
こんにちは。
プライマリ・ケアサポート きらぼし、鍼灸師・看護師のKagayaです。
このたび、地域の訪問看護ステーションや鍼灸院との連携を通じて、医療保険を活用した「鍼灸×看護」のハイブリッドケアを正式にスタートいたしました。
これまでKagaya]自身、鍼灸師として自費施術を中心に行おうと思いましたが、慢性の不調を抱える方や、医療的ケアが必要なお子さんを育てているご家庭と関わるなかで、「もっと継続的に支援できる仕組みはないか?」と模索してきました。
特に、医療的ケア児や重症心身障がい児など、在宅生活を支える家族にとって、ケアの選択肢が限られている現状は、看護師としても強く感じていた課題です。
東洋医学の視点からできるアプローチと、西洋医学的な看護ケア。
両方の視点を持つKagayaだからこそ、もっとやれることがあるのではないか――。
そんな想いから、地域の訪問看護ステーションや信頼できる鍼灸院と連携し、医師の指示・同意のもとで、保険適応による「訪問鍼灸」および「訪問看護」を開始できる体制を整えました。
「鍼灸」と「看護」。
制度上はまったく異なる領域ですが、どちらも目指すのは、「その人らしい日常」を支えること。
自費ではどうしても限られていたケアが、医療保険を活用することで、より身近に、より継続的に届けられるようになったのは、地域で暮らす多くの方にとっても大きなメリットになると感じています。
この記事では、実際に始まった「鍼灸×看護ハイブリッドケア」について、その内容・利用方法・対象者などを詳しくご紹介していきます。
ご本人だけでなく、ご家族の不安や負担を軽減する一つの選択肢として、どうぞ参考にしていただけたら嬉しいです。
まずは、「鍼灸×看護ハイブリッドケア」とは何か? からご説明していきますね。
🌟 鍼灸×看護ハイブリッドケアとは?
「鍼灸と看護を同時に受けられる」と聞くと、不思議に思われる方も多いかもしれません。
実際、「それって同時にやっていいの?」「どちらの資格で来ているの?」と聞かれることもしばしばあります。
このハイブリッドケアは、ひとりの施術者(私Kagaya)が、看護師と鍼灸師という2つの国家資格を持っているからこそ実現できるサービスです。
ただし、制度上「同時に行う」ことはできず、それぞれ明確に分けてケアを提供しています。
たとえば、バイタルチェックや状態観察、関節可動域訓練、排痰ケア、医療的ケアのモニタリングなどは「訪問看護」として行います。
一方で、経絡の流れや五臓六腑のバランスに着目し、やさしい刺激で体の巡りを整えるお灸や小児鍼は「訪問鍼灸」として実施しています。
どちらも医師からの「訪問看護指示書」または「鍼灸同意書」が必要となり、制度上は完全に別枠で動いています。
このように分けて考えることで、それぞれの制度や保険点数、提供できる内容をしっかり守りつつ、患者さんやご家族にとっては「ひとつながりの安心ケア」として受け取っていただけるような支援体制を目指しています。
とくに、以下のようなケースにおいて、このハイブリッド型は大きな効果を発揮します。
- 慢性的な疼痛や不定愁訴があり、薬だけでコントロールしにくい方
- 医療的ケア児や重度障がい児など、複雑なケアが必要なお子さん
- 高齢者の認知症や廃用症候群などに伴う多面的な不調
たとえば、訪問看護でバイタルや状態観察を行ったあとに、別の日程で鍼灸施術を組み合わせることで、「身体の外からも内からも整える」ようなアプローチが可能になります。
鍼灸には交感神経の興奮を抑えて自律神経を整える作用や、体性-内臓反射を通じた内臓機能の調整効果もあり、西洋医学的な看護では届きにくい領域へのサポートが可能です。
逆に、看護師としての専門性を活かして、急変リスクの把握や感染対策、医療的ケアの適切な介入など、東洋医学だけではカバーできない部分を支えることもできます。
このように、制度は別でも、ケアの目的は共通しています。
それは、「その人がその人らしく暮らせるための支援」。
鍼灸と看護、それぞれの得意分野を活かしながら、必要な方に届けられるよう、今後も制度とのバランスを大切にしつつ取り組んでいきます。
🌟 訪問鍼灸について(保険適応)
訪問鍼灸とは、ご自宅で受けられる鍼灸治療のことを指し、寝たきりや歩行困難な方を対象に、医師の同意書があれば健康保険の適用が可能となる制度です。
たとえば、脳梗塞後遺症による麻痺、パーキンソン病、変形性関節症、リウマチなどによる関節拘縮や疼痛がある方などが該当します。
「外出が困難な方でも、東洋医学の力で日常生活の質(QOL)を上げていく」。
それが訪問鍼灸の大きな目的です。
ただし、制度の運用にあたってはいくつかの手続きとルールがあります。
特に重要なのが、「医師の同意書」と「保険請求方法の種類」です。
現在、訪問鍼灸の保険請求には以下の2つの方法があります。
🌀 償還払い方式
この方式では、患者さんがいったん施術費用の全額を自費で支払い、その領収書や書類を添えてご自身で保険者(市区町村や保険組合など)に申請し、後日一部を払い戻してもらう流れです。
この形式であれば、施術者が施術管理者でなくても可能なため、現在の私Kagayaの立場でもご提供は可能です。
ただし、患者さん自身の事務手続き・立て替え負担が大きいというデメリットがあります。特に高齢の方や障がい児のご家庭では、この手間が大きなハードルとなってしまうのが現状です。
🌀 受領委任払い方式
一方で、より一般的に利用されているのがこの方式です。
保険者が施術者へ直接保険分を支払うため、患者さんは1〜3割の自己負担のみで施術が受けられます。
非常に便利な制度ですが、こちらは「施術管理者」としての登録(要実務経験3年、研修修了など)が義務づけられており、Kagaya自身は現在その登録条件を満たしておりません。
そのため現時点では、受領委任払いをご希望の方には、提携している鍼灸院を通じてご案内しています。
Kagaya自身がケアに関わりながら、施術管理者の資格を持つ信頼できる先生と連携してご自宅に伺う形をとっています。
なお、訪問鍼灸では刺激が強すぎない、やさしい施術を基本としています。
- 小児鍼(刺さない鍼)
- てい鍼やローラー鍼
- 皮膚上からの温熱刺激(お灸)
- 経絡・ツボを活かしたタッチケア
対象となるお子さんには、てんかんや医療的ケア(胃瘻・呼吸器など)を抱えるケースもありますが、医師と連携しながら安全に配慮した施術計画を立てています。
また、施術の前後には看護師としての視点からバイタルチェックや体調確認を行い、ご家族にも安心していただけるよう努めています。
東洋医学の力で、「つらさをゼロにはできなくても、毎日を少し楽に、少し笑顔で」。
それが訪問鍼灸のめざす姿です。
🌟 訪問看護について(保険適応)
訪問看護は、病気や障がいを抱えながらご自宅で生活されている方に対し、医師の指示書に基づいて提供される医療保険サービスです。
Kagayaは現在、地域の訪問看護ステーションに所属し、看護師として訪問看護サービスを提供しています。
訪問看護を受けるには、まずかかりつけの医師に「訪問看護指示書」を発行してもらい、看護ステーションと利用者さまとの契約を結ぶ必要があります。
その後、医師の指示に沿って定期的な訪問を行い、以下のようなケアを行っています。
- バイタルサインのチェック:体温・血圧・脈拍・呼吸などを測定し、体調の変化をいち早く察知します。
- 症状や疼痛の観察:痛み、不安、食欲、眠気など日常的な不調を細かく把握し、必要に応じて医師に報告します。
- 関節可動域訓練(ROM訓練):拘縮予防や筋力低下防止のためのリハビリ的アプローチも行います。
- ご家族の支援・相談対応:介護方法やお薬の管理、医療機器の使い方などについて一緒に考え、心のケアも含めて寄り添います。
このように、訪問看護は医学的な視点からの生活支援であり、病状の安定化や急変予防、介護負担の軽減を目的としています。
訪問看護の中では、あくまでも「看護師」としての業務を提供しており、鍼灸施術は行いません。
なぜなら、鍼灸は医師の「同意書」に基づく保険制度で、訪問看護は医師の「指示書」に基づく制度と、制度そのものが異なるためです。
そのため、Kagayaが看護師として伺う訪問看護では、鍼やお灸などの東洋医学的アプローチは行わず、西洋医学の知識と技術を用いたケアに専念しています。
特に、医療的ケア児や重症心身障がい児などの訪問では、経管栄養や吸引、気管切開管理などの高度な医療処置にも対応可能です。
必要に応じて、地域の主治医や薬局、リハビリ職、学校・施設などと連携を取りながら支援を行います。
また、訪問看護は24時間対応体制が組まれていることが多く、夜間や休日も緊急時には連絡・対応が可能な体制となっているため、在宅療養の安心感を大きく支える存在でもあります。
Kagaya自身も、日々の訪問で大切にしているのは、単なる医療行為ではなく、「人と人」としてつながる時間です。
ご本人の言葉にならない不安や、ご家族の「こんなこと聞いていいのかな?」という小さな疑問にも、やさしく、ていねいに寄り添えるよう心がけています。
西洋医学の枠組みの中で、できることをしっかり行う。その上で、東洋医学や鍼灸が必要な場合には別枠でご案内し、「両方の視点」でサポートできるのがKagayaの強みです。
医療的ケアやリハビリが必要だけど、なるべく自宅で安心して暮らしたい。
そんな方やご家族の支えになれるよう、訪問看護の現場でも全力で取り組んでいます。
🌟 ご利用の流れ
「鍼灸×看護ハイブリッドケアって、どうやって始めればいいの?」
このようなご質問を多くいただきます。
実は、訪問鍼灸と訪問看護では、それぞれに異なる手続きや必要書類があります。
以下に、それぞれの流れをわかりやすくご説明します。
🔹 訪問鍼灸(保険適応)の流れ
- ご相談
まずは公式LINEやお問い合わせフォームより、お身体の状態やご希望をお聞かせください。 - 医師の同意書取得
対象となる疾患(神経痛、リウマチ、腰痛症、五十肩、頸腕症候群、頚椎捻挫後遺症など)がある場合は、主治医に「鍼灸同意書」の発行を依頼していただきます。必要であればKagayaから医師宛の依頼状をご用意いたします。 - 提携鍼灸院との契約
保険請求の形式(償還払い or 受領委任)に応じて、提携する施術管理者(鍼灸院)との契約を行っていただきます。 - 訪問鍼灸開始
ご契約後、Kagayaが施術者としてお伺いし、東洋医学的アプローチに基づいたやさしい刺激でケアを行います。
同意書の発行に不安がある方は、Kagayaが医師との連携をサポートしますのでご安心ください。
🔹 訪問看護(保険適応)の流れ
- ご相談
訪問看護をご希望の方も、まずはLINEまたはお電話で現在の状態や困っていることをお知らせください。 - 医師の訪問看護指示書の発行
主治医に、訪問看護指示書を作成していただきます(慢性疾患・医療的ケア・リハビリ・看取り等が対象)。 - 訪問看護ステーションとの契約
Kagayaが所属している看護ステーションと利用契約を締結します。 - 訪問看護開始
契約後、医師の指示に基づいてKagayaが看護師としてお伺いし、体調管理・ご家族支援・リハビリ・医療的ケアなどを実施します。
訪問看護指示書の取得に不安がある場合も、Kagayaが医療機関との橋渡しを丁寧に行います。
初めての方にもわかりやすくご案内しますのでご安心ください。
📄 書類サポートもお任せください
保険制度に関わる申請や書類準備は、専門用語やルールが多く、戸惑ってしまう方がほとんどです。
Kagayaでは、ご本人やご家族の負担をできるだけ軽くするため、医師への依頼状の作成や、必要書類のテンプレート提供なども無料で行っております。
また、医師やケアマネジャー、他事業所との連携も積極的に行っておりますので、チームで支える体制が必要な方も、ぜひ安心してご相談ください。
「まずは話だけ聞いてみたい」「同意書を取るか迷っている」という段階でも大丈夫です。
一歩踏み出すお手伝いができればうれしいです。
🌟 こんな方におすすめです
「鍼灸×看護ハイブリッドケア」がどんな方に向いているのか、よくご質問をいただきます。
以下に当サービスが特におすすめなケースを、具体的にご紹介します。
✅ 医療的ケア児・重症心身障がい児のご家庭
胃ろうや気管切開、呼吸器、吸引などが必要なお子さん、または重度の運動・知的障がいがあるお子さんのご家庭では、医療的管理と日常生活の支援が同時に必要な場面が多くあります。
訪問看護では、バイタルチェックや医療ケア、ご家族の相談支援を行い、鍼灸では刺激の少ないてい鍼や小児鍼を用いて、自律神経や消化・睡眠・便通などの改善を目指します。
医療的ケアがあると、どうしても薬や処置中心のケアになりがちですが、東洋医学のやさしいアプローチが加わることで、心と体のバランスを整えることができます。
✅ 障がいのあるお子さんのケアに悩むご家族
「感覚過敏でふれられるのが苦手」「便秘がひどくて薬ばかり増える」「夜眠れず昼夜逆転してしまう」など、医療と福祉の狭間で“対処法が見つからない”と感じている保護者の方にも、鍼灸ケアは一つの選択肢になります。
Kagayaは看護師としての医療知識と、鍼灸師としての東洋医学的な体質観察の両面からアプローチし、「まず話を聴く」ことから始めます。
家庭での関わり方のアドバイスや、睡眠環境・食習慣・触れ方の工夫など、「その子らしく過ごすヒント」を一緒に見つけていきます。
✅ 薬以外の方法で体調を整えたい方
「薬が効かない」「副作用が心配」「なるべく自然な方法で整えたい」そうお考えの方に、鍼灸のやさしい刺激や体質改善の考え方はぴったりです。
特に、慢性的な痛み・頭痛・便秘・冷え・不眠・情緒不安など、西洋医学では原因がはっきりしづらい症状に対して、経絡や気血の巡りを整えることでアプローチしていきます。
さらに、Kagayaは看護師でもあるため、症状にリスクがある場合には医療機関との連携を図りながら、安全性を確保したうえで施術を進めます。
💡 その他にも、こんな方に
- 高齢で通院が困難な方
- 複数の医療機関を受診しても改善しない不調がある方
- 精神的なストレスや自律神経の乱れを抱えている方
- 訪問看護・鍼灸に興味はあるが、制度が複雑で迷っている方
上記にひとつでも当てはまる場合は、まずはお気軽にご相談ください。
「いきなり契約は不安」という方にも、無料相談や体験的な施術のご案内も可能ですので、安心して一歩を踏み出していただければと思います。
🌟 訪問エリア
現在、「プライマリ・ケアサポート きらぼし」では、以下のエリアを中心に訪問看護・訪問鍼灸サービスを提供しています。
- 小平市(こだいらし)
- 東村山市(ひがしむらやまし)
- 東久留米市(ひがしくるめし)
いずれも東京都多摩地域の中核市であり、在宅療養を支える医療・介護資源がある一方、交通アクセスや制度利用において“あと一歩の支援”を必要とするご家庭が多いのも特徴です。
🏠 小平市を拠点とした地域密着型ケア
Kagayaは小平市在住・在勤のため、地元の地域包括支援センターや福祉施設、訪問看護・リハビリ関係者とのつながりも深く、迅速な対応が可能です。
また、緊急時のフォローや書類のやりとり、医師・ケアマネとの連携などもスムーズに行えるのが強みです。
🚗 東村山・東久留米もスムーズに訪問対応
東村山市や東久留米市も、小平市から車で15分圏内にあるため、曜日固定での訪問スケジュールを組むことが可能です。
特に、障がい児の訪問支援や医療的ケア児の在宅看護など、個別性の高いケースでも、事前の情報共有と地域資源の活用を組み合わせて、安心できる体制づくりを目指しています。
🌐 対象エリア外の方へ
上記以外の市町村(例:国分寺市・立川市・東大和市・清瀬市・西東京市など)についても、内容やご希望の訪問頻度に応じてご相談をお受けしています。
「きらぼし」のケアが必要とされる方に、少しでも届くよう、距離だけで判断せず柔軟に対応していますので、まずはお気軽にご相談ください。
また、将来的には対象エリアを拡大していく予定もあり、シェアサロンや地域ケア拠点の設置も視野に入れています。
「この地域でも受けられますか?」「まずは相談だけしてみたい」そんな方は、公式LINEやお問い合わせフォームからお気軽にご連絡ください。
🌟 さいごに
「鍼灸×看護ハイブリッドケア」は、まだあまり知られていない新しいスタイルかもしれません。
ですがその根底にあるのは、とてもシンプルな思いです。
“おうちで安心して過ごしたい”
“薬だけに頼らず、自然な方法で整えたい”
“家族みんなが、笑顔で毎日を送れるようにしたい”
そうした日常の小さな願いに寄り添える存在でありたいと、Kagayaは心から願っています。
訪問看護と訪問鍼灸は、それぞれ制度やルール、書類や流れも違います。
でもどちらにも共通しているのは、「その人の生活そのものに寄り添う医療」であること。
誰かの「困った」や「どうしたらいいの?」という声に、少しでも応えられるように。
「相談できる人がいる」というだけでも、不安はきっとやわらぎます。
✔ 制度が複雑でよくわからない
✔ どのサービスが使えるのか不安
✔ 医師にどう伝えたらいいかわからない
そんな方も、まずは「お話だけ」でも大丈夫です。
LINEでのご相談は24時間受け付けておりますし、対面での初回訪問やオンライン面談も可能です。
あなたとご家族の暮らしが、少しでも穏やかに、前向きになるお手伝いができたらうれしいです。
それが「きらぼし」が目指す、“ケアのかたち”です。
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