
発達障がいのある方の困りごとは、日常の中で「性格」や「行動の問題」として受け取られてしまうことが少なくありません。
落ち着きがない、こだわりが強い、切り替えが苦手、感情の波が大きい。
そうした様子に対して「我慢が足りない」「わがまま」「育て方の問題ではないか」といった言葉が向けられてしまう場面もあります。
けれど実際には、その背景に、感覚の受け取り方の特性や、身体が緊張しやすい状態が関わっていることも少なくありません。
音や光、人の気配、肌に触れるもの、空間の広さや温度。
私たちが無意識に受け流している刺激を、発達障がいのある方は、強く、あるいは過剰に受け取っていることがあります。
刺激が多すぎる状態が続けば、身体は常に身構え、緊張が抜けにくくなります。
逆に、刺激を感じ取りにくい場合には、安心するために、より強い刺激を求める行動が現れることもあります。
これらは本人の努力や意思の問題ではなく、身体と神経の反応のしかたの違いとして起きていることです。
きらぼしでは、発達障がいを「できる・できない」「正しい・間違っている」で評価することはしません。
大切にしているのは、この身体が、どのように世界を感じ取り、どこで無理をしているのかという視点です。
行動として見えている困りごとは、あくまで「結果」として現れているもの。
その手前にある、感覚の過負荷や、休まらない神経の状態に目を向けることで、違った理解と関わり方が見えてくることがあります。
落ち着かないのは、安心できていないからかもしれない。
癇癪や不安が出るのは、身体が限界を知らせているサインかもしれない。
そうした前提に立つことで「どう行動を変えさせるか」ではなく、どうすれば身体が少し休めるかという視点に、自然と移っていきます。
きらぼしでは、発達障がいのある方一人ひとりの身体の反応を丁寧に見ながら「この身体にとっての安心とは何か」を一緒に探していきます。
評価される世界から離れ、まずは身体が安心できる場所へ。
その土台づくりを、大切にしています。
🌟 こんなことでお困りはないですか?

日常の中で、理由がはっきりしないまま「どうしてこうなるのだろう」と悩んでしまう場面はありませんか?
周囲から見ると些細に思えることでも、本人にとっては大きな負担になっていることがあります。
- 音や光、人の話し声や物音に過敏に反応し、落ち着かなくなる
- 服のタグや縫い目、素材の感触が気になって集中できない
- 人に触られることを強く嫌がる一方で、強い圧や刺激を求めることがある
- じっとしていることが難しく、体を動かし続けてしまう
- 予定の変更や急な出来事があると、強い不安や混乱が生じやすい
- 外出や人と関わった後、極端に疲れてぐったりしてしまう
- 理由がはっきりしない癇癪や不安、感情の爆発が起こる
- 周囲から「わがまま」「こだわりが強すぎる」と言われてしまう
これらの様子は、本人の性格や努力不足によるものではないことも多くあります。
実際には、感覚から入ってくる情報の量や強さに、身体の処理が追いついていない状態として現れていることがあります。
視覚・聴覚・触覚・身体の位置感覚など、私たちが無意識に調整している感覚のバランスが崩れると、身体は常に緊張し、休まる時間を持てなくなります。
その結果、落ち着きのなさや不安、疲れやすさ、感情の揺れとして、外から見える「困りごと」が現れてくることがあります。
大切なのは、「どうしてできないのか」と責めることではなく、身体がどれほど頑張って感覚を処理しているのかに目を向けることです。
身体が常にフル稼働していれば、余裕がなくなるのは自然なことです。
こうしたサインに気づくことは、本人を理解するための第一歩であり、「休める身体」を取り戻すための大切な入り口でもあります。
困りごとの背景にある身体の状態に目を向けることで、 関わり方やケアの選択肢が、少しずつ変わっていくことがあります。
🌟 発達障がいと感覚過敏・鈍麻
発達障がいのある方は、視覚・聴覚・触覚・前庭感覚・固有感覚といった、さまざまな感覚情報の受け取り方に、独自の特性を持っていることがあります。
これらの感覚は、私たちが日常生活を送るうえで、無意識のうちに整理し、取捨選択している情報です。
たとえば、
周囲の音を必要なものだけ聞き分けること。
体の位置や力の入り具合を自然に調整すること。
空間の広さや人との距離感を把握すること。
発達障がいのある方の場合、こうした感覚の調整がうまくいかず、強く受け取りすぎたり、逆に感じ取りにくかったりすることがあります。
感覚が過敏な場合、日常の刺激が、常に「多すぎる」状態になります。
音は必要以上に大きく聞こえ、光はまぶしすぎ、人の気配や空気の動きさえも、負担として感じられることがあります。
この状態が続くと、身体は常に身構えたままになり、神経が休まる時間を持てなくなります。
その結果、落ち着きのなさや疲れやすさ、不安やイライラといった形で、困りごとが表に出てくることがあります。
一方で、感覚が鈍い場合には、周囲からの刺激を十分に感じ取れず、安心するために、より強い刺激を求めることがあります。
体を揺らす、動き続ける、強く触れる、ぶつかるように動く。そうした行動は、刺激を求めているサインであることも少なくありません。
どちらの場合も、本人がわざとやっているわけでも、言うことを聞かないわけでもありません。
あくまで、身体がどのように世界を感じ取っているかという特性として、自然に起きている反応です。
感覚過敏と感覚鈍麻は、一人の中で同時に存在することもあります。
ある刺激には過敏なのに、別の刺激には鈍い。
そのアンバランスさが、日常生活のしづらさにつながることもあります。
重要なのは、これらを「問題行動」として捉えるのではなく、身体の感じ方の違いとして理解することです。
感覚の特性に配慮し、身体が安心できる刺激量を見つけていくことで、神経の緊張が少しずつゆるみ、生活のしやすさが変わっていくことがあります。
行動を変える前に、まずは身体の状態に目を向ける。
きらぼしでは、その視点を大切にしています。
🌟 身体に起きやすい変化

感覚処理がうまくいかない状態が続くと、身体は知らず知らずのうちに、緊張を解けない状態になります。
過剰な刺激を受け続けている場合も、刺激を感じ取れずに常に探し続けている場合も、身体にとっては「落ち着く暇がない」状態であることに変わりはありません。
その結果、身体のあちこちに、少しずつ負担が積み重なっていきます。
- 筋肉が常にこわばり、力の抜き方が分からなくなる
- 呼吸が浅く早くなり、胸や喉に力が入りやすくなる
- 姿勢を保つために余計な力を使い、身体のバランスが崩れやすくなる
- 十分に休んでいるはずなのに、疲労感が抜けにくくなる
- 寝つきが悪い、夜中に目が覚めるなど、睡眠が安定しなくなる
- 不安感やイライラが強まり、気持ちの切り替えが難しくなる
これらの変化は、それぞれが単独で起きているわけではありません。
たとえば、
筋緊張が強くなることで呼吸が浅くなり、呼吸が浅くなることで、さらに不安や緊張が高まる。
そうした悪循環が、身体の中で静かに続いていくことがあります。
また、身体が常に緊張していると、エネルギーの消耗が激しくなり、疲れやすくなります。
外出や人との関わりのあとに、一気にぐったりしてしまうのは、その場では気を張り続け、後から反動が出ている状態とも言えます。
こうした身体の状態は、周囲からは見えにくく、行動や感情の問題としてだけ捉えられてしまいがちです。
けれど実際には、行動として見えている困りごとの背景に、身体が十分に休めていない状態が隠れていることも多くあります。
身体が常に緊張していれば、落ち着きのなさや不安が出るのは、ある意味とても自然な反応です。
だからこそ、行動だけを変えようとするのではなく、まずは身体が力を抜ける状態をつくることが大切になります。
身体が少し休めるようになると、呼吸が変わり、睡眠が変わり、それに伴って気持ちや行動にも、穏やかな変化が現れてくることがあります。
きらぼしでは、こうした身体の変化を丁寧に読み取りながら「無理なく力を抜ける状態」を取り戻すサポートを行っています。
🌟 発達障がいと看護 × 鍼灸

きらぼしのケアでは、看護と鍼灸、両方の視点から身体を整えることを大切にしています。
発達障がいのある方の困りごとは、一つの方法や、一つの理論だけで説明できるものではありません。
感覚の受け取り方、身体の緊張、生活環境、日々の刺激の積み重ね。
それらが重なり合いながら、今の状態が形づくられています。
だからこそ、きらぼしでは「施術」だけで完結させるのではなく、生活全体を含めて身体を捉える視点を大切にしています。
看護の視点では、まず、その方がどのような環境で日々を過ごしているのかを丁寧に確認します。
生活リズムはどうか?
刺激は多すぎないか?
睡眠は十分に取れているか?
活動と休息のバランスはどうか?
こうした点を整理しながら、身体にとって、何が負担になっているのかを一緒に見つけていきます。
看護の役割は「正解を押しつけること」ではありません。
その方の生活背景や、ご家族の状況を踏まえながら、無理のない形で、少しずつ負担を減らす道筋を整えていくことです。
一方、鍼灸の視点では、身体の内側で起きている神経の緊張や、過剰に高ぶった反応に直接アプローチしていきます。
感覚過敏や落ち着きのなさの背景には、自律神経が常に興奮状態にあることも少なくありません。
鍼灸では、その興奮を無理に抑え込むのではなく、身体が「安心できる」と感じられる状態へ、少しずつ戻していくことを目指します。
刺激は最小限に。
反応を急がせない。
身体の変化を丁寧に見守る。
それが、きらぼしの鍼灸ケアの基本姿勢です。
きらぼしでは、無理に行動を変えさせることはしません。
「じっとさせる」「我慢させる」「慣れさせる」ことを、目標にすることはありません。
まず大切にしているのは、身体が「ここは安全だ」と感じられる状態をつくることです。
身体が少し安心できるようになると、緊張がゆるみ、呼吸が変わり、感覚の受け取り方にも余白が生まれてきます。
その結果として、行動や気持ちに、ゆるやかな変化が現れてくることがあります。
変えようとしなくても、整ってくる。
きらぼしの看護 × 鍼灸は、その「自然に起きる変化」を支えるためのケアです。
🌟 治療の目安について
この不調は、ある日突然あらわれたように感じられても、長い時間をかけて積み重なってきた結果として現れていることがほとんどです。
忙しさの中で無理を続けてきた日々。
不調に気づきながらも、後回しにしてきた時間。
そうした積み重ねが、ある時期を境に、身体のサインとして表に出てきます。
そのため、このケアは1回の施術で完全に解決するものではありません。
これは「良くならない」という意味ではなく、身体がこれまでとは違うリズムで、少しずつ整い直していく時間が必要だということです。
きらぼしでは、約6か月間をひとつの目安として、身体の変化に合わせた段階的なケアを行っています。
【第1段階:導入・調整期|0〜2か月】
目安:1〜2週間に1回
この時期は、身体が常に緊張しやすく、休みにくい状態にあります。
施術では、過剰に高ぶっている神経の緊張をゆるめ、睡眠や呼吸が回復する「きっかけ」をつくっていきます。
多くの方が最初に感じる変化は、症状が消えることではありません。
- 夜、少し深く眠れた気がする
- 朝のしんどさが、ほんの少し軽い
- 不安や緊張が続く時間が短くなった
- 「休めた感覚」を久しぶりに思い出した
【第2段階:安定化・回復期|2〜4か月】
目安:2〜3週間に1回
この段階では、「調子の良い日」と「揺れる日」の差が、少しずつ小さくなっていきます。
不調が出ても、回復までの時間が短くなるのが特徴です。
体調の波はまだありますが「崩れても戻れる」という感覚が育ってきます。
【第3段階:定着・移行期|4〜6か月】
目安:月1回
整った状態を身体に定着させ、セルフケア中心の生活へ移行していきます。
この時期は、「崩れにくさ」「立て直しやすさ」がはっきりと育ってきます。
6か月以降は、体調や生活リズムに応じて、メンテナンスケアへ移行します。
このケアでは、「良くなった」「悪くなった」と一喜一憂するよりも、揺れながらも、回復できる幅が広がっていくことを大切にしています。
きらぼしでは、回数券の購入や頻回な通院を、無理に勧めることはありません。
仕事や家庭の状況、体調の波、通える現実的なペースは人それぞれです。
その方の生活を大きく崩すことなく「これなら続けられる」と感じられるペースを、一緒に相談しながら決めていきます。
焦らず、比べず、今の自分の身体に合ったスピードで整えていく。
その過程を支えることが、きらぼしのケアの役割だと考えています。
🌟 相談について
「いきなり予約するほどではないけれど、少し話を聞いてほしい」
「これって鍼灸で相談していいことなのかわからない」
そんな段階の方のために、LINEでの相談窓口を設けています。
症状のこと、生活のこと、働き方のこと。
はっきり整理されていなくても構いません。
今感じている違和感を、そのまま言葉にしてもらって大丈夫です。
答えを出すための相談ではありません。
一緒に考えるための場所として、気軽に使ってもらえたらと思っています。

