
こんにちは。
プライマリ・ケアサポートきらぼし、鍼灸師・看護師のKagayaです。
Kagayaはこれまで、訪問看護や重度障がいのある方へのケアに携わる中で、「もっと楽にしてあげたい」「少しでも穏やかに過ごしてほしい」そんな願いを何度も抱いてきました。
しかし、重症心身障害や脊髄損傷といった状態にある方の多くは、全身を動かすことが困難で、医療ケアや日常介助の負担も大きく、新たな療法を取り入れる余裕がないことも少なくありません。
ご本人が「つらい」と言葉にできなかったり、感覚が過敏だったり、あるいは刺激に対して恐怖心や不安感を持っていたり……。
そんな状況のなかで、無理なく・やさしく・安全に取り入れられる方法として、Kagayaが今もっとも可能性を感じているのが耳ツボ療法です。
例えば、日々のケアの中でこんな思いを感じたことはありませんか?
- ずっと同じ体勢でつらそう……少しでも楽にしてあげたい
- お薬を減らしたいけど、やめると調子が悪くなる……
- 痛みや不安があるように見えるけれど、どう対応したらいいか分からない
- 刺激に対してびくっとする……だから施術が怖い
- 親や支援者も疲れていて、限界を感じている
このような悩みや葛藤を抱えているのは、決してご本人だけではなく、ご家族や支援者も同じです。
そんな中で、身体を動かさずに、ほんの数ミリの場所=耳だけに軽く触れることで、体調や心の状態をサポートできる耳ツボ療法は、非常に有効なアプローチです。
耳には、東洋医学でも西洋医学でも認められている“全身の縮図”が存在します。
そこにほんの少しの刺激を与えることで、自律神経や内臓機能、感情、痛みなど多くの不調に働きかけることができるのです。
そして何よりもこの療法の魅力は、「その人のリズム・感覚・個性を大切にできる」という点にあります。
強い刺激も、無理な動きもいらない。
一人ひとりの“今”に寄り添う耳ツボ療法は、重症心身障害のある方や、脊髄損傷などで動けない方にも安全に提供できるやさしいケアです。
この記事では、耳ツボ療法の基本から、重度障がいの方に適した活用方法、実際に受けられるサービスまでをわかりやすく解説していきます。
ご本人の快適さを追求しながら、ご家族や支援者にも“ほっとできる時間”を届けられたらと思います。
耳から始まる、やさしいケアのかたち。
どうぞ、ゆっくり読み進めてくださいね。
🌟耳ツボ療法とは?〜やさしく全身を整える“耳からのケア”〜
「耳には全身が映っている」――そんな東洋医学の考えをご存じでしょうか?
実は、耳は非常に感受性が高く、皮膚のすぐ下に多くの神経や血管が集まっているため、わずかな刺激でも全身の反応を引き出しやすい場所です。
耳ツボ療法とは、耳にある数多くの反射点(耳介療法ポイント)を、鍼・チタン粒・金粒・磁気シール・電気・マッサージなどの方法でやさしく刺激し、自律神経の調整、内臓機能の活性化、痛みの緩和、精神的安定などを図る自然療法です。
「フランスのポール・ノジェ医師」が開発した耳介療法(auriculotherapy)や、「アメリカのNADAプログラム」による依存症対策など、世界中で臨床応用が進んでいる療法でもあります。
例えば、次のような分野で耳ツボが活用されています:
- 慢性の痛み(肩こり・腰痛・関節痛など)
- ストレス・不安・不眠・抑うつ
- ダイエット・禁煙・依存症の補助
- 女性の体調管理(PMS、更年期、妊娠期)
- 自律神経の乱れ(めまい・冷え・疲労など)
耳のツボを刺激することで、迷走神経や顔面神経、三叉神経などを介して中枢神経や内臓、自律神経系に影響を与えることができるとされており、非薬物的なアプローチとして副作用が少なく、安全性の高い方法でもあります。
また、耳は常に目に触れる場所にあり、セルフケアやご家族によるケアにも取り入れやすいという特長があります。
「病院での治療だけでは足りない」「本人の反応がわかりにくいけれど、何かしたい」――そんなとき、耳ツボ療法はやさしく寄り添うケアの選択肢となってくれるはずです。
次の章では、重症心身障害や脊髄損傷などの重度障がいのある方にとって、なぜ耳ツボ療法が適しているのか?その5つの理由について、より詳しく解説していきます。
🌟障がいのある方に耳ツボ療法が選ばれる5つの理由
1.動かさなくてOK。座位・臥位で施術可能
耳ツボ療法の大きな特徴は、施術時に体を大きく動かす必要がないことです。
車椅子に座ったまま、またはベッド上で寝たままでも、安全に施術を行うことができます。
重度の肢体不自由や脊髄損傷、拘縮がある方にとって、わずかな体位変換や移動でさえ大きな苦痛を伴うことがあります。
そのため、施術時の移動が不要であることは、ご本人にも介助者にも優しいアプローチといえます。
Kagayaの施術では、実際の姿勢や動きの制限にあわせて、安全な体勢で耳の位置を確認しながら丁寧に行います。
2.非侵襲的な方法で痛み・不安が少ない
「鍼はこわい」「痛くないの?」と心配される方も多いのですが、耳ツボ療法では、鍼を使わずに施術することも可能です。
Kagayaが使用しているのは、チタン粒・金粒・磁気シール・皮膚にやさしいシール型のツボ刺激具など。
触れるだけ、貼るだけでも十分に反応が出るように設計されています。
そのため、痛みが苦手な方や、医療行為に不安がある方でも安心して受けられるのが特徴です。
必要があれば、触れずに観察だけ行い、反応を見ながら少しずつ刺激していくことも可能です。
3.感覚過敏や意思表示が難しい方にも対応
自閉症スペクトラムや脳性麻痺、重症心身障害のある方の中には、皮膚刺激に対して過敏に反応したり、逆に鈍感だったりすることがあります。
また、言葉で「痛い」「イヤ」と伝えるのが難しい場合もあります。
耳ツボ療法では、表情・皮膚の赤み・筋緊張・耳の圧痛・呼吸の変化などを細かく観察しながら施術を進めます。
Kagayaは看護師としての視点から、医療的ケア児や知的障がいをもつ方へのケア経験を活かし、その人の“わかりにくい反応”にも丁寧に寄り添う施術を行っています。
4.薬の副作用が気になる方にも安心
重度障がいのある方は、複数の薬を継続的に使用しているケースが多く見られます。
抗けいれん薬、精神安定剤、便秘薬、鎮痛薬などは、時に眠気・ふらつき・便秘・食欲不振などの副作用を引き起こすことがあります。
耳ツボ療法は、薬を中止するものではありませんが、薬に頼りすぎず、補完的に症状を和らげることができる自然なケアです。
たとえば、睡眠に関するツボを使って夜間の安定を促すことで、睡眠導入剤の量を減らすサポートになる場合もあります。
また、「調子がよい日が増えた」「下剤の量が少し減った」「イライラが減って表情がやわらいだ」など、QOL(生活の質)の向上に寄与するケースも多く見られます。
5.ご家族・支援者と一緒に受けられる
ご本人のケアに意識が集中しがちですが、支える側の疲れやストレスにも、しっかり目を向けることが大切です。
Kagayaの耳ツボ施術は、ご家族や支援者も一緒に施術を受けられるのが特徴です。
たとえば、介助の合間に5〜10分だけでも耳のツボを刺激することで、肩こり・眼精疲労・自律神経の乱れに働きかけ、心身を整えることができます。
「親も疲れている」「支援員さんの笑顔が減ってきた」――そんな時、ご本人と一緒に、支える人も癒される空間が必要です。
ケアされる側だけでなく、ケアする側の癒しも、きらぼしの耳ツボ療法では大切にしています。
🌟対応できる状態・症状の一例
耳ツボ療法は、「どこがつらいのかうまく伝えられない」「治療の選択肢が少ない」と感じている方にとって、やさしく補完的に寄り添えるケアです。
以下は、Kagayaがこれまで対応してきた方や、耳ツボケアの適応が期待される症状・状態の一例です。
もちろん個別性がありますので、状態に応じてご相談ください。
重症心身障害児・者(重心)
脳性麻痺や染色体異常などによって、重度の運動障害と知的障害を併せ持つ方に対しては、筋緊張の緩和や睡眠リズムの安定化、胃腸の蠕動運動促進などを目的に施術します。
会話ができなくても、耳の圧痛・皮膚の色・呼吸・発汗・表情の変化から反応を確認し、安全に進めます。
脊髄損傷・ALS・筋ジストロフィーなどの神経難病
運動麻痺やしびれ、神経因性疼痛、排尿・排便困難などにより、生活の自立度が下がることによる精神的なストレスを感じる方も多くいらっしゃいます。
耳ツボでは、交感神経過緊張の緩和や神経伝達の安定化をサポートし、疼痛・筋緊張・睡眠障害・便秘などの軽減が期待されます。
人工呼吸器を使用している方にも、観察重視・非接触のアセスメントから施術計画を立てます。
発達障害・知的障害のある方
多動・不安・こだわりが強いなどの症状に対しては、神経の過敏さをやわらげるための耳ツボポイントを選び、イライラや睡眠トラブルの軽減を目指します。
「最近落ち着いている」「朝の準備がスムーズになった」「便秘が解消された」など、ご家族からも変化を実感する声が増えています。
施術に不安がある場合は、まずご家族への体験施術から始めることも可能です。
その他
下記のようなニーズに対応できます:
- 胃ろう・気管切開・人工呼吸器を使用中でも可能(医療的ケアに理解のある対応)
- てんかんをお持ちの方も、発作誘発のない安全な施術設計
- 高齢の重度訪問介護利用者様や、施設入所者様への訪問対応も可
「医療ケアがあるから無理かも…」「反応がわからないから施術できないのでは?」
そんな不安があっても、一度お気軽にご相談ください。
Kagayaは看護師+鍼灸師として、医療的視点とやさしい手技の両面から「安全に、確実に」施術プランを組み立てます。
ご本人だけでなく、支えるご家族や支援者にとっても、負担の少ないケアと安心感を提供できるよう努めています。
🌟きらぼしの耳ツボ療法の特徴
「どんな人が施術してくれるの?」「医療的な知識もあるの?」そんなご質問に、胸を張ってお答えできるのが、プライマリ・ケアサポートきらぼしの耳ツボ療法です。
Kagayaは、看護師と鍼灸師の国家資格を持ち、重症心身障害や医療的ケア児、神経難病の方への関わりを続けてきました。
その経験から生まれた、安心・信頼・個別性を大切にした耳ツボケアの特徴をご紹介します。
看護師・鍼灸師が「医療的視点」で安心対応
単なるリラクゼーションではなく、医療的ケアや状態変化に対応できるプロが施術を担当します。
医師の診断を妨げることなく、補完的ケアとして役立つよう配慮し、てんかん・呼吸器使用・経管栄養などの方も安心してご相談いただけます。
ご本人の状態・生活・個性にあわせた「個別施術」
耳ツボ療法は画一的なものではありません。
きらぼしでは、表情・皮膚・姿勢・既往歴・生活スタイルなどを総合的に評価し、毎回その人にあわせたケアを行います。
例えば「今日は体調が悪いからマッサージだけ」「緊張が強いから貼るだけ」など、その日の“ちょうどいい”を大切にしています。
訪問施術に対応(小平・東村山・東大和周辺)
外出が難しい方のために、ご自宅・施設・レンタルサロンなどへの訪問施術を行っています。
ベッド上でも車椅子でも施術可能。訪問看護や重度訪問介護と併用してご利用いただくこともできます。
対応エリアの詳細は、お気軽にお問い合わせください。
記録・フィードバックの共有で「多職種と連携」
必要に応じて、ご家族や支援者、施設スタッフと施術記録・体調の変化・反応などを共有します。
訪問看護ステーション、医師、作業療法士などとの連携経験も豊富です。
「こんなときどうする?」「どう反応している?」などのフィードバックを通じて、ご本人にとって最適な支援をチームで考える姿勢を大切にしています。
また、Kagaya自身も発達支援・介護・看護の現場での経験があり、「制度では拾えない不調や気づき」に寄り添うことをモットーとしています。
“ただの施術”ではなく、“信頼されるケアパートナー”としてきらぼしは、ご本人もご家族も笑顔になれる支援を目指しています。
🌟モニター施術も受付中
プライマリ・ケアサポートきらぼしでは現在、耳ツボ療法の有効性や反応パターンを蓄積し、地域にあったケア体制を広げていくことを目的として、モニター施術を実施しています。
「受けてみたいけど、いきなり通常料金は不安…」「自分に合うのか試してみたい」そんな声に応え、初回体験をモニター価格で提供しています。
以下のような方に特におすすめです:
- 重症心身障害のある方やそのご家族
緊張・便秘・睡眠障害などへの非薬物的アプローチを検討中の方 - 神経難病・脊髄損傷後の不調にお悩みの方
痛みや筋緊張、自律神経の乱れを感じている方 - 介助・支援の中でご本人の表情・反応をもっと見ていきたい方
表情・皮膚・呼吸などの反応から状態の変化を見守りたい - ご家族・支援者もケアを必要としている方
「親も疲れている」「看る人も癒されたい」と感じている方
モニター施術では、以下のような内容をご提供しています:
- 初回カウンセリング(約20~30分)
病歴・生活状況・身体状況・感覚特性・支援内容などを丁寧にヒアリング - 耳ツボチェック+施術(約15〜20分)
視診・触診・耳の圧痛点などから反応を確認し、最適な方法(粒貼付・軽刺激など)を選択 - フィードバックと今後のご提案
ご本人の反応や変化、ご家族の印象をもとに、継続的ケアやセルフケアのアドバイスを実施
【モニター価格】初回 3,000円〜(税込・交通費別)
※ご自宅への訪問、または小平市近郊のレンタルサロン・イベント会場などで施術可能です。
訪問可能エリア:小平市・東村山・東大和・東久留米・国分寺・立川 など
※そのほかの地域もご相談ください。
モニターはあくまで施術者側の学びと記録収集を目的とした試行的ケアですが、「一度体験してみたい」「他のケアと併用したい」という方には、大変ご好評をいただいています。
ご本人の反応がわかりづらいケースや、重度の医療的ケアが必要な方でも、Kagayaが看護師としての視点で安全に対応いたしますので、安心してご相談ください。
施術後のご感想やご家族の気づきなどを、簡単なアンケート形式でご協力いただけると嬉しいです。
「まずは試してみたい」「話だけでも聞いてみたい」――そんな一歩をお待ちしています。
🌟さいごに
耳ツボ療法は、声が出せなくても、動けなくても、つらさをうまく伝えられなくても、その人の奥にある“からだからのサイン”に、静かに耳を澄ませるケアです。
「ことばにならない苦しさがある」
「反応が薄くて、今どうしてほしいのか分からない」
「薬やリハビリだけでは届かない部分がある気がする」
そんなふうに感じたことはありませんか?
そして、それはご本人だけではなく、見守るご家族や支援者の方々の葛藤でもあると、Kagayaは日々感じています。
耳ツボ療法は、施術というより“寄り添い”に近い関わり方です。
その人に合った場所に、合った方法で、必要なだけ触れる。
ときに貼るだけ、観察だけ、少し話すだけの日もあります。
それでも、ある日ふと気づくのです。
「昨日より呼吸が穏やかだった」「表情がやわらいでいる」「手を触ったとき、びくっとしなかった」……。
小さな変化は、“生きづらさ”に静かに光を当てる大切なサイン。
Kagayaは、そうした変化のひとつひとつに気づきながら、心をこめてケアを届けています。
この記事が、耳ツボ療法という選択肢にふれていただくきっかけになればうれしいです。
「試してみたい」「まずは相談だけでも」――そんなお気持ちでも大丈夫です。
あなたや、大切なご家族のことを、ぜひ聞かせてください。
どんなご相談でも、Kagayaがじっくりお話を伺います。
一人でも多くの方に、耳ツボを通じたやさしい時間と、安心できる選択肢が届きますように。
📩 ご相談・お問い合わせはこちら