
こんにちは。
プライマリ・ケアサポート きらぼし、鍼灸師・看護師のKagayaです。
🌟マジックテープ?紐タイプ?手作りカニューレバンドの選び方
カニューレバンドといえば、多くの方がまず思い浮かべるのが「マジックテープタイプ」ではないでしょうか。
装着が簡単でワンタッチ。医療的ケア児のご家族にとっても、訪問看護や通園施設のスタッフにとっても、素早く着脱できる手軽さはとても魅力的です。
また、マジックテープタイプのカニューレバンドは首元がスッキリ見えるというメリットもあり、見た目の面でも好まれています。
しかし、使用していくうちに必ずと言っていいほど起こるのが、「マジックテープの劣化」です。
洗濯や消毒を繰り返すたびに、マジックテープの繊維が摩耗していき、粘着力が弱くなってしまうのです。
そして、劣化したテープでしっかりと固定できなかった結果、カニューレがずれてしまったり、最悪の場合は抜け落ちてしまうといった重大な事故につながる可能性もあります。
そのような不安を抱える方におすすめしたいのが、紐タイプのカニューレバンドです。
紐でしっかり結ぶタイプのバンドは、多少手間はかかるものの、摩耗による粘着力の低下がありません。
結び方次第でしっかりと固定できるため、安全性が高く、安心して使い続けられるのが魅力です。
しかも、紐がちぎれない限り繰り返し長期間使用できるのもメリット。マジックテープのように数ヶ月で交換が必要……という心配も少なくなります。
また、成長に伴って首回りが変わっても、紐の長さを調整することでフィット感を保つことができるのも大きなポイント。
ただし、紐タイプの場合は両サイドにチョウチョ結びが必要になるため、見た目の印象がやや異なります。
とはいえ、生地や紐の素材・色を工夫すれば、可愛らしさも演出できますし、なにより「自分の手で安心・安全なものを作れる」という満足感もあります。
この記事では、ジプシーナースKagaya流の「紐タイプのカニューレバンド」の作り方を、写真付きで詳しくご紹介します。
商品化を見据えたこだわりポイントや材料選びのコツ、おすすめアフィリエイト商品も併せて掲載していますので、ぜひ参考にしてみてください。
それではさっそく、材料選びから見ていきましょう!
🌟材料と準備
手作りのカニューレバンドを作るときに、まず大切なのは素材選びです。
肌に直接触れるものだからこそ、肌ざわり・吸水性・耐久性の3つがポイントになります。
基本的には「本体用の布」と「紐(ひも)」があればOK。
ですが、より使いやすく、安全に仕上げるためには、いくつかのこだわりが必要です。
Kagayaは、▶ こちらの記事で詳しく布選びのコツを紹介しています。
おすすめはダブルガーゼ生地や綿100%のやわらかい布。
湿気を吸いやすく肌に優しいので、長時間装着していてもムレにくく、かゆみやかぶれを防げます。
市販の既製品にはポリエステル混の生地もありますが、汗をかく夏場や皮膚が敏感なお子さんには、やはり綿素材が安心です。
紐に使う素材としてKagayaが一番おすすめするのは、綾テープ(セーラーテープ)です。
柔らかいのに強度があり、手芸店やネット通販でも色柄が豊富。
好みに合わせてカラーバリエーションを選べるのも嬉しいポイントです。
もちろん、少し上級者向けになりますが、「共布(本体と同じ布)」で紐を作ってもOK。
デザインに統一感が出て、より洗練された仕上がりになります。
裁縫に慣れていない方や短時間で作りたい方には、あらかじめ紐として販売されている綾テープや真田紐がおすすめです。
材料の目安サイズ
- 生地の長さ:首回り+縫い代2cm
- 生地の幅:必要なバンド幅×2+縫い代2cm
- 紐の長さ:片側30cm×2本(両側)
首回りのサイズは、実際に使う方の首のサイズに合わせて調整しましょう。
成長期のお子さんには少し余裕を持たせた長さがおすすめです。
また、ギンガムチェックなどの格子模様のある布を選ぶと、折り目が取りやすく、1cm幅を測る手間が省けて時短になります。
準備が整えば、いよいよ本体部分の縫製に入っていきます。
🌟作り方(写真付きステップ解説)
それでは実際に、紐タイプのカニューレバンドを作っていきましょう。
今回は、首に優しいガーゼ素材の布を使用し、仕上がり幅が約3cmのタイプを作成しています。
ミシン初心者でも安心して取り組めるように、写真付きでステップごとに解説していきます。

①裏面から両端を1cmずつ折り、アイロンをかける
最初に生地の「耳(切り口)」部分を1cmずつ内側に折り、アイロンでしっかり押さえます。
これが端処理となり、完成後もホツレにくくなります。

②生地を中表(表同士を内側に)で半分に折る
折り目のラインが中心になるように半分に折ります。
表面が内側にくるように折るのが「中表(なかおもて)」です。
縫い終えたあとに裏返すので、この状態が基本。

③端から1cmのところを直線縫いする
1cmの縫い代を取りながら、端から端まで真っ直ぐに縫います。
ミシンがない場合は、波縫いでもOK。
縫い目が粗くならないように気をつけましょう。

④表にひっくり返し、再度アイロンで形を整える
縫い終わったら、細い筒状の布を丁寧に表に返します。
アイロンをかけることで、ピシッとした仕上がりに。
棒や割り箸などを使うと返しやすいです。

⑤両端に紐を差し込み、1cm入れて端ミシンで固定
カットしておいた綾テープや真田紐を、左右の端に1cmほど入れ込み、その上から端ミシン(返し縫い)をしてしっかり固定します。
結び目に力が加わるため、ここは丁寧に!

⑥完成!
これで、紐タイプのカニューレバンドが完成しました!両脇をチョウチョ結びにすれば、しっかりフィットしてズレにくく、通気性も良好。
手作りならではのやさしさが詰まっています。
慣れてくれば、1本あたり10分~15分ほどで作れます。
複数枚をまとめて作っておけば、洗い替えにも便利です。
🎀紐の作り方(共布バージョン)
「綾テープ」や「真田紐」も便利ですが、せっかく布を選んで手作りするなら、バンド本体と同じ布(共布)で紐まで作るのもおすすめです。
統一感が出てかわいいだけでなく、柔らかくて肌当たりも良いため、首への刺激が気になる方や小さなお子さんにもやさしい仕上がりになります。
ここでは、Kagayaが実際に行っている「共布紐」の作り方を、写真付きでステップ解説していきます。

①布を1cm幅に折る
まずは細長くカットした布(幅約2cm)を、片側ずつ中心に向かって折り、1cm幅にアイロンで押さえます。
布の裏表がわかりにくいときは、裏面を表にしてから左右を折るときれいに整います。

②さらに半分に折り、0.5cm幅のテープ状にする
1cm幅に整えたテープをさらに半分に折ると、幅0.5cmの紐状になります。
ここでもアイロンがけがカギ。
しっかり折り目をつけることで、ミシンがけがブレずに安定します。
この時点で端がほどけやすい場合は、布端にピンキングバサミを使うのもおすすめです。

③端ミシンをかけて完成!
最後に、開かないように端をミシンで直線縫いします。
中縫いでも端縫いでもOKですが、しっかり固定できるよう返し縫いを2~3目入れると安心です。
布が薄い場合は二重にして補強してもよいです。
肌当たりが柔らかい反面、引っ張りに弱くなるので、縫い目はしっかりつけましょう。
共布で作ると、見た目が本体とピッタリ合って一体感のあるおしゃれな仕上がりに。
個人で使うのはもちろん、商品販売や贈り物にもぴったりです。
ポイントまとめ
- 布幅は「完成幅×4」でカット
- アイロンがけを丁寧にすると仕上がりがきれい
- 薄手の布は二重や端補強で強度UP
- ギンガムチェックなど格子柄だと折りやすい
手間は少しかかりますが、出来上がったときの達成感は格別です♪
🌟こだわりポイント
「紐タイプのカニューレバンドって、ただの布と紐だけじゃない?」と思われるかもしれません。
たしかに作り方はとてもシンプルで、基本の形さえ守れば、端に紐を差し込んで縫うだけでも機能します。
ですが、そのシンプルさこそが「こだわれる余白」だと、Kagayaは感じています。
まず一番大切なのは、肌に触れる生地選びです。
特に医療的ケアを受けている方の首元は、汗をかきやすく、摩擦や蒸れでかぶれやすいデリケートな部位。
だからこそ、ダブルガーゼやコットンフランネルなど、吸湿性と通気性に優れた素材を選ぶことが、実は「快適性」と「安全性」を大きく左右します。
また、デザイン面でも遊び心を加えることができます。
好きなキャラクター柄を使って気分を上げたり、季節感のある布を使ってファッションとしても楽しめるようにしたり。
Kagayaが特におすすめするのは、表面は柄布、裏面は無地ガーゼという組み合わせ。
肌側はやさしく、表はおしゃれ。
このバランスがとても使いやすいです。
さらに「紐」にも注目。既製品の綾テープは時短&強度面で非常に優秀ですが、共布で紐まで手作りすると、見た目の統一感がグッと増します。
共布は肌あたりがやさしい反面、細くすると強度が落ちやすいので、二重に縫ったり芯を入れたりと工夫するのもおすすめ。
また、色や柄の選び方にもコツがあります。
チェック柄やストライプ柄を使えば裁断・折り目の目印になりやすく、初心者でも作業がしやすいんです。
Kagaya流こだわりポイント
- 裏面はガーゼ、表面は柄布で快適&かわいい
- 綾テープは強度◎・共布紐は見た目◎で選ぶ
- ギンガムチェックなど格子柄なら縫いやすい
- 縫い目に刺繍を入れると作品感がUP♪
ほんの少しの工夫でも、使う人・作る人の気持ちが明るくなるのが手作りの良さです。
たとえ同じ作り方でも、「誰のために、どんな場面で使ってほしいか」を意識して作ると、そのバンドにはちゃんと温度が宿ります。
ぜひ、あなただけの“こだわりの一品”を作ってみてくださいね。
🌟まとめ
市販のカニューレバンドは種類も豊富で便利ですが、自分で作る紐タイプのバンドは、安全性・デザイン・コスト面でもたくさんの魅力があります。
マジックテープタイプは着脱が簡単で人気ですが、使用を重ねるごとにテープの粘着力が弱くなってしまうという大きな欠点があります。
その点、紐タイプであれば紐が切れない限り、何度でも再利用が可能。
適切な素材を選び、正しい手順で作れば、長く使える安心のケアアイテムになります。
紐の素材として人気なのが「綾テープ」や「真田紐」。
特に真田紐は和風で上品な印象があり、シンプルな布との相性も抜群です。
ただし、真田紐は幅が狭いもの(2分巾=約6mm)だと、細くて首に食い込みやすくなるため、布が柔らかすぎると負担になることもあります。
逆に、幅広で色柄がある「サムライリボン」などは装飾的に華やかで、見た目の個性を出したいときにぴったりです。
また、ギンガムチェック柄の布などを使えば、1cm幅の目印が取りやすく、定規なしでもキレイに折り目が付けられるため、初心者にもおすすめです。
制作時間は慣れてくれば1本あたり10〜15分程度。
家族分や洗い替え用にも、気軽に作り足せます。
何より、自分で作ったものはサイズもぴったり。既製品にはないフィット感が得られるうえ、コストも抑えられます。
両端を結ぶ「チョウチョ」は確かに少し目立ちますが、それが手作りならではの優しさや温かさにもなります。
「市販品が合わなかった」「肌が弱くてかぶれやすい」「オシャレも楽しみたい」……そんな方にこそ、ジプシーナース流・紐タイプのカニューレバンドを試していただきたいです。
自分の手で作ることで、「大切な誰かを守る道具」に、より深い意味が加わります。
ぜひ、楽しみながらチャレンジしてみてくださいね♪