高機能障害
- 高次脳機能は、大脳皮質が担っている言語、思考、記憶、行為、学習、注意などの機能
- 機能が失われると、失行、失認、注意障害などがみられる
- 失調症、情緒障害、意識障害、知能障害は高次脳機能障害に含まない
大脳皮質
運動野•連合野 | 失行 | 観念運動失行 構成失行 |
言語野 | 失語 | 感覚性失語(ウェルニッケ) 運動性失語(ブローカー) |
感覚野 | 失認 | 触覚失認 身体失認 聴覚失認 感覚失認 |
連合野 | 注意障害 | 半側空間無視 |
中枢神経系で正しいのはどれか。
- ブローカの領域は視覚中枢である。
- ウェルニッケの領域は味覚中枢である。
- 言語中枢は通常、左半球優位である。
- 膝蓋腱反射の中枢は脳幹にある。
大脳の機能で誤っている組合せはどれか。
- 大脳基底核---運動の調節
- 中心後回---体性感覚野
- 中心前回---感覚性言語中枢
- 大脳辺縁系---本能行動
高次脳機能障害はどれか。
- 半側空間無視
- 意識障害
- 食欲亢進
- 不眠
高次脳機能障害の評価で正しいのはどれか。
- バーセルインデックス
- 線分抹消テスト
- 徒手筋力テスト
- 拮抗運動反復テスト
高次脳機能障害と症状との組合せで誤っているのはどれか。
- ブローカー失語症---音読障害
- ウェルニッケ失語症---理解障害
- 失行症---情緒障害
- 失認症---認識障害
高次脳機能障害とその症状との組合せで正しいのはどれか。
- 失語症---書字が小さくなる
- 相貌失認---簡単な手指の模倣ができない
- 半側空間失認---片側の見落とし
- 失行---集中力の低下
高次脳機能に含まれるのはどれか。
- 言語
- 伸張反射
- 聴覚
- 味覚
失語症
- 左大脳半球の障害でおこることが多い
- 失語症は右片麻痺が多い
- 言語中枢は中大脳動脈の分枝で栄養される
- 感覚性失語(ウェルニッケ失語)
- 左側頭葉にある感覚性言語中枢の損傷
- 言語の理解面が傷害され、音声は聞こえるが理解できない
- 口頭指示に従えない
- 流暢多弁であるが錯語が多くなるため、意味不明の音の羅列となる
- 運動性失語(ブローカー失語)
- 左前頭葉にある運動性言語中枢の損傷
- 自発発語が傷害され、他者が言うことは理解できる
- 他者による口頭指示に従うことができる
- 自発語の減少
- 自発語は非流暢となり、患者は一言ゆっくりとしゃべりにくそうに言葉を発する
- 音読障害
- 復唱障害
大脳皮質の機能的領野と脳葉との組合せで正しいのはどれか。
- 味覚野---側頭葉
- 一次運動野---頭頂葉
- ブローカ野---前頭葉
- ウェルニッケ野---後頭葉
感覚性言語中枢のある部位はどれか。
- 前頭葉
- 後頭葉
- 側頭葉
- 頭頂葉
感覚性失語症がみられるのはどれか。
- 前頭葉障害
- 側頭葉障害
- 頭頂葉障害
- 後頭葉障害
側頭葉にあるのはどれか。
- 感覚性言語中枢
- 運動性言語中枢
- 体性感覚野
- 味覚野
皮質性感覚失語を示す脳梗塞に関係する血管はどれか。
- 椎骨動脈
- 後大脳動脈
- 中大脳動脈
- 前大脳動脈
脳卒中の左大脳半球損傷でよくみられる障害はどれか。
- 球麻痺
- 失語症
- 左片麻痺
- 左半側空間無視
失語症で誤っているのはどれか。
- 失語症は普通、右側の脳障害で起こる。
- 失語症には運動性と感覚性とがある。
- 言語障害には自然回復がある。
- 言語訓練は聴覚と視覚とを繰り返し刺激して行う。
失語症について誤っている記述はどれか。
- 運動性失語は発声器官が正常でも起こる
- 大脳の劣位半球障害で起こる
- 言語訓練には家族の協力をも求める
- 言語訓練の内容は失語症の種類により異なる
言語障害について誤っている組み合わせはどれか。
- 運動性失語症---ブローカ中枢
- 感覚性失語症---ウェルニッケの中枢
- 構音障害---体性感覚野
- 失語症---左側大脳半球損傷
言語を理解できないのはどれか。
- ブローカ失語
- ウェルニッケ失語
- 健忘失語
- 伝導失語
失語症で言われたことが理解できないのはどれか。
- 運動失語
- 感覚失語
- 伝導失語
- 健忘失語
ウェルニッケ失語で正しいのはどれか。
- 流暢な発話
- 聴覚の異常
- 麻痺性構音障害
- 見当識障害
「68歳の女性。右利き。右片麻痺を生じ病院に救急搬送された。MRI検査にて左中大脳動脈領域の脳梗塞と診断され、保存的治療を受けた。」本患者の症状で最もみられるのはどれか。
- 失調症
- 失語症
- 左半側空間無視
- 注意障害
失語症の分類で、自分の考えていることを言語でうまく表現できず、発話が非流暢的で、復唱も障害されるのはどれか。
- 全失語
- 運動性失語
- 感覚性失語
- 伝導失語
ブローカ失語の特徴として正しい記述はどれか。
- 復唱は障害されない。
- 錯語がある。
- 発話は非流暢性である。
- 口頭指示に従えない。
運動性失語症の特徴で正しいのはどれか。
- 劣位半球損傷で生じることが多い。
- 障害言語野はウェルニッケ中枢である。
- 頭に浮かんだ言葉が発語できない。
- 正確な評価にはMMSEを用いる。
標準失語症検査においてブローカ失語の正解率が最も低い項目はどれか。
- 聴く
- 読む
- 話す
- 復唱
半側空間無視
注意障害
- 右側の頭頂葉後部の障害で左半側空間無視としておこる
- 右中大脳動脈領域の脳血管障害でみられる
- 左半側空間無視では左側の空間にある対象物の損傷を無視する
- 検査法として線分抹消テストや線分二等分テスト
- 歩行中に転倒しやすく骨折をおこしやすい
脳卒中による右片麻痺患者にみられる症状で誤っているのはどれか。
- 失語症
- 左半側空間失認
- 両眼での右側視野の欠損
- 右上下肢の知覚障害
右大脳半球の脳卒中でよくみられるのはどれか。
- 右片麻痺
- 球麻痺
- 失語症
- 左半側空間無視
半側空間無視の評価に用いる検査項目で正しいのはどれか。
- 100から7を順番に引かせる。
- 今日の日付を答えさせる。
- 直線の中点に印をつけさせる。
- 検者の母指と示指で輪をつくり模倣させる。
脳卒中のリハビリテーション中に起こる骨折の特徴で正しいのはどれか。
- 健側下肢が多い。
- 抗血栓剤の内服で起こりやすい。
- 半側空間無視の合併で起こりやすい。
- 失語症の合併で起こりやすい。 3
「72歳の女性。左片麻痺と意識障害で救急搬送された。頭部MRI検査で右中大脳動脈の脳梗塞と診断された。食事の際に毎回左側の食べ物が残る。」本患者の高次脳機能障害で考えられるのはどれか。
- 注意障害
- 記銘力障害
- 遂行機能障害
- 半側空間失認
「65歳の男性。左片麻痺と意識障害を生じた。頭部CT検査にて右被殻出血と診断され、保存的治療を受けた。リハビリテーションの評価において視覚の見落としが著明であった。」本患者の高次脳機能障害はどれか。
- 失行
- 注意障害
- 記憶障害
- 遂行機能障害
「65歳の男性。左片麻痺と意識障害を生じた。頭部CT検査にて右被殻出血と診断され、保存的治療を受けた。リハビリテーションの評価において視覚の見落としが著明であった。」適切な対応はどれか。
- メモをとるように勧める。
- 周囲の人が動作を促す。
- 段差に気を付けるように指導する。
- 同時に複数の課題をさせない。 3
失行/失認
失行
- 観念運動失行
- 命令されたり模倣されたことを実行できない
- アルツハイマー病
- 多発性硬化症
- 構成失行
- 図形の模写で正しくできない
失認
- 触覚失認
- 頭頂葉の体性感覚野の損傷
- 皮膚書字試験で文字や数字を認識できない
- 身体失認
- 頭頂葉の体性感覚野の損傷
- 聴覚失認
- 側頭葉上部にある聴覚野の損傷
- 視覚失認
- 後大脳動脈の潅流域にある後頭葉の視覚野の損傷
- 同名半盲(右側あるいは左側半分の視野欠損)
- 検査法として線分抹消テストや線分二等分テスト
- 歩行中に転倒しやすく骨折をおこしやすい
母指と示指で輪を作ることが模倣できない患者で疑われるのはどれか。
- 半側空間無視
- 構成失行
- 観念失行
- 観念運動失行
検者が母指と示指で輪を作り、それを模倣させる動作ができない時に疑われる高次脳機能障害はどれか。
- 失行
- 失語
- 失認
- 失見当識
構成失行の説明で正しい記述はどれか。
- 命令による簡単な動作ができない。
- 立方体を模写できない。
- 道具をうまく使えない。
- 左右がわからない。