
🌟現代の医療と社会
医療と社会
現代社会において、医療と社会は切り離せない密接な関係を持っています。
高齢化の進展や疾病構造の変化により、医療の需要は年々高まっています。
その一方で、医療の質や安全性の確保、多職種連携によるチーム医療の推進、さらには地域包括ケアシステムの構築が求められています。
医療法においては、医療施設の機能や役割が明確に定義されており、中でも「地域医療支援病院」は地域における医療水準の向上を目的に、地域の医療従事者に対する研修の実施が義務づけられています。
また、「特定機能病院」は、高度な医療技術や専門的な知識に基づく医療の提供を行う施設として、大学病院などが指定されることが多いです。
以下に、主要な医療機関の特徴を整理します。
施設区分 | 主な特徴 |
---|---|
地域医療支援病院 | 地域の診療所などと連携し、紹介患者への対応や医療従事者の研修などを実施 |
特定機能病院 | 高度な医療を提供し、医療技術の開発・評価・研修を担う |
臨床研究中核病院 | 臨床研究の推進、質の高い医療提供、試験体制の整備などに対応 |
介護老人保健施設 | 病院退院後の高齢者に対し、リハビリや看護、医療的管理を行い、家庭復帰を目指す |
このように、医療と社会は、制度面だけでなく人材育成や施設の役割分担においても複雑に絡み合っており、患者中心の医療提供体制が求められる時代となっています。
医療法において、地域の医療従事者の研修実施が規定されているのはどれか。
- 介護老人保健施設
- 地域医療支援病院
- 特定機能病院
- 臨床研究中核病院
医療法で定める医療施設について最も高度な医療を提供するのはどれか。
- 診療所
- 地域医療支援病院
- 一般病院
- 特定機能病院
医療従事者
現代の医療現場では、一人の医師や看護師だけで完結する時代ではなく、さまざまな専門職が連携しながら患者を支える「チーム医療」が求められています。
各専門職が持つ知識・技術を活かし、それぞれの視点から患者の課題にアプローチすることで、より質の高い医療と福祉の提供が可能になります。
ここでは、国家試験でもよく問われる主要な医療従事者とその業務内容について、簡潔に整理しておきましょう。
職種 | 主な業務内容 |
---|---|
言語聴覚士 | 言語障害、音声障害、嚥下障害の訓練を行う |
理学療法士 | 基本動作能力の回復を目的に運動療法・物理療法を実施 |
作業療法士 | 応用動作や日常生活活動の回復を支援 |
介護支援専門員(ケアマネージャー) | 要介護認定業務、ケアプランの作成、サービス事業者との連携調整 |
精神保健福祉士 | 精神障がい者の生活や社会問題に対する相談・支援 |
社会福祉士 | 福祉に関する全般的な相談援助を行う |
保健師 | 地域住民や学校・企業での保健指導や健康教育を行う |
管理栄養士 | 栄養指導および給食管理、栄養ケアマネジメント |
臨床工学技士 | 人工呼吸器、透析装置などの生命維持管理装置の操作・保守点検 |
義肢装具士 | 義肢・装具の設計・制作および身体への適合調整 |
歯科技工士 | 入れ歯やクラウンなどの歯科補綴物を作製 |
臨床心理士 | 心理療法やカウンセリング、精神科リハビリテーションを行う |
医療ソーシャルワーカー | 社会保障や医療・福祉制度に関する相談援助、退院調整など |
これらの医療従事者は、それぞれの専門領域において患者を支えています。
そして患者の全人的なケアを目指す上で、横断的なチーム連携が重要です。
特に在宅医療や地域包括ケアでは、介護職や福祉職との密な連携が求められる場面も多く、互いの理解と協働姿勢が問われます。
医療従事者数
看護師>医師>薬剤師>歯科衛生士>あんまマッサージ指圧師>はり師>きゅう師>歯科医師>柔道整復師
チーム医療
医療に従事する多種多様な医療スタッフが、各々の高い専門性を前提に、目的と情報共有し、業務を分担しつつもお互いに連携•補完しあい、患者の状況に的確に対応した医療を提供すること
我が国で最も有資格者が多いのはどれか。
- 医師
- 看護師
- はり師
- 薬剤師
医療従事者のうち最も数が多いのはどれか。
- 看護師
- 按摩マッサージ指圧師
- 薬剤師
- 医師
最も数が多い医療従事者はどれか。
- 医師
- 按摩マッサージ指圧師
- 柔道整復師
- 看護師
我が国の医療従事者で最も数が多いのはどれか。
- 薬剤師
- 看護師
- あん摩マッサージ指圧師
- 医師
我が国の医療従事者で最も数が多いのはどれか。
- 医師
- あん摩マッサージ指圧師
- 看護師
- 薬剤師
平成24年度衛生行政報告例によ就業者数統計で最も少ない医療職種はどれか。
- はり師
- きゅう師
- 柔道整復師
- あん摩マッサージ指圧師
嚥下訓練の実施に最も関与する職種はどれか。
- 理学療法士
- 精神保健福祉士
- 介護支援専門員
- 言語聴覚士
急性期病院からの退院支援において、患者および家族と相談する際に同席すべき院内の職種として最もふさわしいのはどれか。
- 管理栄養士
- 臨床心理士
- 医療ソーシャルワーカー
- 保健師
ケアプランを作成できる職種はどれか。
- 社会福祉士
- ホームヘルパー
- 介護支援専門員
- 医療ソーシャルワーカー
多職種連携によるチーム医療について望ましいのはどれか。
- 職種間で目的と情報を共有する。
- リーダーを特定の職種に固定する。
- 他の職種の業務内容に立ち入らない。
- 患者・家族は参加しない。
チーム医療を推進するのに望ましくないのはどれか。
- 職種による専門性
- 職種間の情報共有
- 職種間の上下間系
- 職種による業務分担
多職種連携によるチーム医療で望ましくないのはどれか。
- 専門用語を他の職種に説明する。
- リーダーを特定の職種に固定する。
- 自分の職種の専門性を理解する。
- 他の職種の業務内容を考慮する。
医療•福祉施設
医療や福祉の提供体制においては、患者の状態や目的に応じて適切な施設を選択することが重要です。
ここでは、国家試験で頻出の主要な医療・福祉施設の種類と特徴を整理します。
施設名 | 特徴 |
---|---|
介護老人保健施設 | 病院を退院した高齢者が家庭復帰までの中間施設として利用。リハビリ・看護・医療的管理が中心。 |
介護老人福祉施設 | 常時介護が必要な高齢者の入所施設。生活介護が主で、医療的な処置は少なめ。 |
地域包括ケア病棟 | 急性期後の患者に対し、在宅復帰に向けた診療・リハビリを提供する病棟。 |
グループホーム | 認知症や障害のある方が少人数で共同生活を送り、食事や生活支援を受ける施設。 |
小規模多機能型居宅 | 「通い」を中心に「訪問」「宿泊」を組み合わせたサービスを提供し、在宅支援を強化。 |
認知症対応型生活介護 | 認知症高齢者を対象とし、9人以下の共同生活で日常生活の援助を行う。 |
定期巡回・随時対応型訪問介護看護 | 24時間対応で介護と看護を連携提供し、重度要介護者の在宅生活を支える。 |
それぞれの施設は、利用者の状態(要支援・要介護度)や希望する生活スタイル、医療ニーズに応じて活用されます。
試験では「どの施設が何を提供するか」「他施設との違い」を押さえておくことが重要です。
介護及び機能訓練その他必要な医療並びに日常生活の世話を行うことを目的とするのはどれか。
- 介護老人保健施設
- 介護老人福祉施設
- グループホーム
- 地域包括ケア病棟
医療法で医療提供施設でないのはどれか。
- 調剤薬局
- 介護老人福祉施設
- 介護老人保健施設
- 診療所
医療・福祉施設において、医師を常勤させる義務がないのはどれか。
- 介護老人福祉施設
- 介護療養型医療施設
- 介護老人保健施設
- 介護医療院
医療法による医療提供施設でないのはどれか。
- 助産所
- 介護老人保健施設
- 調剤薬局
- 施術所
要介護者に対して、居宅、通所、短期間宿泊により、入浴、排泄、食事等の介護、その他の日常生活上の世話や機能訓練を行うのはどれか。
- 定期巡回・随時対応型訪問介護看護
- 地域密着型通所介護
- 認知症対応型共同生活介護
- 小規模多機能型居宅介護
地域医療計画の策定における第三次医療圏の圏域に相当するのはどれか。
- 市町村単位
- 広域市町村単位
- 都道府県単位
- 広域都道府県単位
地域医療計画の策定
地域医療計画は、都道府県が医療法に基づいて作成する計画で、住民に対して適切な医療を提供するための仕組みです。
医療資源の効率的な配分や、地域ごとの医療提供体制の整備に活用されます。
この計画では、医療圏ごとに役割を持たせた病院・診療所の配置や、病床の整備、救急医療・災害医療・周産期医療などの体制づくりが進められています。
特に高齢化社会では、地域包括ケアシステムの中核として注目されている重要な政策です。
医療圏 | 範囲 | 機能 |
---|---|---|
第一次医療圏 | 市町村単位 | 外来診療など、日常的な一般医療の提供 |
第二次医療圏 | 複数の市町村 | 入院治療を含む一般的な医療の提供、救急・周産期医療など |
第三次医療圏 | 都道府県単位 | 高度・専門的医療(精神医療、感染症、結核、がんなど)を提供 |
試験では、「医療圏の範囲」と「提供される医療のレベル」の対応を問う問題が頻出です。
特に第三次医療圏は都道府県単位である点や、精神科病棟・結核病棟・高度先端医療を含むという点は確実に押さえておきましょう。
医療経済
医療経済とは、医療サービスの需要と供給、費用や財源、制度的枠組みなどを経済的視点で分析する分野です。
日本の医療制度は国民皆保険に支えられていますが、少子高齢化により医療費の増大が深刻な課題となっています。
医療需要を増大させる要因
- 人口増加(過去)
- 人口集団の高齢化
- 生活習慣病などの疾病構造の変化
- 高度医療へのニーズの増加
医療供給を増大させる要因
- 医療機関・医療従事者の増加
- 先進医療機器の導入
- 医薬品価格の上昇
- 診療の高度化・精密化
- 経営側による過剰な供給体制
- 診療報酬の引き上げ
国民医療費の実態
- 国民医療費:40兆円を超える規模
- 国民1人あたり:年間30万円超
医療経済の分野では、費用対効果(コスト・エフェクティブネス)や医療の質(アウトカム)、財源の持続可能性なども重要なテーマです。
国家試験では、「医療費に含まれる項目/含まれない項目」の正誤や、医療費増加の原因に関する設問がよく出題されます。
医療費に含まれるもの
- 医科・歯科診療費
- 薬局調剤医療費
- 入院時の食事・生活療養費
- 訪問看護療養費
- 療養費(柔道整復、鍼灸の一部など)
医療費に含まれないもの
- 先進医療(保険外併用療養)
- 差額ベッド代(入院時室料差額)
- 歯科の自由診療分
- 不妊治療などの生殖補助医療
- 正常な妊娠・分娩
- 健康診断、予防接種
- 義眼、義肢などの補装具
我が国の現状で正しいのはどれか。
- 国民医療費は約15兆円である。
- 老人保険の対象者は70歳以上の者だけである。
- 国民皆保険の体制である。
- すべての国民は国民健康保険に加入している。
我が国の現状で正しいのはどれか。
- 国民医療費は約15兆円である。
- 国民医療費の増加要因の一つに人口の高齢化がある。
- 国民健康保険にはすべての国民が加入している。
- 65歳以上のすべての人が老人保健の対象者である。
最近の我が国の国民医療費で正しいのはどれか。
- 約30兆円
- 約30億円
- 約3兆円
- 約300億円
我が国の最近の国民医療費はどれか。
- 約3000億円
- 約3兆円
- 約30兆円
- 約300億円
平成26年度の国民医療費について正しいのはどれか。
- 財源は患者負担が30%を超える。
- 国民所得比は15%を超える。
- 40兆円を超える。
- 介護保険の費用が含まれる。
我が国の国民医療費について正しいのはどれか。
- 薬剤調剤費は含まれない。
- 近年は減少傾向にある。
- 出産時費用は含まれない。
- 平成22年度の対国内総生産比率は15%以上である。
我が国の国民医療費の現状について正しいのはどれか。
- 国民医療費は50兆円を超える。
- 対国民所得比は15%を超える。
- 国民一人あたりの医療費は年間30万円を超える。
- 財源は患者負担が30%を超える。
国民医療費増大の原因で正しいのはどれか。
- コスト意識の徹底
- 医療供給体制の合理化
- 予防医学の増進
- 老年人口の増大
国民医療費が増す原因の中で医療の需要を増大させるのはどれか。
- 医薬品価格の上昇
- 高度医療への患者の要求
- 診療の専門指向
- 医療機械の導入
国民医療費の増大を抑制する対策はどれか。
- 医療従事者の増加
- 長期入院治療の推進
- 予防医学の推進
- 医療保険の「出来高払い方式」の推進
国民医療費に含まれるのはどれか。
- 診療所の初診料
- 人間ドックの経費
- 正常分娩の経費
- 薬局でかぜ薬を求める経費
我が国の国民医療費に含まれるのはどれか。
- 予防接種の費用
- 健康診断の費用
- 正常分娩の費用
- 看護の費用
我が国の国民医療費に含まれるのはどれか。
- リハビリテーションの費用
- 入院時差額費用
- 正常分娩の費用
- 健康診断の費用
我が国の国民医療費に含まれるのはどれか。
- 予防接種の費用
- 入院時室料差額の費用
- 訪問看護の療養費用
- 正常分娩の費用
国民医療費に含まれないのはどれか。
- 医科診療費
- 予防接種に要する費用
- 薬局調剤費
- 訪問看護療養費
🌟医療保険制度
日本の医療保険制度は、すべての国民がいずれかの医療保険に加入する「国民皆保険」を基本としています。被用者(会社員など)と自営業者・無職などで加入する保険が異なりますが、いずれも保険料を納め、一定の自己負担で医療を受けられる仕組みです。
被用者保険
保険の種類 | 被保険者 | 保険者 |
---|---|---|
組合管掌健康保険(健保組合) | 大企業の従業員 | 健康保険組合 |
全国健康保険協会管掌健康保険(協会けんぽ) | 中小企業の従業員 | 全国健康保険協会 |
共済組合保険 | 公務員・私立学校教職員 | 各共済組合 |
船員保険 | 船員 | 全国健康保険協会 |
国民健康保険
- 被保険者:自営業、無職、退職者など
- 保険者:市町村や特別区
国民皆保険制度により、全国民はどれかの医療保険に加入する義務があり、保険料の支払いと引き換えに医療給付を受けることができます。
医療保険の給付内容
- 現物給付:診察、検査、薬剤、入院、手術など(保険証提示で一部負担)
- 療養費払い:やむを得ず全額自己負担した場合に、あとで払い戻しを申請
- 現金給付:
- 高額療養費
- 出産手当金
- 傷病手当金
後期高齢者医療制度
- 対象:75歳以上(一定障がいがあれば65歳以上も)
- 保険者:広域連合(都道府県単位)
- 財源:保険料1割、現役世代からの支援金4割、公費5割
鍼灸の保険適応疾患
以下の疾患について、医師の同意書があれば、健康保険で鍼灸施術が可能です。
- 神経痛
- リウマチ
- 頸腕症候群
- 五十肩
- 腰痛症
- 頸椎捻挫後遺症
※いずれも「慢性疼痛」がある場合に限る
加入者と医療保険の組合せで正しいのはどれか。
- 私立学校教員 ─── 健康保険組合
- 自営業者 ───── 共済組合
- 国家公務員 ──── 協会けんぽ
- 無職者 ────── 国民健康保険
被用者保険でない医療保険はどれか。
- 組合管掌健康保険
- 国民健康保険
- 国家公務員等共済組合
- 政府管掌健康保険
被用者保険でないのはどれか。
- 船員保険
- 協会けんぽ
- 国民健康保険
- 共済組合
被用者保険でないのはどれか。
- 健康保険
- 船員保険
- 共済組合
- 国民健康保険
我が国の医療保険で被用者保険でないのはどれか。
- 国家公務員共済保険
- 地方公務員共済保険
- 私立学校教職員共済保険
- 国民健康保険
地域住民を対象とした保険はどれか。
- 組合管掌健康保険
- 船員保険
- 国家公務員等共済組合
- 国民健康保険
地域保険はどれか。
- 国民健康保険
- 船員保険
- 国家公務員等共済組合
- 健康保険
大企業(700人以上)の従業員を対象としている医療保険の保険者はどれか。
- 全国健康保険協会
- 国民健康保険組合
- 共済組合
- 健康保険組合
2017年の被用者保険で加入者が最も多いのはどれか。
- 組合管掌健康保険
- 共済組合
- 船員保険
- 協会けんぽ
医療保険について正しいのはどれか。
- 現金が支給されることはない。
- 協会けんぽは被用者保険である。
- 医師の同意を得た鍼施術は療養の対象となる。
- 組合管掌保険は自由に付加給付を行うことができる。
我が国の医療保険制度で正しい記述はどれか。
- 被用者保険本人は10割給付である。
- 財源はすべて保険料でまかなわれる。
- 保険料は所得にかかわらず一定である。
- 国民全員が加入する。
我が国の公的医療保険制度について正しいのはどれか。
- 医療給付は現金給付方式が原則である。
- 国民皆保険制度は昭和時代に始まった。
- 75歳以上の高齢者は3割負担である。
- 近年の国民医療費は減少傾向にある。
我が国の医療保険で誤っている記述はどれか。
- 被用者保険と国民健康保険とに大別される。
- 療養の給付は一般に現物給付である。
- 傷病手当金は業務上の傷病のみに給付される。
- 療養の給付率は70%以上である。
我が国の医療保険の特徴で誤っている記述はどれか。
- 療養の給付は一般に現物給付である。
- 一部負担金がある。
- 運営は保険者が行う。
- 任意の加入である。
我が国の公的医療保険制度の特徴で誤っている記述はどれか。
- はり・きゅうの保険施術は現金給付である。
- 任意の加入である。
- 一部負担金がある。
- 運営は保険者が行う。
医療保険でないのはどれか。
- 生活保護
- 健康保険
- 船員保険
- 共済組合
公的医療保険の対象となるのはどれか。
- 正常分娩
- インフルエンザの予防接種
- 禁煙治療
- 人間ドック
医療保険について現金給付が行われるのはどれか。
- 訪問看護
- 薬の処方
- 出産手当
- 病気の治療
後期高齢者医療制度の財源について正しいのはどれか。
- 75歳以上は保険料を免除される。
- 国および地方自治体の負担は全財源の8割である。
- 高齢者の支払う保険料は全財源の1割である。
- 他の医療保険者からの支援金はない。
はり・きゅうの施術で医療保険の療養費給付対象となる疾病はどれか。
- 神経痛
- 不眠症
- 急性胃潰瘍
- 胃癌
公費負担医療
公費負担医療とは、特定の人や疾患について、医療費の一部または全額を国や自治体が負担する制度です。
医療保険とは異なり、対象や条件が限定的であり、生活困窮者や難病患者、障がい者などに対する支援が中心です。
生活保護による医療扶助
- 現物給付として医療機関に支払われる
- 被保護者は原則無料で受診できる
- 対象:生活困窮者(資産・収入要件あり)
生活保護におけるその他の扶助
- 介護扶助
- 生活扶助
- 住宅扶助
- 教育扶助
- 生業扶助
- 出産扶助
- 葬祭扶助
特定疾患治療研究事業(難病医療費助成)
- 指定難病に対して、治療研究を進めながら医療費を公費で助成
- 対象者:国が定めた難病(指定難病)患者
- 原則1割自己負担(所得により月額上限あり)
その他の公費負担医療制度
- 母子保健法による妊産婦健診・乳幼児健診
- 児童福祉法による障害児通所・入所支援
- 自立支援医療(精神通院・更生医療・育成医療)
- 感染症法に基づく措置入院等
試験では「医療扶助が現物給付であること」や「特定疾患治療研究事業の目的」などが頻出です。
名称が似ている制度も多いため、対象者・支給内容・法的根拠をセットで覚えると理解が深まります。
生活保護法による現物給付はどれか。
- 住宅扶助
- 教育扶助
- 生活扶助
- 介護扶助
生活保護法で現物給付を原則とする扶助はどれか。
- 住宅扶助
- 医療扶助
- 教育扶助
- 生活扶助
公費医療の対象とならないのはどれか。
- 生活保護による医療扶助
- 労働基準法による業務上疾病の治療
- 精神保健及び精神障害者福祉に関する法律による措置入院
- 母子保険法による療育医療
公費負担によらない医療はどれか。
- 養育医療
- 労災保険医療
- 原子爆弾被爆者医療
- 特定疾患治療
我が国の公費負担医療制度に定められていないのはどれか。
- 入院勧告された結核患者の入院医療費
- 未熟児の入院医療費
- 労災患者の入院医療費
- 措置入院された精神障害者の入院医療費
難病に対する公費負担医療に期待される役割として最も適切なのはどれか。
- 国家賠償
- 公衆衛生
- 社会福祉
- 研究推進
介護保険制度
介護保険制度は、急速な高齢化に対応するために2000年に施行された社会保険制度です。
高齢者の尊厳を守りつつ、要介護状態になっても安心して暮らせるよう、介護サービスを社会全体で支えることを目的としています。
介護保険の仕組み
- 保険者:市町村および特別区
- 被保険者:
- 第1号:65歳以上
- 第2号:40~64歳の医療保険加入者(特定疾病に限る)
- 財源:
- 保険料:50%
- 公費:50%(うち国25%、都道府県12.5%、市町村12.5%)
- 利用者負担:原則1割(所得により2~3割)
要介護認定と区分
- 要支援1・2:軽度な介護予防支援が必要な状態
- 要介護1〜5:日常生活で全面的な介護が必要な状態(数字が大きいほど重度)
介護サービスの種類
- 訪問サービス(例:訪問介護・訪問看護)
- 通所サービス(例:デイサービス・デイケア)
- 短期入所(ショートステイ)
- 施設サービス(特別養護老人ホームなど)
- 福祉用具貸与・住宅改修
- 地域密着型サービス(小規模多機能・認知症グループホームなど)
試験では、第1号と第2号の違い、財源構成、要介護区分と認定手順、サービスの種類と対象者などが頻出です。
「保険者は市町村」「利用者は原則1割負担」など、基本構造を正確に押さえておきましょう。
介護保険制度について正しい記述はどれか。
- 要介護のレベルは4段階ある。
- ケアプランは利用者が作成することはできない。
- 短期入所サービスは居宅者に対するサービスの1つである。
- 介護認定は保健所に申請する。
介護保険制度について正しい記述はどれか。
- 行政はサービスを提供する主体である。
- 保険者は市町村及び特別区である。
- 被保険者は60歳以上である。
- 給付は全て現金給付である。
介護保険制度について正しいのはどれか。
- 被保険者は75歳以上である。
- 介護保険料は全国一律である。
- 要介護認定の申請は市町村および特別区に対して行う。
- 地域包括支援センターは二次医療圏ごとに設置される。
介護保険制度について正しいのはどれか。
- 保険者は国である。
- 利用にあたっては要介護認定が行われる。
- 認定結果は要介護1から要介護7で示される。
- 1号被保険者は75歳以上の者である。
介護保険制度について正しいのはどれか。
- 第1号被保険者は75歳以上である。
- サービス費の利用者負担はない。
- 保険者は市町村および特別区である。
- 介護保険料は全国一律である。
介護保険制度について正しいのはどれか。
- 都道府県が保険者である。
- 介護報酬は2年毎に見直される。
- 第1号被保険者は65歳以上である。
- 住宅改修はサービスの対象外である。
介護保険制度について正しいのはどれか。
- 被保険者は60歳以上である。
- 利用者はケアプランを作成できる。
- 要介護認定は保健所に申請する。
- 保険者は都道府県である。
介護保険制度について正しいのはどれか。
- 保険者は都道府県である。
- ケアプランは介護認定審査会が作成する。
- 第1号被保険者は65歳以上である。
- 住宅改修には利用できない。
介護保険制度について誤っているのはどれか。
- 第2号被保険者は40歳以上65歳未満である。
- 第1号被保険者の保険料は市町村および特別区が徴収する。
- 保険者は都道府県である。
- 介護予防事業が含まれる。
介護保険制度の保険者はどれか。
- 市町村
- 介護施設
- 都道府県
- 国
介護保険制度の保険者はどれか。
- 介護施設
- 市町村
- 要介護状態の者
- 40歳以上の者
介護保険の第1号被保険者はどれか。
- 40歳以上
- 20歳以上
- 65歳以上
- 183歳以上
🌟医療倫理
医療倫理は、生命や死、治療の選択、情報の取り扱いなどに関する価値判断の基準です。
医療者は専門的な知識だけでなく、患者の人権・意思・尊厳を重視した倫理的態度が求められます。
緩和ケア
- がんや難病などの進行性疾患に対し、身体的・精神的苦痛を和らげることを目的とする
- 疾患の根治は目指さず、生活の質(QOL)の向上を重視
ターミナルケア(終末期医療)
- 死を目前に控えた患者に対し、苦痛の緩和や心のケアを行う
- 延命よりも自然な死や尊厳を重視する
QOL(生活の質)と倫理的判断
- 身体的・精神的・社会的・スピリチュアルな側面から「その人らしい生活」を支える視点
- 緩和ケア・自然死・尊厳死などに関連
バイオエシックス(生命倫理)
- QOLと死の定義
- 臓器移植・体外受精・遺伝子治療・クローン技術など
- 終末期医療、安楽死、医療資源配分などの社会的課題
個人情報保護法
- 利用目的の特定
- 適正な取得と管理
- 第三者提供の制限
- 本人による開示・訂正・利用停止の権利
国家試験では、緩和ケアやQOL、生命倫理に関する記述の正誤問題が出題されます。
特に「終末期における意思決定支援」「情報開示とプライバシー」など、臨床での判断が問われる項目は繰り返し確認しましょう。
緩和医療について正しいのはどれか。
- 病気の早い段階で始めてはならない。
- 疾病の根治を目指すものではない。
- がん患者以外に適用してはならない。
- 心理的な痛みへの対応は不要である。
人生の最終手段に実施する医療を示すのはどれか。
- QOL
- ターミナルケア
- バイオエシックス
- ノーマライゼーション
QOLの考え方から最も遠いのはどれか。
- 尊厳死
- 延命治療
- 緩和ケア
- 自然死
バイオエシックスの対象でないのはどれか。
- 医療財政
- 人工授精
- 安楽死
- 損害賠償
医の倫理と関係のないのはどれか。
- 公費医療給付
- インフォームド・コンセント
- 患者の権利宣言
- ヒポクラテスの誓い
施術者としての倫理
施術者は、専門職としての知識と技術を有しているだけでなく、倫理的な姿勢を持って患者に接することが求められます。
信頼関係を築き、安全で安心な施術を提供するためには、守秘義務・説明責任・人権尊重といった基本的な倫理観が不可欠です。
守秘義務と個人情報保護
- 患者の病歴・施術内容・個人情報は、法令に基づかない限り第三者に漏らしてはならない
- 個人情報保護法により、利用目的の明示、適正管理、本人の開示請求権が保障されている
説明と同意(インフォームドコンセント)
- 施術内容・目的・リスクなどを患者にわかりやすく説明し、納得のうえで施術を行う
- 説明不足によるトラブルを防ぐためにも、記録や同意書の管理が重要
人権と尊厳の尊重
- 年齢・性別・障がい・国籍・信仰などを理由に差別的な対応をしてはならない
- 患者一人ひとりの背景や価値観に配慮した施術を心がける
施術者の倫理は、知識や技術以上に患者との信頼関係を築く基盤です。
国家試験では、個人情報の取扱いやインフォームドコンセントの意義、倫理的判断の基本姿勢などが問われるため、事例問題にも備えましょう。
個人情報保護法による患者情報の取り扱いについて正しいのはどれか。
- 内容を更新しない。
- 苦情へは対処しない。
- 利用目的は特定しない。
- 本人への開示を遅滞しない。
施術者の倫理について正しいのはどれか。
- 業務上知り得た患者の秘密は研究目的であっても漏らしてはならない。
- 「ヒポクラテスの誓い」は現代には通用しない。
- 収益向上のためにはQOLは考えなくてもよい。
- 「患者の権利宣言」は日本には適用されない。
施術者の倫理について誤っているのはどれか。
- 施術者本位の施療
- インフォームド・コンセントの実施
- QOL(生活の質)への配慮
- 患者の人権の尊重
施術者の倫理について誤っているのはどれか。
- 生活の質の尊重
- 十分な情報の提供
- 施術内容の一方的決定
- プライバシーの保護
施術者の倫理について誤っているのはどれか。
- 生命の尊重
- 一元的医療の考え
- プライバシーの保護
- QOLの向上
施術者の倫理について誤っているのはどれか。
- 守秘義務
- 鎮痛薬の投与
- 施術手技の研さん
- 患者の自己決定権の尊重
施術者の倫理について誤っているのはどれか。
- 十分な情報の提供
- 患者のQOLの向上
- 患者の要求の優先
- 施術内容の記録保持
施術者の倫理について適切でないのはどれか。
- 自己の健康管理
- 施術内容の記録保持
- 施術の説明と同意
- 酒気帯び状態での施術
患者が治療に対して積極的に関わり、その決定を遵守するのはどれか。
- アドヒアランス
- コンプライアンス
- 患者の自己決定権
- インフォームド•コンセント
医療従事者の倫理について適切でないのはどれか。
- 患者の要求を優先する。
- 情報提供と説明を十分に行う。
- 援助者としての立場をとる。
- 守秘義務がある。
施術者のとるべき態度でないのはどれか。
- 施術過程の記録保持
- 患者の自己決定権の尊重
- 施術内容の患者への情報提供
- 施術者本位の施術
施術者の行為として適切でないのはどれか。
- 賠償責任保険加入
- 施術内容の記録保持
- 全人的な施術
- 処方せんの交付
施術者と患者との関係で正しい記述はどれか。
- 施術者には守秘義務がある。
- 患者へのインフォームド・コンセントは必要でない。
- 患者には施術についての自己決定権はない。
- 施術者は共感する態度で接してはならない。
患者に対する施術者の役割で適切なのはどれか。
- 援助者
- 管理者
- 指導者
- 保護者
患者が「よろしくお願いします」と言い、医療従事者が「お任せください」と言う会話から考えられる両者の関係はどれか。
- パターナリズム
- セカンドオピニオン
- インフォームド•コンセント
- インフォームド•アセント
「医師は子どものことを思う親のように、患者は親に保護される子どものように行動する」と表現される医療従事者と患者の関係性はどれか。
- パターナリズム
- セカンドオピニオン
- 工学モデル
- 契約モデル
パターナリズム(父権主義)について正しい記述はどれか。
- 小児医療に特有の問題である。
- 医師患者関係は契約関係である。
- 治療方針は医療者が決める。
- 患者は医療内容について説明を受け同意する。
インフォームド・コンセントについて直接関係ないのはどれか。
- プライバシーの保護
- 十分な説明
- 情報の提供
- 理解と納得
インフォームド・コンセントに含まれる権利はどれか。
- 医療上の情報や説明を受ける権利
- 人権尊重の権利
- プライバシー保障の権利
- 適切な治療やケアを受ける権利
インフォームド・コンセントを含む医の倫理の国際規定はどれか。
- ヘルシンキ宣言
- ジュネーブ宣言
- アルマ・アタ宣言
- ヒポクラテスの誓い
インフォームド・コンセントに含まれる権利はどれか。
- 病院の経営状態を知る権利
- 治療の危険性の説明を受ける権利
- 男女の平等を求める権利
- 公的医療費の扶助を受ける権利
ヒトを対象とした医学研究の倫理について定めたのはどれか。
- アルマ•アタ宣言
- 患者の権利宣言
- ジュネーブ宣言
- ヘルシンキ宣言