loader image

広告 東洋医学

国家試験対策~きゅう理論~

2024-08-15

🌟きゅうの基礎知識

灸(きゅう)は、ヨモギの葉から作られる艾(もぐさ)を使用し、熱刺激を身体に与える伝統的な治療法です。

日本では古来から体調を整える方法として親しまれ、現在では国家資格を持つはり師・きゅう師が臨床で用いています。

良質艾と粗悪艾の違い

  良質艾 粗悪艾
臭い 芳香 生葉の香りが残る
手触り 柔らかい 固い
色 淡黄白色 黒褐色
線維 細かい 粗い
夾雑物 少ない 多い
煙 少ない 多い
燃焼温度 低い 高い
燃焼時間 短い 長い
加熱曲線 ゆるやか 急激に変化
乾湿 乾燥している 湿気を帯びる
点火性 容易 困難
灰の量 少ない 多い

国家試験では、灸に使われる艾の品質判別がよく出題されます。

とくに「色」「臭い」「燃焼の様子」など五感で判断できる点に注目しましょう。

良質な艾は、見た目がふんわりと淡黄白色で、指で触れると柔らかく、点火性に優れています。

一方で、粗悪な艾は黒っぽく、湿り気やゴミが混ざっていることが多く、火がつきにくいという特徴があります。

灸の香りと成分のポイント

  • 毛茸(もうじょう):T字型が多いほど高品質の目安
  • 腺毛:チオネール(精油)を含み、灸独特の芳香の元になる
  • チネオール:艾の燃焼時に放たれる芳香成分。リラックス作用や抗菌作用も
  • 線香材料:「タブ」と呼ばれるクスノキ科の樹皮粉末が使われる

チネオールの香りは精神を落ち着かせる作用もあり、灸のリラクゼーション効果とも関係しています。

試験では「チネオール=芳香成分」「チオネール=腺毛に含まれる精油」と覚えておきましょう。

艾の製法と工程

  • 収穫:ヨモギは5月~8月に刈り取り
  • 乾燥:天日干しや乾燥機を使用
  • 裁断:葉と茎を細かく切り分ける
  • 粉砕:石臼で挽いて毛茸・綿毛を抽出
  • 不純物除去:
    • けんどん:ふるいで大きなゴミを取り除く
    • 唐箕(とうみ):風力・遠心力・叩打力で微細なゴミまで分離

特に「唐箕」は、時間と手間がかかるため、品質の高い艾には欠かせない工程です。

このようにして仕上げられた艾は、臨床現場だけでなく、市販の灸製品にも使われています。

まとめると、灸治療における基本は「艾の品質」です。

国家試験では、嗅覚・触覚・視覚・熱特性などの比較や、製法の順序を問う問題が頻出です。

単なる暗記にとどまらず、実際に艾を触れて、燃やして、観察する経験が合格への鍵となるでしょう。

第21回-152

良質艾の条件で正しい記述はどれか。

  1. 主な構成物は葉脈である。
  2. 黒褐色である。
  3. 灰分の含有量が多い。
  4. 繊維が細く軟らかい。

第23回-151

良質艾の特徴で正しいのはどれか。

  1. 淡黄白色である。
  2. 繊維が粗い。
  3. 燃焼時の最高温度が高い。
  4. 芳香が少ない。

第1回-158

良質艾の条件でないのはどれか。

  1. よく乾燥していて途中で消えない。
  2. 淡黄白色で線維が細く柔かい。
  3. 加熱曲線は漸増漸減の緩やかなカーブを描く。
  4. 灰分の含有量が多い。

第3回-151

良質艾の要件でないのはどれか。

  1. 手触りが良い。
  2. 灰分が多い。
  3. 線維が細い。
  4. 点火しやすい。

第13回-151

良質艾の条件で適切でないのはどれか。

  1. ヨモギの香りが強い。
  2. 淡黄白色を呈する。
  3. 灰分が少ない。
  4. 繊維が細い。

第18回-152

良質艾の成分について正しい記述はどれか。

  1. 灰分が多い。
  2. 揮発成分が多い。
  3. 水分が多い。
  4. 繊維成分が多い。

第2回-151

良質艾の主成分はヨモギのどの部分か。

  1. 花
  2. 葉脈
  3. 茎
  4. 毛茸

第4回-152

灸療法に用いる線香の材料はどれか。

  1. タブ
  2. マツ
  3. クリ
  4. ヒノキ

第15回-151

線香の主原料で正しいのはどれか。

  1. タブの樹皮
  2. マキの葉
  3. マツの実
  4. クスの根

第31回-172

施灸に用いる線香について誤っているのはどれか。

  1. 生産量が最も多いのは兵庫県である。
  2. 湿気を含むと折れにくい。
  3. 原料にはタブ粉を用いる。
  4. 途中で消えないものが望ましい。

第5回-152

艾について正しい記述はどれか。

  1. 毛茸は良質艾には含まれない。
  2. 腺毛は揮発性の精油を含む。
  3. チネオールは線維様物質である。
  4. 腺毛は葉の表にある。

第17回-152

艾に関して正しい記述はどれか。

  1. 腺毛は揮発性の精油を含む。
  2. チネオール(シネオール)は線維様物質である。
  3. 良質艾は毛茸を含まない。
  4. ヨモギの葉の表面には毛茸が多い。

第19回-151

艾について正しい記述はどれか。

  1. 毛茸は葉の表の面に多い。
  2. ヨモギは9~11月頃に採集する。
  3. 切艾は直接灸に用いる。
  4. 粗悪な艾は繊維が細かい。

第29回-171

艾について誤っているのはどれか。

  1. シネオールは線維様物質である。
  2. ヨモギの葉の裏面には毛茸が多い。
  3. 毛茸は良質艾に含まれる。
  4. 柄細胞は揮発性の精油を含む。

第8回-151

艾の品質について正しい組合せはどれか。

  1. 色調は灰白色 ─── 良質
  2. 繊維は細かい ─── 粗悪
  3. 灰は少ない ──── 良質
  4. 熱感は温和 ──── 粗悪

第25回-151

透熱灸に用いる艾で最も適切なのはどれか。

  1. 繊維が粗い。
  2. 灰分が少ない。
  3. 葉柄が多い。
  4. 黒褐色である。

第6回-151

散艾について正しい記述はどれか。

  1. 良質なものは腺毛の割合が少ない。
  2. 施灸時にひねって用いる。
  3. 切艾とも呼ばれる。
  4. 和紙で包んだものを用いる。

第6回-152

隔物灸に通常用いる艾の特徴はどれか。

  1. 線維が細かい。
  2. 手触りが良く柔らかい。
  3. 燃焼時の熱量が大きい。
  4. 湿気が多い。

第11回-151

隔物灸に比較的粗悪な艾を用いる理由として正しいのはどれか。

  1. ひねりやすい。
  2. 芳香がある。
  3. 手触りが良い。
  4. 燃焼温度が高い。

第14回-152

間接灸用のモグサの品質として適切なのはどれか。

  1. 淡黄白色である。
  2. 繊維が細かい。
  3. 燃焼時の煙の量が少ない。
  4. 燃焼時の温度が高い。

第22回-152

粗悪艾の特徴で正しいのはどれか。

  1. 乾燥している。
  2. 燃焼時の最高温度が低い。
  3. 繊維が細かい。
  4. 燃焼時間が長い。

第24回-152

押灸に用いる艾で正しいのはどれか。

  1. 繊維が細かい。
  2. 淡黄白色である。
  3. 手触りがよい。
  4. 火力が強い。

第4回-154

艾の燃焼時の芳香物質はどれか。

  1. チネオール
  2. アルコール
  3. 毛茸
  4. 葉緑素

第7回-154

艾の燃焼について正しい記述はどれか。

  1. 送風すると燃焼時間は長くなる。
  2. 軟らかい艾炷は燃焼温度が高い。
  3. 良質艾は燃焼時間が短い。
  4. 良質艾は燃焼温度が高い。

第27回-152

艾の燃焼に関して正しいのはどれか。

  1. 硬くひねると燃焼温度は低い。
  2. 良質艾は燃焼温度が低い。
  3. 軟らかくひねると燃焼時間が長い。
  4. 乾いた艾は燃焼時間が長い。

第10回-151

毛茸について正しい記述はどれか。

  1. ヨモギの葉の裏面に密生する。
  2. 良質艾は毛茸が少ない。
  3. 艾の夾雑物の一つである。
  4. 緑色の毛である。

第21回-151

毛茸について正しい記述はどれか。

  1. 揮発性の精油が含まれている。
  2. ヨモギの葉の表に密生する。
  3. T字形をしている。
  4. 黄色の毛である。

第20回-151

艾燃焼時の特有の芳香はどれによるか。

  1. 腺毛
  2. 夾雑物
  3. 毛茸
  4. 葉緑素

第24回-151

ヨモギの組成のうち精油を多く含むのはどれか。

  1. 葉柄
  2. 毛茸
  3. 葉脈
  4. 腺毛

第17回-151

艾の原料であるヨモギの採取時期として最も適切なのはどれか。

  1. 9月
  2. 5月
  3. 2月
  4. 11月

第10回-152

小切艾の大きさに相当するのはどれか。

  1. 糸状大
  2. 米粒大
  3. 母指頭大
  4. えんどう大

第16回-151

艾の精製に用いる用具と用途との組合せで誤っているのはどれか。

  1. 唐箕 ────────── 毛茸の表面付着物を除去する。
  2. 石臼 ────────── 葉脈を除去する。
  3. 裁断機 ───────── 乾燥したヨモギの葉を刻む。
  4. 長唐箕(けんどん) ─── 夾雑物をふるい落とす。

第18回-151

良質艾の精製過程で最終段階に使用する道具はどれか。

  1. 石臼
  2. 唐箕
  3. 裁断機
  4. 篩

第22回-151

艾の製造過程で細かな不純物を除去する用具はどれか。

  1. けんどん(長唐箕)
  2. 唐箕
  3. 石臼
  4. 裁断機

第28回-151

良質艾の精製工程で最も時間をかけて不純物を取り除くのはどれか。

  1. けんどん(長唐箕)
  2. 唐箕
  3. 石臼
  4. 裁断機

第31回-171

艾の製造工程で艾葉から毛茸を剝離するのに用いるのはどれか。

  1. けんどん
  2. 唐箕
  3. 裁断機
  4. 石臼

🌟きゅう術の種類

灸(きゅう)には、大きく分けて「有痕灸(ゆうこんきゅう)」と「無痕灸(むこんきゅう)」の2つの種類があります。

国家試験でも頻出のテーマで、それぞれの違いや施術方法、適応などをしっかりと理解しておくことが重要です。

有痕灸(皮膚に痕が残る灸法)

灸法名 艾の大きさ 特徴と用途
透熱灸 米粒大・半米粒大 皮膚に置いた艾に点火し、燃え尽きる前に取り除く。良質艾を使用し、刺激を調整する場合は糸状灸を使う。
焦灼灸 対象により異なる 皮膚に焼痕を残す灸法。ウオノメやイボなどの局所的な変化を目的とする。
打膿灸 小〜母指頭大 皮膚に膿を持つほどの火傷を意図的に作る。体力のある成人向けで、小児や虚弱者には禁忌。

有痕灸は、皮膚に直接火傷を生じさせることで、身体に強い刺激を与えます。

昔は民間療法や難病治療に多く用いられてきましたが、現在では施術部位や体質を考慮して慎重に使われています。

国家試験では、透熱灸の特徴や「小児には禁忌である打膿灸」などが問われやすいので覚えておきましょう。

無痕灸(痕が残らない灸法)

灸法名 特徴と用途 代表例
知熱灸 米粒大・半米粒大の艾を8〜9割燃やし、熱さを感じた時点で消す灸法 八分灸・九分灸
温灸 艾を皮膚に直接接触させず、輻射熱で温熱刺激を与える 棒灸・温筒灸
隔物灸 艾と皮膚の間に物を置くことで、間接的に熱を伝える灸法 ニンニク灸・味噌灸・ショウガ灸・塩灸・ビワの葉灸・墨灸
その他 艾を使わず、薬物を穴位に塗布して温熱作用を得る方法 紅灸・うるし灸

無痕灸は、皮膚を傷つけず、穏やかな温熱刺激を与える方法です。

現代の臨床ではこちらが主流で、特に温灸や隔物灸は高齢者や虚弱者、小児にも適しているとされます。

患者の体質や状態に合わせて、安全で快適な施術を提供できることが、きゅう師としての技量です。

灸法の選択は目的と体質に応じて

国家試験対策では、「灸の分類とそれぞれの特徴」をしっかりと把握し、症例に合わせた適応の判断ができることが求められます。

有痕灸は強い刺激を、無痕灸は穏やかな刺激を与えるという基本原則を押さえ、禁忌や対象年齢の注意点もセットで覚えておきましょう。

国家試験過去問

第2回-158

イボに施灸し組織を破壊する灸法はどれか。

  1. 焦灼灸
  2. 打膿灸
  3. 透熱灸
  4. 棒灸

第3回-152

艾を使用しない灸法はどれか。

  1. しょうが灸
  2. にんにく灸
  3. うるし灸
  4. 塩灸

第3回-160

知熱灸はどれに含まれるか。

  1. 隔物灸
  2. 温灸
  3. 透熱灸
  4. 焦灼灸

第4回-157

半米粒大の艾炷を用いる灸法はどれか。

  1. 隔物灸
  2. 打膿灸
  3. 温灸
  4. 透熱灸

第5回-151

誤っている記述はどれか。

  1. 知熱灸は無痕灸である。
  2. 透熱灸は有痕灸である。
  3. うるし灸は温灸である。
  4. にんにく灸は隔物灸である。

第5回-153

灸法と疾患との組合せで適切なのはどれか。

  1. 透熱灸 ─── 神経痛
  2. 焦灼灸 ─── 面疔
  3. 温灸 ──── ひょう疽
  4. 打膿灸 ─── うおのめ

第5回-155

灸法で皮膚面温度が最も低いのはどれか。

  1. 焦灼灸
  2. 打膿灸
  3. 知熱灸
  4. 透熱灸

第6回-153

灸あたりが発生しやすい灸はどれか。

  1. 紅灸
  2. みそ灸
  3. 打膿灸
  4. 知熱灸

第7回-151

次の文で示す灸法はどれか。 「母指と示指で艾炷を覆い、ゆっくり八分目で消火する。」

  1. 焦灼灸
  2. 知熱灸
  3. 透熱灸
  4. 打膿灸

第7回-152

棒灸と灸頭鍼とに共通するのはどれか。

  1. 良質艾を用いる。
  2. 第2度の熱傷が起こる。
  3. 輻射熱を利用する。
  4. 機械的刺激が加わる。

第7回-155

焦灼灸の目的はどれか。

  1. 灸痕の化膿
  2. 組織の破壊
  3. 血管収縮の持続
  4. 第1度の熱傷

第7回-156

糖尿病患者に適した灸はどれか。

  1. 打膿灸
  2. 隔物灸
  3. 焦灼灸
  4. うるし灸

第8回-152

うおのめの治療に適した灸法はどれか。

  1. 知熱灸
  2. 透熱灸
  3. 焦灼灸
  4. 打膿灸

第9回-151

灸法でともに灸痕を残さないのはどれか。

  1. 灸頭鍼と弘法の灸
  2. 生姜灸と棒灸
  3. 知熱灸と透熱灸
  4. 温灸と焦灼灸

第9回-152

打膿灸について誤っているのはどれか。

  1. 背腰部に施灸する。
  2. 高齢の虚弱者に適する。
  3. 指頭大の艾炷を用いる。
  4. 灸あたりを起こしやすい。

第9回-154

温熱刺激を与えない灸法はどれか。

  1. 紅灸
  2. 生姜灸
  3. ニンニク灸
  4. ビワの葉灸

第10回-153

隔物灸はどれか。

  1. 塩灸
  2. 油灸
  3. 紅灸
  4. うるし灸

第10回-154

温熱刺激を受ける体表面積が最も狭い灸法はどれか。

  1. 透熱灸
  2. 棒灸
  3. 塩灸
  4. 打膿灸

第10回-155

次のうち使用する艾の質が他と異なるのはどれか。

  1. 透熱灸
  2. 焦灼灸
  3. 隔物灸
  4. 打膿灸

第11回-153

施灸部位の化膿予防を患者に指導する必要がある施灸法はどれか。

  1. 知熱灸
  2. ニンニク灸
  3. 打膿灸
  4. 透熱灸

第12回-151

輻射熱で温熱刺激を与えるのはどれか。

  1. 透熱灸
  2. 棒灸
  3. 打膿灸
  4. 紅灸

第12回-152

焦灼灸について正しいのはどれか。

  1. 裏内庭の施灸に用いる。
  2. 輻射熱を応用する。
  3. 単純性疣贅に用いる。
  4. 第2度熱傷である。

第12回-153

小切艾を用いる灸法はどれか。

  1. 打膿灸
  2. 透熱灸
  3. 生姜灸
  4. 塩灸

第12回-154

ビワの葉灸について正しいのはどれか。

  1. ビワの葉を温めて皮膚に当てる。
  2. ビワの葉の繊維成分を艾様にして使用する。
  3. ビワの葉のエキスを塗る。
  4. ビワの葉を皮膚に置き、その上に棒灸を押しつける。

第13回-152

艾を直接皮膚上に置き、燃焼させる無痕灸はどれか。

  1. 焦灼灸
  2. 知熱灸
  3. 紅灸
  4. 温筒灸

第13回-153

熱刺激に伴い経皮的に薬理効果が期待できる灸術はどれか。

  1. 塩灸
  2. 棒灸
  3. ウルシ灸
  4. ニンニク灸

第13回-154

米粒大の透熱灸が適切なのはどれか。

  1. 坐骨神経痛の圧痛部
  2. 便秘を訴える妊婦の腹部
  3. ベル麻痺の患部
  4. 皮膚の炎症部

第14回-151

透熱灸について誤っている記述はどれか。

  1. 患者が熱さを感じたところで取り去る。
  2. モグサを直接皮膚上で燃焼させる。
  3. 円錐形の艾炷を作る。
  4. 夾雑物が少ないモグサを用いる。

第14回-153

温熱作用と共にモグサの燃焼で生じるタール成分(脂やに)の作用がみられる灸法はどれか。

  1. 知熱灸
  2. 焦灼灸
  3. ショウガ灸
  4. 墨灸

第14回-154

灸術の種類で正しい組合せはどれか。

  1. 棒灸 ───── 温灸
  2. 糸状灸 ──── 知熱灸
  3. ウルシ灸 ─── 隔物灸
  4. 八分灸 ──── 透熱灸

第15回-152

組織損傷を伴う灸法はどれか。

  1. 知熱灸
  2. 透熱灸
  3. ニンニク灸
  4. 温筒灸

第15回-153

灸法と刺激特性との組合せで誤っているのはどれか。

  1. 棒灸 ──── 乾熱
  2. 味噌灸 ─── 湿熱
  3. 生姜灸 ─── 湿熱
  4. 紅灸 ──── 乾熱

第16回-152

灸痕を残さない灸法の組合せはどれか。

  1. 塩灸 ────── 焦灼灸
  2. 押灸 ────── 透熱灸
  3. ショウガ灸 ─── 知熱灸
  4. 紅灸 ────── 打膿灸

第16回-153

小児の灸治療で適切でないのはどれか。

  1. 知熱灸
  2. 艾条灸(棒灸)
  3. 弘法の灸
  4. ちりげの灸

第16回-156

灸あたりが起こりやすいのはどれか。

  1. 紅灸
  2. ショウガ灸
  3. 知熱灸
  4. 打膿灸

第17回-153

灸術の種類で誤っている組合せはどれか。

  1. 艾を使用しない灸法 ─── 紅灸
  2. 知熱灸 ───────── 八分灸
  3. 隔物灸 ───────── 温筒灸
  4. 透熱灸 ───────── 糸状灸

第17回-154

皮膚に損傷を与えないのはどれか。

  1. 焦灼灸
  2. ニンニク灸
  3. 透熱灸
  4. 打膿灸

第18回-153

隔物灸でないのはどれか。

  1. ニラ灸
  2. 塩灸
  3. 紅灸
  4. 味噌灸

第18回-154

多壮灸を原則とするのはどれか。

  1. 打膿灸
  2. 焦灼灸
  3. ビワの葉灸
  4. 知熱灸

第18回-156

患者の状態と灸法との組合せで適切でないのはどれか。

  1. 疣贅 ───────────── 焦灼灸
  2. 糖尿病性ニューロパチー ──── 棒灸
  3. 副腎皮質ステロイドの使用 ─── 知熱灸
  4. 免疫抑制剤の服用 ─────── 透熱灸

第19回-152

無痕灸はどれか。

  1. 打膿灸
  2. 透熱灸
  3. 知熱灸
  4. 焦灼灸

第20回-152

灸術の種類で正しい組合せはどれか。

  1. 八分灸 ─── 透熱灸
  2. 紅灸 ──── 隔物灸
  3. 棒灸 ──── 温灸
  4. 糸状灸 ─── 知熱灸

第22回-153

施灸部の組織を破壊する目的で行う灸法はどれか。

  1. 押灸
  2. 焦灼灸
  3. 知熱灸
  4. 透熱灸

第23回-152

中指頭大の艾炷をすえた後に吸い出し膏を貼る灸法はどれか。

  1. 透熱灸
  2. 焦灼灸
  3. 打膿灸
  4. 薬灸

第23回-153

湿性温灸はどれか。

  1. 温筒灸
  2. 棒灸
  3. ショウガ灸
  4. 知熱灸

第24回-153

通常用いる透熱灸で正しいのはどれか。

  1. 大豆大の艾炷を用いる。
  2. 艾炷底面の燃焼最高温度は約150℃である。
  3. 精製度の高い艾を用いる。
  4. 施灸でできた痂皮は取り除く。

第24回-154

八分灸が属する灸法はどれか。

  1. 塩灸
  2. 知熱灸
  3. 温筒灸
  4. 焦灼灸

第25回-153

糖尿病患者で避けるべきなのはどれか。

  1. 八分灸
  2. ニンニク灸
  3. 押灸
  4. 糸状灸

第26回-155

知熱灸を行う際に最も注意を要するのはどれか。

  1. 関節リウマチ
  2. 過敏性腸症候群
  3. 認知症
  4. 骨粗鬆症

第27回-151

灸法で施灸部の組織を破壊しないのはどれか。

  1. 焦灼灸
  2. 透熱灸
  3. 打膿灸
  4. 押灸

第27回-152

艾の燃焼に関して正しいのはどれか。

  1. 軟らかくひねると燃焼時間が長い。
  2. 乾いた艾は燃焼時間が長い。
  3. 良質艾は燃焼温度が低い。
  4. 硬くひねると燃焼温度は低い。

第27回-153

艾を使用しないのはどれか。

  1. 塩灸
  2. 味噌灸
  3. ニンニク灸
  4. 漆灸

第28回-154

糖尿病患者に対する灸施術で灸痕化膿のリスクが最も低いのはどれか。

  1. 焦灼灸
  2. 打膿灸
  3. 透熱灸
  4. 艾条灸

第29回-172

母指と示指で艾炷を覆い、ゆっくり八分目で消火する灸法はどれか。

  1. 知熱灸
  2. 透熱灸
  3. 焦灼灸
  4. 打膿灸

🌟臨床応用

灸療法は、東洋医学の枠を超えて現代医療でも注目されている温熱療法の一つです。

身体に温熱刺激を与えることで、血流改善、自律神経の調整、免疫力の向上などが期待され、慢性疼痛や冷え、消化器症状、婦人科系トラブルにも応用されています。

しかし、施術時にはリスク管理と適切な知識が不可欠です。

灸の熱傷リスクとその対応

  • 第Ⅱ度熱傷予防:ヒリヒリとした熱さを感じた時点(約45℃)で艾を取り除くのが基本。
  • 燃焼時間や艾の大きさ:大きすぎる艾は燃焼温度が上がりすぎるため、米粒大~半米粒大が推奨。
  • 皮膚の状態に注意:乾燥肌や高齢者の薄い皮膚は熱傷のリスクが高い。

施灸時に最も注意すべきは「熱さの感覚」に対する配慮です。

特に透熱灸では、熱が皮膚に伝わる速度が速く、灸点が小さいほど局所的な温度が上がりやすいため、患者の声や皮膚の反応をよく観察しましょう。

火傷(熱傷)の分類と特徴

分類主な症状
Ⅰ度熱傷紅斑・ヒリヒリとした痛み(表皮のみに限局)
Ⅱ度熱傷水泡形成・強い痛み(真皮までの損傷)
Ⅲ度熱傷皮膚が黒色・褐色・白色になり、無痛(皮膚壊死や感覚神経の損傷)

灸による熱傷は多くがⅠ度ですが、施灸時間の誤りや艾の大きさの調整不足によりⅡ度やⅢ度に進行することがあります。

火傷が疑われた際には、すぐに冷却処置を行い、必要に応じて医療機関の受診をすすめましょう。

有痕灸の禁忌部位

  • 顔面部(見た目の問題と皮膚が薄く敏感)
  • 乳頭(刺激による組織損傷や感染リスク)
  • 臍部(臓器に近接しており、熱による内臓刺激のリスク)
  • 外生殖器(感染・炎症リスクが高い)
  • 化膿しやすい皮膚部位(アトピー、湿疹部など)

国家試験では「有痕灸が禁忌となる部位はどれか」といった選択肢で頻出です。

「臍部・顔面部・乳頭・外生殖器」というセットは必ず覚えておきましょう。

また、乳児や高齢者、糖尿病などで末梢血流障害がある患者も火傷のリスクが高いため、無痕灸を選択するのが一般的です。

臨床での応用例と国家試験対策

灸療法は、肩こり・腰痛・胃腸障害・生理不順・不妊・冷え性など幅広く応用され、局所の血流促進だけでなく、自律神経系や免疫系に働きかけることもわかっています。

国家試験では、「灸の熱傷予防」「火傷の分類」「禁忌部位」など、患者の安全に関する設問がよく出されるため、正しい知識を持って対処できることが重要です。

第31回-173

知熱灸について誤っているのはどれか。

  1. 無痕灸の一つである。
  2. 施灸部にⅡ度熱傷が生じる。
  3. 虚弱者にも適応となる。
  4. 患者が熱さを感じたら取り除く。

第1回-156

灸施術の禁忌でないのはどれか。

  1. 皮膚が過敏である場合。
  2. 急性腹症の場合。
  3. 血圧が異常に高い場合。
  4. 高熱を呈している場合。

第24回-155

WHOの「鍼の基礎教育と安全性に関するガイドライン(1999年)」において灸治療の禁忌はどれか。

  • 月経痛
  • 低血圧
  • 高熱
  • 便秘

第3回-157

透熱灸を避けるべき部位はどれか。

  1. 前頸部
  2. 頭頂部
  3. 殿部
  4. 下腹部

第7回-153

灸法と避けるべき部位との組合せで正しいのはどれか。

  1. 透熱灸 ─── 顔面部
  2. 隔物灸 ─── 臍部
  3. 打膿灸 ─── 肩甲間部
  4. 焦灼灸 ─── 足部

第20回-153

透熱灸を避けるべき部位はどれか。

  1. 下腹部
  2. 顔面部
  3. 殿部
  4. 頭頂部

第22回-155

WHOのガイドラインにおいて有痕灸を避ける部位にある経穴はどれか。

  1. 長強
  2. 承泣
  3. 兪府
  4. 労宮

第23回-154

有痕灸を避けるべき経穴はどれか。

  1. 前頂
  2. 陰都
  3. 侠渓
  4. 迎香

第26回-154

WHOの「鍼の基礎教育と安全性に関するガイドライン(1999年)」で有痕灸を避けることとしている部位にある経穴はどれか。

  • 環跳
  • 淵腋
  • 巨髎
  • 丘墟

第29回-177

有痕灸を避けるべき部位はどれか。

  1. 頭頂部
  2. 爪根部
  3. 胸骨部
  4. 頬部

第29回-177

有痕灸を避けるべき部位はどれか。

  1. 頭頂部
  2. 爪根部
  3. 胸骨部
  4. 頬部

第1回-159

灸施術の補法として誤っているのはどれか。

  1. 点火した艾は自然に消えるのを待つ。
  2. 燃焼した灰を1回ずつ除去して施灸する。
  3. 良質艾を軟かく小さくひねって施灸する。
  4. 艾炷の底面を小さくして施灸する。

第3回-159

灸の補法はどれか。

  1. 一壮ごとに灰を除く。
  2. 艾炷を硬くする。
  3. 艾炷を小さくする。
  4. 速く燃焼させる。

第6回-155

灸施術の補法で正しい記述はどれか。

  1. 燃焼した灰を一回ずつ除去する。
  2. 艾炷の底面を広くする。
  3. 送風せず燃焼させる。
  4. 艾を硬くひねる。

第10回-156

灸施術で瀉法になるのはどれか。

  1. 壮数を少なくする。
  2. 風を送って燃焼させる。
  3. 灰の上に施灸する。
  4. 軟らかくひねる。

第17回-155

灸による瀉法はどれか。

  • 燃焼後の灰を除去して施灸する。
  • 自然消火を待つ。
  • 艾炷の底面を小さくして施灸する。
  • 良質の艾を軟らかくひねって施灸する。

第6回-156

灸の刺激量を考慮する要因でないのはどれか。

  1. 喫煙
  2. 職業
  3. 年齢
  4. 性別

第8回-153

灸施術の刺激量について誤っている記述はどれか。

  1. 壮数は多いほど強刺激である。
  2. 艾炷は大きいほど強刺激である。
  3. ひねりは軟らかいほど強刺激である。
  4. 有痕灸は無痕灸より強刺激である。

第8回-154

患者への灸の刺激量を決める要因でないのはどれか。

  1. 施術部位
  2. 灸治療の経験
  3. 体格
  4. 飲酒の経験

第9回-153

艾の燃焼時間が長くなるのはどれか。

  1. 硬くひねる。
  2. 送風する。
  3. 良質の艾を使用する。
  4. 艾炷を小さくする。

第11回-155

虚弱者に対する灸施術で適切でないのはどれか。

  1. 小さい艾柱を使う。
  2. 無痕灸を使う。
  3. 壮数を少なくする。
  4. ひねりを硬くする。

第16回-154

きゅう師による生活習慣病に対する指導で適切でないのはどれか。

  1. 禁煙
  2. 食事
  3. 運動
  4. 服薬

第16回-155

直接灸を行う部位として最も適切なのはどれか。

  1. 臍部
  2. 皮膚病の患部
  3. 顔面部
  4. 爪甲根部

第18回-155

小児に対する灸施術で適切でないのはどれか。

  1. 棒灸を用いる。
  2. 小さな艾炷を用いる。
  3. 艾を硬くひねる。
  4. 壮数を少なくする。

第18回-156

患者の状態と灸法との組合せで適切でないのはどれか。

  1. 糖尿病性ニューロパチー ──── 棒灸
  2. 副腎皮質ステロイドの使用 ─── 知熱灸
  3. 免疫抑制剤の服用 ─────── 透熱灸
  4. 疣贅 ───────────── 焦灼灸

第19回-153

知熱灸を行う上で熱刺激の調節に最も注意を必要とするのはどれか。

  1. ウイルス性肝炎
  2. 過敏性腸症候群
  3. 肩こり
  4. 糖尿病

第20回-154

有痕灸を行う場合、最も注意しなければならない疾患はどれか。

  1. 骨粗鬆症
  2. 糖尿病
  3. 過敏性腸症候群
  4. 更年期障害

第25回-152

艾炷の燃焼について正しいのはどれか。

  • 硬くひねると温度の上昇がゆっくりになる。
  • 良質艾では燃焼時間が長くなる。
  • 軟らかくひねると熱感が強くなる。
  • 粗悪艾では最高温度が低くなる。

第26回-151

強刺激を与える目的で行う灸法で正しいのはどれか。

  1. 小さな艾炷を用いる。
  2. 軟らかくひねる。
  3. 夾雑物が多い艾を用いる。
  4. 壮数を少なくする。

第26回-153

温筒灸を行った際に、第Ⅱ度熱傷予防のため、艾炷を取り除く目安はどれか。

  1. ヒリヒリとした熱さを感じ始めた時点
  2. フレアが出始めた時点
  3. 温かさを感じ始めた時点
  4. 我慢することができなくなった時点

第26回-152

月経異常に対する灸療法で最も適応となるのはどれか。

  1. 13歳で初経を迎え、2年後から月経痛に悩んでいる。
  2. 40歳頃から月経量が多く、月経痛とともに月経血中に血塊が混ざる。
  3. 28歳で月経痛が発症し、月経ごとに数日間強い下腹部痛を伴う。
  4. 頻発月経で3周期以上無排卵月経が続いている。

第29回-174

透熱灸を行う場合、最も注意しなければならない疾患はどれか。

  1. 変形性腰椎症
  2. 過敏性腸症候群
  3. 全身性エリテマトーデス
  4. 月経困難症

🌟リスク管理

灸療法は、適切に用いれば非常に安全で効果的な東洋医学の技法です。

しかし、熱を直接人体に与えるため、誤った施術や配慮不足によって火傷や炎症、灸あたりなどのトラブルが起こることもあります。

国家試験では「灸施術におけるリスクとその予防法」が頻出であり、安全管理に関する知識は臨床上も非常に重要です。

この章では、灸の熱刺激に関する基準、灸痕の化膿予防、灸あたりの対処法などを詳しく解説します。

灸の熱予防

  • 人体は45℃以上になると、熱痛覚(ヒリヒリとした熱さ)を感じ始める。
  • 皮膚が乾燥している、薄い、血流が悪いといった条件では、さらに低温でも熱傷が起こることがある。
  • 施術者は患者の反応に敏感になり、「熱い」「痛い」の訴えが出る前に対応する。

特に高齢者や小児、糖尿病患者などは熱感の感知が遅れることがあるため、低温灸や無痕灸を用いると安心です。

火傷の予防は灸治療における最も基本的な安全配慮といえるでしょう。

灸痕の化膿予防

  • 施灸点を正確に固定する:ズレるとやけどの深さが変わる。
  • 艾は小さく:特に透熱灸は「米粒大」「半米粒大」が目安。
  • 掻破(そうは)に注意:施灸後にかゆくなっても掻かせない工夫が必要。
  • 消毒の徹底:アルコール綿などで事前・事後の皮膚清拭を行う。
  • 痂皮(かひ)の保護:無理に剥がさず自然に剥離するのを待つ。

灸痕が残ること自体は有痕灸ではある程度想定されますが、それが化膿しないようケアを徹底することが非常に大切です。

化膿がひどい場合は、早めに医師の診察を受けさせましょう。

灸あたり(灸刺激による体調不良)

  • 一過性の全身倦怠感
  • 疲労感・脱力感
  • 冷や汗、血圧低下を感じることも
  • 過剰刺激が原因(施灸量が多い、間隔が短い)
  • 初めて灸を受けた方に起こりやすい

「灸あたり」は、副作用というより「刺激量の調整不足」ともいえます。

施灸後にふらつき・眠気・だるさが出た場合は、ゆっくり休ませ、温かいお茶やスポーツドリンクを与えると回復しやすいです。

再施術時には刺激を減らすなど、体質に合わせた個別対応が必要です。

国家試験ポイント

  • 灸の熱感覚は「45℃以上」で生じる
  • 施灸点のズレ、艾の大きさ、消毒不足などが化膿の要因
  • 灸あたりは過剰刺激や初心者に多い
  • 化膿しやすい部位や疾患には無痕灸を選択

リスク管理の知識は「灸を安全に行える治療家」であるための基本です。

国家試験でも必ず押さえておくべき内容なので、施術のイメージと照らし合わせながら暗記するのが効果的です。

第1回-154

灸あたりの原因はどれか。

  1. 経穴以外の場所への施灸
  2. 刺激量の過剰
  3. 患者の不用意な体動
  4. 粗悪な艾の使用

第3回-158

灸あたりの症状として起こりにくいのはどれか。

  1. 食欲不振
  2. 下痢
  3. のぼせ
  4. 倦怠感

第11回-154

灸あたりの一般的症状でないのはどれか。

  1. 発熱
  2. 胸痛
  3. 全身倦怠感
  4. 頭重

第15回-154

灸あたりで最もみられる症状はどれか。

  1. 便秘
  2. 全身倦怠感
  3. 胸痛
  4. 難聴

第19回-154

灸あたりの症状はどれか。

  1. 化膿
  2. 疼痛
  3. 麻痺
  4. 倦怠

第21回-155

灸あたりで見られる症状はどれか。

  1. ふるえ
  2. 疲労感
  3. しびれ
  4. 湿疹

第16回-156

灸あたりが起こりやすいのはどれか。

  1. ショウガ灸
  2. 知熱灸
  3. 紅灸
  4. 打膿灸

第25回-154

灸あたりについて誤っているのはどれか。

  1. 瞑眩ともいう。
  2. 施術後の不潔操作で起こりやすい。
  3. 初めて灸療法を受けた場合に起こりやすい。
  4. 食欲不振は症状の一つである。

第29回-175

灸あたりの一般的症状でないのはどれか。

  1. 悪寒
  2. 発熱
  3. 頭重
  4. 胸痛

第27回-154

灸あたりの症状はどれか。

  1. しびれ
  2. チアノーゼ
  3. めまい
  4. 胸痛

第28回-153

灸あたりについて誤っているのはどれか。

  1. 水疱の破壊により起こる。
  2. めまいは症状の一つである。
  3. 瞑眩の一種である。
  4. 灸療法を再開したときは総刺激量を少なくする。

第31回-174

灸あたりの予防として最も適切なのはどれか。

  1. 艾炷のひねりを硬くする。
  2. 施灸後の皮膚消毒を念入りに行う。
  3. 刺激量の少ない灸法を選択する。
  4. 艾炷の底面を広くする。

第2回-160

灸痕化膿の予防として適切でない記述はどれか。

  1. 正しく同一点に施灸する。
  2. 消毒は不必要である。
  3. 灸痕を掻破しないよう注意する。
  4. なるべく壮数を多くする。

第6回-154

施灸部の化膿予防の方法で誤っている記述はどれか。

  1. 消毒を行う。
  2. 艾炷を大きくする。
  3. 同一点に施灸する。
  4. 艾を硬くひねる。

第12回-156

灸痕部が治りにくく化膿に注意するのはどれか。

  1. 痛風
  2. 糖尿病
  3. 肥満
  4. 高脂血症

第20回-155

灸痕化膿の予防法で正しいのはどれか。

  1. 壮数を重ねる場合、施灸部を少しずつずらす。
  2. 灸痕部の痂皮を掻爬しない。
  3. 施灸後、施術部をラビング法で消毒する。
  4. 艾炷の底面積を大きくする。

第13回-156

施灸部の化膿を防止する方法で誤っているのはどれか。

  1. 艾炷を小さくする。
  2. 同一点に施灸する。
  3. 水疱を破る。
  4. 施灸後に消毒を行う。

第22回-156

半米粒大の施灸で灸痕の化膿を防止する方法として正しいのはどれか。

  1. 同一点に施灸する。
  2. 硬い艾炷を使用する。
  3. 痂疲を掻破する。
  4. 水疱を掻破する。

第23回-155

施灸部の化膿を防止する対策として最も適切なのはどれか。

  1. 施灸部に生じた水疱の排液を行う。
  2. 艾炷の底面積を広くする。
  3. 施灸部の消毒を行う。
  4. 壮数を重ねる際にずらして施灸する。

第11回-156

灸施術における患者の皮膚消毒で適切でないのはどれか。

  1. 施術前後に行う。
  2. 消毒用エタノールを用いる。
  3. ラビング法で擦り込む。
  4. 遠心性に渦巻き状に拭く。

第17回-156

施灸部の消毒方法で適切でないのはどれか。

  1. 遠心性に渦巻き状に拭く。
  2. ラビング法で擦り込む。
  3. 施灸前後に行う。
  4. 消毒用エタノールを用いる。

第22回-157

施灸に際して行う患者の皮膚消毒で正しいのはどれか。

  • 薬剤は次亜塩素酸ナトリウムを用いる。
  • ラビング法で行う。
  • 施灸前後に行う。
  • 施灸部位を往復しながら清拭する。

第25回-155

有痕灸施術部位の皮膚消毒について最も適切なのはどれか。

  1. ラビング法を用いる。
  2. 施灸前後に行う。
  3. 施灸部位を往復するように拭く。
  4. 次亜塩素酸ナトリウムを用いる。

第29回-173

透熱灸施灸部の消毒方法で最も適切なのはどれか。

  1. ラビング法を用いる。
  2. 施灸部位を往復するように拭く。
  3. 施灸前後に行う。
  4. 次亜塩素酸ナトリウムを用いる。

第9回-155

有痕灸施灸時の注意事項で適切でないのはどれか。

  1. 正しく同一点に施灸する。
  2. 施灸部を消毒する。
  3. 刺激過多を防ぐ。
  4. 拍動部には強刺激を与える。

第14回-155

灸治療の有害事象と応急処置との組合せで適切なのはどれか。

  1. 灸痕化膿 ──── 逆性石けんによる洗浄
  2. のぼせ ───── 頸部の保温
  3. 全身倦怠感 ─── 安静臥床
  4. 発熱 ────── 腹部への多壮灸

第21回-153

次の文で示す状況はどの熱傷深達度に該当するか。 「施灸後に局所の発赤とわずかな痛みがある。」

  1. Ⅰ度熱傷
  2. 深達性Ⅱ度熱傷
  3. 浅達性Ⅱ度熱傷
  4. Ⅲ度熱傷

第21回-154

良質艾で同じ大きさの艾炷3壮を施灸する場合、刺激を弱くできるのはどれか。

  1. 湿った艾を使用する。
  2. 灰を一々除去して行う。
  3. 艾炷を軟らかくひねる。
  4. 燃焼時に風を送る。

第24回-156

免疫機能低下の患者に適した灸はどれか。

  1. 紅灸
  2. 焦灼灸
  3. 打膿灸
  4. 隔物灸

第25回-153

糖尿病患者で避けるべきなのはどれか。

  1. 糸状灸
  2. 押灸
  3. 八分灸
  4. ニンニク灸

第28回-152

透熱灸を避けるべき経穴はどれか。

  1. 臑会
  2. 風市
  3. 神堂
  4. 顴髎

第2回-157

次の文で示す状況は火傷の第何度か。 「施灸時に紅斑と腫脹とがわずかに見られ、疼痛を訴えたが痕跡を残さず治癒した。」

  1. 第4度
  2. 第3度
  3. 第2度
  4. 第1度

🌟灸治効の基礎

灸治療の効果は、単に「温めること」だけにとどまりません。

熱刺激が皮膚の末梢受容器を介して中枢神経に伝わり、生理的・免疫的な変化を引き起こすことで、疼痛緩和や血流改善、自律神経の調整作用など、全身に幅広い影響を与えます。

末梢における灸刺激の受容と伝導

皮膚における感覚受容器の役割

  • 温覚・熱覚受容器:主に自由神経終末(ポリモーダル受容器)が感知
  • ポリモーダル受容器:熱・化学刺激・機械刺激など複数の刺激に反応する
  • 刺激強度:約43〜45℃以上で熱痛覚が発生(灸の作用温度域)
  • C線維:無髄神経で伝導が遅く、持続性の鈍い痛みや温覚を伝える
  • Aδ線維:有髄神経で伝導が速く、鋭い痛みを伝える

灸によって皮膚が温められると、まずは自由神経終末にあるポリモーダル受容器が刺激を受けます。

この刺激はAδ線維やC線維を通って脊髄後角へ伝達され、その後、視床・大脳皮質へと至ります。

特にC線維を介した温覚刺激は、副交感神経優位の状態を促すため、リラックス効果や血管拡張作用にもつながります。

灸刺激の中枢伝導と生体反応

  • 脊髄後角:受け取った感覚刺激が一次ニューロンから二次ニューロンに中継される
  • 視床:全身の感覚を統合する中継点
  • 大脳皮質(体性感覚野):灸刺激の感覚としての認識を担う
  • 脊髄反射:脊髄レベルで起こる即時反応(筋緊張緩和など)

このような刺激伝導を経て、灸は単なる局所的な温熱刺激にとどまらず、全身の神経系・内分泌系・免疫系に広く作用します。

たとえば、視床下部-下垂体-副腎系(HPA axis)を介したストレス応答の抑制や、内因性オピオイド(エンドルフィンなど)の放出による鎮痛効果も報告されています。

国家試験でのポイント

  • 灸刺激の受容器は「自由神経終末」=ポリモーダル受容器
  • 伝導路は「C線維・Aδ線維」→脊髄→視床→大脳皮質
  • 熱刺激は「43~45℃以上」で感知される
  • 灸刺激は副交感神経を優位にし、鎮痛・自律神経調整に関与

国家試験では、「灸刺激の伝導路」や「ポリモーダル受容器」「C線維とAδ線維の違い」などが出題されます。

灸の生理的効果を理解しておくことで、実技にも自信がつくだけでなく、応用力も養われます。

第1回-155

侵害刺激となる温度は約何度以上か。

  • 40℃
  • 45℃
  • 55℃
  • 60℃

第15回-156

熱痛覚を引き起こす閾値はどれか。

  • 55 ℃
  • 50 ℃
  • 45 ℃
  • 40 ℃

第23回-156

施灸により蛋白質の変性が起き始める温度はどれか。

  1. 75℃
  2. 60℃
  3. 45℃
  4. 100℃

第5回-156

熱により組織の破壊が起こり始める皮膚温はどれか。

  1. 50 ℃
  2. 30 ℃
  3. 60 ℃
  4. 40 ℃

第25回-156

温度刺激に関して正しいのはどれか。

  1. 熱刺激を受容するⅢ群線維がある。
  2. 感覚の順応は起きにくい。
  3. 皮膚温が45℃未満の熱刺激では神経性炎症は起こらない。
  4. 20~40℃の間では皮膚温が高いほど閾値が高くなる。

第26回-156

第12胸神経から第2腰神経の皮膚分節領域に関連痛が現れる臓器はどれか。

  1. 腎臓
  2. 胆嚢
  3. 肝臓
  4. 心臓

第27回-155

関連痛に直接関与しないのはどれか。

  1. Ib群求心性線維
  2. 外側脊髄視床路
  3. 広作動域ニューロン
  4. 侵害受容器

第27回-156

ポリモーダル受容器が受容した熱痛を主に伝導するのはどれか。

  1. Aα線維
  2. Aγ線維
  3. Aβ線維
  4. C線維

第28回-155

灸による温熱刺激の受容・伝導について誤っているのはどれか。

  1. 熱痛情報は脊髄後側索を上行する。
  2. 熱刺激で開くイオンチャネルが存在する。
  3. 脊髄後角の侵害受容ニューロンへ伝達する。
  4. Ⅳ群線維によって伝導される。

第31回-176

灸による温熱刺激の受容・伝導について正しいのはどれか。

  1. カプサイシン受容体(TRPV1受容体)が応答する。
  2. 温度感覚は順応が起こりにくい。
  3. Ⅱ群線維によって伝導される。
  4. 熱痛情報は脊髄後索を上行する。

第3回-154

温熱感覚を伝える求心性線維はどれか。

  1. Ia線維
  2. Ⅱ群線維
  3. Ⅳ群線維
  4. Ib線維

第19回-155

透熱灸による熱痛覚を伝導する求心性神経はどれか。

  1. Ⅱ群線維
  2. Ⅳ群線維
  3. Ia群線維
  4. Ib群線維

第31回-175

痛みを伴う熱刺激を伝導するのはどれか。

  1. Aα線維
  2. Aβ線維
  3. Aδ線維
  4. Aγ線維

第9回-158

透熱灸による熱痛覚を伝える神経線維はどれか。

  1. C線維
  2. Aα線維
  3. Aβ線維
  4. B線維

第4回-160

透熱灸の感覚を伝える神経線維はどれか。

  1. AγとC
  2. AβとB
  3. AδとC
  4. BとC

第10回-159

施灸による体性-内臓反射の遠心路を構成する神経線維で正しいのはどれか。

  1. C線維
  2. Aα線維
  3. Aβ線維
  4. Aδ線維

第22回-158

灸による温熱刺激の受容・伝導について正しいのはどれか。

  1. 熱刺激で開くイオンチャネルが関与する。
  2. 温度感覚は順応が起こりにくい。
  3. Ⅱ群線維により伝導される。
  4. 腹側脊髄視床路を上行する。

第13回-157

施灸による紅斑形成に最も関連の強い神経線維はどれか。

  1. Aβ
  2. B
  3. Aδ
  4. C

🌟感覚の中枢内伝導路

灸刺激は末梢の感覚受容器で感知されたあと、神経を通じて中枢神経へと伝わります。

特に皮膚からの感覚は、脊髄・視床・大脳皮質を経由する「体性感覚路」によって伝導され、知覚として認識されます。

国家試験でもよく出題される項目ですので、名称と経路の理解をセットで押さえましょう。

主な感覚伝導路の種類

伝導路 伝える感覚 交叉部位
後索-内側毛帯路 触覚(精細触覚)・振動覚・深部覚(位置感覚) 延髄で交叉
外側脊髄視床路 痛覚・温度覚(灸刺激の主要経路) 脊髄(入ったすぐのレベル)で交叉
前脊髄視床路 粗大な触圧覚 脊髄(入ったすぐのレベル)で交叉

灸のような熱刺激は、「外側脊髄視床路(lateral spinothalamic tract)」を通って中枢に伝えられます。

皮膚で受容された熱や痛みの信号は、脊髄後角でニューロンに中継されたあとすぐに反対側に交叉し、脊髄を上行して視床に到達します。

その後、視床から大脳皮質へと投射され、はじめて「熱い」と自覚されます。

中枢神経内の伝導の流れ

  • 末梢受容器(自由神経終末) → 熱刺激を感知
  • 脊髄後角 → 一次ニューロンが二次ニューロンへ中継(即座に交叉)
  • 外側脊髄視床路 → 交叉後、脊髄を上行して視床へ
  • 視床(VPL核) → 感覚情報の統合と中継
  • 大脳皮質(一次体性感覚野) → 感覚を認識する

感覚の種類によって通る経路が異なるため、灸が作用する「熱・痛み」の感覚は外側脊髄視床路と覚えておくことが大切です。

また、反射などは脊髄レベルで完結することもありますが、知覚は必ず視床と大脳皮質を経由する必要があります。

補足:視床と体性感覚野の役割

  • 視床(VPL核):体幹・四肢からの感覚入力を受け取る
  • 視床(VPM核):顔面からの感覚を中継(※三叉神経ルート)
  • 一次体性感覚野:大脳皮質の中心後回に位置し、感覚の自覚を担う

国家試験のチェックポイント

  • 灸刺激(熱痛覚)は「外側脊髄視床路」を通る
  • 交叉部位は「脊髄」=入った直後に反対側へ
  • 視床のVPL核を経て、一次体性感覚野に伝わる
  • 精細触覚は「後索-内側毛帯路」で延髄交叉

灸治療の科学的理解には、感覚伝導路の知識が不可欠です。

国家試験では「感覚の種類と伝導路の組み合わせ」や「交叉の部位」を問う設問が頻出なので、表や図と合わせてしっかり整理しておきましょう。

第26回-157

温度覚について正しいのはどれか。

  1. 温受容器の形態は特定の受容器構造をもつ。
  2. 右下肢の熱刺激の興奮は左の大脳皮質の体性感覚野に伝わる。
  3. 2次求心性ニューロンの細胞体は延髄の後索核にある。
  4. 熱刺激による興奮はⅡ群線維によって伝達される。

第29回-176

透熱灸による熱刺激の伝導路はどれか。

  1. 後索路
  2. 外側皮質脊髄路
  3. 外側脊髄視床路
  4. 腹側脊髄視床路

第6回-158

灸の熱刺激を伝える脊髄視床路が通る部位はどれか。

  1. 側角
  2. 側索
  3. 前角
  4. 後索

第7回-157

灸あたりで起こる発熱に関与する脳の部位はどれか。

  1. 視床
  2. 視床下部
  3. 大脳基底核
  4. 大脳皮質

第7回-159

施灸による軸索反射で正しい記述はどれか。

  1. シナプスを経由しない。
  2. 反射中枢は脊髄である。
  3. 近傍の血管は収縮する。
  4. B線維の興奮による。

第14回-156

灸刺激の伝導路に関与しないのはどれか。

  1. 後索核
  2. 脳幹網様体
  3. C線維
  4. 視床

第15回-157

灸刺激情報の伝達に関与しないのはどれか。

  1. 延髄オリーブ核
  2. C線維
  3. 脊髄後角
  4. 脳幹網様体

第24回-157

灸刺激の伝導に関与するのはどれか。

  1. 脊髄後角
  2. Ⅱ群線維
  3. 後索核
  4. 赤核

第20回-156

灸刺激の伝導路に関与するのはどれか。

  1. 後索核
  2. 内側毛帯
  3. 腹側脊髄視床路
  4. 延髄網様体

第18回-157

透熱灸による熱痛覚を伝える伝導路はどれか。

  1. 腹側脊髄視床路
  2. 内側毛帯路
  3. 外側脊髄視床路
  4. 後索路

第21回-157

知熱灸の熱刺激の伝達に関係するのはどれか。

  1. 外側脊髄視床路
  2. 錐体路
  3. 後索路
  4. 腹側脊髄視床路

灸刺激と反射

灸刺激は単に温熱を皮膚に与えるだけでなく、神経を介して全身にさまざまな生理的反応を引き起こします。

中でも注目すべきは「反射」です。

反射とは、外部からの刺激に対して意識とは無関係に起こる身体の反応で、特に灸では局所反応だけでなく、自律神経や内臓機能にも影響を及ぼす「体性-内臓反射」などが関与しています。

灸刺激に関与する代表的な反射

  • 脊髄反射:刺激が脊髄レベルで処理され、意識を介さずに筋肉などが反応する
  • 自律神経反射:交感神経・副交感神経を介し、血管・消化器・心拍などに影響
  • 体性-内臓反射:皮膚(体性)への刺激が、内臓(自律神経支配)に影響を与える反応

たとえば、腹部や腰部に灸を据えることで、消化器系の働きが高まり、便秘が改善するなどの効果が現れることがあります。

これは「体性-内臓反射」によって、体表刺激が内臓機能に間接的に影響した結果と考えられています。

灸刺激と脊髄反射

  • 例:肩こりへの施灸 → 局所の筋緊張が緩和される
  • 仕組み:皮膚の熱刺激が脊髄後角に伝わり、脊髄内の反射経路を介して同じ領域の筋肉に抑制信号が送られる
  • 効果:筋緊張の軽減・疼痛緩和

このような局所反応は、灸を据えた直後に温かさや軽さとして体感されることが多く、施術者が即時的なフィードバックを得る上でも重要な観察ポイントです。

灸刺激と自律神経反射

  • 例:足の三陰交(さんいんこう)に温灸 → 月経不順・不眠・冷え性に改善
  • 仕組み:皮膚刺激が自律神経系(主に副交感神経)を通じて全身へ影響
  • 効果:血管拡張・内臓機能亢進・心拍数抑制・睡眠誘導など

温熱刺激は副交感神経を優位にする傾向があり、灸はリラクゼーションや自律神経バランスの調整に非常に有効とされています。灸の「じんわり温かい」刺激は、まさにこの神経系の働きに起因しています。

体性-内臓反射とは?

皮膚などの体性領域への刺激が、自律神経を介して内臓機能に影響する現象です。

灸療法ではこの反射を活用して、胃腸機能の調整・生理痛の緩和・膀胱の調節など、内臓疾患にも応用されます。

西洋医学的には説明しにくい現象も多いですが、臨床経験上、非常に有効なケースが多数報告されています。

国家試験での出題ポイント

  • 反射に関わる神経系:体性神経系と自律神経系の区別を明確に
  • 脊髄反射の仕組み:無意識下で働く局所的な反応
  • 体性-内臓反射の例:皮膚刺激による胃腸運動の変化など
  • 温熱刺激の神経系作用:副交感神経を優位にする

反射は東洋医学的な灸治療の「根拠」にもつながる重要な概念です。

解剖・生理学の知識と臨床経験をつなぐポイントとして、国家試験でも頻出ですので、理解を深めておきましょう。

第1回-160

灸療法への関与が小さいと考えられる感覚受容器はどれか。

  1. ポリモーダル受容器
  2. 温覚受容器
  3. 圧受容器
  4. 痛覚受容器

第29回-179

透熱灸によって血圧上昇をきたす反射の遠心路を構成する神経線維はどれか。

  1. C線維
  2. Aδ線維
  3. Aβ線維
  4. Aα線維

第29回-178

施灸局所のフレア現象について正しいのはどれか。

  1. 内因性オピオイドが関与する。
  2. 単シナプス反射によって生じる。
  3. CGRPの遊離によって生じる。
  4. 広作動域ニューロンが関与する。

第25回-158

施灸局所の血流増加に関与するのはどれか。

  1. 交感神経-アドレナリン系
  2. 広汎性侵害抑制調節
  3. 圧受容器反射
  4. 軸索反射

第4回-155

温灸に反応する受容器はどれか。

  1. マイスナー小体
  2. パチニ小体
  3. 自由神経終末
  4. ルフィニ終末

第5回-154

棒灸について正しい記述はどれか。

  1. 火傷に伴う組織損傷が起こる。
  2. 化学的刺激として作用する。
  3. 求心性神経はAα線維である。
  4. 受容器は自由神経終末である。

第6回-159

透熱灸刺激により誘発される反射はどれか。

  1. 頸動脈洞反射
  2. 伸張反射
  3. 肺迷走神経反射
  4. 体性内臓反射

第9回-156

灸施術の防衛作用に関係するとされているのはどれか。

  1. 下行性抑制系
  2. 脳幹網様体賦活系
  3. 大脳辺縁系
  4. 網内系

第7回-158

温度感覚について正しい記述はどれか。

  1. 順応しない。
  2. 受容器はルフィニ終末(小体)である。
  3. 伝導路は後索路である。
  4. 50℃では痛覚を伴う。

第22回-159

足三里穴に施灸して胃の機能が改善したとき、関与したと考えられる反射はどれか。

  1. 軸索反射
  2. 深部反射
  3. 内臓-体性反射
  4. 体性-自律神経反射

第13回-159

透熱灸によって誘発される反射はどれか。

  1. 伸張反射
  2. へーリング・ブロイエル反射
  3. 圧反射
  4. 体性自律反射

血流改善

灸療法のもっとも基本的かつ広く知られている効果の一つが「血流改善」です。

灸を据えると、局所の温熱刺激により血管が拡張し、血液の循環が促進されます。

これにより、酸素や栄養の供給が活性化され、老廃物や炎症性物質の排出がスムーズになります。

また、自律神経系を介した血流調整効果も認められており、全身性の冷えや血行不良の改善にも有効です。

灸刺激による血流改善のメカニズム

  • 局所温熱刺激:皮膚温が上昇することで末梢血管が拡張
  • ポリモーダル受容器の刺激:ヒスタミン・プロスタグランジンの放出により血管拡張
  • 副交感神経優位化:心拍数低下と血管拡張により全身の循環が改善
  • 筋肉の柔軟性向上:血流が良くなることで筋緊張も緩和

灸によって温められた局所では、毛細血管が開き、血行が促進されます。

特に冷え性や肩こり、腰痛などの症状では、筋肉のこわばりと血流障害が原因のことが多いため、灸による温熱刺激は有効な治療手段となります。

また、温熱刺激によるポリモーダル受容器の活性化により、発痛物質や老廃物の排出も促進されます。

研究から見る灸の循環改善効果

灸施術後の皮膚表面温度や血流量については、サーモグラフィーやドップラー法を用いた実験でも改善が確認されています。

以下は主な研究知見です:

  • 灸施術部位の皮膚温度は約2〜3℃上昇する(数分間持続)
  • 施灸後の毛細血流量は20〜30%増加するという報告も
  • 腰部や下肢への灸で、足先の冷えや末梢循環障害に改善が見られる

このような生理的な反応は、冷え症や慢性疲労、自律神経失調症などの改善にもつながります。

灸は薬物を使わずに血流を整える安全な療法として、現代医学の補完的治療としても注目されています。

国家試験でのポイント整理

  • 灸刺激は「皮膚温上昇」→「血管拡張」→「血流増加」
  • 副交感神経優位により循環改善・リラクゼーションが起こる
  • ヒスタミン・プロスタグランジンは血管拡張に関与
  • 冷え・こり・慢性疼痛には血流改善が重要な治療要素

灸の温熱作用によって血流が促進される仕組みは、臨床でも最も実感しやすく、効果が目に見える部分でもあります。

患者さんにとっても「温かくて気持ちいい」「手足がポカポカする」といった体感が得られることは、継続的な施術への信頼につながります。

第13回-158

痛みの悪循環を改善する施灸の目的として適切でないのはどれか。

  1. 発痛物質の排除
  2. 組織血流量の増加
  3. 交感神経の興奮
  4. 軸索反射の出現

第31回-177

血管に対し収縮性に作用する物質はどれか。

  1. アデノシン
  2. CGRP
  3. NO
  4. ノルアドレナリン

第23回-157

施灸により局所の鎮痛に作用するのはどれか。

  1. 交感神経活動の亢進
  2. 筋収縮
  3. ストレス蛋白質の産生
  4. 皮膚血流の増加

第1回-160

施灸の火傷による局所反応として誤っているのはどれか。

  1. 浸潤白血球の減少
  2. 内因性発痛物質の遊離
  3. 血管拡張性物質の遊離
  4. 血管透過性の亢進

第5回-157

施灸により最初に起こる現象はどれか。

  1. C線維の興奮
  2. 内因性発痛物質の産生
  3. 白血球の増加
  4. 血液凝固時間の短縮

第6回-157

灸刺激による生体反応として正しい記述はどれか。

  1. γグロブリンが減少する。
  2. 皮膚の血管が持続的に収縮する。
  3. 血圧が一過性に上昇する。
  4. 白血球数が減少する。

第11回-158

施灸による体性-自律神経反射で交感神経活動の亢進反応でないのはどれか。

  1. 皮膚血管の収縮
  2. 立毛筋の収縮
  3. 心拍数の減少
  4. 皮脂の分泌亢進

その他

ここでは、これまでに紹介した「灸刺激の受容」「反射」「血流改善」などの生理学的な作用とは別に、臨床現場での応用や灸療法の最新の研究成果、補完医療としての活用例など、“その他”に分類される重要な視点を整理して解説します。

灸療法の心理的効果

  • リラクゼーション効果:温熱刺激が副交感神経を優位にし、不安や緊張を軽減
  • 安心感の付与:「煙の香り」「あたたかみ」「伝統医療」という要素による情緒的安定
  • ホルモン調整効果:セロトニンやオキシトシンの分泌が促されるという研究も

特に慢性ストレスや不眠、過敏性腸症候群(IBS)などの心身症的な疾患に対して、灸は「薬に頼らない自然療法」として安心して取り入れやすい選択肢となっています。施術時に患者との対話があることで、心理的ケアとしても機能します。

免疫機能への影響

  • 灸刺激による白血球増加:一時的な好中球・リンパ球の活性が確認されている
  • マクロファージの活性化:感染予防・自然免疫の調整に貢献
  • NK細胞活性の上昇:ガンやウイルスへの抵抗力向上に期待

灸施術後の血中成分の変化を測定した研究では、免疫細胞の動態に有意な変化が見られたとする報告もあります。

特に慢性疲労や風邪を引きやすい人、アレルギー体質などに対して、免疫のバランスを整える目的で灸が活用されています。

現代的な灸の活用法

  • 温灸器(電子温灸・使い捨てタイプ)の普及:安全・手軽な家庭用灸として広まっている
  • セルフケアとしての灸:肩こり・腰痛・月経前症候群などの緩和に家庭でも利用
  • 訪問鍼灸・在宅医療での応用:高齢者や障がい児へのケアに有効

最近では、煙の出ない温灸器や粘着式の台座灸(せんねん灸など)を使って、家庭で安全に灸が行えるようになっています。

とくに「三陰交」「足三里」「関元」などの有名なツボを中心に、自己管理ツールとして活用されています。

国家試験でのチェックポイント

  • 心理的効果(副交感神経・セロトニン)と灸の関係
  • 免疫系への影響:白血球・NK細胞・マクロファージ
  • 在宅・セルフケアでの灸の現代的活用
  • 非侵襲的な補完医療としての評価

「その他」の視点として、灸の心理・免疫・社会的意義にも注目しておくことで、臨床での説得力が増すだけでなく、国家試験の記述や選択肢にも対応できる柔軟な知識を身につけることができます。

第26回-160

透熱灸刺激では起こらない鎮痛機序はどれか。

  1. 血流改善による発痛物質の洗い流しに基づく鎮痛
  2. 下行性痛覚抑制系
  3. 広汎性侵害抑制調節
  4. ゲートコントロール説に基づく鎮痛系

第28回-159

広汎性侵害抑制性調節(DNIC)が最も関与するのはどれか。

  1. 合谷に透熱灸を行い歯痛が緩和した。
  2. 梁丘に温筒灸を行い膝痛が改善した。
  3. 足三里に七分灸を行い胃痛が緩和した。
  4. 大腸兪にショウガ灸を行い腰痛が改善した。

第29回-180

1回の透熱灸による生体反応で正しいのはどれか。

  1. 補体の活性化
  2. 血液凝固時間の延長
  3. 肥満細胞の脱顆粒抑制
  4. 血管透過性の抑制

第4回-151

施灸後に水疱を残す程度の火傷はどれか。

  1. 第4度
  2. 第2度
  3. 第1度
  4. 第3度

第8回-155

施灸直後から増加する血液成分はどれか。

  1. 白血球
  2. 赤血球
  3. コレステロール
  4. アルブミン

第3回-153

施灸の火傷により局所で産生される物質はどれか。

  1. サイロキシン
  2. エンドルフィン
  3. エピネフリン
  4. ヒスタミン

第31回-180

灸施術による局所炎症反応に最も関与するのはどれか。

  1. Ib線維興奮
  2. ルフィニ終末興奮
  3. カプサイシン産生
  4. インターロイキン6産生

第1回-153

有痕灸の心血管系に及ぼす影響で正しいのはどれか。

  1. 皮膚血管は一過性に拡張したのち収縮する。
  2. 心臓の収縮力は減退する。
  3. 皮膚血管は一過性に収縮したのち拡張する。
  4. 血圧は最初から低下する。

第3回-156

透熱灸の局所に起こる反応として適切でないのはどれか。

  • 血管の拡張
  • 白血球遊走因子の減少
  • 血管透過性の亢進
  • 発痛物質の産生

第4回-156

施灸による火傷の反応として適切でないのはどれか。

  1. 血管拡張物質の遊離
  2. 内因性発痛物質の産生
  3. 幼若白血球の増加
  4. 侵害受容器の興奮性の減弱

第8回-156

灸刺激が下垂体-副腎皮質系に影響を及ぼした場合に変化するのはどれか。

  1. ACTH
  2. アドレナリン
  3. インスリン
  4. カルシトニン

第14回-159

透熱灸による血液凝固・線維素溶解系の亢進に関与しないのはどれか。

  1. サブスタンスP
  2. カルシウム
  3. プラスミン
  4. プロトロンビン

第31回-178

施灸刺激の早期より肥満細胞から放出されるのはどれか。

  1. IgE
  2. アドレナリン
  3. 補体
  4. ヒスタミン

第27回-158

透熱灸による局所炎症反応で正しいのはどれか。

  1. 血管透過性抑制
  2. マスト細胞活性抑制
  3. 血小板凝集能亢進
  4. 皮膚血流量減少

第9回-157

灸刺激の作用で正しいのはどれか。

  1. 血小板数の減少
  2. 赤血球数の減少
  3. 血液凝固時間の延長
  4. 白血球数の増加

第28回-160

施灸後早期に貪食能の活性が亢進すると考えられるのはどれか。

  1. T細胞
  2. 好中球
  3. 線維芽細胞
  4. マクロファージ

第26回-158

透熱灸によるヒスタミンの分泌に直接関与するのはどれか。

  1. 好中球
  2. 形質細胞
  3. マクロファージ
  4. 肥満細胞

第27回-157

透熱灸施灸により生成されるアラキドン酸代謝産物はどれか。

  1. サブスタンスP
  2. プロスタグランジン
  3. CGRP
  4. ヒスタミン

第23回-160

透熱灸により好中球の遊走性を最も高めるのはどれか。

  1. ロイコトリエンB4
  2. ブラジキニン
  3. プロスタグランジンE2
  4. ヒスタミン

第28回-158

施灸局所の肥満細胞から放出される血管透過性亢進物質はどれか。

  1. IgE
  2. ヒスタミン
  3. ブラジキニン
  4. 補体

第8回-157

有痕灸の施灸局所で起こらない現象はどれか。

  1. 蛋白質の変性
  2. ブラジキニンの産生
  3. 内因性鎮痛物質の産生
  4. 血管透過性の亢進

第20回-158

施灸直後の反応でみられないのはどれか。

  1. CGRP放出
  2. ヒスタミン放出
  3. 白血球増多
  4. 赤血球増多

第15回-160

施灸後にサイトカインを産生しないのどれか。

  1. 赤血球
  2. マクロファージ
  3. 好中球
  4. リンパ球

第9回-160

施灸局所で産生されないのはどれか。

  1. キニン類
  2. ヒスタミン
  3. 糖質コルチコイド
  4. プロスタグランジン

第10回-158

打膿灸による炎症の発生に関与しないのはどれか。

  1. ブラジキニン
  2. β-リポトロピン
  3. ヒスタミン
  4. プロスタグランジン

第11回-159

熱刺激による副腎のカテコールアミン分泌に関与するのはどれか。

  1. 骨盤神経
  2. 交感神経
  3. 糖質コルチコイド
  4. ACTH

第12回-157

施灸部位の細胞破壊に伴ってアラキドン酸から産生されるのはどれか。

  1. セロトニン
  2. ブラジキニン
  3. ヒスタミン
  4. プロスタグランジン

第14回-158

透熱灸による局所炎症の発現に関与しないのはどれか。

  1. プロスタグランジン
  2. ヒスタミン
  3. ブラジキニン
  4. クレアチンリン酸

第14回-160

灸治療による微小炎症で免疫系を活性化するための抗原提示をするのはどれか。

  1. サプレッサーT細胞
  2. 樹状細胞
  3. ヘルパーT細胞
  4. B細胞

第12回-158

透熱灸で施灸局所辺縁にみられないのはどれか。

  1. 血管透過性の亢進
  2. リンパ管の閉塞
  3. 皮膚の紅斑
  4. 疼痛

第16回-158

打膿灸の施灸局所で起こらない現象はどれか。

  1. カプサイシンの産生
  2. 蛋白質の変性
  3. サイトカインの産生
  4. 好中球の浸潤

第18回-158

灸刺激による末梢血管収縮の機序に関与するのはどれか。

  1. 一酸化窒素
  2. CGRP
  3. ノルアドレナリン
  4. サブスタンスP

第19回-156

透熱灸刺激の脊髄内伝達に関与する物質はどれか。

  1. ノルアドレナリン
  2. エンドルフィン
  3. アセチルコリン
  4. サブスタンスP

第11回-157

施灸局所の血行促進に関与するのはどれか。

  1. アンジオテンシンⅡ
  2. ノルアドレナリン
  3. γ-アミノ酪酸
  4. サブスタンスP

🌟治効理論

灸療法がさまざまな症状に効果を発揮する理由には、東洋医学的な「気血の巡り」や「経絡の調整」といった伝統的理論だけでなく、西洋医学的な視点から見た「神経刺激」「血流改善」「免疫賦活作用」など、多くの根拠があります。

東洋医学における治効理論

経絡・経穴を介した調整

  • 経絡:身体を巡る気血の通路で、五臓六腑と体表をつなぐ
  • 経穴(ツボ):経絡上にある要所で、気の出入り口
  • 灸刺激:経穴に温熱刺激を与えることで、経絡の滞りを改善し、気血の流れを整える
  • 虚実補瀉:虚証には補い、実証には瀉法としての灸法を使い分ける

例えば「足三里」は胃経に属する代表的な経穴であり、灸を行うことで胃腸の働きを高め、全身の気力を補うとされています。

これは古典『黄帝内経』にも記されており、「灸は補う技である」と表現されることもあります。

西洋医学的な視点での治効理論

  • 温熱刺激による末梢血流改善:血管拡張・循環促進
  • 神経刺激による鎮痛作用:ゲートコントロール理論、内因性オピオイド放出
  • 自律神経系の調整:副交感神経を優位にして心身をリラックス状態へ
  • 免疫賦活作用:白血球・NK細胞の活性化による自然治癒力の向上

灸によって皮膚に与えられる温熱刺激は、自由神経終末にあるポリモーダル受容器を介して中枢に伝わります。

これが痛覚・温覚路を通じて視床や大脳皮質に到達すると同時に、自律神経系やホルモン系にも作用し、全身的な調整反応が引き起こされるのです。

研究報告より

  • 温灸刺激によりエンドルフィンが血中に増加し、鎮痛効果が認められた(動物実験)
  • 灸施術後に副交感神経活動が優位になったという心拍変動(HRV)データあり
  • 慢性疼痛や自律神経失調症の患者において、灸療法による症状の改善例多数

国家試験でのチェックポイント

  • 東洋医学:気血・経絡・虚実補瀉の理解が基本
  • 西洋医学:血流・神経・ホルモン・免疫系への作用
  • 灸刺激は温熱と化学的刺激が混在した複合刺激
  • ゲートコントロール理論やエンドルフィンとの関連に注目

灸の治効理論は、ただ「温める」だけではなく、東洋・西洋の両医学的視点から多角的に説明することができます。

国家試験では、それぞれの理論を用語レベルで明確に区別して理解しておくことが求められます。

臨床では、これらの理論をもとに、患者の体質や訴えに合わせた施術方針を立てることが重要です。

第11回-152

転調作用を目的に灸治療を行う疾患はどれか。

  1. 肩関節周囲炎
  2. ベル麻痺
  3. 気管支喘息
  4. 肋間神経痛

第2回-157

弛緩性便秘に対する施灸の目的とする作用はどれか。

  1. 誘導作用
  2. 防衛作用
  3. 消炎作用
  4. 興奮作用

第23回-158

「45歳の女性。両下腿に冷えを訴えて来院。愁訴を改善する目的で、両側の三陰交に半米粒大の透熱灸5壮の施術を行った。」 目的とした治療的作用はどれか。

  1. 鎮静作用
  2. 誘導作用
  3. 防衛作用
  4. 矯正作用

第12回-155

膝蓋跳動がみられる変形性膝関節症に対する灸施術の目的はどれか。

  1. 防衛作用
  2. 転調作用
  3. 誘導作用
  4. 興奮作用

第27回-159

手足の冷えを改善する灸の治療的作用はどれか。

  1. 鎮静作用
  2. 誘導作用
  3. 防衛作用
  4. 矯正作用

第31回-179

灸療法の治療的作用において、細網内皮系の機能亢進に関与するのはどれか。

  1. 防衛作用
  2. 調整作用
  3. 転調作用
  4. 鎮痛作用

第24回-160

虚弱体質を改善する灸の作用はどれか。

  1. 調整作用
  2. 防衛作用
  3. 転調作用
  4. 免疫作用

第5回-158

施灸部の血管拡張に関与するのはどれか。

  1. 立毛反射
  2. 軸索反射
  3. 逃避反射
  4. 伸張反射

第10回-157

米粒大の艾炷の連続施灸で最初に出現する局所の変化はどれか。

  1. 水疱
  2. 発赤
  3. 痂皮
  4. 潰瘍

第12回-159

体幹部への灸刺激による交感神経α受容体を介する反応はどれか。

  1. 気管支平滑筋の弛緩
  2. 心拍数の増加
  3. 胃の蠕動運動抑制
  4. 皮膚血管の拡張

第13回-155

施灸による水疱はどれか。

  1. 特異性炎
  2. 滲出性炎
  3. 変質性炎
  4. 増殖性炎

第15回-155

透熱灸でマスト細胞から放出される物質による現象はどれか。

  1. 血管収縮
  2. 血管透過性の亢進
  3. ポリモーダル受容器の抑制
  4. 心拍数減少

第15回-158

透熱灸によって一番早く起こる現象はどれか。

  1. 侵害受容器の興奮
  2. 交感神経活動の亢進
  3. 脊髄後角細胞の興奮
  4. フレアー現象

第15回-159

胃の六ツ灸によって胃部不快感が改善する理由として適切なのはどれか。

  1. 内臓求心性神経活動の亢進
  2. 骨盤神経活動の亢進
  3. 内臓交感神経遠心性活動の亢進
  4. 上頸神経節活動の亢進

第16回-160

ストレス蛋白質について正しいのはどれか。

  1. サブスタンスPの産生にかかわる。
  2. 温熱刺激で産生される。
  3. オピオイド受容体と結合する。
  4. 神経伝達物質の一種である。

第17回-157

施灸によるフレア一現象に関与しないのはどれか。

  1. ポリモーダル受容器
  2. Ⅳ群線維
  3. 広作動域ニューロン
  4. CGRP

第17回-158

透熱灸による生体反応でないのはどれか。

  1. クラウゼ小体の興奮
  2. C線維の興奮
  3. 血管透過性の亢進 
  4. マスト細胞の活性化

第18回-159

透熱灸による生体反応で誤っているのはどれか。

  1. 血管透過性の亢進
  2. マクロファージ貪食能の低下
  3. 血液凝固時間の短縮
  4. マスト細胞の活性化

第19回-157

透熱灸後のフレアー現象の機序となる反射はどれか。

  • 伸張反射
  • 軸索反射
  • 立毛反射
  • 逃避反射

第19回-158

灸施術による局所炎症反応に関与するのはどれか。

  1. ダイノルフィン
  2. トリプシン
  3. プロスタグランジン
  4. サイロキシン

第19回-159

灸施術の防御作用に関係するのはどれか。

  1. 大脳辺縁系
  2. 細網内皮系
  3. 脳幹綱様体賦活系
  4. 下行性抑制系

第20回-157

透熱灸刺激によって生じる局所炎症反応の際に起こるのはどれか。

  1. 痛覚過敏 
  2. 虚血
  3. ヒスタミンの分解
  4. 血管透過性の低下

第20回-159

内因性オピオイドの特徴について正しい記述はどれか。

  1. 血液脳関門を通過することができる。
  2. 体内では短時間で分解される。
  3. βエンドルフィンは脊髄後角に多く含まれる。
  4. ナロキソンにより作用が増強する。

温灸刺激について正しい記述はどれか。 (第21回-156)[きゅう理論]

  1. 受容器はマイスナー小体である。
  2. Aβ線維により伝達される。
  3. 順応しにくい。
  4. フレアーを生じる。

第21回-159

施灸時に血圧上昇をきたす反射の遠心路はどれか。

  1. 交感神経
  2. 副交感神経
  3. 運動神経
  4. 感覚神経

第22回-160

無痕灸による局所炎症反応でみられるのはどれか。

  1. 組織の変性
  2. 血流量増加
  3. 白血球数減少
  4. 血管透過性低下

第23回-159

「45歳の女性。両下腿に冷えを訴えて来院。愁訴を改善する目的で、両側の三陰交に半米粒大の透熱灸5壮の施術を行った。」 施灸部に生じた膨隆に関与するのはどれか。

  1. 伸展受容器
  2. エンケファリン
  3. サブスタンスP
  4. 高閾値機械受容器

🌟関連学説

灸療法を生理学的・理論的に裏付けるうえで、現代医学や自然科学における「関連学説」を理解することはとても重要です。

国家試験では、学説名と提唱者を結びつける形で問われることが多く、暗記項目としての意味合いも強いですが、灸治療の根拠を説明する際にも役立つ知識です。

代表的な関連学説と提唱者

  • サイバネティックス学説:ノーバート・ウィナー
  • ホメオスタシス理論:W.B.キャノン
  • ストレス学説:ハンス・セリエ
  • レイリー現象:レイリー

各学説の概要と灸療法との関係

  • サイバネティックス学説(ウィナー):
    情報の制御とフィードバックを重視した理論で、灸による神経刺激が自律神経系に影響を与え、身体の恒常性(ホメオスタシス)を調整する仕組みと対応する。
  • ホメオスタシス(キャノン):
    生体が外部環境の変化に適応し、内部環境を一定に保とうとする性質。灸によって体温調節・血流調整・ホルモン分泌などが安定することで、この恒常性維持が支えられる。
  • ストレス学説(セリエ):
    生体がストレスに反応する3段階(警告期→抵抗期→疲弊期)を提唱。灸の副交感神経刺激は、ストレス過多による交感神経優位の状態を緩和し、慢性ストレスからの回復を助ける。
  • レイリー現象(レイリー):
    寒冷やストレスにより末梢血管が収縮し、手指などが白くなる現象。灸による温熱刺激がこの末梢血流の障害に効果的であることを説明する一例となる。

これらの学説は、一見すると灸とは無関係のように思えるかもしれませんが、いずれも「刺激に対する身体の応答」という点で灸と共通する理論背景を持っています。

灸を施すことで身体に生じる反応は、すべてこれらの生体制御理論の枠組みによって説明可能なのです。

国家試験対策のポイント

  • 提唱者の名前と学説名のペアを確実に暗記
  • ホメオスタシス=W.B.キャノン/ストレス=ハンス・セリエ
  • 灸治療にどう応用できるかをイメージして覚える
  • 選択肢の混同に注意(例:ホメオスタシス=セリエは誤り)

国家試験では「提唱者は誰か?」「この学説はどのような現象を説明するか?」という形で問われることが多いため、選択肢に惑わされないよう確実な理解が必要です。

臨床現場でも、患者さんに説明する際にこうした背景理論を用いることで、信頼感や納得感を高めることができます。

第4回-158

学説と創始者との組合せで正しいのはどれか。

  1. ストレス学説 ───────── ベルナール
  2. ホメオスターシスの学説 ──── キャノン
  3. 過剰刺激症候群の学説 ───── ウイナー
  4. サイバネティックスの学説 ─── セリエ

第1回-157

圧発汗反射では、側臥位のとき上になる半身の発汗はどうなるか。

  1. 減少する。
  2. 一定しない。
  3. 増加する。
  4. 変化しない。

第5回-160

ストレスに対する生体反応の指標で適切な物質はどれか。

  1. 尿素
  2. クレアチニン
  3. ウロビリノゲン
  4. コルチコイド

第6回-160

ストレス学説でいう交絡感作期に該当するのはどれか。

  1. 抗ショック期
  2. 抵抗期
  3. ショック期
  4. 疲憊期

第11回-160

ストレス学説に関する記述で誤っているのはどれか。

  1. 胸腺やリンパ器官は萎縮する。
  2. 汎適応症候群の学説である。
  3. 胃潰瘍の治癒を促進する。
  4. ACTHの分泌が増加する。

第20回-160

セリエのストレス学説に関する事項はどれか。

  1. 発汗の減少
  2. 条件反射
  3. 警告反応期
  4. 反応の非恒常性

第7回-160

レイリー現象で次に示す文に該当するのはどれか。 「過剰刺激であればいかなる種類の刺激でも障害が起こる。」

  1. 障害の拡散
  2. 非特異性
  3. 非恒常性
  4. 血管運動性の障害

第12回-160

健康増進を目的とした灸施術の反応で適切でないのはどれか。

  1. レイリー現象
  2. 交感神経-副腎髄質系の反応
  3. 免疫系の賦活
  4. 下垂体-副腎皮質系の反応

第10回-160

過剰刺激を受けてレイリー現象を起こす神経系はどれか。

  1. 副交感神経
  2. 交感神経
  3. 感覚神経
  4. 運動神経

第8回-160

生体のフィードバック機構を説明した学説はどれか。

  1. 条件反射
  2. 過剰刺激症候群
  3. 汎適応症候群
  4. サイバネティックス

第27回-160

足三里へ多壮灸をした後、患者がすぐに全身倦怠感を訴えた。この原因を説明するのに適切なのはどれか。

  • サイバネティックス
  • 圧自律神経反射
  • ストレス学説
  • レイリー現象

第18回-160

サイバネティックスの学説で提唱されたのはどれか。

  1. 交感神経─副腎皮質系
  2. 内因性鎮痛機構
  3. レニン・アジオテシン系
  4. フィードバック機構

第21回-160

出力の一部を入力部に戻すことで自動制御を行うという学説はどれか。

  1. ホメオスタシス
  2. レイリー現象
  3. サイバネティクス
  4. ストレス学説

第17回-159

ホメオスタシスについて適切な記述はどれか。

  1. レイリーが提唱した。
  2. 緊急反応時にはアドレナリン分泌が抑制される。
  3. ネガティブフィードバックにより調節される。
  4. 交感神経は関与しない。

第19回-160

関連学説について正しい組合せはどれか。

  1. レイリー現象 ───── 障害部位は限局性
  2. 緊急反応 ─────── アドレナリン分泌
  3. サイバネティクス ─── 内部環境の恒常性
  4. ストレス学説 ───── 副腎皮質の萎縮

第25回-160

「生体の内部環境は適当な制御機構が働いて、ほぼ一定に維持されている」と定義されるのはどれか。

  1. ホメオスタシス
  2. サイバネティックス
  3. 圧自律神経反射
  4. 汎適応症候群

-東洋医学