
こんにちは。
プライマリ・ケアサポート きらぼし、鍼灸師・看護師のKagayaです。
「訪問看護」と聞いて、皆さんはどんなイメージを持たれるでしょうか?
「病院よりも気楽そう」「自由度が高くて、自分らしく働けそう」「自立して動ける専門職」というポジティブなイメージを持つ方も多いと思います。
でも、実際に現場で働いてみて、Kagayaが感じたのは——そんなに甘くはない、ということ。
今回は、Kagaya自身が訪問看護の現場で体験した「リアルな闇」について、決して誰かを責めるのではなく、「こんなことが起こるかもしれない」「どうすればうまくやっていけるか」という視点でお話ししていきます。
これから訪問看護を始めようか迷っている方、今まさに悩んでいる方にとって、少しでもヒントになれば嬉しいです。
🌟訪問看護の「闇」と感じた瞬間
悪天候でも休めない現場
訪問看護は、利用者様のご自宅へ伺うことが仕事です。
つまり、雨が降っても、台風が来ても、大雪でも、「必要なケアがあれば行くしかない」のが現実。
夏は猛暑、冬は極寒。
事業所によっては車ではなく自転車で訪問するケースもあり、体力的にもかなりハードです。
中には、災害級の悪天候でも「稼働します!」という方針のステーションもあり、命がけで出勤せざるを得ない状況になることも。
安全を最優先する姿勢のある事業所かどうか、求人選びの際に必ず確認しておきたいポイントです。
人間関係が“濃密”すぎることも
訪問看護ステーションは全国的に増えていますが、1事業所あたりの看護師数は3〜6人程度と少人数であることが多いです。
気の合うメンバーなら楽しいですが、ギクシャクした人間関係になると一気に空気が重くなります。
とくに、事務所で待機中に気まずい相手と2人きりになる状況……これは本当にツラいです。
訪問に出てしまえば1人の時間が持てますが、職場の人間関係がストレスになると、どんな仕事でも続けるのは難しいですよね。
オンコールに振り回される
訪問看護ステーションの多くは、医療法人でない限りオンコール体制を導入しています。
交代制か、管理者のみが担当するのかは事業所次第。
けれど現実として、オンコールの内容は決して軽くありません。
例えば精神疾患を抱える利用者様、高齢者住宅の夜間スタッフなどからの相談が多く、対応が長引くこともしばしば。
個人宅が多いステーションではあまり鳴らないこともありますが、精神専門や高齢者住宅提携型の事業所は、オンコールの量も質もかなり重めです。
「この間も訪問したばかりだけど…」という内容での長時間の相談や、夜間の緊急対応要請が来ることもあります。
オンコールに関する制度設計は、応募前にしっかり確認しておきたいですね。
営業ノルマを課される職場も
医療法人や社会福祉法人が運営するステーションでは、営業活動を求められることは少ないです。
それは、病院やケアマネジャーからの紹介が安定しているから。
営業しなくても利用者様が集まる仕組みがあるのです。
しかし、株式会社や一部NPO法人などの小規模ステーションでは、営業活動が看護師に求められるケースがあります。
しかも、大手チェーン展開の株式会社では、営業が“ノルマ化”されていることもあるのです。
「看護がしたくて入職したのに、気づけば営業職?」とならないよう、募集要項や面接でよく確認しておきましょう。
利益優先すぎる運営方針
訪問看護の報酬は、基本的に医療保険・介護保険から支払われます。
たとえば医療保険では、30分でも90分でも料金は同じ。
だからこそ、効率重視の短時間訪問に走る事業所も存在します。
中には、障がい者グループホームや高齢者住宅を自法人で持ち、1日2回、実質5分程度のバイタルチェックだけで“2回訪問扱い”にしているケースも……。
これはもはや看護というより“制度の穴を突いたビジネス”になってしまっていて、現場の看護師として非常に疑問を感じます。
やりがい搾取どころか、不正請求まがいのことに巻き込まれかねない運営方針の事業所には、要注意です。
🌟それでもKagayaが訪問看護を続ける理由
Kagayaはこれまで、病院や学校、施設など、さまざまな職場で働いてきました。
そのなかで強く感じたのは——ひとつの建物の中で、朝から晩まで同じメンバーと働き続けることが、とにかくツラいということ。
たしかに訪問看護は、夏は暑いし、冬は寒い。
雨の日はびしょ濡れになるし、風が強い日は自転車も大変です。
それでも、閉鎖空間でずっと同じ人と一緒にいるより、Kagayaにとってはずっと楽でした。
訪問の合間に、ちょっとコンビニに寄ってソフトクリームを買ったり、自然の中で深呼吸したり、自分をリセットする時間が持てるのは、建物内勤務にはない魅力です。
ときには1人で車を走らせながら、「今日もがんばってるな〜」と自分を励ましたり。
そんな“ほっとできる時間”があることで、精神的なゆとりが保てます。
もちろん、事業所ごとに方針や働き方には差があります。
でも、自分の中で「これは許容できる」と思えるラインを見極められれば、訪問看護は想像以上にやりがいがある仕事だと感じています。
🌟訪問看護に向いている人とは?
病院とはまったく違う環境で看護をする訪問看護。
どんな人が向いているのでしょうか?
- 他人の家に入ることにあまり抵抗がない人
- 在宅医療・地域でのケアに関心がある人
- ある程度、自分で判断して動ける人
- 医療行為よりも生活支援や対話にやりがいを感じる人
病院であれば、医師や複数の看護師とチームで動けます。
わからないことがあればすぐ相談できる環境がありますよね。
でも、訪問看護は基本的に「ひとりで訪問し、ひとりでケアをする」仕事です。
判断を求められる場面もありますし、最初は「本当にこれでいいのかな?」と戸惑うことも多いです。
それでも、最近の訪問看護はスマホやICTツールが整備されていて、困ったときはすぐに事業所の仲間と連絡を取り合えるようになっています。
そして、訪問看護の大きな役割は「治す」ことよりも「生活を支える」こと。
症状が落ち着いた方が多く、医療処置よりも日常生活のケアや傾聴、寄り添いがメインになります。
だからこそ、「医療技術より“人と向き合う時間”を大事にしたい」と感じている人にこそ、訪問看護はぴったりだと思います。
🌟チェックしておきたい「闇を避ける」求人のポイント
人数構成(看護師3人以下は要注意)
訪問看護ステーションは、法的に最低2.5人(常勤換算)以上の看護師配置が求められます。
それでも、実際に看護師が3人以下で運営している事業所は、人手不足のリスクが高いといえます。
個人で立ち上げた小規模なステーションなら、雰囲気の良いところもありますが、大手やチェーン展開の事業所で3人以下だと、運営自体が傾いている可能性もあります。
人数が少ない=1人欠けたら全体に支障が出る体制。
入職時にはスタッフ数や欠員の理由を確認しておくのがおすすめです。
オンコールの頻度と手当の有無
とくに精神疾患専門や高齢者住宅と提携しているステーションでは、昼夜問わずオンコールが鳴る可能性が高めです。
オンコール体制は、「誰が持つのか?」「持った場合に手当は出るのか?」を必ず確認しましょう。
よくあるのが「基本給に含まれています」と言われて、実働しても手当が付かないケースです。
これ、地味にきついです。
頻度・手当の明確なルールがある事業所かどうかを、求人票や面接時にしっかりチェックしましょう。
移動手段と訪問間の時間設定
移動手段が車なのか自転車なのか、自家用か貸与かは、実はめちゃくちゃ大事です。
特に夏・冬・雨の日など、過酷な環境下で自前の自転車で回るとなると、体力的にも金銭的にも負担が大きくなります。
事故時の補償、交通費支給、そして訪問と訪問の合間に移動時間がしっかり確保されているかも要チェックです。
「移動時間も訪問時間にカウント」されるような事業所では、時間に追われて焦りや事故のリスクが高まります。
安全に働くためには、余裕あるスケジュールが組まれているかを必ず確認しておきましょう。
管理者・リーダーの人柄と経歴
その職場の空気感を左右する最大の要因は、管理者やリーダーの存在です。
スタッフ数が少ない訪問看護では、良くも悪くも人間関係が密になりやすく、「誰が上に立つか」で雰囲気は大きく変わります。
年齢が若すぎる、逆に高齢で時代感覚がズレているなど、経験値や価値観のギャップもトラブルのもとに。
できるなら見学OKなステーションを選びましょう。
実際に足を運んでスタッフ同士のやり取りを見るのが一番確実です。
利用者層と看護の内容
求人票だけではわからないのが、「どんな利用者さんが多いか?」という点です。
たとえば「医療依存度が高い方の看護がしたい」と思っていたのに、実際はほぼ清拭とバイタルだけ、なんてこともあります。
逆に「精神看護にチャレンジしたい」と思って入職したのに、実際は高齢者の傾聴がメインだったという声もあります。
モチベーションを保つには、自分の目指す看護と、そのステーションの利用者層がマッチしていることが大切です。
できれば事前に、訪問件数の平均・医療処置の内容・利用者年齢層なども確認しておきましょう。
🌟安心して働ける訪問看護ステーションの特徴
ICT活用で記録・連携がスムーズ
最近では、電子カルテを導入している訪問看護ステーションが増えています。
他職種や他事業所との情報共有ができるツールもあり、記録や報告がスピーディーに済む体制が整っている事業所はとても働きやすいです。
訪問看護で使われているソフトには相性があり、音声入力ができるものもありますが、正直Kagayaはあまり使いこなせていません(笑)。
紙の方が好きな方もいますし・・・
AIで報告書や計画書を作成できるシステムも導入されているところもあります。
大切なのは、スタッフ全員がストレスなく使える記録体制と、連携がしやすい環境が整っているかどうかです。
チーム制で孤独を感じにくい
訪問看護は基本的に一人でケアに行きます。
朝礼が終われば夕方まで誰とも話さない……という日もあるほど。
担当制の事業所では「孤立」しやすく、難しい利用者に当たってしまうと1人で抱え込むこともあります。
でも、チーム制やミーティング・相談体制がしっかりしている事業所なら、悩みを共有しながら看護ができます。
スタッフ間で「この利用者さんどうだった?」と話せる関係があるだけで、精神的な負担はぐっと減ります。
孤独に陥らない工夫がされている職場かどうかは、事前に確認しておきたいポイントです。
スタッフの雰囲気が穏やか
これはどんな職場でも共通して大事なことですが、訪問看護のような小規模で密な環境では特に重要です。
共有ツール上で喧嘩腰なメッセージが飛び交うような職場もあるようで……Kagayaもそういうの、何度か見たことあります。
ただでさえ一人で訪問していると孤独なのに、職場の人間関係までギスギスしていたら、本当にしんどくなります。
できれば見学時にスタッフの雰囲気を感じ取って、「ここなら安心して働けそう」と思えるところを選びたいですね。
オンコールが分散されている
オンコールは管理者だけが持っているところもあれば、持ち回り制のところもあります。
なかにはオンコール自体がないというステーションも少ないですがあります。
ライフスタイルに合わせて選べる幅が広がっています。
働きやすさは、「制度の明確さ」と「無理なく回せる人数体制」にかかっています。
研修やカンファレンスが定期的にある
少人数でギリギリの運営をしている事業所では、「研修?カンファ?行く暇ないよ」という空気感が漂っていることも。。
実際、参加できたとしても自分の休みを使って行くというパターンが多いです。
でも、定期的に研修やカンファレンスが開催されているステーションは、スタッフ教育に力を入れている=人間関係も良好である傾向があります。
学び続けられる職場は、やりがいにもつながります。
🌟訪問看護に強い!おすすめ転職サイト3選
「もっと自分らしく働ける職場がいい」「今の職場、ちょっと合わないかも…」そう思ったとき、次の一歩を踏み出すためのパートナーとして頼れるのが看護師向け転職サイトです。
訪問看護は自由度が高い分、事業所ごとに働きやすさに大きな差があります。
理想の働き方を実現するには、自己応募+エージェント併用がいちばん安心。
ここではKagayaもチェックしている、おすすめ転職サイトをご紹介します。
- ▶ レバウェル看護
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※訪問看護ステーションの求人選びは、自己開拓+転職エージェントの併用が安心です。
がんばっている自分を、どうかもっと大切にしてください。
つらい現場に耐え続ける必要はありません。
「変える」という選択肢があることを、どうか思い出してほしいです。
信頼できる転職サポートを味方につけて、自分らしい働き方を実現しましょう。
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