耳ツボダイエットで知名度が上がった耳ツボですが、実は「ツボ」といっても、中国で発展したものではありません。
耳中穴として650年頃に中国の古典書に記載はされていますが、ほとんど発展することはありませんでした。
では、耳ツボはどこからきたのか?というと、フランスのDr.Paul Nogier(ポール・ノジェ医師)が、耳の反射ポイントに微弱な電気を流して周波数の乱れを整える「オリキュロセラピー」を開発したところからきています。
なのでツボといっても東洋医学とは関係がありません。
ノジェの耳ツボ療法が中国にも広まり、1970年代初めごろ、術後の痛みを軽減する効果を研究していた香港の精神外科医・温医師が、アヘン中毒患者に耳ツボに電気刺激を与えると禁断症状が寛解し離脱できる効果があることを発見しました。
この報告がアメリカにも伝わり、大規模な研究へ進むきっかけとなりました。
現在では世界中で薬物依存やアルコール依存、自然災害後の被災者や、退役軍人のPTSD治療といった精神科分野に耳ツボが用いられるようになりました。
現在では、戦場や病床で刺鍼しやすく痛みに対して即効性があるとのことで、戦場での応急処置「バトルフィールドアキュパンクチャー」として米軍でも取り入れられるようになりました。
耳ツボは座って治療することができ、服を脱ぐ必要もないので、訪問鍼灸にはとても相性がいいと思います。
ASPという耳ツボ療法専用に作られた鍼もあります。
しかし、現在はフランスから「医療従事者による医薬品等の個人輸入」による方法でしか入手することができません。
日本ASPセラピー普及協会というところがASP購入を支援してくれるそうです。
耳ツボ療法にはセイリンのパイオネックス0.3mmを使用することが多いみたいです。
こんな感じにおしゃれな耳ツボジュエリというのも流行っています。
これは貼るだけなので、鍼灸師の資格は必要ありません。
自称・はり師と名乗って、耳ツボダイエット専門店を開けるなと、悪いことを考えてみたりしました。
開業したときの治療スタイルとして耳ツボ療法を取り入れる予定です。