
🌟「きらぼし」の名前に込めた想い
国家資格である鍼灸師の視点から見れば、「きらぼし鍼灸治療院」など、業態を明示した名前にしておくのが、制度上も正解なのかもしれません。
税務署の開業届でもすぐに受理されやすいですし、初めての方にも一目で「ここは鍼灸院なんだ」と伝わるからです。
でも、Kagayaがあえて選んだのは「プライマリ・ケアサポート☆きらぼし」という、ちょっと長くて少し変わった名前。
この名前を見た方からは、「介護事業所?」「訪問看護の会社ですか?」「“きらぼし銀行”と関係あるんですか?」と、いろんなリアクションをいただきます(笑)。
たしかに、「鍼灸」「治療」といったワードが入っていないため、検索性も明確さも落ちるかもしれません。
それでもKagayaは、この名前に強いこだわりと意味を込めて付けました。
「プライマリ・ケア」とは、地域の中で最初に相談できる身近な医療のこと。
病院に行く前の、体調や生活、心の不調を気軽に話せる場所をつくりたいと思いました。
「サポート」は、ただ治療をするだけでなく、その人の暮らしや価値観に寄り添って支援すること。
看護師としての経験から、生活全体を見つめる視点を大切にしたいという思いがあります。
そして、「きらぼし」は、暗闇に一筋の光を灯す“星”のような存在になりたいという願いを込めた言葉です。
この言葉に影響を与えてくれたのが、アニメ『STAR DRIVER 輝きのタクト』です。
たまたま夕方の訪問先で患者さんと一緒に見たのですが、その中のセリフが心に強く残りました。
「やりたいこととやるべきことが一致するとき、世界の声が聞こえる」。
この言葉にハッとさせられました。
Kagayaは誰かの組織に雇われて、マニュアルに従って動くことが当たり前になっていて、自分の本当の声を聞くことを忘れていたのです。
「ここにいたら、世界の声が永遠に聞こえない」──そう確信して、Kagayaは安定を手放し、個人で生きる道を選びました。
“きらぼし”という言葉は、Kagayaにとってただの響きの良い名前ではありません。
人生の方向を決めるほどの大きなきっかけとなった象徴的な存在なのです。
訪問先では発達障がいや重度障がいをもつお子さんや高齢者の方にも会う機会が多く、誰にとっても“身近で親しみやすい”存在でありたいと願っています。
たとえ検索で見つけてもらいにくくても、制度上少し説明が必要でも、Kagayaはこの名前でやっていこうと決めました。
「プライマリ・ケアサポート☆きらぼし」は、理念そのものであり、Kagayaの覚悟の証です。
これからも、地域に一筋のきらめきを届ける“星”として、小さな光を灯し続けていきたいと思っています。
🌟ジプシーナースとしての原点と葛藤
Kagayaはこれまで、さまざまな医療・福祉の現場で働いてきました。
病院、特別支援学校、訪問看護ステーション、障がい者施設、福祉の委託事業所──。
正職員、非常勤、派遣、契約、嘱託……といろんな立場を経験しましたが、どの職場でも長く留まることができませんでした。
それは、「ここじゃない」と感じることが多かったからです。
現場の理不尽さ、組織の論理、上からの命令と板挟みになる現実。
目の前の人を大切にしたいのに、システムに押しつぶされるような感覚。
気づけばKagayaは、職場を転々とする「ジプシーナース」になっていました。
この言葉にはマイナスな印象もあるかもしれませんが、Kagayaにとっては自分を見失わないための「旅」でもありました。
どんな場所でも“看護”を求めて模索し、時には悩み、時には逃げ、でも決してあきらめずに次のステージへ向かっていました。
そんな日々の中で、ふと自分に問いかけたことがあります。
「Kagayaは誰かのために働いているのか?それとも、ただ雇われているだけなのか?」
給与や社会保険という安定と引き換えに、私は組織の一部として機能することを求められていました。
与えられた仕事をこなし、与えられた責任を果たし、与えられた枠の中で考え、動く。
大きな組織にいると、確かに守られている安心感はあります。
でもその反面、自分が「誰かの駒」になってしまっているという感覚が拭えなかったのです。
看護師という専門職でありながら、制度とルールに縛られ、自分の裁量では動けない。
「やりたい看護」と「できる看護」が一致しない日々に、いつしか疲れてしまっていました。
そして、あるときふと心の中で言葉が浮かびました。
「人に雇われている限り、世界の声は聞こえない」
これは、アニメ『STAR DRIVER』の中のセリフ「やりたいこととやるべきことが一致したとき、世界の声が聞こえる」に影響された気づきでもあります。
Kagayaはこのまま誰かの指示に従い、定年まで働き続けるのか?そう考えたとき、正直ゾッとしました。
公務員という立場に就き、給与や退職金など将来への安心はありました。
けれどそれ以上に、自分自身が「自分の人生を歩いていない」という感覚が、胸を締めつけていたのです。
だからKagayaは決めました。
国家公務員としての安定を手放し、「自分の人生を自分で選ぶ」こと。
そして、新たに鍼灸師としての資格を取り、「きらぼし」という名の下で、自分らしい支援の形を始めること。
それは大きな挑戦でもあり、同時にKagaya自身の「原点」に立ち返る選択でもありました。
この選択こそが、「きらぼし」誕生の出発点です。
🌟「きらぼし」が描く地域医療・福祉支援の未来
Kagayaが目指しているのは、「地域の中で、一番身近に相談できる医療者になること」。
そしてそれは、病院でも、施設でも、制度でもなく、暮らしのなかにそっと寄り添う“きらめき”のような存在であることだと考えています。
対象となるのは、病院に通うのが難しい方、在宅療養中の方、発達障がいや慢性疾患を抱えるお子さん、高齢で通院やリハビリが難しくなった方──そして、その家族。
「きらぼし」では、そんな方々に対して、訪問鍼灸と訪問看護の二刀流で支援を行います。
Kagayaが鍼灸師であり、看護師でもあること。
この両方の資格と経験を活かし、「東洋医学のケア」と「西洋医学の知識」を統合して、その人の生活にフィットするケアを届けたいと考えています。
たとえば、次のようなご相談に応じています:
- 難病や障がいを抱えたお子さんの生活支援と痛みケア
- 在宅での終末期ケアにおける疼痛緩和と安眠サポート
- 介護するご家族のストレス緩和・自律神経調整
- 通院困難な高齢者へのセルフ灸アドバイスと看護指導
現在は、2025年6月の本格開業に向けて、少しずつ準備を進めています。
この「きらぼし」には、まだ実績も信用もありません。
看護師Kagayaとしては一定の信頼をいただいていますが、「きらぼしのKagaya」としては、まっさらなスタート。
でもKagayaは、これまで積み重ねてきた「ジプシーナース」としての多職種経験と、多様な現場での学びを、必ずこの事業に活かせると信じています。
派手に広告を打ったり、一気に拡大路線に走ったりするつもりはありません。
まずは、細く長く。
“わらしべ長者”のように、目の前の一人を丁寧にケアし、その信頼が次の出会いにつながるような歩み方を大切にしています。
最初の1〜2年は、あえて「副業」として運営する予定です。
本業は既存の訪問看護業務を継続しつつ、「きらぼし」の活動を少しずつ育てていきます。
それは、いきなり売上や収益に追われてしまうと、自分の“届けたい想い”がブレてしまう危険があるからです。
2~3年を目処に本格的な事業化を目指し、その頃には法人化や仲間づくりも進めていく計画です。
地域で困っている方が「きらぼしに相談してみようかな」と思ってくれるような、そんな存在を目指して、今日も一歩ずつ、歩みを進めています。
🌟法人化と地域連携へのビジョン
「きらぼし」は現在、個人事業主としてのスタートを切ったばかりですが、将来的には合同会社として法人化し、より大きな視点で地域福祉・地域医療に貢献していきたいと考えています。
法人化の目的は単に体裁を整えるためではありません。
社会保険の整備、雇用の安定、行政との連携、助成金申請、他機関との協働体制など、“地域のインフラ”として信頼される存在になるための基盤づくりなのです。
合同会社の形を選ぶのは、柔軟な経営と意思決定を大切にしたいから。
トップダウン型ではなく、対話と共創による運営を目指しています。
法人化後には、次のような取り組みを進めたいと構想しています:
- 障がい児・者とその家族の「オレンジカフェ(障がい者版)」の開設
… 地域の中で孤立しがちな方々が気軽に集える「居場所」と「情報交換の場」 - 「健康相談室」および「鍼灸治療室」の常設
… 小さな悩みも話せる看護師の窓口と、セルフケア支援・東洋医学的な体質改善ケア - 日中一時支援・放課後等デイサービスとの連携
… 重症児・医療的ケア児にも対応できる看護師常駐型の支援体制
こうした拠点づくりには、もちろん一人の力では限界があります。
だからこそ「仲間づくり」が不可欠。
訪問看護を立ち上げるには看護師が3人必要ですが、実は放課後等デイサービスもまた、看護師の関わりが強く求められる分野です。
医療的ケア児を支える仕組みがまだまだ少ない今、きらぼしとして何ができるかを模索しています。
福祉系の事業を広げるにあたり、介護職や保育士、相談支援専門員、作業療法士、言語聴覚士といった他職種との連携も視野に入れています。
そして何よりも大切なのは、行政との連携です。
届け出、事業指定、助成金、地域資源の活用など、制度の枠組みの中で持続可能な形をつくることが、次世代につながる「仕組み」となるはずです。
「きらぼし」は、ただの鍼灸院でもなく、ただの看護事業でもありません。
医療と福祉と教育の“あいだ”を埋める存在として、多世代・多様性・地域共生をキーワードに活動を展開していきます。
子どもたちが安心して過ごせる場所、
お年寄りがほっとできる居場所、
介護者が悩みを共有できる対話の場。
そんな「交差点のような場所」を地域の中に根づかせるために、Kagayaはこの「法人化と地域連携」というビジョンを描いています。
まだ始まったばかりの小さな取り組みですが、未来に続く確かな一歩として、これからも仲間を募りながら、少しずつ形にしていきたいと思います。
🌟最後に──「名前」に負けないサービスを
「プライマリ・ケアサポート☆きらぼし」──この屋号を初めて提出したとき、正直ドキドキしました。
「ちゃんと受理されるかな?」「変な名前って思われないかな?」そんな不安もありました。
それでもKagayaは、この名前に込めた想いに今もまったく悔いはありません。
もし仮にこの屋号が制度上認められなければ、「きらぼしステーション」「ケアサロンきらぼし」など、柔軟に名前を変えてもかまいません。
大切なのは、名前そのものではなく、その中にある“意思”と“実践”だからです。
屋号は名刺の最初の一行にすぎません。
けれど、そこにどんな意味があるのか、どんな世界をつくろうとしているのか──それを日々の関わりの中で、利用者さんや家族に「伝わる形」で表現していく必要があります。
“きらぼし”という言葉に負けないような、小さくても本物のサービスを提供すること。
それがKagayaの目標であり、責任だと感じています。
地域の中には、「本当に必要としているけれど、どこにも相談できない」という人がまだまだたくさんいます。
病気や障がいだけではなく、制度の狭間や社会的孤立、育児や介護の疲れなど、複雑な背景を抱える方々に、そっと寄り添える存在でありたい。
そのためには、特別なことをする必要はありません。
大切なのは、一人ひとりと丁寧に向き合う姿勢と、小さな信頼の積み重ねです。
「きらぼし」は、いきなり大きな事業にはなれません。
でも、地域の片隅で小さく光る“星”のような存在にはなれると信じています。
一人の利用者さんとの出会いが、次の出会いにつながり、
そのつながりが新しい仕組みや活動を生み出していく。
そうやって地域の中に、やさしい連鎖を広げていけたら──それが「きらぼし」が描く未来です。
今はまだ模索の連続で、理想と現実の間で悩む日々もあります。
でも、自分の軸を持ち、目の前の人に向き合い続けることで、名前以上の価値を育てていくことはきっとできる。
「きらぼし」という名前が、いつか地域の人々にとって「あそこに相談すれば大丈夫」と思える安心の象徴になりますように。
これからもKagayaは、地域と共に育つ医療・福祉支援を、一歩ずつ丁寧に積み上げていきます。
🌟「きらぼし」の訪問施術・相談をご希望の方へ
「きらぼし」では、小平市周辺を中心に訪問鍼灸・訪問看護・生活支援を行っています。
- 通院が難しい方へのご自宅ケア
- 障がい児(者)・医療的ケア児への支援
- 育児や介護で外出が困難なご家族へのサポート
- 東洋医学・看護の両視点での体調相談
訪問対応エリア:小平市・東村山・東大和・国分寺・立川など(その他地域は応相談)
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