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広告 きらぼし通信

不登校は「心の問題」だけではない|朝起きられない・腹痛が続く子どもの身体に起きていること

こんにちは。
プライマリ・ケアサポート きらぼし、鍼灸師・看護師のKagayaです。

不登校のご相談で多いのが、こんなケースです。

  • 「不登校で朝起きられない」日が続いている
  • 登校時間が近づくと腹痛や頭痛が出る
  • 検査では「異常なし」と言われたのに、つらそうに見える
  • 前日は元気でも、当日の朝だけ動けなくなる

不登校は、心の問題として語られることが多いかもしれません。
「気持ちの問題」「やる気の問題」「学校への適応の問題」など、本人の内面や意思に原因を求める言葉で説明されることも少なくありません。

けれど実際の現場で子どもたちの様子を見ていると、心よりも先に、身体が限界を迎えていると感じる場面に、何度も出会います。

「行きたくない」の前に、「行こうとしても身体が反応してしまう状態」になっている可能性がある。
特に、発達グレー(診断の有無にかかわらず発達特性が疑われる層)では、気持ちの整理より先に、身体の反応が前に出ることが少なくありません。

この記事では、発達グレー層の不登校を「身体の視点」から捉え直し、自律神経・感覚過敏・緊張の張りつきといった“見えにくい負担”を言葉にしていきます。
学校に戻すことを急がず、まずは「安心して休める土台」を整える考え方を、一緒に整理していきます。

🌟 こんなことでお困りはないですか?

不登校のサイン(イメージ)

はっきりとした病名があるわけではない。検査をしても「異常なし」と言われる。
けれど、日常生活は確実に苦しそうに見える。
そんな「説明のつかない不調」が、少しずつ積み重なっていることがあります。

  • 朝になると起き上がれない(夜は元気でも朝だけ極端にしんどい)
  • 登校時間が近づくと腹痛・頭痛・吐き気が強くなる
  • 学校の話題になると、突然涙が出たり、言葉が出なくなったりする
  • 眠れない/眠っても疲れが抜けない(中途覚醒・早朝覚醒)
  • 音・光・人の気配がしんどい(教室や廊下の刺激が耐えにくい)
  • 食欲が落ちる/偏食が強まる(噛むのが疲れる、匂いが無理になる)
  • 家では比較的落ち着いているのに、外に出ると急にしんどくなる
  • 頑張った翌日に反動で動けない(行事・面談・外出の翌日に寝込む)
  • 周囲から「怠けている」「気持ちの問題だ」と言われることがつらい

これらは一見すると、気持ちの問題や性格の問題のように見えるかもしれません。
けれど身体の視点から見ると、緊張の張りつきや自律神経の負担が、表に出てきているサインとして説明できることがあります。

🌟 身体で起きていること|「動けない」はブレーキかもしれない

朝になると起き上がれない。学校の時間が近づくと腹痛や頭痛が出る。
それは「行きたくない」という意思の問題ではなく、「行こうとしても身体が反応してしまう状態」になっている可能性があります。

緊張が抜けない。呼吸が浅い。眠っても疲れが取れない。
こうした状態が続くと、身体は自分を守るためにブレーキをかけます。

動けなくなることは、壊れないための反応であり、決して「怠け」や「甘え」だけで片付けられるものではありません。

きらぼしでは、まず「今、身体に何が起きているのか」を一緒に見立て直すところから始めます。
理由を言葉で整理させたり、無理に前向きにさせたりすることを、最初の目的にはしません。
身体が安心できていない状態では、心も思考も十分に働く余裕を持ちにくいからです。

🌟 不登校は「意思」だけで説明できない|学校は刺激が多い場所

学校環境の刺激(イメージ)

学校という環境を身体の視点で見てみると、刺激がとても多い場所です。

決められた時間割/集団で同じ行動/チャイムやざわめき/照明や掲示物/人に見られ評価される空気。
これらが毎日、長時間、逃げ場の少ない環境で重なり続けると、身体にとっては確実な負荷になり得ます。

特に、感覚が敏感な子、真面目で周囲に合わせようと頑張ってきた子ほど、「つらい」と言葉にする前に、身体で耐えてしまう傾向があります。
発達グレー層では、外から「普通にできている」ように見える分、しんどさが見えにくく、本人も限界まで抱え込むことがあります。

その結果として、腹痛・頭痛・吐き気・過呼吸・強い不安感・無気力のような形で、身体の反応が表に出てくることがあります。

🌟 身体に起きやすい変化|自律神経の「切り替え」がうまくいかない

不登校の背景には、自律神経の過緊張状態が関わっていることがあります。
自律神経は、呼吸・心拍・消化・睡眠・体温調整など、意識しなくても身体を保つために働く仕組みです。

本来は「活動するときは緊張」「休むときは緩む」という切り替えを繰り返します。
しかし強いストレスや緊張が長く続くと、この切り替えがうまくいかず、常に“備えている状態”が続いてしまうことがあります。

  • 呼吸が浅くなり、胸が詰まる感じや息苦しさを感じやすくなる
  • 胃腸の働きが落ち、腹痛・吐き気・食欲低下・便秘や下痢が起こりやすくなる
  • 筋肉の緊張が抜けず、肩こり・頭痛・顎のこわばり・歯ぎしりが出やすくなる
  • 眠りが浅くなり、寝つけない・夜中に目が覚める・朝起きられない状態になりやすい
  • 音や光、人の気配に敏感になり、刺激そのものが負担になりやすい

これらは突然すべてが一気に起こるわけではありません。
「最近よく眠れない」「なんとなく疲れやすい」などの小さな違和感が積み重なり、少しずつ広がっていくことが多いのです。

なお、朝が特につらい、立ちくらみが強い、動悸が出る、などが目立つ場合は、起立性調節障害という言葉を耳にすることもあります。
ただし、ここでは診断を決めつけるのではなく、「身体の負担が強いサインとして、いったん丁寧に扱う」くらいの位置づけで考えてください。

🌟 よくある誤解|「体質だから」「気持ちの問題だから」で終わらせない

不登校や朝の不調が続くと、周囲からこんな言葉で説明されてしまうことがあります。

  • 家では元気=仮病ではありません(安全な場所でだけ回復できることがあります)
  • ゲームはできる=学校もできるとは限りません(刺激量・評価・切り替え負担が違います)
  • 行事だけ行ける=普段も行けるではありません(“一点集中”の後に反動が出ることがあります)
  • 原因を説明できない=嘘ではありません(本人も身体反応の理由が言語化できないことがあります)
  • 甘やかすと悪化すると決めつけない(まずは緊張を下げる土台づくりが必要なことがあります)

誤解が積み重なると、本人は「わかってもらえない」だけでなく、自分の身体感覚すら信じられなくなることがあります。
だからこそ、最初に必要なのは「正しさ」よりも、身体が安心できる前提づくりです。

🌟 まずはセルフチェック|“身体がブレーキを踏んでいる”サイン

不登校の理由を今すぐ言葉にできなくても大丈夫です。
まずは、身体がどんなサインを出しているかを確認してみてください。

  • 朝だけ強い腹痛・頭痛が出る(休日は少し違う)
  • 登校準備に入ると息が浅くなる/胸が苦しい
  • 寝つきが悪い/夜中に目が覚めやすい
  • 音や光、人の気配にイライラ・疲労が出やすい
  • 食べられるものが急に限られてきた(匂い・食感がつらい)
  • 頑張った翌日に動けない(反動が大きい)
  • 「どうしたい?」と聞かれると固まる/涙が出る
  • 頭では行こうと思うのに身体が動かない感覚がある

当てはまる項目が多いほど、「気合」ではなく神経の張りつきが関係している可能性があります。
ここで大切なのは、原因探しよりも“まず緊張を下げる方向へ舵を切る”ことです。

🌟 きらぼしの視点|身体・神経・生活を“セット”で整理する

  • 身体:筋緊張、呼吸の浅さ、睡眠、胃腸、頭痛などの反応
  • 神経:自律神経の張りつき、刺激への過敏さ、切り替え負担、疲労の反動
  • 生活:朝の動線、家庭内の声かけ、学校との距離感、活動と休息の配分

きらぼしの関わり方は、「学校に戻すこと」をゴールに置くものではありません。
まずは、回復の土台となる「身体の安心」を整えることを大切にしています。

看護の視点では、生活リズム・睡眠の質・食事の状況・家庭での過ごし方、学校や外の環境との関係性を、一つひとつ整理していきます。
「何が悪いか」ではなく、今の身体にとって何が負担かを見つける作業です。

鍼灸の視点では、過緊張している神経や筋肉、浅くなった呼吸に対して、身体そのものに穏やかに働きかける方法を用います。
強い刺激を目的にするのではなく、身体が「もう守らなくていい」と感じられる状態づくりを大切にします。

🌟 ケアの方向性|家庭でできる「整える」ヒント

不登校の背景に身体の過緊張がある場合、いきなり「頑張る」を増やすより、緩む時間を増やす方が合うことがあります。
ここでは、家庭で取り入れやすい方向性をいくつか紹介します。

  • 朝は“起こす”より“立ち上がれる条件”を探す(光・音・時間・声かけの強さ)
  • 呼吸が浅い日は、会話より先に環境を静かにする(照明・音・におい・人の距離)
  • 切り替えの摩擦を減らす(選択肢を絞る/見通しを作る/予定を詰めない)
  • 眠りの前に「緊張のスイッチ」を下げる(入浴の温度、スマホの時間、身体を温める)
  • 食べられるものが限られる時は、“栄養”と同じくらい“安心”を優先
  • 刺激に弱い子は、予定を減らすほど回復が進みやすいこともある

そして必要があれば、看護と鍼灸の両方の視点で、状態の整理と身体へのアプローチを組み合わせます。
強い刺激で変えようとするのではなく、安心して力が抜ける条件を増やすことを支えます。

どれが合うかは、子どもの体質や家庭の状況によって違います。
きらぼしでは「正解を押しつける」より、今の身体に合うやり方を一緒に探すことを大切にしています。

※不登校の背景には、医療的な確認が必要な体調不良が隠れている場合もあります。強い痛み、急激な体重減少、失神、発熱の継続などがある場合は、まず医療機関へ相談してください。

🌟 ケアの目安|焦らず、比べず、身体のペースで

不登校の状態は、ある日突然始まったように見えることがあります。
けれど身体の中を丁寧に見ていくと、その前から少しずつ負担が積み重なっていたケースも少なくありません。

そのため、きらぼしでは約3〜6か月をひとつの目安として、状態や生活状況に合わせて段階的に整えていく考え方を大切にしています。
(これは「この期間でどうなる」と決めるものではなく、身体が安心を取り戻すための“目安の時間軸”です)

【第1段階:導入・調整期|0〜2か月】

目安:1〜2週間に1回

過緊張が強い時期は、まず「休める感覚」を取り戻すことを支えます。
変化は“症状が消える”よりも、呼吸・睡眠・不安の波が少し揺れやすくなるなど、小さなサインとして現れることがあります。

【第2段階:安定化・回復期|2〜4か月】

目安:2〜3週間に1回

「調子の良い日」と「しんどい日」の差が少しずつ小さくなり、崩れても立て直せる感覚が育っていく段階です。

【第3段階:定着・移行期|4〜6か月】

目安:月1回

整った状態を定着させ、セルフケア中心の生活へ移行していきます。以後は体調や学校との関わり方に応じて、メンテナンス的な関わりへ移ります。

きらぼしでは、回数券の購入や頻回な通院を無理に勧めることはありません。
家庭の状況や本人のペースに合わせて、「続けられる」形を一緒に相談しながら決めていきます。

🌟 「登校できる/できない」だけで測らない|回復の見え方

不登校の回復は、一直線ではないことが多いです。
とくに発達グレー層は、頑張れる日があるぶん、周囲が「できた/できない」で評価しがちになります。

でも身体の視点では、回復は別の形でも見えます。

  • 朝の腹痛・頭痛が出ても、戻るまでの時間が短くなる
  • 呼吸が深くなる瞬間が増える
  • 寝つきが少し楽になる/中途覚醒が減る日が出てくる
  • 刺激に触れても“崩れ方”が小さくなる
  • 休むことへの罪悪感が薄れる
  • 「今はここまでなら大丈夫」が本人の中で分かってくる

これらは派手ではありません。
でも、身体が警戒モードから少しずつ離れ始めているサインとして、とても大事です。

🌟 相談という選択肢|まずは状況整理から

「いきなり予約するほどではないけれど、少し話を聞いてほしい」
「不登校の腹痛や頭痛って、どこに相談したらいいのかわからない」
「病院では異常なしと言われたけど、家庭では困っている」

そんな段階の方のために、きらぼしではLINEでの相談窓口を設けています。
症状のこと、生活のこと、学校との関わりのこと。はっきり整理されていなくても構いません。
まずは身体の反応と生活の状況を、言葉にして整理するだけでも、見える景色が変わることがあります。

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