろに引きにくい」といった症状も小腸経の病証です。

四十肩や五十肩などの肩関節疾患、筋筋膜性疼痛、野球肩やテニス肘などでも関連経絡としてよく用いられます。

「喉・顎の腫れと痛み」も小腸経が通る部位で起こる代表的な症状です。

特に顎関節周辺を通ることから、顎関節症や咬筋の硬直、耳周辺のトラブル(中耳炎・耳鳴り・難聴)とも関係があります。

これらは熱証や気滞、筋緊張による循環障害によって生じることが多く、表裏関係にある心の熱が小腸に波及した場合などにも見られます。

さらに、頚部〜耳周囲の熱感、炎症、難聴なども小腸経のルート上に現れる症状であり、咽頭炎、扁桃炎、顎下リンパ節の腫れ、耳下腺炎(おたふく風邪)などの病態で用いられることもあります。

臨床では、「後頚部・肩関節後方の筋緊張」「腕の後面の痛み」「振り返れない頚部障害」などの際に、小腸経を中心とした施術が行われます。

代表的な経穴には、肩貞(けんてい)、天宗(てんそう)、小海(しょうかい)、支正(しせい)などがあり、局所の血流改善や熱の除去、経絡調整に有効です。

国家試験では、「頚の腫れ」「後ろを振り返れない」「肩・腕の後面の痛み」「のど・顎の腫れ」「難聴」などのキーワードが出た際に、小腸経を特定する問題が出題されます。

心経とのペアとして、心熱が小腸経に現れるルートも押さえておくと理解が深まります。

  • 頚の腫れ、振り向けない(頚部後面の経絡異常)
  • 肩・上腕後面の激しい痛み(五十肩、筋緊張)
  • 肩甲骨周辺の張り、腕の後ろ側のこわばり
  • のど・顎の腫れや痛み、顎関節の違和感
  • 耳周囲の異常(難聴、耳鳴り、中耳炎)

次の文で示す病証に関係する経絡はどれか。 「頸が腫れ、肩から上腕後内側を経て小指にいたる部位の激しい痛み、難聴がある。」

  1. 手の太陽小腸経
  2. 手の太陰肺経
  3. 手の少陰心経
  4. 手の陽明大腸経

朝起きたら下顎が腫れ、頸が回りにくくなった。この病証の経脈はどれか。

  1. 大腸経
  2. 胃経
  3. 三焦経
  4. 小腸経

次の文で示す経脈病証はどれか。 「首が腫れ、後ろを振り返ることができない。難聴があり、上肢後面内側が痛む。」

  1. 手の太陽小腸経
  2. 手の少陰心経
  3. 手の陽明大腸経
  4. 手の太陰肺経

経脈病証で難聴が起こるのはどれか。

  1. 手の陽明経
  2. 足の少陰経
  3. 手の太陽経
  4. 足の厥陰経

小腸経の経脈病証でみられるのはどれか。

  1. 頻尿
  2. 腰の痛み
  3. 腹部膨満感
  4. 下顎の腫れ

足陽明胃経の病症

足陽明胃経(あしようめい いけい)は、鼻の横から始まり、顔面、顎、前頸部、鎖骨上窩を経て体幹前面〜下肢前面〜足背を通り、第2趾に至る経絡です。

胃は「水穀の海」と呼ばれ、飲食物の受納と腐熟を担い、脾と協力して気血生化の源となる大切な臓腑です。

足陽明胃経はこの胃の機能と深く関係し、消化器症状のみならず、顔面部や前面ラインの症状に影響を及ぼします。

まず目立つのが、「顔面の麻痺」「前頸部の腫れ」です。

これは胃経が顔面〜顎〜頸部を通るため、顔面神経麻痺(ベル麻痺)、三叉神経痛、咬筋のこわばり、顎関節症、甲状腺腫大、耳下腺炎などの病態に関連します。

表情筋がうまく動かない、話しづらい、飲み込みにくいといった不調も、このルート上で起こります。

「前胸部・腹部・ソケイ部・下肢前面・足背の痛み」も、胃経の走行部に沿って現れます。

特に胸の圧迫感、心窩部のつかえ、下腹部の張り、鼠径部痛、大腿四頭筋のこわばりなどは、気滞や寒熱による局所循環の障害により生じるとされます。

また、「鼻出血(鼻血)」も代表的な症状です。

これは胃熱が上逆し、鼻の粘膜に熱をこもらせることで出血が生じると東洋医学では考えます。

胃熱はまた口内炎、歯の痛み、のどの乾燥にもつながり、顔面の火照り、目の充血なども伴うことがあります。

「消化吸収の異常」も当然ながら胃経の代表的な病症であり、食欲不振、過食、胃もたれ、腹部膨満、ゲップ、嘔吐、下痢、便秘といった症状が含まれます。

脾胃虚弱や胃熱、湿邪の停滞など、証により多様なパターンで出現します。

さらに興味深いのは、「躁状態・うつ状態」といった精神神経症状も現れる点です。

胃経は脾とともに「後天の気」を支える重要な経絡であり、気血の生成が滞ると心神不安定となりやすく、精神の浮き沈みが起こるとされています。

これは現代的には、自律神経失調症やうつ病、不安神経症などにも対応する概念と考えられます。

臨床でよく使われる経穴には、足三里(あしさんり)、上巨虚(じょうこきょ)、梁丘(りょうきゅう)、地倉(ちそう)などがあり、胃経の機能を高め、消化器症状や精神面の安定、顔面の循環改善など多岐にわたり応用されます。

国家試験では、「顔面の麻痺」「前頸部の腫れ」「鼻出血」「下肢前面の痛み」「躁状態・うつ状態」「消化器の異常」などが選択肢に現れ、足陽明胃経を特定させるパターンが頻出です。

特に顔面の症状+消化器症状というセットで覚えておくと識別しやすくなります。

  • 顔面の麻痺、三叉神経痛、前頸部の腫れ(甲状腺など)
  • 前胸部、腹部、ソケイ部、下肢前面、足背の痛み(経絡の気滞)
  • 躁状態、うつ状態(胃気失調による神志不安)
  • 鼻出血、のどの乾燥、歯の痛み(胃熱上炎)
  • 消化吸収の異常(胃弱、胃熱、湿滞など)

次の文で示す経脈病証はどれか。 「顔面の麻痺、下腿前面外側と足背の痛み。」

  1. 胆経
  2. 胃経
  3. 肝経
  4. 大腸経

手陽明大腸経の病症

手陽明大腸経(しゅようめい だいちょうけい)は、示指(人差し指)の外側から始まり、上肢外側〜肩〜頸部〜顔面を通って鼻の外側まで達する経絡です。

大腸は「水分の吸収と糟粕(そうはく=便)の排出」を担当し、肺と表裏の関係にあります。

肺の「宣発・粛降(せんぱつ・しゅくこう)」と協調して、体表の免疫(衛気)や皮膚の機能にも関与することから、大腸経には消化器症状だけでなく、皮膚・粘膜・頭頸部の症状が出やすいとされています。

大腸経の異常でまず目立つのが「喉の腫れや痛み」です。これは経絡が喉のあたりを通るためで、咽頭炎、扁桃炎、風邪の初期症状などで現れます。

また、「歯の痛み」や「鼻出血」も、顔面部に走行する大腸経の病症に含まれ、特に上顎の臼歯部や鼻腔粘膜の炎症、過敏反応などが関係します。

「上肢外側の痛み」も代表的な症状です。

肩から腕、肘、手首にかけての外側(橈側)に沿った筋肉痛や神経痛は、大腸経に沿った気血の滞りが関与しており、テニス肘や外側上顆炎、頸肩腕症候群などでもよく見られます。

これに関連して、「示指の痛み」も大腸経の末端部の症状として重要です。

特にパソコン作業やスマホの使いすぎによる腱鞘炎や、関節リウマチ、変形性関節症などが臨床的に関連する場合もあります。

さらに、大腸経の熱が上昇した場合には、「鼻血」「のどの渇き」「顔の火照り」「歯茎の腫れ」などの熱証が現れやすくなります。

これは東洋医学でいう「陽明熱証(ようめいねっしょう)」とされ、特に大腸の実熱・風熱タイプで現れます。

精神面では、肺・大腸の関係から「便秘によるイライラ」や「思考の停滞」「物事に固執する」といった傾向も大腸経の失調として捉えることができます。

特に大腸が排泄を司るという性質から、感情の詰まりも象徴的にあらわれることがあります。

臨床でよく使われる大腸経の経穴には、「合谷(ごうこく)」「手三里(てさんり)」「曲池(きょくち)」などがあります。

これらは頭頸部疾患(鼻炎・咽頭炎・歯痛・顔面神経麻痺)や上肢の痛み・こわばり、さらには便秘・下痢といった腸管機能の調整にも有効です。

国家試験では、「喉の痛み」「上肢外側の痛み」「人差し指の痛み」「歯の痛み」「鼻出血」といった症状が並んだときに、大腸経と判断できるようにしておくことが重要です。

特に肺経と対になることを意識すると、鑑別にも役立ちます。

  • 喉の腫れ・痛み、咽頭炎、扁桃炎
  • 上肢外側の痛み(テニス肘、橈側の神経痛)
  • 示指の痛み、関節の腫れ・こわばり
  • 歯の痛み(特に上顎)、歯茎の腫れ
  • 鼻出血、顔面の熱感・ほてり

喉の腫れ、鼻出血および下顎歯の痛みはどの経絡病証か。

  1. 足の少陽胆経
  2. 手の太陰肺経
  3. 足の太陽膀胱経
  4. 手の陽明大腸経

次の文で示す経絡病証について適切なのはどれか。 「歯痛、鼻出血、のどの痛み、上肢外側の痛み。」

  1. 胆経
  2. 肺経
  3. 大腸経
  4. 肝経

経脈病証で、喉に症状があり、外側前腕皮神経の支配領域に痛みがあるのはどれか。

  1. 手の太陽経
  2. 手の少陽経
  3. 手の陽明経
  4. 手の少陰経

経脈病証で「前頸部が腫れ、口がゆがみ口すぼめができず、うつ傾向にある」のはどれか。

  1. 足の少陽経病証
  2. 手の少陰経病証
  3. 手の太陰経病証
  4. 足の陽明経病証

足太陽膀胱経の病症

足太陽膀胱経(あしのたいよう ぼうこうけい)は、目頭から始まり、頭頂部・後頭部を通って項部へ至り、体幹後面(二行)を走行し、仙骨部・臀部を経て下肢後面を下行、最終的に第5趾外側へ至る非常に長い経絡です。

膀胱は「津液の貯蔵と排泄」を担い、腎と表裏関係にあります。

また、膀胱経は経筋・経別・膀胱兪など多数の経穴を有し、身体背面の重要な調整ラインとして活用されます。

この経絡に異常が起こると、まず特徴的なのは「頭頂部や後頭部の痛み」です。

これは膀胱経が頭部を縦断するためで、片頭痛、緊張型頭痛、後頭神経痛、寝違えなどの症状としてよく見られます。

特に後頭部の鈍い痛みは、寒邪や瘀血による膀胱経の気血の滞りと解釈されます。

また、「背部・腰部・殿部・下肢後面の痛み」は膀胱経の大きな特徴です。

この経絡は脊柱沿いを上下に走行しているため、頸肩こり、肩甲間部の張り、背筋のこわばり、腰痛、坐骨神経痛、ふくらはぎのつっぱりといった広範囲の筋緊張・疼痛に関係します。

「第5趾の麻痺」も膀胱経の末端に見られる末梢神経障害であり、腓骨神経や足底の血流障害とも関連が考えられます。

歩行時の不安定感、靴が当たって痛むといった症状も含まれます。

膀胱経の影響は「脊柱」にも及びます。

膀胱経には督脈と並行して背部の重要な経穴(肺兪・心兪・腎兪など)が存在し、自律神経失調症、便秘、内臓疲労など、内臓諸器官の反応点としての活用も盛んです。

「脊柱の痛み」や姿勢異常、冷えのぼせなどの改善にも有効です。

「目の痛み」や「視界のぼやけ」も膀胱経のルート上で出現する症状です。

目頭を起点とすることから、眼精疲労やドライアイ、結膜炎などにも関連し、風寒の侵襲によって急性症状が起こるケースもあります。

「鼻出血」も膀胱経の熱が上昇した場合に出る代表的な症状です。

目頭〜前額部にかけてのルートが炎症を帯びることで、鼻粘膜が傷みやすくなり、乾燥や出血が生じやすくなります。

「痔」や「おこり(ヒステリー様発作)」も膀胱経の異常に含まれます。

痔は膀胱経が肛門付近を通るため、うっ血や熱邪が集中しやすく、脱肛、便秘、出血を引き起こす要因となります。

「おこり」は古典的表現で、精神不安、神経過敏、ヒステリー反応などを指し、膀胱経が神経系・泌尿器系に影響することから、精神神経症状も含まれると考えられます。

代表的な経穴には、「崑崙(こんろん)」「膈兪(かくゆ)」「腎兪(じんゆ)」「承山(しょうざん)」などがあり、腰背部の緊張緩和、下肢の血流改善、自律神経の調整、排尿障害などに応用されます。

国家試験では、「後頭部痛」「背部〜下肢後面の痛み」「第5趾の麻痺」「痔」「鼻出血」「精神異常(おこり)」などのキーワードから膀胱経を選ばせる問題が出題されます。

背面ライン=膀胱経という図式をしっかり押さえておきましょう。

  • 頭頂部・後頭部の痛み(風寒や気滞による)
  • 体幹・下肢後面の痛み、こわばり(坐骨神経痛など)
  • 第5趾の麻痺、足底の違和感
  • 脊柱の痛み、自律神経の乱れ、姿勢異常
  • 目の痛み・ぼやけ、鼻出血(熱の上昇)
  • 痔、おこり(ヒステリー様発作、精神不安)

次の文で示す経絡病証について適切なのはどれか。 「目の痛みが強く、頭痛もある。背中は張って腰は折れんばかりに痛み、下腿後面の筋がひきつれる。」

  1. 膀胱経
  2. 胆経
  3. 腎経
  4. 肝経

「55歳の女性。1か月前から大腿部・下腿部の後側にだるい痛みがあり、その部位を押さえると痛みは和らぎ、気持ちが良い。」 本症例の経脈病証はどれか。

  1. 膀胱経
  2. 肝経
  3. 胆経
  4. 腎経

経脈病証で咽喉の症状がみられないのはどれか。

  1. 手の陽明経脈
  2. 足の陽明経脈
  3. 足の太陽経脈
  4. 手の太陽経脈

足の太陽膀胱経の病証はどれか。

  1. 側頭部・体幹外側・下肢外側の痛み、顔色のくすみ
  2. 腰部・大腿・下腿内側の痛み、顔色の黒ずみ
  3. 前頭部・後頭部・脊柱の痛み、精神異常
  4. 前胸部・腹部・鼠径部の痛み、顔面の麻痺

足の太陽経の経脈病証でみられるのはどれか。

  1. 下肢外側のほてり
  2. 季肋部の腫れ
  3. 腓腹筋の痛み
  4. 腹部膨満感

手少陽三焦経の病症

手少陽三焦経(しゅしょうよう さんしょうけい)は、三焦という「六腑のひとつ」に属する経絡で、耳の後ろから始まり、側頭部・頬部を経て肩上部を通り、上腕・前腕の後面を下行して第4指(薬指)まで至ります。

経絡の走行が耳・頬・肩・上肢後面にわたることから、これらの部位に現れる症状が多く、特に頭頚部や聴覚・咽喉・腕のトラブルと関連が深いのが特徴です。

「耳後~肩上部~上肢後面の痛み」は、三焦経の典型的な走行に沿った症状であり、頚肩部のコリ、五十肩、上腕三頭筋の張り、腕のしびれなどが含まれます。

また、仕事やスマホ操作などで長時間腕を使う方にも頻繁に見られる症状です。

慢性的な肩こりや肩甲骨周囲の緊張も三焦経の経過に一致します。

「第4指(薬指)の麻痺」は末梢神経症状のひとつであり、三焦経が薬指に終わることに由来します。

しびれ、感覚の低下、運動障害などが見られる場合、頚部や肩からの関連痛・神経圧迫も疑われ、手根管症候群や肘部管症候群などとの鑑別も必要です。

「目尻からの頬の痛み」は、三焦経が外眼角(目尻)から頬を通ることによる症状です。

側頭筋の緊張、顎関節の不調、顔面神経痛の一部などが関連し、顔のこわばりや表情筋の不快感にも関係します。

「難聴」や「耳鳴り」は、三焦経が耳周囲をめぐるために起こる代表的な症状です。

特に中医学では「耳は腎の開竅」とされる一方、三焦の経絡も外耳・中耳・内耳との関連が強く、ストレスや気滞、湿熱による耳症状の改善には三焦経の調整が重要となります。

「咽頭・喉頭の炎症」も三焦経の重要な徴候です。

咽の痛み、乾燥、かすれ声、イガイガ感などが出現し、急性咽頭炎や声帯疲労といった現代的病名に相当します。

三焦経の内在的な「気の通り道の滞り」がある場合、こうした上気道系の不調として現れやすいのです。

「汗」については、三焦が全身の水液代謝と関連する経絡であるため、自汗・盗汗・無汗など発汗異常にも関係があるとされます。

特に、ストレス性の自律神経失調や、上半身ののぼせ・発汗に三焦経が関係しているケースが見られます。

三焦経の主な経穴には、「外関」「中渚」「翳風」などがあり、肩こり・難聴・顔面痛・咽頭炎など多様な症状に活用されます。

また、陽維脈や陽蹻脈との交会により、奇経との関係性も深く、幅広い臨床応用が可能です。

国家試験では、「肩・上腕後面の痛み」「第4指の麻痺」「耳鳴・難聴」「咽頭痛」「目尻から頬の痛み」などの症状から三焦経を選ばせる問題が出題されます。

耳と肩と第4指というキーワードを必ずセットで覚えておきましょう。

  • 耳後〜肩・上腕後面の痛み、張り
  • 第4指(薬指)のしびれ・麻痺
  • 目尻〜頬の痛み、顔面神経痛
  • 難聴、耳鳴り(気滞や湿熱)
  • 咽頭の痛み、かすれ声、喉の違和感
  • 自汗・盗汗・無汗などの発汗異常

次の文で示す経脈病証はどれか。 「耳鳴りがして音が聞こえにくい。目尻から頬にかけて痛み、発汗を呈する。」

  1. 胆経
  2. 小腸経
  3. 腎経
  4. 三焦経

次の文で示す経絡病証で適切なのはどれか。 「難聴、耳鳴り、のどの腫れ、上肢の後側から第4指に沿った痛み。」

  1. 心経
  2. 三焦経
  3. 肺経
  4. 胃経

次の文で示す経絡病証はどれか。 「咽頭・喉頭に炎症があり、耳鳴りがする。汗をよくかき薬指がしびれる。」

  1. 心包経
  2. 三焦経
  3. 大腸経
  4. 小腸経

次の文で示す経脈の病証はどれか。 「48歳の女性。発汗、喉の腫れがあり、耳が聞こえにくく、耳鳴りが続く。」

  1. 足の少陰経
  2. 手の太陽経
  3. 手の少陽経
  4. 足の陽明経

経脈病証で「顔がくすみ、皮膚がかさかさして艶がない。口が苦く、よくため息をつく。痛みで寝返りが打てない。」のはどれか。

  1. 手の太陽経病証
  2. 手の太陰経病証
  3. 足の厥陰経病証
  4. 足の少陽経病証

次の文で示す経脈の病証はどれか。 「48歳の女性。発汗、目尻から頬の痛みがあり、耳鳴りが続き耳が聞こえにくい。」

  1. 足の陽明経
  2. j手の太陽経
  3. 足の少陰経
  4. 手の少陽経

🌟奇経八脈病症

奇経八脈(きけいはちみゃく)は、十二正経とは別に存在する八つの経脈で、全身の気血のバランスを調整し、特定の部位や生理機能に深く関与する重要な経路です。

これらの経脈は特定の臓腑には属さず、いわば「経脈の調節役」としての働きを担っています。

以下に、それぞれの奇経に現れる病症の特徴をまとめて解説します。

督脈(とくみゃく)の病症

督脈は「陽脈の海」とも呼ばれ、背骨に沿って流れる経脈です。

背部や脊柱、頭部に異常が現れることが多く、以下のような症状を示します。

  • 背骨のこわばりや頭痛、足の冷え、足の痛み
  • 痔(肛門部のうっ血や痛み)
  • 下腹部から胸部にかけて突き上げるような痛み、心痛
  • むくみ、水腫、遺尿、不妊(特に女性)

任脈(にんみゃく)の病症

任脈は「陰脈の海」とも称され、身体の前面中央を通り、生殖や内分泌に関係します。

主に下腹部〜胸部にかけての不調が現れやすいです。

  • 男性の疝気(そけい部痛)
  • 女性の帯下、月経不順、無月経
  • 腹部皮膚の痛み、かゆみ(皮膚疾患)

衝脈(しょうみゃく)の病症

衝脈は「血海」と呼ばれ、気逆の症状や消化器・月経異常と関係します。

  • 逆気(悪心、嘔吐、頭痛、めまい)
  • 下痢(脾胃不和を伴う)

帯脈(たいみゃく)の病症

帯脈は、唯一の横走する経脈で、腹部と腰部の安定性に関与します。

  • 腹部膨満感(お腹が張る)
  • 腰がフワフワし、水の中に座っているような不安定感

陽蹻脈(ようきょうみゃく)の病症

陽蹻脈は運動・覚醒・筋緊張に関係します。

主に下肢外側や後半身の症状として現れます。

  • 下肢内側の弛緩と外側のひきつり(陽が過剰で陰が不足)
  • 体の後面がつっぱる、前面が弛緩する
  • 目の痛み、開瞼困難(陽蹻は眼瞼にも関与)

陰蹻脈(いんきょうみゃく)の病症

陰蹻脈は眠気・静寂・内側の緊張と関係し、陽蹻脈と対を成します。特に前半身に筋緊張が偏る場合に症状が出ます。

  • 下肢外側の弛緩と内側のひきつり
  • 体の前面がつっぱり、後面が緩む

陽維脈(よういみゃく)の病症

陽維脈は陽気のバランス調整と関係があり、外邪による寒熱往来(交互に寒気と熱感を繰り返す)などに関連します。

  • 寒熱に苦しむ(往来寒熱)

陰維脈(いんいみゃく)の病症

陰維脈は心・胸部の調和に関与し、陰血の不足や気の逆流による胸痛が現れやすいです。

  • 心痛(心臓部の痛み)
  • 督脈:背部硬直、頭痛、痔、むくみ、不妊
  • 任脈:疝気、帯下、月経異常、皮膚のかゆみ
  • 衝脈:逆気(嘔吐・頭痛)+下痢
  • 帯脈:腹の張り、腰部の不安定感
  • 陽蹻脈:外側ひきつり、目の痛み
  • 陰蹻脈:内側ひきつり、前面の緊張
  • 陽維脈:寒熱の往来
  • 陰維脈:心臓部の痛み

経絡について誤っている記述はどれか。

  1. 経脈は奇経八脈、十二経別をも含んでいる。
  2. 経絡は経脈、絡脈、孫絡で構成される。
  3. 十二経脈は三陰三陽に分類される。
  4. 奇形八脈は表裏関係を有する。

経絡病証で背骨のこわばり、頭痛の症状を呈するのはどれか。

  1. 帯脈
  2. 督脈
  3. 衝脈
  4. 任脈

陽経の気血を調節するのはどれか。

  1. 任脈
  2. 督脈
  3. 衝脈
  4. 帯脈

任脈病証に含まれるのはどれか。

  1. 関節腫脹
  2. 手足の麻痺
  3. 頭痛
  4. 月経異常

次の文で示す奇経八脈病証はどれか。 「腹がはり、腰は弛緩して、力が入らず、水の中に座っているような無力と寒気を覚える。」

  1. 任脈
  2. 督脈
  3. 衝脈
  4. 帯脈

陽蹻脈病証の症状はどれか。

  1. 目の痛み
  2. 月経異常
  3. 排尿障害
  4. 下痢

下肢と体幹の両側の陰陽を調節し、下肢の陰経と陽経の協調に関与するのはどれか。

  1. 陽維脈
  2. 陽蹻脈
  3. 督脈
  4. 帯脈

🌟経筋の病症

経筋(けいきん)は、十二経脈に付随する浅い筋膜・筋肉の流注で、「経筋病」とも呼ばれる筋肉・腱の緊張やこわばり、痛みなどを通して病証をあらわします。

経絡に比べて表層にあり、主に運動器系の異常や疼痛と関係します。

経筋はそれぞれの正経に対応し、「手の三陰経筋」「手の三陽経筋」「足の三陰経筋」「足の三陽経筋」のように、四肢の部位と流注の結びに応じて分類されます。

以下に、それぞれの経筋が示す典型的な病症を整理してご紹介します。

足の三陰経筋

足の三陰(太陰脾経・少陰腎経・厥陰肝経)に属する経筋は、内側の下肢から骨盤部、陰部へと流注し、下腹部や内股の不調に現れます。

  • 足の内側のつっぱり、痙攣、痛み
  • 陰部のひきつり、収縮感
  • 下腹部の緊張、排尿障害、月経不順

足の三陽経筋

足の三陽(陽明胃経・少陽胆経・太陽膀胱経)は、足の外側や後面から上行し、顔面・頬部にまで達します。

歩行時のつっぱり感や顔面の痛み、視覚異常にも関係します。

  • 下肢外側・後面の緊張や痛み
  • 膝関節、股関節の可動域制限
  • 顔面のひきつり、頬部の痛み、眼精疲労

手の三陰経筋

手の三陰(太陰肺経・少陰心経・厥陰心包経)に属する経筋は、前腕内側から胸部(心下)へと連なり、呼吸や循環器の症状とも関連がみられます。

  • 前腕や上腕内側の筋緊張・こわばり
  • 胸部圧迫感、息苦しさ
  • 心下部の痞え、動悸、不整脈様の違和感

手の三陽経筋

手の三陽(陽明大腸経・少陽三焦経・太陽小腸経)は、上肢外側から肩・頸部・側頭部へと連なります。

特に肩こりや側頭部痛、頸部の可動制限に関連します。

  • 上腕・前腕外側の筋緊張や痛み
  • 肩や肩甲骨まわりのこわばり
  • 側頭部の痛み(偏頭痛)、耳鳴り
  • 足の三陰:内股・陰部のひきつり、下腹部の異常
  • 足の三陽:足の後面の痛み、頬や目の不調
  • 手の三陰:前腕内側~心下の圧迫感・動悸
  • 手の三陽:肩こり、上肢外側の痛み、側頭部痛

経筋は、筋膜・筋肉の張力異常として現れやすく、スポーツ障害やストレス性筋緊張、姿勢性不調の評価にも応用されます。

局所の痛みだけでなく、連動する筋群の緊張を全体的に観察することが大切です。

心下付近に結ぶ経筋はどれか。

  1. 手の三陰
  2. 手の三陽
  3. 足の三陽
  4. 足の三陰

🌟まとめ

本記事では、東洋医学における「十二経脈病症」、「奇経八脈病症」、「経筋病症」について、それぞれの経絡がもたらす症状の特徴を解説しました。

これらは鍼灸の臨床において、症状の根本原因を探る「弁証論治」の重要な手がかりとなります。

それぞれの視点の違いとは?

  • 十二経脈病症:各経絡のルートに沿った実質的な病的反応(痛み・麻痺・炎症など)を示す
  • 奇経八脈病症:ホルモン・自律神経・女性疾患など、調節機能の乱れに起因する広範な症状を示す
  • 経筋病症:筋肉・腱・筋膜の張りやこわばりなど、運動器に関するトラブルを表す

たとえば、「下肢の外側が痛い」という訴えに対しても、胆経の経脈病かもしれませんし、足の少陽経筋の異常かもしれません。

あるいは、帯脈の病症で腰が冷えて緩んでいる状態かもしれません。

このように、同じ部位の痛みであっても経絡的な分類で捉えると、多様な背景とアプローチが見えてきます。

国家試験対策としてのポイント

あはき師国家試験では、各経脈・奇経・経筋に関連する病症が単独で出題されることもあれば、類似症状を並べた選択肢で識別を求められる問題もあります。

  • 「肩の後ろが痛い」→小腸経・三焦経・小腸経筋・手の三陽などに関連
  • 「月経異常がある」→任脈・衝脈・帯脈など女性特有の奇経に注目
  • 「痔・足冷え・むくみ」→督脈・膀胱経・足太陽経筋などが選択肢に

単純な暗記ではなく、それぞれの経絡が体のどこを通り、どんな症状を現すかを、イメージしながら関連づけて覚えると理解が深まります。

実践での活用例

Kagayaの訪問施術やシェアサロンでは、耳診・舌診・脈診などの四診と併せて、こうした経脈病症の知識をもとに問診・見立てを行っています。

  • 耳の外側に反応がある→胆経や三焦経の滞り
  • 舌の縁が赤く乾いている→肝胆経の熱証
  • 寝返りできない・体側痛→足少陽胆経筋の異常

東洋医学の診察は「全体をみて、局所を決める」アプローチです。

どの経絡に病があるかを見極めれば、必要な経穴やお灸の位置も自然と決まってきます。

東洋医学を学ぶうえで、経絡の病証は必ず通る道です。覚えることは多いですが、理解してしまえば一生役立つ知識となります。鍼灸師、看護師、介護職、どの立場でも応用できるので、ぜひ臨床でも意識してみてください。

-東洋医学