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八綱弁証と舌脈診で簡単に!東洋医学臨床論で病証問題を解くコツ

2024-11-17

🌟八綱弁証の実践と症状の見方

東洋医学における「八綱弁証(はっこうべんしょう)」は、すべての病証の大枠を捉える弁証の基本です。

表裏・寒熱・虚実・陰陽という四つの対立軸から成り、これらを総合して患者の状態を的確に把握します。

🌟八綱の分類と見分け方

以下の表は、八綱それぞれの代表的な臨床所見をまとめたものです。

証型主な症状舌所見脈所見
表証発熱悪寒・関節痛・項強薄白苔
裏証腹痛・便秘・下痢・口渇苔厚
寒証寒がり・冷え・顔面蒼白白苔・湿潤
熱証発熱・口渇・便秘・尿少黄苔・舌紅
虚証倦怠・息切れ・無力・喜按舌淡・胖・歯痕虚・濡・微・弱
実証怒りっぽい・拒按・筋張り舌紅・苔黄実・滑・弦・緊
陰証元気なく沈黙・冷え・手足を縮める舌淡胖遅・細・弱
陽証顔面紅潮・発熱・多言舌紅・乾浮・洪・弦・滑

🌟舌診・脈診と病証のリンク

  • 舌所見
    • 虚証→淡
    • 寒証→白
    • 熱証→紅、黄
    • 瘀血→紫、暗
    • 脾→胖、歯痕
    • 肝→舌辺紅
  • 脈所見
    • 虚証→弱、虚
    • 実証→実
    • 寒証→沈、遅、緊
    • 熱証→数
    • 血虚→細
    • 湿→滑、膩苔
    • 瘀血→濇
    • 脾→軟
    • 肝→弦

舌と脈を組み合わせて見ていくことで、「これは寒証か?虚証か?湿熱か?」などの見極めが明確になってきます。

実際の症例では一つの証に限らず混在する場合も多いため、複数の情報を統合して判断しましょう。

🌟臓腑弁証の基礎と臨床での活かし方

東洋医学における「臓腑弁証」とは、五臓六腑の生理・病理をもとに、それぞれの異常状態を診断し病証を分類する方法です。

五臓は「肝・心・脾・肺・腎」、六腑は「胆・小腸・胃・大腸・膀胱・三焦」です。

臓腑の特徴を正確に把握しておくことで、より的確な病態判断ができるようになります。

五臓の生理と弁証のポイント

主な生理作用生理特性病証のヒント
疏泄・蔵血昇発・条達情志失調、月経不順、胸脇苦満、筋の痙攣
主血・主神志陽気を主る・臓腑を統括精神異常、不眠、多夢、顔面紅潮、舌尖紅
運化・統血昇清・喜燥悪湿食欲不振、下痢、浮腫、皮下出血、四肢無力
宣発・粛降・主気・通調水道華蓋・嬌臓咳嗽、鼻づまり、皮膚乾燥、易感冒、息切れ
蔵精・主水・納気封蔵・陰陽の根本発育遅延、不妊、腰膝のだるさ、耳鳴り、夜尿症

五臓のうち、肝と脾の関係や、心と腎の相互連携は特に病証の中で問われやすいため、セットで整理しておきましょう。

六腑の役割と弁証の視点

主な作用関連病証
胆汁の貯蔵と排泄・決断を主る胆うつ・胸脇の張り・苦悶・易怒
小腸受盛・化物・清濁の分別腹痛・下痢・小便の異常
受納・腐熟・降濁嘔吐・胃脘痛・腹満・納食不良
大腸糟粕の伝化便秘・下痢・腹痛
膀胱貯尿と排尿尿閉・尿頻・排尿痛・失禁
三焦気機の通達・水道の通調水腫・浮腫・脘腹膨満感・発熱悪寒

六腑は「実を蔵さず、通をもって用となす」といわれ、内容物の通過や変化がスムーズかどうかが病証の鍵になります。

停滞・滞り・実熱といったキーワードに注目しましょう。

🌟臓腑弁証

東洋医学において、臓腑はそれぞれが独自の生理機能を持ち、全体として人体の恒常性を保っています。

そのため、弁証論治では各臓腑の機能や関係性を理解した上で、現れている症状を適切に分類し、治療方針を決定する必要があります。

以下に、代表的な病証と症状一覧を「気・血・津液・精」や「寒熱虚実」、「五臓別」などで整理しています。

国家試験対策や臨床判断に活用できるよう、表形式でまとめました。

【1】気・血・津液・精の病証別
基本的な弁証の軸となる「気虚・血虚・津液不足・精虚」、および「気滞・血瘀・痰湿」などの病理産物に着目。症状ごとの分類で覚えると臨床でも役立ちます。

【2】寒熱弁証の視点
寒証は「陽虚」、熱証は「陰虚」または「陽実」となります。体表所見・脈・舌所見との組み合わせで診断力が上がります。

【3】五臓別の病証早見表
五臓の特徴を反映した症状一覧。国家試験では「脾の運化障害→食欲不振・水湿停滞」など因果関係を問われます。複数の症状から臓腑を推定するトレーニングにも活用可能です。

症状一覧

津液
気虚血虚津液不足不妊症
疲れやすいめまい口渇陽萎
倦怠感顔面蒼白尿量減少早老
無力感手足の無力感便秘健忘
めまい不眠虚労
息切れ筋肉の痙攣成長不良
目のかすみ虚弱体質
自汗脈細めまい
易感冒脈弱
気滞血瘀痰湿
腹部膨満感固定痛浮腫
胸悶刺痛下痢
胸脇苦満血塊の形成身体が重い
脹痛舌の瘀斑・暗赤色
懶言色素沈着尿量減少
抑鬱感膩苔・脈滑
ため息
陽虚陰虚
寒がり火照り・のぼせ
四肢の冷え五心煩熱
顔面蒼白盗汗
下痢脈細数
陽実
顔面紅潮
口渇・冷飲
煩躁
小便短赤
脈数・舌質紅・舌苔黄
胸脇苦満心悸・征忡食欲不振咳嗽夜尿症
乳房部の脹痛不安感軟便・下痢易感冒呼吸困難
月経痛不眠・多夢浮腫息切れ遺精・遺尿
易怒舌のこわばり崩漏・皮下出血喘息耳鳴り・難聴
抑鬱感多汗めまい浮腫根気がない
筋肉の痙攣狂騒内臓下垂鼻閉・鼻汁腰膝酸軟
筋の痺れ精神異常四肢無力皮膚乾燥不妊症
目のかすみ・乾燥胸悶呼吸困難陽萎
爪の変形早老
健忘

🌟病証の見分け方と臨床応用

東洋医学における「病証」とは、病の状態を八綱・臓腑・気血津液などの視点から分類したものであり、弁証論治の基礎となります。

ここでは、特に試験でも問われやすい「表証」と「裏証」の違いや、症状・舌・脈の特徴を整理します。

● 表証とは?
病邪が体表(皮膚・筋肉・経絡)にあり、発病の初期にみられる状態です。風邪などの外感病に多く、主な症状には「発熱・悪寒・頭痛・項強・関節痛」などがあります。

● 裏証とは?
病邪が体の内部(臓腑・気血)に入った状態を指します。内臓系の症状が中心となり、「腹痛・下痢・便秘・口渇・舌苔厚」などが現れます。慢性病や経過の進んだ病態にも多いです。

表証と裏証の比較

分類主な症状
表証発熱・悪寒・頭痛・項強・関節痛薄白苔
裏証腹痛・下痢・便秘・口渇・悪熱厚苔
  • 「浮脈」+外感症状 → 表証
  • 「沈脈」+腹部症状 → 裏証

● 試験対策のワンポイント
国家試験では「脈状から病証を判断する」問題が頻出です。

たとえば、脈が浮 → 表証舌苔が厚 → 裏証など、診察所見と病証を結びつけることが重要です。

また、表証が進行すると裏証に変化することもあり、経過を見極める力が求められます。

臨床でも「風邪が長引いて胃腸の症状が出てきた」などは、表→裏への移行と理解できます。

このように、表裏の判断は「病位の深さ」を示し、診断や治療戦略を立てるうえで非常に重要な要素です。

「18歳の男性。主訴は頭痛。7日前に薄着で体が冷え、その日の夜から悪寒、発熱、頭痛を自覚し、風邪薬を飲んでも完治しない。咳と痰はなく、汗をかきやすい。舌は薄白苔脈は浮緩。」 病証として最も適切なのはどれか。

  1. 肺陰虚証
  2. 手の少陰経脈病証
  3. 手の太陰経脈病証
  4. 風寒表虚証

「18歳の男性。昨日雨に濡れ、その夜から悪寒、発熱、後頭部痛が出現した。脈は浮緊舌は淡紅で薄白苔。咳、痰、鼻水はない。」 本症例の病証で最も適切なのはどれか。

  1. 手太陰経脈病証
  2. 足太陽経脈病証
  3. 風寒表実証
  4. 肺気虚証

次の文で示す患者の病証に対する治療方針で適切なのはどれか。 「32歳の男性。項から背中にかけてこわばりを自覚した。強い悪寒と軽い熱っぽさも伴う。鼻がつまり咳が出てきたため来院。脈は浮緊。」

  1. 利湿
  2. 和胃
  3. 潤肺
  4. 解表

「18歳の男性。昨日雨に濡れ、その夜から悪寒、発熱、後頭部痛が出現した。脈は浮緊、舌は淡紅で薄白苔。咳、痰、鼻水はない。」 本症例に対する治療方針として適切なのはどれか。

  1. 経脈を疏通する。
  2. 表を開き発散させる。
  3. 温めて補う。
  4. 宣散作用を調節する。

裏証

虚証

虚証のポイント

  • 脈状:虚・細・弱が多くみられる
  • 舌質:淡・胖で、苔が薄い、無苔もある
  • 血虚:脈は細く弱い。めまい・顔面蒼白・不眠などが出やすい
  • 陰虚:脈は細数。ほてり・五心煩熱・盗汗など
  • 気虚:脈は虚緩。息切れ・倦怠感・話すのが億劫
  • 陽虚:脈は沈弱。寒がり・冷え・下痢・顔面蒼白など

裏証のなかでも「虚証」は、体の正気(気・血・津液・精など)が不足している状態です。

特に高齢者や慢性疾患の方に多くみられ、症状は徐々に進行します。

診察では脈・舌の状態を丁寧に観察しましょう。

国家試験では「脈細弱→血虚」「脈細数→陰虚」「脈沈弱→陽虚」などのパターンが問われやすいです。

舌や脈の所見が示されたら、虚証の可能性を優先して検討しましょう。

「50歳の女性。3年前から喘鳴を伴う発作性の呼吸困難がある。全身倦怠感があり、腰がだるく、四肢の冷えがみられ、稀薄な痰がでる。舌質は淡、脈は沈細。」 気血の病証で適切なのはどれか。

  1. 気滞
  2. 血虚
  3. 気虚
  4. 血瘀

「23歳の女性。体操の選手で運動性無月経がみられる。東洋医学的所見では顔色は白く、肌につやがない。舌は淡白、脈は細。」 本症例の病証で最も適切なのはどれか。

  1. 表虚症
  2. 陽虚症
  3. 陰虚症
  4. 血虚症

「28歳の女性。第一子を出産したが、乳房の張り感はなく、母乳の出が悪い。産後の疲労感はある。なお、出産時には出血量が多かった。顔色はくすんだ黄色、舌質は淡白、脈は虚細。」 本症例で最も考えられる病証はどれか。

  1. 痰飲
  2. 気血両虚
  3. 血瘀
  4. 陽虚

「本態性高血圧で降圧薬を服用している78歳の男性。夜間頻尿を主訴として来院。手足のほてり、腰の重だるさがみられ、舌診では舌質紅・無苔、脈診では浮で無力を呈した。随時血圧測定では収縮期血圧148mmHg、拡張期血圧84mmHgであった。」 証に基づいて、鍼灸治療を行う場合の治療対象となる適切な病証はどれか。

  1. 瘀血証
  2. 気虚証
  3. 陰虚証
  4. 血虚証

次の文で示す患者の病証はどれか。 「夜間の潮熱、手足のほてり、盗汗を主症状とし、脈は細、数。随伴症状として不眠や便秘がみられる。」

  1. 陰虚証
  2. 気虚証
  3. 血虚証
  4. 陽虚証

次の文で示す患者の病証で最も適切なのはどれか。 「69歳の男性。主訴は呼吸促迫。冬になると症状が増悪する。少し動くだけで息切れが起こる。手足は冷たく、痰は希薄で色は白っぽい。舌質は淡白、脈は弱。」

  1. 陽虚
  2. 陰虚
  3. 血虚
  4. 気虚

次の文で示す患者の病証で適切なのはどれか。 「50歳の男性。頸肩部のこり、眼の疲れと乾燥を訴える。1年前から腰下肢が重だるく、手足がほてる。舌は紅く、脈は細数。」

  1. 肝腎陰虚
  2. 心腎不交
  3. 脾腎陽虚
  4. 肝脾不和

「65歳の男性。主訴は動作緩慢と振戦で上肢に歯車様固縮がみられる。不眠、抑うつ、便秘を伴い、舌質はやや淡白、脈状は細弱を呈する。」 治療対象となる適切な病証はどれか。

  1. 心血虚証
  2. 肝血虚証
  3. 腎陽虚証
  4. 脾陽虚証

「29歳の女性。主訴は不眠。寝付きが悪い。起床時には四肢がだるい。足の冷えがあり、生ものを食べると下痢をしやすい。舌は淡白で胖大、脈は濡を認める。」 病証として最も適切なのはどれか。

  1. 心気虚
  2. 腎気虚
  3. 肝血虚
  4. 脾陽虚

「21歳の女性。最近、食思不振や発熱があり、次第に血便や腹痛を伴うようになった。痔瘻はない。内視鏡検査で縦走潰瘍、敷石状病変はみられなかった。普段から寒がりで、冷たいものを飲食すると下痢が出現しやすい。手足が冷え、腰がだるい。舌質は淡白、脈は細くて弱い。」東洋医学からみた病証として適切なのはどれか。

  1. 脾陽虚証
  2. 肝血虚証
  3. 心陰虚証
  4. 肺気虚証

裏証

裏証とは、病邪が体表から内側(裏)に進行し、内臓の機能や全身の恒常性に影響を与える状態を指します。表証が急性かつ浅い場所の病変であるのに対し、裏証は慢性化しやすく、脾胃や肝腎など臓腑の機能失調として現れます。

裏証の特徴的な症状には、以下のようなものがあります。

  • 発熱はあっても悪寒はなし
  • 口渇、腹満、便秘または下痢
  • 脈は「沈」、舌苔は「厚」
  • 慢性的な腹痛や倦怠感が続く

国家試験では、「脈が沈んでいる」「舌苔が厚い」などの所見から裏証を導き出す問題が多く出題されます。

虚証

虚証の特徴

  • 脈:弱・虚・細
  • 舌:淡
  • 血虚:脈細弱、顔色が悪い、めまい、不眠
  • 陰虚:脈細数、五心煩熱、盗汗、舌紅少苔
  • 気虚:疲れやすい、自汗、食欲不振、倦怠感
  • 陽虚:寒がり、四肢の冷え、舌淡胖、脈沈遅

虚証は「正気不足」ともいい、身体の構成物(気・血・津液・精)が不足したり、臓腑機能が衰えている状態です。多くの場合、慢性疾患や長期消耗により生じやすく、加齢や生活習慣との関連も深いです。

弁証では、脈診・舌診と症状の組み合わせで気血津液・陰陽のどこが不足しているかを判断します。

実証

実証の特徴

  • 脈:力強く数(多くは浮または滑)
  • 舌:紅・黄苔・膩苔
  • 熱証:顔面紅潮、口渇、煩躁、小便短赤
  • 陽実:舌質紅+舌苔黄+脈数
  • 痰湿:膩苔、脈滑、身体重だるい、痰多
  • 湿熱:舌苔黄膩、脈滑数、発熱・下痢・尿の異常
  • 肝実:脈弦、胸脇苦満、怒りっぽさ、頭痛・目の充血

実証は、体内に邪気(風・寒・湿・熱など)が充満し、臓腑機能を妨げている状態です。

特徴的な症状は急性かつ激しく現れ、痛み、発熱、便秘、イライラなどを伴います。

国家試験では「膩苔・脈滑」「舌苔黄・脈数」「脈弦」などの記述から、実証かつどの病因かを判断させる問題が頻出します。

次の文で示す患者の病証として最も適切なのはどれか。 「42歳の女性。主訴は頻尿と排尿時痛。尿は途切れがちで黄色く混濁している。会陰部の違和感や残尿感もみられる。舌質紅、脈は滑数。」

  1. 膀胱湿熱
  2. 大腸湿熱
  3. 脾腎両虚
  4. 肝腎陰虚

「42歳の男性。腹痛、腹部膨満感、食欲不振、軟便が2か月続いている。近医の診察で機能性胃腸症と言われた。ストレスが多い仕事に就いている。強いストレスがかかると症状が増悪する。舌苔は白膩。脈は弦。」 最も適切な病証はどれか。

  1. 脾胃の病証
  2. 肝脾の病証
  3. 脾腎の病証
  4. 肝胃の病証

次の文で示す患者の病証で治療対象となる臓腑として最も適切なのはどれか。 「75歳の男性。主訴は安静時の手のふるえ。歩行時に第一歩が出にくい。頭痛や耳鳴り、便秘もみられる。舌質紅、脈弦数。

「27歳の女性。月経が始まる数日前から頭痛やめまいが起こり、乳房に脹痛がある。不安やイライラがあるが月経開始と共に症状は消失する。不正性器出血や病的帯下はみられない。舌質は淡紅、舌苔は厚、脈は弦。」 最も考えられる疾患はどれか。

  1. 子宮内膜症
  2. 子宮筋腫
  3. 月経困難症
  4. 月経前緊張症

🌟治療方針

気の異常に対する治療方針

は、人体の生命活動の基本であり、推動・温煦・防御・固摂・気化といった作用を担います。気の異常には主に以下の4つがあります。

  • 気虚:全身の機能低下。疲れやすく、自汗、倦怠感が特徴。
    →治療:補気(例:四君子湯、補中益気湯)
  • 気滞:気の流れが滞ることで、胸脇部や腹部の張り、精神抑うつなど。
    →治療:理気・疏肝(例:柴胡疏肝散、香蘇散)
  • 気逆:気の上逆により、咳・嘔吐・げっぷ・動悸など。
    →治療:降気・安神(例:半夏厚朴湯、旋覆代赭湯)
  • 気陥:気の持ち上げる作用(昇提作用)が弱まり、内臓下垂や脱肛、慢性の下痢など。
    →治療:昇陽補中(例:補中益気湯)

鍼灸治療では、以下のような経穴がよく使用されます。

  • 補気:関元、気海、足三里、中脘
  • 理気:膻中、太衝、内関、合谷
  • 昇気:百会、中脘
  • 降気:天突、内関、尺沢

実際の臨床では、気虚+血虚や、気滞+血瘀といった複合パターンが多いため、弁証論治をもとに施術方針を決定します。

次の文で示す患者の病証に対する治療方針として最も適切なのはどれか。 「36歳の女性。動悸と胸苦しさがあり、少し動いただけでも汗をかく。めまいや倦怠感もみられる。舌は淡、脈は弱を認める。」

  1. 陰液を補う。
  2. 瘀血を除く。
  3. 陽気を補う。
  4. 痰濁を除く。

「72歳の男性。主訴は頻尿。難聴がある。トイレは我慢できるが、夜間に少量の尿失禁があり、前立腺肥大症と診断された。以前から腰が冷えてだるい。舌は淡、脈は弱を認める。」 治療方針として最も適切なのはどれか。

  1. 精の漏出を防ぐ。
  2. 陽気を補う。
  3. 痰を取り除く。
  4. 陰液を補う。

次の文で示す患者の病証に対する適切な治療はどれか。
「50歳の男性。よくめまいが起こり、横になると軽減する。顔色は蒼白く疲れやすい。食欲がなく脈状は細。」

  1. 肝陽を抑える。
  2. 気血を補う。
  3. 胃熱を除く。
  4. 湿熱を除く。

次の文で示す患者の病証で最も適切な治療方針はどれか。 「28歳の女性。3か月前から頭痛がある。保育士をしているが、保護者とのトラブルなどストレスが絶えない。めまいや顔が熱くなるなどの随伴症状があり、口が苦くなる。舌質紅、脈弦。

  1. 陽気の上昇を抑える。
  2. 風邪を除く。
  3. 瘀血をとる。
  4. 痰飲を除く。

次の文で示す頭痛の治療方針として最も適切なのはどれか。 「痛みは長く続き、活動時に軽減する。めまい、ふらつき、精神疲労、動悸を伴う。舌質は淡、脈は細。」

  1. 風邪を散じる。
  2. 逆気を降ろす。
  3. 気血を養う。
  4. 津液を補う。

「33歳の女性。疲労しやすく、抑うつ状態が続いている。肩こり、食欲不振を伴い、最近では早朝覚醒がみられる。他に時々喉が詰ったような違和感がある。舌は薄白苔、脈は弦脈を呈した。」 病証に基づいた治療方針として適切なのはどれか。

  1. 瘀血を除く
  2. 気滞を除く
  3. 津液を補う
  4. 血を補う

「27歳の女性。月経が始まる数日前から頭痛やめまいが起こり、乳房に脹痛がある。不安やイライラがあるが月経開始と共に症状は消失する。不正性器出血や病的帯下はみられない。舌質は淡紅、舌苔は厚、脈は弦。」 病証に基づいた治療方針で最も適切なのはどれか。

  1. 気滞を除く。
  2. 湿熱を除く。
  3. 陽気を補う。
  4. 肝血を補う。

次の文で示す患者の病証に対する治療方針として最も適切なのはどれか。 「46歳の男性。主訴は肩こり。仕事で神経を使うことが多く肩こりが気になり始めた。イライラしやすく、こりがひどくなると肩上部のつまった感じがする。脈は左関上が弦。」

  1. 気を散らす。
  2. 脾気を補う。
  3. 運化を促す。
  4. 瘀血を除く。

血の異常に対する治療方針

は、滋潤・栄養・精神活動の基盤となる物質で、主に肝に貯蔵され、心により推動されます。血の異常は以下のように分類されます。

  • 血虚:顔色蒼白、めまい、動悸、不眠、皮膚乾燥、月経不順など。
    →治療:養血補血(例:四物湯、帰脾湯)
  • 血瘀:刺すような痛み、経血の塊、皮膚の暗紫、瘀斑など。
    →治療:活血化瘀(例:桂枝茯苓丸、桃核承気湯)
  • 出血(血溢):鼻血、吐血、血尿、便血、月経過多など。
    →治療:止血・養陰・清熱(例:黄土湯、十灰散)

鍼灸治療では、病態に応じて以下の経穴が選択されます。

  • 養血補血:三陰交、脾兪、肝兪、膈兪
  • 活血化瘀:血海、膈兪、三陰交、太衝
  • 止血:膈兪、脾兪、大包、合谷

「血虚と気虚」「血瘀と気滞」など、気血の相互関係を意識しながら、弁証論治を行うことが大切です。

次の文で示す患者の病証に対する治療方針で最も適切なのはどれか。 「30歳の女性。主訴は倦怠感と息切れ。月経周期が短く、月経量は多く、色は薄い。舌質は淡、舌苔は薄、脈は弱。」

  1. 滋潤作用を改善する。
  2. 統血作用を高める。
  3. 疏泄作用を改善する。
  4. 防衛作用を高める。

次の文で示す患者の病証に対する治療方針で、最も適切なのはどれか。 「58歳の管理職女性。胸部に刺すような痛みがあり、夜間に増強する。唇は紫色。脈は結代。」

  1. 痰濁を除く。
  2. 津液を補う。
  3. 瘀血を改善する。
  4. 陽気を補う。

津液

津液の異常に対する治療方針

津液は、体内の水分代謝を担い、血液と協調して全身の潤いを保ちます。異常は「不足」と「停滞」に分類されます。

  • 津液不足:口渇・皮膚の乾燥・便秘・舌乾などがみられます。
    →治療:養陰生津(例:麦門冬湯、沙参麦門冬湯)
  • 痰湿停滞:重だるさ・浮腫・痰多・胸苦などの停滞症状。
    →治療:利湿化痰・健脾除湿(例:五苓散、半夏白朮天麻湯)
  • 湿熱内盛:舌苔黄膩、口苦、尿の濃色、下痢など。
    →治療:清熱利湿(例:竜胆瀉肝湯、茵蔯蒿湯)

鍼灸治療では以下のような経穴が用いられます。

  • 津液不足:陰陵泉、太谿、照海、三陰交
  • 利水滲湿:水分、陰陵泉、足三里、中脘
  • 健脾化痰:脾兪、肺兪、豊隆、痰湿穴
  • 清湿熱:曲池、陰陵泉、足三里、太衝

津液病変は気・血・陰との連動が多く、特に脾腎の虚・肺の失宣が関与することが多いため、弁証論治により総合的に判断することが重要です。

次の文で示す患者の病証に対する治療方針で適切なのはどれか。 「35歳の女性。日頃から前頭部に頭重感があり、頭がぼんやりする。胃のつかえ感、泥状便を伴う。舌苔は白膩、脈は滑。」

  1. 陽気を補う。
  2. 瘀血を改善する。
  3. 痰濁を除く。
  4. 津液を補う。

次の文で示す患者の病証に対する治療方針として最も適切なのはどれか。 「34歳の女性。主訴はめまい。病院でメニエール病と診断された。いつも頭が重くぼんやりし、四肢も重だるい。舌苔は厚膩、脈は滑。」

  1. 気血を補う。
  2. 胃気の上逆を抑える。
  3. 痰濁を取り除く。
  4. 肺陰を補う。

「35歳の女性。1年前からめまい発作に苦しんでいる。めまいは、回転性で悪心・嘔吐を伴うこともある。他に難聴、耳鳴り、耳閉感がみられる。グリセロール検査陽性。舌診では胖大舌、白膩苔、脈は滑を呈した。」 病証に基づく治療方針として適切なのはどれか。

  1. 固摂作用を高める。
  2. 湿痰を除く。
  3. 胃の気を降ろす。
  4. 肝陽の高ぶりを抑える。

次の文で示す患者の病証に対し、適切な治療方針はどれか。「40歳の男性。エビを食べたところ発疹が現われた。発疹は赤みを帯び膨隆もみられる。舌質は紅。舌苔は黄膩。脈は滑数。」

  1. 風寒を除く
  2. 津液を補う
  3. 血を補う
  4. 湿熱を除く

次の文で示す患者の病証の治療方針として最も適切なのはどれか。 「67歳の男性。最近、血圧が高くなってきた。普段から頭がぼんやりして、不眠で熟睡感がない。痰が多く、口が粘る。便は泥状。舌質紅、胖大舌、脈は濡数。」

  1. 虚熱を除く。
  2. 肝鬱を抑える。
  3. 心火を下げる。
  4. 湿熱を除く。

次の文で示す患者の病証に対する治療方針として最も適切なのはどれか。 「40歳の男性。下腹部の痛みを伴う癃閉がある。口渇はあるが、あまり水を飲む気はしない。舌質は紅、舌苔は黄膩、脈は滑数。」

  1. 腎精の回復
  2. 固摂機能の回復
  3. 湿熱の除去
  4. 気滞の除去

次の文で示す患者の病証に対する治療方針で最も適切なのはどれか。 「24歳の男性。主訴は頸から上の痒み。以前からアトピー性皮膚炎による痒みがあったが、症状の変化が激しくなってきた。悪化すると滲出性になる。普段から甘いものを好み、過食すると悪化する。舌苔は白膩、脈は滑。」

  1. 運化作用を高め、湿を化す。
  2. 血熱を除く。
  3. 風寒の邪を除く。
  4. 血を養い、燥を潤す。

次の文で示す患者の病証に対する治療方針で最も適切なのはどれか。 「53歳の男性。職業は中華料理の調理人。主訴は手足の重だるさと胃のつかえ。大便は泥状で小便は色が濃い。舌質は紅、舌苔は黄膩、脈は濡数。」

  1. 血熱を除く
  2. 肝陽を抑える
  3. 湿熱を除く
  4. 心火を抑える

🌟臓腑

肝の異常に対する治療方針

は疏泄を主り、情緒や気血の流れ、血液の貯蔵などを担っています。肝の異常では主に以下のパターンが見られます。

  • 肝気鬱結:情緒抑うつ、胸脇苦満、げっぷ、生理不順など。
    →治療:疏肝解鬱(例:柴胡疏肝散、加味逍遙散)
  • 肝火上炎:怒りっぽさ、頭痛、顔面紅潮、目の充血、便秘、舌紅、脈弦数。
    →治療:清肝瀉火(例:竜胆瀉肝湯)
  • 肝陽上亢:高血圧、頭痛、めまい、顔面紅潮、耳鳴、舌紅、脈弦。
    →治療:平肝潜陽(例:釣藤散、天麻鉤藤飲)
  • 肝血虚:目のかすみ、めまい、不眠、生理の量が少ないなど。
    →治療:養血柔肝(例:四物湯、当帰芍薬散)
  • 肝風内動:手足の震え、しびれ、言語障害、半身麻痺など。
    →治療:熄風止痙(例:天麻鉤藤飲、羚角鉤藤湯)

鍼灸治療では、以下のような経穴がよく使われます。

  • 疏肝理気:太衝、期門、肝兪、膻中
  • 清肝瀉火:太衝、行間、風池、曲泉
  • 平肝潜陽:太衝、百会、風池、懸鐘
  • 養血柔肝:肝兪、膈兪、三陰交、血海
  • 熄風止痙:太衝、風池、合谷、懸鐘、百会

肝は情志と密接に関わり、ストレスが誘因となることが多いため、生活指導(睡眠、感情コントロール)も治療に含めると効果的です。

次の文で示す患者の病証に対する治療方針として最も適切なのはどれか。 「31歳の女性。日頃のストレスから月経が乱れる。イライラ感が強く、乳房や下腹部に脹りを感じる。脈は弦。」

  1. 肝鬱の改善
  2. 津液の補充
  3. 脾陽の回復
  4. 瘀血の除去

次の文で示す患者の病証に対する適切な治療はどれか。 「30歳の女性。月経周期が短く、胸脇部が脹って痛み、怒りっぽくなる。舌質は紅。脈は弦数。」

  1. 肺の気を補う。
  2. 脾の熱を除く。
  3. 肝の熱を除く。
  4. 腎の気を補う。

「23歳の女性。主訴は月経痛。下腹部の脹ったような痛みで月経血に血塊がみられる。下腹部を押すと痛みが増強。舌診では淡白舌、舌苔剥離、脈診では弦脈を呈した。」 病証に基づく治療方針として最も適切なのはどれか。

  1. 肝陽の上亢を抑える。
  2. 肝気の滞りを除く。
  3. 肝血の不足を補う。
  4. 肝気の不足を補う。

次の文で示す患者の病証に対する治療方針として最も適切なのはどれか。 「18歳の女性。2週間前から耳鳴りがする。大学受験のため不安とイライラで情緒不安定となっている。顔が紅潮し、口が苦く咽の渇きを訴える。舌質は紅、脈は弦数。」

  1. 肝火を除く
  2. 陽気を補う
  3. 痰湿を除く
  4. 血を補う

次の文で示す患者の病証に対する治療方針として最も適切なのはどれか。 「43歳の男性。主訴は咳嗽。仕事が忙しくなると発作的にせき込む。痰が切れにくく、咽頭部に違和感があり、胸脇部が張る。舌は紅、脈は弦数を認める。」

  1. 肺気を補う。
  2. 痰濁を除く。
  3. 肝火を抑える。
  4. 腎陰を補う。

次の文で示す病証を有する患者の治療方針として適切なのはどれか。 「27歳の女性。職場でのストレスから、のぼせやイライラ感とともに、目の痛みを自覚するようになった。脈は弦、舌質は紅。」

  1. 肝陽を抑制する。
  2. 脾陽を補う。
  3. 心陽を抑制する。
  4. 腎陽を補う。

次の文で示す患者の病証に対する治療方針で最も適切なのはどれか。 「27歳の女性。長時間のVDT作業で目に疲れと乾きを感じる。視力も低下し、疲れがたまると時々手がふるえる。舌質は淡、舌苔は薄、脈は細。」

  1. 肝血を補う。
  2. 腎陰を補う。
  3. 肺気を補う。
  4. 脾陽を補う。

心の異常に対する治療方針

は「主血脈」「蔵神」を司り、精神活動や循環機能を支える中枢です。心の病理には以下のようなタイプがあります。

  • 心気虚:動悸・息切れ・倦怠感など。
    →治療:益気養心(例:炙甘草湯、帰脾湯)
  • 心血虚:不眠・動悸・健忘・顔色萎黄。
    →治療:補血安神(例:酸棗仁湯、帰脾湯)
  • 心陰虚:寝汗・口渇・舌紅・不眠など。
    →治療:滋陰清熱(例:天王補心丹、黄連阿膠湯)
  • 心火亢盛:舌尖紅・口舌生瘡・焦燥感・不眠など。
    →治療:清心瀉火(例:黄連解毒湯、導赤散)
  • 痰火擾心:不安・譫語・狂躁・舌苔黄膩・脈滑数。
    →治療:清熱化痰・安神(例:温胆湯、黄連温胆湯)

鍼灸治療では以下の経穴がよく使用されます。

  • 補心:心兪、神門、膻中、内関
  • 清火:少府、少衝、労宮、大陵
  • 安神:神門、内関、印堂、百会、三陰交
  • 化痰:豊隆、中脘、心兪、膻中

「心」は「脾」によって血が生まれ、「腎」によって陰が養われます。したがって、脾腎との連携も重視し、五臓のバランスを考慮した施術が求められます。

次の文で示す患者の病証に対する治療方針として最も適切なのはどれか。 「63歳の男性。主訴は不眠。就寝しても手足がほてり、胸部の熱が煩わしくて落ち着かず、すぐに目が覚めてしまう。寝汗も多い。舌尖は紅、脈は細数。」

  1. 肝血を補う。
  2. 胃熱を除く。
  3. 腎陽を養う。
  4. 心火を降ろす。

次の文で示す患者の病証に対する治療方針として最も適切なのはどれか。 「36歳の男性。主訴は焦燥感。仕事の重圧によりイライラする。最近は動悸があり、寝付きが悪い。顔が赤く、便秘である。舌尖は紅、脈は数有力を認める。」

  1. 肝陰を補う。
  2. 心火を瀉す。
  3. 脾陽を補う。
  4. 肺の痰湿を除く。

脾•胃

🌟脾・胃の異常に対する治療方針

脾・胃の異常に対する治療方針

は運化と昇清、は受納と腐熟を担い、共に「後天の本」とされる消化吸収の中心です。脾胃の不調は気血津液の生成に大きく影響します。

  • 脾気虚:疲れやすく、食欲不振、軟便、舌淡胖。→補気健脾(例:六君子湯、参苓白朮散)
  • 脾陽虚:寒がり・冷え、腹部の冷痛、下痢。→温陽健脾(例:附子理中湯、真武湯)
  • 胃気虚:食欲不振、胃脘のつかえ。→補中益気(例:補中益気湯)
  • 胃熱:口臭、口渇、便秘、胃脘灼熱感。→清胃瀉火(例:清胃散)
  • 湿困脾胃:重だるさ、胸腹満、舌苔膩。→燥湿運脾(例:平胃散、藿香正気散)

鍼灸治療では以下のような経穴を用います。

  • 補気健脾:中脘、足三里、脾兪、胃兪、章門
  • 温陽散寒:関元、気海、神闕、命門
  • 理気和胃:内関、公孫、梁門
  • 清熱瀉火:内庭、厲兌、曲池

臨床では「脾不統血」「中気下陥」「寒湿困脾」「胃陰虚」など、複雑な弁証が必要です。食事・生活習慣の調整も重視されます。

次の文で示す患者の病証に対する治療で適切なのはどれか。 「48歳の女性。夕方になると下腿がむくむ。下痢ぎみで身体が重だるい。手足が冷える。脈は沈遅。」

  1. 湿熱を除く
  2. 脾陽を補う
  3. 瘀血を除く
  4. 肝陰を補う

次の文で示す患者の病証に対する治療方針で適切なのはどれか。 「45歳の女性。疲労時に腹痛が起こり、冷えると増悪する。倦怠感があり、便は水様性。舌質は淡、脈は沈細。」

  1. 脾陽を補う。
  2. 肺気を補う。
  3. 腎陰を補う。
  4. 肝陰を補う。

次の文で示す患者の病証に対する治療方針として適切なのはどれか。 「58歳の女性。数年前から手足の冷えで悩んでいる。症状は雨の日にひどくなる。膝の重だるい痛みが常にある。舌苔は白膩。脈は濡。」

  1. 腎陰を補う
  2. 気滞を除く
  3. 脾陽を補う
  4. 瘀血を除く

次の文で示す患者の病証に対し、適切な治療方針はどれか。「50歳の女性。3か月前から空腹感はあるが食欲がない。口は渇くが水を飲みたがらない。舌質は紅。無苔。脈は細数。」

  1. 肝血を補う
  2. 胃陰を補う
  3. 心陽を補う
  4. 肺気を補う

次の文で示す患者の病証に対する治療方針として最も適切なのはどれか。 「35歳の男性。夏バテしたためか、ここ数日食欲がない。 空腹感や口渇感はあるが、実際に食べようとする時に食が進まない。 腹痛や悪心はないが唇が乾燥している。 舌質は紅、舌苔は少、脈は細数。」

  1. 気滞を除く。
  2. 痰濁を除く。
  3. 腎陰を補う。
  4. 胃陰を補う。

次の文で示す患者の病証に対する治療方針として最も適切なのはどれか。 「36歳の女性。主訴は咳嗽。せき込むと粘稠で白色の痰を多量に喀出する。緩解と増悪を繰り返しながら3年が経過している。子どもの頃から食が細く、痩せている。舌は淡、白膩苔、脈は滑を認める。」

  1. 肺陰を補う。
  2. 瘀血を取り除く。
  3. 運化を高める。
  4. 風寒の邪を取り除く。

肺の異常に対する治療方針

は「嬌臓」と呼ばれ、衛気の生成・呼吸・通調水道・宣発粛降などを担う重要な臓です。肺は外邪の影響を受けやすく、特に風寒・風熱・燥邪などが病因となりやすいです。

  • 肺気虚:呼吸が浅く、易疲労、風邪をひきやすい。→補肺益気(例:玉屏風散、人参養栄湯)
  • 肺陰虚:乾いた咳、喉の乾燥、声枯れ。→養陰潤肺(例:麦門冬湯、百合固金湯)
  • 風寒犯肺:悪寒・咳嗽・薄白の痰。→疏風散寒・宣肺止咳(例:麻黄湯、小青竜湯)
  • 風熱犯肺:発熱・咽痛・黄痰。→疏風清熱・宣肺止咳(例:銀翹散、桑菊飲)
  • 痰湿阻肺:痰が多く重だるい。→燥湿化痰・理気宣肺(例:二陳湯、三拗湯)

鍼灸治療においては、肺の宣発・粛降機能を整える経穴が選ばれます。

  • 補肺益気:肺兪、太淵、尺沢、中府
  • 養陰潤肺:列欠、太谿、魚際、照海
  • 発汗解表:風門、合谷、大椎、外関
  • 清熱化痰:天突、定喘、豊隆、少商

肺は「気の宗主」として、気虚・陰虚・外感のいずれにも関与します。咳嗽・鼻水・喘息・アレルギーなど多彩な症状に対し、舌診・脈診・弁証論治が重要です。

「40歳の男性。普段から鼻炎に悩まされ、息切れがある。子供の頃から風邪を引きやすく、寒がりである。舌質は淡。舌苔は薄白。脈は緩弱。」病証に基づいた治療方針で最も適切なのはどれか。

  1. 脾気を補う。
  2. 肺気を補う。
  3. 心血を補う。
  4. 肝血を補う。

腎の異常に対する治療方針

は「先天の本」とされ、成長・発育・生殖・水液代謝・納気などに関与します。腎精は加齢や慢性病、過労などで消耗しやすく、虚証が中心です。

  • 腎陽虚:冷え・むくみ・性機能低下・尿量減少など。→温補腎陽(例:八味地黄丸、真武湯)
  • 腎陰虚:腰膝酸軟・耳鳴・不眠・口渇・潮熱など。→滋陰補腎(例:六味地黄丸、知柏地黄丸)
  • 腎精不足:発育遅延・健忘・白髪早発・不妊。→填精補腎(例:左帰丸、右帰丸)
  • 腎気不固:尿失禁・遺精・帯下・流産。→固精縮尿(例:縮泉丸、補腎固精湯)
  • 腎不納気:呼吸困難・喘息・息切れ。→納気平喘(例:参蛤散、人参五味子湯)

鍼灸治療では、腎経や任脈の経穴を中心に補法を行い、精・気・陽・陰のバランスを整えます。

  • 補腎:腎兪、命門、太谿、照海、関元
  • 滋陰:太谿、復溜、照海、陰谷
  • 温陽:命門、関元、気海、腎兪
  • 固精縮尿:関元、志室、中極、三陰交
  • 納気平喘:腎兪、太谿、肺兪、気海

腎は「五臓の根本」として全身機能の土台を支えます。高齢者・慢性疾患・不妊・発育遅延などでは腎虚の観点から弁証し、補腎・固精・納気を重視した施術を行います。

次の文で示す患者の病証に対する治療で適切なのはどれか。 「5歳の男児。睡眠中に遺尿し、目覚めてから気がつく。排尿量は比較的多く、四肢が冷える。舌質は淡、脈は沈遅。」

  1. 腎陽を補う。
  2. 心血を補う。
  3. 肝陰を補う。
  4. 脾気を補う。

「57歳の女性。閉経は54歳。最近、顔のほてりと発汗が頻発し、耳鳴り、めまい、手足のほてり、腰部の重だるさ、肩こりを随伴し受診した。ホルモン検査で異常が指摘された。舌質は暗紅、舌苔は少なくやや乾燥脈は細数。小腹不仁が認められた。」 患者の病証への治療方針で適切なのはどれか。

  1. 肝陽を抑える
  2. 瘀血を除く
  3. 心血を補う
  4. 腎陰を補う

次の文で示す患者の病証に対する治療方針として最も適切なのはどれか。 「65歳の男性。1か月前から腰下肢のだるさがあり、最近では耳鳴りが断続的に起こる。舌は紅、脈は細数を認める。」

  1. 脾陽を補う。
  2. 肺陰を補う。
  3. 腎陰を補う。
  4. 肝陽を補う。

次の文で示す患者の病証に対する治療方針として最も適切なのはどれか。 「58歳の男性。主訴はのぼせ。ここ半年間、残業が続き倦怠感とともに、のぼせを自覚するようになった。手掌、足底に熱感がある。舌は紅、少苔、脈は細数を認める。」

  1. 腎陰を養う。
  2. 肺気を補う。
  3. 痰湿を除く。
  4. 肝火を鎮める。

その他

「50歳の女性。3年前から喘鳴を伴う発作性の呼吸困難がある。全身倦怠感があり、腰がだるく、四肢の冷えがみられ、稀薄な痰がでる。舌質は淡、脈は沈細。」 治療方針として適切なのはどれか。

  1. 肝腎を補う。
  2. 心脾を補う。
  3. 肺腎を補う。
  4. 脾胃を補う。

次の文で示す患者の病証に対する治療方針で最も適切なのはどれか。 「35歳の女性。主訴は月経痛。1年前に第4子を出産してから月経後に疲労・倦怠感が強くなり、足腰がだるく、耳鳴りもある。経血は色が淡く、量は少なく稀薄。舌質は淡、脈は沈細。」

  1. 下焦を温め、痛みを緩和する。
  2. 肝気を疏通し、瘀血を去る。
  3. 陰液を養い、熱を去る。
  4. 肝腎経を補益する。

次の文で示す患者の病証に対する治療方針で最も適切なのはどれか。 「45歳の女性。主訴は右耳の難聴。2週間前に突然発症し、近医で突発性難聴と診断された。耳閉感、胸苦しさ、頭重感を自覚する。舌質は紅、舌苔は黄膩、脈は滑数。」

  1. 風熱を除く
  2. 肝血を補う
  3. 痰火を除く
  4. 腎陰を補う

経絡

肝経の異常に対する治療方針

肝経は「血と情志を司る」経絡であり、自律神経・精神安定・筋肉の弛緩や目の機能にも深く関与します。肝血の不足、肝気のうっ滞、肝陽の上亢など、さまざまな異常が生じやすい部位です。

  • 肝経実証:イライラ、頭痛、めまい、胸脇部の張りなど。
    →治療:疏肝・平肝・清肝(例:柴胡疏肝湯、竜胆瀉肝湯)
  • 肝血虚:目のかすみ、不眠、手足のしびれ、爪の変形。
    →治療:養血・柔肝(例:四物湯、当帰芍薬散)
  • 肝陽上亢:頭痛、顔面紅潮、怒りっぽい、不眠。
    →治療:平肝潜陽(例:釣藤散、天麻鉤藤飲)
  • 肝風内動:手足の震え、けいれん、眩暈。
    →治療:息風止痙(例:羚角鉤藤湯、天麻鉤藤飲)

鍼灸治療では、肝経とその関連経絡に対し、以下の経穴がよく用いられます。

  • 疏肝理気:太衝、行間、期門、膻中
  • 養血柔肝:三陰交、肝兪、血海、太谿
  • 平肝潜陽:風池、百会、内関、太渓

臨床では肝脾不和肝腎陰虚といった複合証が多く、症状も情緒や自律神経系に及ぶため、丁寧な弁証論治が必要です。

次の文で示す患者に対する治療法で適切なのはどれか。 「50歳の男性。半年前からめまいがある。怒りっぽく顔は赤い。脈は弦数。」

  1. 肝経の瀉
  2. 肺経の瀉
  3. 腎経の瀉
  4. 脾経の瀉

35歳の女性。数年前から時々頭頂部に発作的な痛みがある。気分はイライラし、時々目がかすみ、手足の筋肉がひきつることがある。脈は弦脈である。治療の対象となる主たる経絡はどれか。

  1. 足の厥陰肝経
  2. 足の太陽膀胱経
  3. 手の少陰心経
  4. 手の太陽少腸経

次の文で示す患者の病証について治療対象となる経脈で適切なのはどれか。 「7歳の男児。夜間の遺尿がある。食欲不振があり、泥状便が観察される。舌質は淡、脈は沈細弱。」

  1. 手の少陰経
  2. 手の太陽経
  3. 足の少陽経
  4. 足の太陰経

脾▪︎胃

脾・胃経の異常に対する治療方針

脾経・胃経は中焦を中心に、消化吸収や気血生成、水湿運搬などに関わります。これらの経絡に異常が起こると、消化器症状・全身倦怠感・痰湿の停滞などがみられます。

  • 脾気虚:食欲不振、倦怠感、軟便、舌淡胖、脈虚。
    →治療:補気健脾(例:六君子湯、参苓白朮散)
  • 脾不統血:出血傾向(月経過多・紫斑など)、脈細弱。
    →治療:健脾止血(例:帰脾湯)
  • 脾陽虚:四肢冷感、むくみ、泥状便。
    →治療:温補脾陽(例:理中湯)
  • 胃熱:口渇、口臭、便秘、舌紅苔黄。
    →治療:清胃瀉火(例:清胃散)
  • 胃寒:胃痛、好温、舌淡苔白。
    →治療:温中散寒(例:呉茱萸湯)
  • 食滞:膨満感、悪心、口臭、舌苔厚膩。
    →治療:消食導滞(例:保和丸)

鍼灸治療では、以下のような経穴が用いられます。

  • 補脾:足三里、脾兪、胃兪、気海、中脘
  • 消食導滞:梁丘、天枢、内庭、上巨虚
  • 温中散寒:中脘、足三里、関元、気海
  • 清胃瀉火:内庭、厲兌、合谷

脾胃は後天の本といわれ、全身の気血生化に関わる重要な臓腑です。慢性疾患や体質改善のカギとなるため、日常的なケアが非常に重要です。

次の文で示す患者の病証で、治療対象として適切でないのはどれか。 「7歳の男児。主訴は夜尿で、かんしゃくを起こした夜にみられやすい。かんしゃくを起こすと顔は真っ赤になり、ひきつけを起こすことがある。小便は黄色く、臭いが強い。陰部に湿疹がある。脈は滑数。」

  1. 肝経
  2. 督脈
  3. 任脈
  4. 脾経

次の文で示す患者の病態に対する適切な治療はどれか。
「35歳の女性。食欲がなく、痩せて顔色が悪い。少し動くと息切れがして疲れる。低血圧で朝起きるのがつらい。脈は弱い。」

  1. 肺経に瀉法の鍼を行う。
  2. 肝経に補法の灸を行う。
  3. 脾経に補法の灸を行う。
  4. 腎経に瀉法の鍼を行う。

次の文で示す患者の病証に対し、治療対象となる経脈として最も適切なのはどれか。 「30歳の女性。半年前から月経周期が不順で、経血量が多く、歯茎からも出血しやすい。精神的な疲労と脱力感がある。舌は淡、脈は細弱を認める。」

  1. 手の少陰経
  2. 足の厥陰経
  3. 足の少陰経
  4. 足の太陰経

次の文で示す患者の病証について治療対象となる経脈で適切なのはどれか。 「7歳の男児。夜間の遺尿がある。食欲不振があり、泥状便が観察される。舌質は淡、脈は沈細弱。」

  1. 手の少陰経
  2. 足の太陰経
  3. 手の太陽経
  4. 足の少陽経

次の文で示す患者の病証に対し、施術対象となる適切な経絡はどれか。 「25歳の女性。食欲がなく、体が重たく感じ、疲れやすい。脈診では右関上、沈の脈が弱い。」

  1. 足の少陽経
  2. 足の太陰経
  3. 手の太陰経
  4. 手の少陰経

次の文で示す患者の病証について治療対象となる経脈で適切なのはどれか。 「30歳の男性。半年前から便秘が続く。偏食傾向があり辛い物をよく食べる。腹部膨満感があり口臭も強い。舌質は紅、脈は滑実。」

  1. 胃経
  2. 膀胱経
  3. 小腸経
  4. 肺経

次の文で示す患者の病証に対する治療で適切でないのはどれか。 「45歳の男性。日頃から頭痛、耳鳴りがあり、怒ると症状が悪化する。顔面高潮、口が苦く、寝汗を伴う。舌質は紅、脈は弦数。」

  1. 足の陽明経を補う。
  2. 足の少陰経を補う。
  3. 足の厥陰経を瀉す。
  4. 足の少陽経を瀉す。

次の文で示す患者の病証で適切な治療部位はどれか。 「46歳の男性。日頃から冷たいものを好んで摂取していたところ、食欲不振、食後の腹部膨満感、四肢の倦怠・無力感、軟便をきたすようになった。臍周囲は冷たく、動悸がある。脈は軟。」

  1. 腓骨前縁
  2. 下腿後面
  3. 脛骨内側面
  4. 脛骨内縁

肺経の異常に対する治療方針

は、気を主り、宣発・粛降・通調水道などの作用を担い、「嬌臓」とも呼ばれる繊細な臓です。肺経の異常には以下のようなタイプがあります。

  • 肺気虚:息切れ、声が小さい、風邪をひきやすい、汗が出やすい。
    →治療:補肺益気(例:補中益気湯、人参養栄湯)
  • 肺陰虚:乾いた咳、粘稠痰、頬紅、寝汗、口や咽の乾燥。
    →治療:養陰潤肺(例:麦門冬湯、清燥救肺湯)
  • 風寒犯肺:悪寒、発熱、咳、鼻水、痰は白く薄い。
    →治療:疏風散寒・宣肺止咳(例:麻黄湯、三拗湯)
  • 風熱犯肺:発熱、咽喉の腫れ痛み、黄痰、鼻づまり。
    →治療:疏風清熱・宣肺止咳(例:銀翹散、桑菊飲)
  • 痰湿阻肺:痰が多く、重だるさ、咳嗽、胸苦しさ。
    →治療:燥湿化痰・健脾利水(例:二陳湯、苓甘五味姜辛湯)

鍼灸治療では、以下の経穴がよく使用されます。

  • 補肺・益気:中府、太淵、肺兪、膻中
  • 潤肺・清熱:尺沢、列欠、魚際
  • 祛風・解表:風門、外関、合谷、迎香
  • 化痰・理気:天突、豊隆、中脘

肺は「嬌臓」とされ、気候や外邪の影響を受けやすいため、予防的な施術や、体表の保護も大切です。弁証論治に基づいたケアを行いましょう。

次の文で示す患者に対する治療方針で瀉法を行う適切な経絡はどれか。 「45歳の女性。咳がでて息苦しく、痰は少なく粘る。顔面紅潮、喉の乾きがある。脈は実。」

  1. 肝経
  2. 肺経
  3. 腎経
  4. 脾経

🌟腎経の異常に対する治療方針

は「先天の本」であり、精を蔵し、発育・生殖・水液代謝・納気などを司る重要な臓です。腎の病理変化は慢性かつ深部に及ぶことが多く、他の臓腑機能低下にも影響します。

  • 腎虚:成長・発育の遅れ、精力減退、腰膝軟弱、耳鳴、難聴、健忘、性機能低下、夜間頻尿など
    →治療:補腎(例:六味地黄丸、八味地黄丸)
  • 腎陰虚:ほてり、盗汗、口渇、潮熱、五心煩熱、舌紅少苔、脈細数
    →治療:滋陰補腎(例:知柏地黄丸、杞菊地黄丸)
  • 腎陽虚:寒がり、冷え、浮腫、下痢、顔面蒼白、性欲減退、舌淡胖、脈沈遅
    →治療:温補腎陽(例:八味地黄丸、牛車腎気丸、右帰丸)
  • 腎気不固:夜間頻尿、尿失禁、早泄、遺精、流産癖など
    →治療:補腎固精(例:金匱腎気丸、縮泉丸)

鍼灸治療では以下の経穴が有効とされます:

  • 補陽:命門、関元、大椎、神闕(灸)
  • 納気:腎兪、太渓、肺兪、膻中

次の文で示す患者の病証に対し、補法を行う経絡はどれか。 「60歳の男性。血圧が高く、腰のだるさ、耳鳴り、不眠を伴う。舌質紅。脈は細数。」

  1. 足の陽明経
  2. 足の少陰経
  3. 手の少陽経
  4. 手の太陰経

次の文で示す患者の治療対象となる主たる経絡はどれか。 「53歳の男性。慢性の腰下肢痛があり、全身倦怠感、耳鳴および性欲減退を伴う。脈は細くて弱い。」

  1. 足の太陰脾経
  2. 足の少陰腎経
  3. 足の陽明胃経
  4. 足の太陽膀胱経

その他

次の文で示す患者の病証に対する治療穴として、経脈の異常に基づく選穴で最も適切なのはどれか。 「60歳の男性。主訴は右上の歯茎の痛み。長期間ストレスが続き、3日前から胸焼けとともに歯茎が腫れて軽く噛み合わせても痛む。脈は右関上が浮滑。」

  1. 上関
  2. 内庭
  3. 合谷
  4. 顴髎

次の文で示す病証に対して治療すべき足の経脈・経筋として最も適切なのはどれか。 「26歳の男性。主訴は膝の痛み。4日前に宴会で食べ過ぎた。その後、背中の張り感やだるさとともに、趣味のバスケットボールでジャンプしたときに膝に痛みを自覚する。舌中央部に黄厚膩苔がある。」

  1. 厥陰経
  2. 陽明経
  3. 少陽経
  4. 太陰経

次の文で示す患者の病証に対する治療で最も適切な経脈はどれか。 「38歳の女性。もともと喘息の持病があったが、最近、反抗期の息子に怒ってばかりでイライラし、症状が頻発し、咳も出るようになった。口が苦く咳をすると胸脇部が痛む。舌質紅、舌は薄黄苔、脈は弦数。」

  1. 手の太陰経と足の厥陰経
  2. 手の少陰経と足の太陰経
  3. 手の少陰経と足の厥陰経
  4. 手の太陰経と足の太陰経

🌟まとめ

この記事では、八綱弁証+舌診・脈診というシンプルな視点から、東洋医学の病証問題を解くコツを解説しました。

複雑に見える臓腑弁証も、表裏・寒熱・虚実・陰陽を軸に見立てれば理解が進みます。

  • 八綱弁証のポイント:脈が浮→表、脈が沈→裏、舌が紅→熱、舌が淡→寒 etc.
  • 臓腑ごとの治療方針:肝→疏肝理気、脾→補中益気、腎→補腎精、肺→宣肺利水、心→養心安神など
  • 補瀉法や経穴の選定:補法=気海・関元、瀉法=太衝・合谷などをパターンで記憶

国家試験対策だけでなく、臨床においても八綱+舌脈診+臓腑弁証は応用が効く組み合わせです。

📌こんな方におすすめ

  • 東洋医学の病証をすぐ見分けたい
  • 臨床で使える弁証力を身につけたい
  • 国家試験でよく出るパターンを整理したい

最後までお読みいただきありがとうございました。この記事があなたの東洋医学の学びに役立てば嬉しいです。

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