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広告 きらぼし成長日記

個別相談に行ってわかったことーそして、創業計画書を書くという現実ー

こんにちは。

プライマリ・ケアサポート きらぼし、鍼灸師・看護師のKagayaです。

今回は、「コミュニティ型まちの保健室カフェ×シェアサロン×訪問鍼灸リハビリ看護ステーション」という少し長い構想を形にするために、創業支援の個別相談に行ってきました。

起業や開業という言葉は、どうしても「勢い」「挑戦」「夢」といった、きらびやかな側面で語られがちです。

でも医療・福祉に関わる事業は、それだけでは続きません。

制度や責任、地域性、そして「継続できる仕組み」をどう作るか。

ここを現実的に設計していく必要があります。

個別相談に行ってみて感じたのは、相談という場は「背中を押してもらう場所」というより、理想を現実に落とし込むために、削ぎ落として整理する場所だということでした。

相談の予約が思ったより取れなかったこと、地域にある創業支援資源のこと、そして何より「創業計画書を作る」というフェーズがどんな意味を持つのかを、Kagayaの視点でまとめていきます。

同じように「何か始めたいけれど、どこから手を付けたらいいのか分からない」と感じている方の、道しるべになれば嬉しいです。

🌟 創業個別相談は、思ったより予約が取れなかった

創業支援の個別相談と聞いたとき、Kagayaは正直なところ「申し込めば、わりとすぐ話が聞けるもの」だと思っていました。

市区町村や公的機関が用意している相談窓口は、起業を考え始めた人が最初にアクセスする場所です。

だからこそ、もっと気軽に、空いている枠も多いのではないかという、どこか楽観的なイメージを持っていたのだと思います。

ところが、実際に予約を入れてみると、提示された日程は約1か月先。

もちろん、自分の予定と合わない日があったことも事実ですが、それ以上に印象に残ったのは「相談枠そのものが常に埋まっている」という状況でした。

創業相談というのは、すでに事業内容や数字が固まっている人だけが利用する場ではありません。

むしろ多いのは、「今の働き方に違和感がある」「何か始めたい気はする」「でも何をしたいのかは、まだはっきりしない」という、かなり手前の段階の人たちです。

相談員の方の話によると、特にコロナ禍以降、この傾向は顕著になったそうです。

働き方が大きく揺らぎ、雇われ続けることが当たり前ではなくなったことで、「選択肢を探すために相談に来る人」が一気に増えました。

実際、Kagaya自身も「いきなり開業する」と決めていたわけではありません。

今の仕事を続けながら、地域に必要とされる形を模索する中で、「まずは話を聞いてみよう」という段階で相談に足を運びました。

一方で、相談の場とは対照的だったのが、創業支援施設であるチェレステ・ガーデンの利用状況です。

見学してみると、利用可能なスペースには空室が目立ち、相談の混雑ぶりとは少しちぐはぐな印象を受けました。

そのギャップが気になり、相談担当者の方に理由を尋ねてみました。

すると返ってきたのは、「創業相談に来る方すべてが、具体的な事業内容や場所を必要としているわけではない」という言葉でした。

実際、相談に来る人の多くは、まだ構想がふんわりしている段階にあります。

「いつか何かやりたい」「今の仕事以外の可能性を知りたい」といった思いはあっても、すぐに行動に移す人は少数派です。

また、近年は自宅開業、オンライン事業、訪問型サービスなど、物理的な拠点を持たずに成立するビジネスも増えています。

そうした事業形態の場合、シェアオフィスや創業施設そのものを必要としないケースも多くなります。

つまり、「創業について相談したい人の数」と、「実際に場所を借りて事業を始める人の数」は、必ずしも一致しないのです。

相談ニーズは高まっている一方で、拠点型の創業は慎重に検討されている。

その現実が、この予約状況と空室状況の差として表れているのだと感じました。

この気づきは、Kagayaにとってとても重要でした。なぜなら、自分が考えている事業は「場所を持つこと」が前提になっているからです。

相談ニーズが高いからといって、安易に拠点を構えればうまくいくわけではない。

その前提を、ここで一度しっかりと受け止める必要があると感じました。

創業個別相談の予約が取りにくかったという事実は、単なる不便さではなく、「今、どれだけ多くの人が迷いの段階に立っているのか」を示すサインだったのだと思います。

そしてその迷いは、行動に移る人だけでなく、立ち止まる人も含めた、今の社会の空気そのものを映しているように感じました。

🌟 起業環境として、とても恵まれた場所に住んでいた

今回の創業相談を通して、Kagayaが改めて実感したことがあります。

それは、「自分が思っていた以上に、起業を学ぶための環境が身近に整っていた」という事実です。

起業や創業というと、どこか特別な人が、特別な場所で学ぶものというイメージを持っていました。

セミナーに参加するにも遠方まで足を運ぶ必要があり、時間や費用の余裕がある人だけの世界のように感じていた部分もあります。

しかし実際には、Kagayaが暮らしているエリアの周辺には、すでに起業を学ぶための公的な支援環境がいくつも存在していました。

その存在に「知ってはいたけれど、本気で活用しようとしていなかった」ことに、今回あらためて気づかされたのです。

まず思い浮かんだのが、中小企業大学校 東京校です。

自転車で15分ほどの距離にありながら、全国から経営者や後継者、これから事業を担う人たちが集まる、少し敷居の高い印象の施設でもありました。

この中小企業大学校には、経営を体系的に学ぶための研修が用意されており、数日から数か月単位で受講する人もいます。

そのため、遠方から来る受講者のために宿泊できる寮まで併設されています。

「わざわざ泊まり込みで学びに来る人がいる場所」が、日常生活の延長線上にあった。

その事実を意識したとき、起業というものが、急に現実味を帯びて見えました。

さらに、もう一つ身近にあったのが、TOKYO創業ステーション(立川)です。

こちらも自転車で20分ほどの距離にあり、東京都内に住んでいる人であれば、無料で相談やセミナーを利用することができます。

無料で利用できる、という点はとても大きな意味を持ちます。

起業を考え始めたばかりの段階では、「まだ何も始めていないのに、お金をかけていいのだろうか」という迷いが常につきまといます。

その迷いがある中で、気軽に専門家に話を聞ける場所があることは、心理的なハードルを大きく下げてくれます。

これまでKagayaは、「答えはどこか遠くにあるもの」「もっと経験を積んでからでないと、相談に行く資格はない」と、無意識のうちに考えていたのかもしれません。

けれど実際には、創業支援の場は「完成された計画を持つ人」のためだけに用意されているわけではありません。

むしろ、「何から考えればいいのか分からない人」「今の段階で立ち止まって整理したい人」のためにこそ、存在しているのだと感じました。

遠くに答えを探しに行かなくても、足元に学べる環境はすでにそろっている。

そのことに気づいたとき、視界が少し開けたような感覚がありました。

起業は、特別な才能や強い覚悟がなければ踏み出せないものだと思われがちです。

でも実際には、「相談できる環境が身近にあるかどうか」「学び直せる場所があるかどうか」で、最初の一歩の重さは大きく変わります。

今回の気づきは、Kagayaにとって「恵まれた場所に住んでいた」という事実以上に、「その恵まれた環境を、これからどう使うか」を考えるきっかけになりました。

起業を学ぶという行為が、特別な挑戦ではなく、日常の延長線上にある選択肢の一つとして見え始めた瞬間だったように思います。

🌟 個別相談で明確になった「まずやるべきこと」

今回の個別相談で、Kagayaが一番ありがたかったと感じたのは、「やるべきことの優先順位」がはっきりしたことでした。

起業や開業を考え始めると、どうしても頭の中は散らかりがちになります。

サービス内容、場所、内装、料金、ロゴ、SNS発信……。

考えれば考えるほど、やるべきことが増えていく感覚に陥ります。

その結果、「何から手を付ければいいのか分からない」「準備しているつもりなのに前に進んでいない」という状態になりやすいのだと思います。

Kagaya自身も、まさにその状態でした。

そんな中で、相談員の方から最初に示されたのは、とてもシンプルな答えでした。

まずやるべきことは、助成金申請も見据えた『創業支援計画書を作れる状態になること』だということです。

創業支援計画書というと、少し堅苦しく、形式的な書類という印象を持っていました。

しかし実際には、「自分の考えている事業を、他人に説明できるかどうか」を確認するためのツールでもあります。

具体的には、
・誰に向けた事業なのか?
・どんな困りごとを、どんな形で支えるのか?
・そのサービスは、どのように収益につながるのか?

これらを、想いや感覚ではなく、「言葉と構造」で整理していく必要があります。

頭の中でぼんやり分かっているつもりでも、書類として書こうとすると、意外と説明できない部分が浮き彫りになります。

特に医療・福祉分野の事業は、「いいことをしている」「必要とされている」という理由だけでは、事業として成立しません。

継続できる仕組みがなければ、どんなに理念が立派でも、途中で立ち行かなくなってしまいます。

助成金や補助金は、「頑張りたい人」を応援する制度ではなく、「実行可能な計画」を支援する制度です。

そのためには、理念を語るだけでなく、実際にどう動き、どう回していくのかを説明できなければなりません。

また、今回の相談で特に心強かったのは、医療・福祉分野に明るい相談員の方を紹介してもらえたことでした。

一般的な起業相談では、医療や看護、鍼灸、訪問ケア特有の事情が伝わりにくいことも少なくありません。

医療・看護・鍼灸・訪問ケアの事業は、そもそもの前提条件が一般的なビジネスモデルとは異なります。

法規制、資格要件、提供できる行為の範囲、そして収益が安定するまでの時間軸も違います。

こうした前提を理解している人と話ができることで、「これは現実的か」「ここは無理があるか」といった判断を、感覚ではなく構造として整理することができました。

創業支援計画書を作るという作業は、決して楽しいものではありません。

むしろ、自分の考えの甘さや曖昧さと向き合わされる、少し苦しい作業でもあります。

それでも、この段階で一度立ち止まり、「書類として説明できる形」に落とし込むことが、結果的に事業を長く続けるための土台になるのだと、今回の個別相談を通して実感しました。

勢いで動くのではなく、現実を見据えて準備する。

その最初の一歩が、創業支援計画書の立案だったのだと思います。

🌟 これから始まる、創業計画書立案というフェーズ

今回の個別相談を終えて、Kagayaが最初に感じたのは「勢いをもらった」というより、「頭の中の霧が少し晴れた」という感覚でした。

創業相談というと、背中を押してくれる場所、夢を肯定してくれる場所、というイメージを持つ人もいるかもしれません。

もちろん、前向きな言葉をもらえる場面もあります。

でも今回の相談は、そういう“熱量の注入”ではありませんでした。

むしろ、理想を現実に落とし込むために、余分な部分を削ぎ落とし、整理していく時間だったと思います。

構想は大きければ大きいほど魅力的に見えます。

けれど、医療・福祉の事業は、理想を盛るほどリスクも増えます。

責任の範囲が広がり、必要な人員や資金が増え、法的な確認事項も膨れ上がる。

そして何より、「続ける力」が試されます。

だからこそ、今のKagayaに必要なのは、夢を語ることではなく、夢を“続く形”に整えることなのだと思いました。

これから始まるのは、創業計画書立案というフェーズです。

創業計画書というと、金融機関に提出するための書類、補助金申請のための書類、といった印象が強いかもしれません。

しかしKagayaにとっての創業計画書は、「自分の構想を、現実の言葉で再定義する作業」だと感じています。

つまり、想いを守るために、構造を作る。

そういうフェーズです。

これから具体的に取り組むのは、次の4つです。

・事業コンセプトの整理
・ターゲットの明確化
・収益の軸を一本決めること
・固定費を抑えた運営設計

まず、事業コンセプトの整理です。

いまの構想は「まちの保健室カフェ」「シェアサロン」「訪問鍼灸リハビリ看護」という複数の要素が組み合わさっています。

どれも必要性があり、どれもやりたい。

でも、全部を同時に始めると、資金も労力も分散し、結果としてどれも中途半端になるリスクがあります。

次に、ターゲットの明確化です。

誰を支えるのかが曖昧なままでは、サービス内容も価格も発信も決められません。

「困っている人はたくさんいる」という感覚は、現場を知っているほど強くなります。

けれど、事業としては“広く助けたい”だけでは成立しない。

どの層に最初に届かせるのかを、言語化していく必要があります。

そして、もっとも大事なのが、収益の軸を一本決めることです。

医療・福祉の事業は、役に立てば立つほど、無償に近づきやすい側面があります。

相談に乗る、話を聞く、情報を整理する。

これらは価値が高い一方で、料金設計を曖昧にすると、提供者側が先に疲弊してしまいます。

だからこそ、「収益の柱は何か」を最初に一本に絞る必要があります。

相談を軸にするのか、訪問ケアを軸にするのか、拠点運営(シェアサロン)を軸にするのか。

全てをやる前提ではなく、“どれで継続するのか”を決めることが、長く灯る事業に繋がると感じています。

最後に、固定費を抑えた運営設計です。

起業の失敗の多くは、理念の弱さよりも「固定費の重さ」で起こります。

家賃、人件費、設備費。

毎月必ず出ていくお金が重くなるほど、事業は焦りに支配されます。

Kagayaが空き家活用やシェアという形を考えているのも、ここが理由です。

最初から背伸びをせず、固定費を抑え、検証しながら形を整える。

医療・福祉の領域で“続く”仕組みを作るには、この視点が欠かせないと思っています。

これらを一つずつ、創業計画書という形にまとめていきます。

書類にすると、曖昧な部分は必ず浮き彫りになります。

言葉にできないところは、まだ設計できていないところです。

創業は、勢いだけでは続きません。

むしろ勢いは、始める力にはなっても、続ける力にはなりにくい。

今回の相談を通して、改めてそう感じました。

現実と向き合いながら、実行できる形に落とし込む。そのために必要な“整理の時間”が、これからしばらく続くのだと思います。

けれど、その時間こそが、事業を長く灯すための土台になると信じています。

🌟まちの保健室カフェ×シェアサロン×将来の訪問看護構想

事業概要(コンセプト)

本事業は、「病院に行くか迷っている人が、まず相談できる場所」と「開業したい医療者が、借金をせずに小さく経営を試せる場」を、空き家を活用して同一拠点内につくる取り組みである。

  • 体調や心身の状態に不安はあるが、医療機関に行くほどか判断できない人。
  • 資格や経験はあるが、いきなり独立する決断ができない医療者。

こうした「迷いの段階」にある人や医療者が、立ち止まり、次の一手を整理できる構造を地域に実装する。

創業の背景・課題意識

現在の医療・福祉・教育の現場では、不調や困りごとがあっても、どこに相談すればよいか分からず、家庭や個人の中で抱え込まれてしまうケースが少なくない。

特に、不登校や発達特性、障がいに関する悩みは、「医療」「福祉」「教育」のいずれにも完全には当てはまらず、結果として支援につながるまでに時間を要することが多い。

また、こうした子どもや当事者を支える家族や支援者自身も、相談先がなく疲弊してしまう状況が見られる。

一方で、医療系資格を持つ人の多くは、現場経験や専門性は十分にあるものの、借金をして独立することに不安があり、経営が成り立つか分からないまま開業に踏み出せない状況にある。

医療にかかる前の迷いと、開業前の迷いの両方に関わることで、重症化や孤立、過度な独立リスクを同時に防ぐことを目的とする。

事業形態・立地条件

複数用途に対応可能な空き家を活用した地域ケア拠点として実施する。

建物は限定せず、以下の条件を満たす物件を想定する。

  • 小平市、東大和市、東村山市、武蔵村山市付近の空き家
  • 来訪者対応および施術が可能な部屋数があること
  • シェアサロンとして複数人が利用できる広さがあること
  • 事務および拠点機能を置けるスペースが確保できること

初期費用と固定費を抑え、融資や借入に依存せず、小さく始めて継続可能な形で事業を開始する。

事業内容

まちの保健室カフェ

病院に行くか迷っている人が、安心して相談できる場とする。

【対象とする人】

  • 不登校の子どもとその家族
  • 小児の発達障がい(診断の有無を問わない)
  • 障がいのある子ども、障がい者
  • ケアに携わる人(保護者、家族、支援者、医療・福祉従事者)

【主な役割】

  • 体調や生活、学校・家庭での困りごとを聞く
  • 身体や緊張状態を確認する
  • 今すぐ医療や支援につなぐ必要があるかを整理する
  • 様子を見る場合は、生活の整え方やセルフケアを伝える
  • 必要に応じて、医療・福祉・教育機関につなぐ

治療や診断を目的とするのではなく「判断を整理すること」「抱え込みを防ぐこと」を主な役割とする。

シェアサロン(創業を試す場)

開業したい医療系資格者が、リスクを小さく経営を試すための場とする。

対象は、看護師、あん摩マッサージ指圧師、鍼灸師、リハビリ職などの医療系資格者とする。

各自が個人事業主として活動し、時間・曜日単位でシェア利用する。

教育や指導、養成は行わず、同じ場所で現実を共有しながら、経営が成り立つかを一緒に考える場とする。

空き家を活用する理由

  • 初期費用および家賃を抑えられる
  • 固定費が低く、事業を継続しやすい
  • 失敗しても立て直しやすい

空き家の活用は、事業を長く続けるための現実的な経営判断である。

資金計画の基本方針

  • 自己資産の流出を最小限に抑える
  • 融資や借金には依存しない
  • 給付金や補助金を活用し、初期は事業検証を優先する
  • 成立した形のみを継続、拡張する

将来的な展開(条件付き構想)

訪問看護ステーションの立ち上げ。

まずは、まちの保健室カフェおよびシェアサロン運営を通じて、人と関係性を構築する。

その後、以下の条件が整った場合に限り、訪問鍼灸リハビリ看護ステーション構想として、次の段階を検討する。

  • シェアサロン利用者の中から、看護師、リハビリ職、あん摩マッサージ指圧師、鍼灸師が複数名集まること
  • 看護師を中心とした共同運営の合意が得られること
  • 各自が一定数の利用者を確保できる見込みが立つこと
  • 訪問看護ステーション(保険)として、運営および責任体制を一本化できる見通しが立つこと

現時点では必須事業ではなく、人が集まった結果として立ち上がる将来構想と位置づける。

期待される効果

  • 不登校や発達に関する悩みの早期相談先の確保
  • 子どもや障がいのある人、その家族の孤立防止
  • ケアに携わる人の負担軽減
  • 不要な受診や重症化の防止
  • 医療者が無理なく地域で活動を続けられる環境づくり
  • 空き家の地域資源化

事業概要(要約)

不登校や発達、障がいに関する悩みを抱える子どもや家族、ケアに携わる人が、病院に行くか迷ったときに相談できる場と、開業したい医療系資格者がリスクを小さく経営が試せる場を、空き家を活用してつくる事業。

サービス案内|訪問/シェアサロン/まちの保健室カフェという導線

きらぼしは、一般的な「鍼灸院」という枠には収まりません。

なぜなら、Kagayaが関わりたいのは「治療が必要だと確定した人」だけではないからです。

病院に行くほどなのか分からない段階。
支援につながる前の、誰にも整理されていない困りごと。
そして、本人だけでなく、支える側が静かに抱え続けている疲労。

医療や福祉の現場に長くいるほど、「制度に乗る前にこぼれ落ちている時間」がいかに長く、重いかを感じます。

きらぼしが作ろうとしているのは、その時間に関わるための導線です。

治療をする場所、施術を提供する場所、というよりも、「次にどうするかを一緒に整理できる入口」。

その入口を、複数の形で用意しています。

現在構想している導線は、大きく分けて次の3つです。

  • まちの保健室カフェ(相談)
    病院に行くか迷っている人、支援につながるべきか判断がつかない人が、安心して話せる場です。体調や生活の様子、緊張の状態を確認しながら、「今、医療や福祉につなぐ必要があるのか」「まずは様子を見るのか」「生活の整え方で変わる余地があるのか」を一緒に整理します。
  • シェアサロン(医療系資格者が小さく試す場)
    看護師、鍼灸師、あん摩マッサージ指圧師、リハビリ職など、医療系資格を持つ人が、借金をせずに現実の運営を試せる場です。いきなり独立するのではなく、時間や曜日を区切りながら「続けられるかどうか」を確かめることを目的とします。
  • 訪問鍼灸リハビリ看護(自律神経・拘縮・緊張のケア)
    外出が難しい方や、家族の負担が大きい家庭に対して、生活の場に出向いてケアを行います。自律神経の過緊張、身体のこわばり、呼吸の浅さなど、「病名だけでは説明しきれない不調」に対して、環境ごと整える視点で関わります。

この3つは、それぞれ独立したサービスでありながら、意図的につながるように設計しています。

たとえば、まちの保健室カフェで相談を受けた結果、「今すぐ治療ではないが、緊張が強く、生活の中で整えるサポートが必要だ」と判断する場合があります。

そのとき、訪問鍼灸という選択肢が自然に続きます。

また、訪問ケアを続ける中で、「同じような悩みを持つ人を支えたい」「自分も現場に出てみたい」と感じる医療者が現れるかもしれません。

そのときに、シェアサロンという“試せる場所”が用意されている。

逆に、シェアサロンを利用する医療者が地域の困りごとに触れ、「この人はまず相談の場が必要だ」と感じたとき、まちの保健室カフェという入口に戻すこともできます。

このように、治療ありきではなく、判断と整理を中心に据えた導線を作ることで、誰かを無理に制度に押し込むことも、逆に放置してしまうことも防ぎたいと考えています。

医療や福祉の世界では、「正しいルート」に早く乗せることが重視されがちです。

でも現実には、正しいかどうか分からない段階が長く続く人のほうが圧倒的に多い。

その段階で必要なのは、答えを出すことではなく、「迷っていてもいい」「今は決めなくていい」と言える場所です。

この3つのサービスがつながることで、地域の中に「迷っていい場所」「立ち止まって整理できる場所」が生まれると考えています。

Kagayaが作り続けたいのは、完成された施設や完璧な仕組みではありません。

病院に行く前の迷い。
開業する前の迷い。
支える側としての迷い。

それらを抱えたままでも、安心して立ち寄れる“入口”を、地域に残していくこと。

その入口を、少しずつ、現実的な形で育てていきたいと思っています。

🌟 まとめ|相談に並ぶ人が増えた今、地域に必要なのは「迷っていい入口」

個別相談の予約が1か月近く取れなかったことで、Kagayaは「創業したい人が増えている」ことを肌で感じました。

同時に、相談に来た人すべてが行動するわけではないこと、そして事業内容によっては“場所を必要としない”ケースも多いことも知りました。

相談は混み合っているのに、拠点は空いている。

そのギャップは、「起業したい気持ち」と「継続できる事業」の間に、深い溝があることを静かに示していたように思います。

その上でKagayaがやりたいのは、ふんわりした夢ではなく、地域に実装できる仕組みです。

医療にかかる前の迷いと、開業前の迷い。

この“迷いの段階”は、実は社会の中で一番長く、でも一番支援が届きにくい時間でもあります。

体調が悪い気がするーでも受診するほどか分からない。
子どもの様子が気になるーでもどこに相談すればいいか分からない。
支える側が疲れているーでも助けを求める言葉が見つからない。

こうした迷いが放置されると、やがて困りごとは複雑化し、重症化し、結果として医療や福祉の負担が増えていきます

。Kagayaは、そこを「もっと手前」で受け止め、整理できる入口を作りたいと思っています。

そのために、空き家活用で小さく始める。

固定費を抑え、補助金を活用し、成立した形だけを残す。

そうやって「長く灯る」形にしていきます。

そして、この計画はKagayaひとりの理想ではありません。

実際に増えている課題――不登校の増加、相談の複合化、支える側の疲弊――と地続きのものです。

だからこそ、机上の空論ではなく、地域で回る仕組みに落とし込みたいと考えています。

さらに、Kagayaにはもう一つ、はっきりとした最終目標があります。

このサービス提供を通して、国の保険料(医療・介護など社会保障費)の増大を少しでも抑えること。

少し大きな話に聞こえるかもしれません。

けれど、現場にいるほど痛感します。

社会保障費は「突然増える」のではなく、日常の中で静かに積み重なった結果として膨らんでいく、ということを。

受診を先送りにして悪化する。
支援につながらず孤立する。
家族が限界を超えて共倒れになる。
不調を抱えたまま働き続け、生産性が落ち、さらに受診が増える。

こうした流れは、本人の努力不足ではなく、「迷いの段階で立ち止まれる場所がない」ことで起こります。

だからこそ、Kagayaは“医療の入口を増やす”のではなく、医療に行くか迷う段階で整理できる入口を作ることに意味があると考えています。

早い段階で状態を整理できれば、不要な受診や過剰な検査を減らせる可能性があります。

逆に「今は受診が必要」と判断できれば、重症化してから救急や長期入院に至るリスクを下げられるかもしれません。

そして、支える側が倒れないように支えることは、結果として介護・医療の負担増を防ぐことにもつながります。

つまり、Kagayaが作りたいのは「誰か一人を救う場所」ではなく、地域の負担が雪だるま式に増えていく流れを、手前でほどく仕組みです。

保険料を削減する、と言うと、冷たい経済合理性の話に聞こえることがあります。

でもKagayaにとってそれは、数字のためではありません。

未来の誰かが、安心して暮らせる余白を残すための話です。

小さく始めて、現実に合わせて整えて、続く形だけを残す。

そうやって地域に「迷っていい入口」を灯し続けることが、巡り巡って社会保障の負担を軽くする一手になると信じています。

-きらぼし成長日記