鍼灸学生でいられるのもあと少しだなと思います。
国家試験勉強をしなくてはと思いつつ、勉強とは違うブログを書いたり、家のDIYをしたりして現実逃避モードです。
看護学生の時は国家試験勉強すらしなかったけどね。。
この時期は特に臨床実習オンパレードで、身も心もボロボロだったら。。
看護学生の臨床実習は一冊の本ができるほどの実習記録と看護計画立案をしなくていけません。
毎日、寝不足で、記録の不備があれば教員に怒られ、現場の看護師からは冷たい洗礼を受ける。
それに比べて鍼灸学生の臨床実習はなんと楽なのでしょうか?
学校によって違うのか?
ググっても鍼灸学生の臨床実習体験記みたいなのはヒットしません。
探し方が悪いのか?
看護学生はたくさんヒットするのに。。
実習ではどう乗り越えるとか、記録の書き方とか、領域別でどんなことをするのか、などなど。。
教育実習のブログもそれなりにありますが、鍼灸学生のブログは見当たらないです。
まあ、看護の実習に比べたら鍼灸の実習は本当にラクだから。
ブログのネタにもならないのだろう。。
まだ、教育実習の方がツラかった。
何がツラいって記録です。
記録を書くのがとにかくイヤ!
鍼灸の臨床実習はその記録がないからね。
記録がないから週6日、働きながらでも学生やれているんだけどね。
でも、これで本当に大丈夫か?と思ってしまいます。
臨床実習について思うことを書いてみました。
臨床実習時間の短さについて
鍼灸の臨床実習は学校が持っている鍼灸院で実習を行います。
3年生の臨床実習は3と4があり、でそれぞれ23コマずつあります。
2コマずつなので3時間、鍼灸院で1人の患者さんの治療をしていきます。
2年生の時のほぼ見学実習と違い、自分で問診して治療方針を考え治療する流れです。
最後に治療記録もしていきます。
5~6人のグループで順番に治療をしていきます。
正味11日間の中で自分が治療できるのは2回程度です。
1年間の臨床実習で実際に患者さんに治療できるのは4回程度ということになります。
すごく足りない気がします。
教育実習だって1ヶ月程度の期間を9時から17時くらいまで、小学校や中学校に行って授業の実習をします。
看護実習は1クール3週間を何クールも病院に出され、1人の患者さんを受け持ち看護していきます。
圧倒的に実習時間が短いと感じてしまいます。
臨床実習の学び方ついて
5~6人で1グループになって、メインの学生が患者さん1人を治療します。
残りの学生はメインの学生の治療を見学している感じです。
どんな患者さんを治療するのか?主訴は何か?などは実習直前でないとわかりません。
なので治療室に入って問診して、そこで瞬時に治療方針を考えなくてはいけません。
看護実習のように、事前に患者情報がわかった状態ではありません。
なので、ゆっくり考える時間もありません。
事前学習として、徒手検査法と経絡経穴と首肩腰痛の治療法を勉強することぐらいかと。。
実際に患者さんの治療をして、後からあれもしたかったな~と思うことがあっても、次回、その患者さんに当たるとは限らないし、継続性がないなと思いました。
実際、自分が開業しても1度来たきり二度と来ないかもしれない、まさに一期一会の可能性も。。
次に来てもらうために、一回一回の治療が勝負だなと思います。
継続性は大切ですが、患者さんはガチな病気治療を鍼灸院には求めてはいないだろうし。。
一回切りの治療で、確かにその場ではすぐに結果は出るだろうけど、持続性はどの程度なのかは、次に来てもらわないとわかりません。
看護ケアの順番の根拠を指導者に突っ込まれることもありますが、鍼灸治療ではそれも突っ込まれません。
学生同士の治療を見ていて、なぜそのタイミングでそれをやる?と、それは看護実習指導看護師並みに突っ込みたいが、学生が学生を泣かすことになっちゃいそう。。
鍼灸師はあまり手順の根拠は問われないのか~。。
最終的に患者さんの満足度を上げれば良いらしいので、治療と言いつつリラクゼーションだなと思ってしまいます。
経験値が足りない
実習時間が短く、実際に自分が患者さんに治療する機会も少ないです。
自分がメインでなくても質問をしたり、身体に触れることはできます。
臨床実習3・4合わせて、延べ23人分の身体にしか触れることができません。
身体に触れることはできても、治療はメインの学生が行うので、実際に鍼を刺す経験が少ないです。
鍼灸学校はあくまでも国家試験を突破できる知識を身に付けさせるための教育機関であり、臨床経験は国家試験に合格してから学べということなのか?
だったら、看護の実習ももう少しラクにさせておくれよ。
学生はすごく大変だけど、実習を受け入れる方も大変なんだよ。
記録指導が。。
正常と異常がわからない
看護学生の実習目標として「正常と異常がわかる」みたいなのが立案されることが多いです。
高齢者は深い圧痕ができるほどむくんでいる人が多く、ひと目で異常とわかります。
では靴下の痕が残っている程度は、異常と判断できるのか?
確かにむくんではいるが、医者に話しても鼻で笑われ適当にあしらわれます。
治療対象ではないから。
看護師も異常とは判断しません。
しかし「美」を追求している人にとって、むくみは死活問題です。
エステに行けば「むくんでいますね~」とちやほやして施術をしてくれます。
鍼灸師も靴下の痕が残るのは異常と判断しむくみの原因をアセスメントして治療します。
鍼灸師は数ミリ単位で皮膚の異常を見つけて治療します。
その数ミリ単位の皮膚の異常がわからないです。
だって、正常な人の皮膚を触ってないんだもの。
病気の人なら明らな異常でわかります。
病院なら正常範囲内で治療対象とならない異常も鍼灸は治療対象となります。
じゃあ、正常な状態ってどんな感じ?と思います。
授業でも「ここにコリがある」と教えてはくれるが、「これが正常な状態」とは教えてくれません。
「見て感じて学べ」という感じです。
まとめ
Kagayaの学校の鍼灸の臨床実習は
- 臨床実習1・2は2年生で教員がメインで治療するほぼ見学実習
- 臨床実習3・4は学生がメインで治療をする体験実習
- それぞれ23コマずつあります
- 5~6人1グループに教員が付いて、1人の患者さんを治療する
- 患者さんがいなければ、グループメンバーから患者役を決めて治療する
- 途中、治療室から退室して治療過程のカンファレンスをする
- 治療終了後は振り返りをする
といった内容で臨床実習は進められます。
鍼灸の学校は国家試験突破するための知識を学ぶ場であるのならば、臨床実習のカリキュラムがあるだけでも、ありがたいということなのか?
国家試験に合格すれば、開業権もあるので、すぐに開業しようと思えば開業できてしまいます。
それが少し恐いなと思います。
マッサージやカッサは揉みほぐしているだけなので、ヘタクソでも身体が痛くなるだけですみますが、鍼灸は鍼という異物を身体に入れたり、お灸というわざとヤケドをさせる行為は熟練の技が必要です。
Kagayaは身体が資本だから、壊されたら大変です。
信頼できる人でないと任せられません。
世の中には無免許整体師が施術で「治ります」と断言しちゃう人もいるから、治療を受ける側がしっかりと治療者の技量を確認していかないといけないなと思います。
まあ、看護師もたくさん実習に行ったとことで、国家試験合格したら、すぐ病院でバリバリ働けるか?って言われてもムリだけどね。
国家試験合格後から自分がやりたい鍼灸を見つけて、数をこなしていくしかないみたいです。