十二経脈の病証
経脈 | 走行上の病証 | 関連病証 |
手太陰肺経 | 上肢前面外側の痛み 手掌のほてり | 咳嗽・息切れ・胸苦しさ 胸の熱感 |
手陽明大腸経 | 喉の腫れ痛み 上肢外側の痛み 指示の痛み | 上肢前面外側の痛み 手掌のほてり |
足陽明胃経 | 顔面の麻痺 前頸部の腫れ 前胸部・腹部・鼠径部・下肢前面・足背の痛み | 躁状態・うつ状態 鼻出血 消化吸収の異常 |
足太陰脾経 | 前胸部・心窩部・腋窩部の圧迫感 下肢内側の腫れ痛み 母趾の麻痺 | 腹部膨満感・嘔吐 軟便・下痢 全身の倦怠感 |
手少陰心経 | 心臓部痛 上肢前面内側の痛み 手掌のほてり痛み | のどの渇き 腋の痛み |
手太陽小腸経 | 頸・肩・上肢後面内側の痛み 肩・上腕の激しい痛み 頸が腫れて後ろを振り返れない | のど・顎の腫れ痛み 難聴 |
足太陽膀胱経 | 頭頂部・後頭部痛 体幹後面・下肢後面の痛み 第5趾の麻痺 | 背中の痛み・目の痛み 鼻出血 痔・おこり・精神異常 |
足少陰腎経 | 腰部・大腿内側の痛み 冷え・痺れ・足底のほてり 口腔内・咽頭部の炎症 | 空腹感はあるが食欲がない 顔色が黒ずむ 呼吸が苦しく咳込む 血痰・立ち眩み・寝ることを好んで起きたがらない 心配性でビクビクくする |
手厥陰心包経 | 心臓部痛 腋の腫れ 上肢のひきつり 手掌のほてり 季肋部のつかえ | 胸苦しさ 顔色が赤い 精神不安定 |
手少陽三焦経 | 耳後ー肩上部ー上肢後面の痛み 第4指の麻痺 目尻から頬の痛み 難聴 | 咽頭・喉頭の炎症 汗 |
足少陽胆経 | 目尻・側頭部・顎関節・鎖骨上窩・体幹外側・下肢外側の痛み 第4趾の麻痺 寝返りが打てない 足は外反しほてる | 口が苦い・よくため息をつく 顔色がくすむ・カサカサして艶がない 頸部のリンパ節結核 |
足厥陰肝経 | 疝気(男) 下腹部膨満感(女) 遺尿・尿閉・腰痛 うつむいたり仰向けたりできない | 嘔吐・激しい下痢 喉の渇き 顔色がすすけて青黒くなる |
奇経八脈病証
督脈 | 背骨のこわばり 頭痛・痔・浮腫 足の冷え・痛み 下腹部から胸まで突き上げる痛み |
任脈 | 疝気(男) 帯下・月経異常・不妊(女) 腹部皮膚の痛み・かゆみ |
衝脈 | 逆気(悪心・嘔吐・眩暈・頭痛)して下痢 |
帯脈 | 腹が張る 腰は水中に座っているように冷える |
陽蹻脈 | 陰が緩んで陽がひきつる(下肢内側の麻痺・前半身は緩み後半身がひきつる) |
陰蹻脈 | 陽が緩んで陰がひきつる(下肢外側の麻痺・後半身は緩み前半身がひきつる) |
陽維脈 | 寒熱に苦しむ |
陰維脈 | 心臓部に苦しむ |
(衝脈)公孫 | (陰維脈)内関 | 胃や心臓の疾患に使う |
(帯脈)足臨泣 | (陽維脈)外関 | 外眼角・耳後・頬・頸・肩の疾患に使う |
(督脈)後溪 | (陰蹻脈)申脈 | 内眼角・耳・項・肩甲骨の疾患に使う |
(任脈)列欠 | (陰蹻脈)照海 | 胸・肺・横隔膜の疾患に使う |
国家試験過去問
第2回-103
喉の腫れ、鼻出血および下顎歯の痛みはどの経絡病証か。
- 手の太陰肺経
- 手の陽明大腸経
- 足の少陽胆経
- 足の太陽膀胱経
第18回-97
喉の腫れ、鼻出血および下の歯の痛みを呈する経脈病証はどれか。
- 胆経
- 大腸経
- 膀胱経
- 三焦経
第19回-95
次の文で示す経脈病証はどれか。 「顔面の麻痺、下腿前面外側と足背の痛み。」
- 大腸経
- 肝経
- 胃経
- 胆経
第2回-108
次の文で示す病証に関係する経絡はどれか。 「咳、喘鳴、胸が脹り満ちた感じがあり、上肢の内側に沿った冷えと痛みがある。」
- 手の少陽三焦経
- 手の太陰肺経
- 手の少陰心経
- 手の厥陰心包経
第13回-108
次の文で示す経絡病証はどれか。 「咳が出て胸苦しく、胸に熱感があり息切れし、手掌がほてる。」
- 心経
- 肺経
- 腎経
- 脾経
第3回-98
次の文で示す症状を訴えるのはどの経絡の病証か。 「腋窩部の腫れ、上肢のひきつれ、手掌のほてり及び季肋部のつかえ。」
- 手の太陽小腸経
- 手の陽明大腸経
- 手の厥陰心包経
- 手の少陽三焦経
第23回-97
次の文で示す経脈病証はどれか。 「上肢がひきつり、手掌のほてりがある。胸苦しく、精神的に不安定である。」
- 心包経
- 三焦経
- 肺経
- 心経
第6回-103
次の文で示す病証に関係する経絡はどれか。 「頸が腫れ、肩から上腕後内側を経て小指にいたる部位の激しい痛み、難聴がある。」
- 手の太陰肺経
- 手の少陰心経
- 手の陽明大腸経
- 手の太陽小腸経
第22回-102
次の文で示す経脈病証はどれか。 「首が腫れ、後ろを振り返ることができない。難聴があり、上肢後面内側が痛む。」
- 手の少陰心経
- 手の陽明大腸経
- 手の太陰肺経
- 手の太陽小腸経
第8回-102
次の文で示す症状はどの経絡病証か。 「空腹感はあるが食欲はなく、顔色は黒ずみ、呼吸が苦しくせき込む。」
- 足の太陰脾経
- 足の厥陰肝経
- 足の少陰腎経
- 手の太陰肺経
第10回-104
次の病証を示す経絡はどれか。 「空腹でも食欲がなく膝から下が冷える。腰痛があって臥すことを好む。」
- 足の少陰腎経
- 足の太陰脾経
- 足の少陽胆経
- 足の陽明胃経
第9回-100
次の文で示す病証を呈する経絡はどれか。 「前胸部から心下部への圧迫感、腹部膨満感があり、下肢内側の腫れと痛み、足の母指の麻痺がある。」
- 足の陽明胃経
- 足の太陽膀胱経
- 足の少陽胆経
- 足の太陰脾経
次の文で示す経絡病証について適切なのはどれか。 「のどが渇き、側胸部が痛む。上肢の前面内側がしびれて痛み、手掌が熱をもって痛む。」
- 三焦経
- 心経
- 肺経
- 小腸経
第12回-108
次の文で示す経絡病証について適切なのはどれか。 「目の痛みが強く、頭痛もある。背中は張って腰は折れんばかりに痛み、下腿後面の筋がひきつれる。」
- 膀胱経
- 腎経
- 肝経
- 胆経
第14回-105
次の文で示す経絡病証はどれか。 「腰が痛み、季肋部が張って苦しく、顔色は青黒い。」
- 脾経
- 三焦経
- 肝経
- 小腸経
第19回-96
次の文で示す経脈病証はどれか。 「耳鳴りがして音が聞こえにくい。目尻から頬にかけて痛み、発汗を呈する。」
- 三焦経
- 腎経
- 胆経
- 小腸経
第16回-102
次の文で示す経脈病証はどれか。 「口が苦い、缺盆の部分と腋下が腫れ、膝の外側が痛む。」
- 腎経
- 胃経
- 脾経
- 胆経
第13回-105
経絡病証で背骨のこわばり、頭痛の症状を呈するのはどれか。
- 帯脈
- 任脈
- 衝脈
- 督脈
第23回-93
経脈で表裏関係にある組合せはどれか。
- 太陰経 ――― 陽明経
- 少陽経 ――― 少陰経
- 厥陰経 ――― 太陽経
- 少陰経 ――― 陽明経
4回-101
任脈病証に含まれるのはどれか。
- 月経異常
- 関節腫脹
- 手足の麻痺
- 頭痛
第12回-109
陽蹻脈病証の症状はどれか。
- 月経異常
- 目の痛み
- 下痢
- 排尿障害
第16回-103
次の文で示す奇経八脈病証はどれか。 「腹がはり、腰は弛緩して、力が入らず、水の中に座っているような無力と寒気を覚える。」
- 帯脈
- 督脈
- 任脈
- 衝脈
第17回-100
胸苦しさと手掌のほてりを呈する経脈病証の所見で適切でないのはどれか。 ※正解2つ。どちらか1つを選ぶと正解になります。
- 頭痛
- 腋の腫れ
- 咽の渇き
- 前腕の痛み
第18回-98
腎経の経脈病証の所見として適切でないのはどれか。
- 足底のほてり
- 立ちくらみ
- 季肋部のつかえ
- 血痰
第20回-97
次の文で経脈病証に用いる経穴について適切なのはどれか。 「舌の根元に痛み、腹部膨満感、下痢、全身倦怠感、下肢内側の痛み。」
- 侠渓
- 衝陽
- 太渓
- 太白
第23回-101
次の文で示す経脈病証に対し、難経六十九難の治療法則を考慮して施術を行う場合、最も適切な経穴はどれか。 「顔色が黒ずむ、呼吸が苦しく咳がでる、立ちくらみ、食欲がない、寝ることを好んで起きたがらない。」
- 曲泉
- 経渠
- 太渓
- 大都
第24回-97
次の文で示す経脈の病証はどれか。 「48歳の女性。発汗、喉の腫れがあり、耳が聞こえにくく、耳鳴りが続く。」
- 手の太陽経
- 手の少陽経
- 足の少陰経
- 足の陽明経
第25回-96
経脈病証で前胸部、心下部、腋下部の圧迫感、下肢内側の腫れや痛みがみられるのはどれか。
- 陽明胃経病証
- 少陽胆経病証
- 厥陰肝経病証
- 太陰脾経病証
次の文で示す経脈病証はどれか。 「心煩、心下痛、舌の強ばり、舌痛、鼠径部や膝の腫痛や冷え。」
- 手の陽明経
- 手の少陰経
- 足の太陽経
- 足の太陰経
第26回-92
下肢と体幹の両側の陰陽を調節し、下肢の陰経と陽経の協調に関与するのはどれか。
- 帯脈
- 陽維脈
- 督脈
- 陽蹻脈
足の太陽膀胱経の病証はどれか。
- 側頭部・体幹外側・下肢外側の痛み、顔色のくすみ
- 前胸部・腹部・鼠径部の痛み、顔面の麻痺
- 腰部・大腿・下腿内側の痛み、顔色の黒ずみ
- 前頭部・後頭部・脊柱の痛み、精神異常
第27回-96
経脈病証で「顔がすすけて黒く、腰が痛く、陰嚢が腫れて痛み、小便が出ない。」のはどれか。
- 足の少陽経脈病証
- 足の少陰経脈病証
- 足の厥陰経脈病証
- 足の太陽経脈病証
第28回-97
経脈病証で「顔がくすみ、皮膚がかさかさして艶がない。口が苦く、よくため息をつく。痛みで寝返りが打てない。」のはどれか。
- 手の太陰経病証
- 足の少陽経病証
- 足の厥陰経病証
- 手の太陽経病証
第29回-102
次の文で示す経脈の病証はどれか。 「48歳の女性。発汗、目尻から頬の痛みがあり、耳鳴りが続き耳が聞こえにくい。」
- 手の太陽経
- 足の少陰経
- 足の陽明経
- 手の少陽経
第29回-104
経脈病証で咽喉の症状がみられないのはどれか。
- 手の太陽経脈
- 手の陽明経脈
- 足の太陽経脈
- 足の陽明経脈
第30回-97
陽経の気血を調節するのはどれか。
- 督脈
- 帯脈
- 衝脈
- 任脈
第30回-100
経脈病証で「前頸部が腫れ、口がゆがみ口すぼめができず、うつ傾向にある」のはどれか。
- 足の少陽経病証
- 手の太陰経病証
- 手の少陰経病証
- 足の陽明経病証
第30回-101
経脈病証で難聴が起こるのはどれか。
- 手の太陽経
- 足の厥陰経
- 手の陽明経
- 足の少陰経
第30回-105
奇経八脈で血海と呼ばれるのはどれか。
- 任脈
- 陰維脈
- 陰蹻脈
- 衝脈
第31回-97
経脈病証で、喉に症状があり、外側前腕皮神経の支配領域に痛みがあるのはどれか。
- 手の太陽経
- 手の少陰経
- 手の陽明経
- 手の少陽経
第31回-102
次の文で示す症例の経脈病証はどれか。 「65歳の男性。2週間前から腰痛で、前かがみや仰向けができない。最近は下腹部が痛み、季肋部が腫れ、喉が渇き、下痢をする。」
- 足の陽明経
- 足の少陽経
- 足の厥陰経
- 足の太陰経