
こんにちは。
プライマリ・ケアサポート きらぼし、鍼灸師・看護師のKagayaです。
最近、あらためて「きらぼし」の活動の方向性を見直していました。
というのも──
どこかで、ほんの少し、本来目指していたものからズレてしまっていたのではないかと、気づいたからです。
地域マルシェに参加したけれど
「きらぼし」をもっと多くの人に知ってもらいたい。
そんな想いから、耳ツボを使った体験型ワークショップを、地域のマルシェなどで行うことにしました。
実際にお声がけをすると、耳ツボに興味を持ってくださる方は多く、会話も弾みます。
ただ、その場で出会う方々の多くは「きらぼし」が本来対象としている、障がいのあるお子さんやご家族など療育支援が必要な方とは異なる層。
つまり、「きらぼし」で提供したいサービスと、マルシェの雰囲気や客層が微妙にずれている。
そんな違和感を覚えたのです。
ChatGPTとイメージキャラクターと、迷走しかけたホームページ
さらに、Kagaya はChatGPTにもハマっていました。
AIを使って、キャラクターを作ったり、世界観を構築したり。
とても楽しくて、創造的で、ある意味「きらぼし」の魅力を伝える手段にもなり得るものでした。
でもふと、「これって、Kagayaが本当にやりたいことなのか?」と立ち止まりました。
Kagayaが目指していたのは、もっと現場に寄り添ったケアの形。
鍼灸と看護を組み合わせて、必要な人に、必要な形で届けることだったはずです。
自費ケアゆえの難しさと、営業の壁
「きらぼし」のケアは、現状では自費で行っています。
そのため、医療機関や訪問看護事業所、相談支援事業所、障がい者福祉施設などへ営業をかけるのが難しいと感じていました。
「保険が使えないなら……」「うちのサービスとは連携しにくい」そんな声を、何度か耳にしました。
でも、あるホームページで、保険適応の訪問看護を利用して、自分の専門性を活かした活動している方の例を見つけたのです。
鍼灸と看護のハイブリッドケアは、保険適応できるのか?
鍼灸で保険適応を受けるには、医師の同意書が必要です。
ただし、保険請求の方法には2つあります。
- 償還払い方式:一度患者さんが全額を立て替え、自分で申請して払い戻しを受ける
- 受領委任方式:患者さんは2〜3割だけを支払い、残りは施術者が保険請求
この「受領委任」を行うには、実務経験と厚労省指定の研修の修了が必須。
Kagayaはまだその要件を満たしていないため、現時点では自分で受領委任を行うことができません。
業務委託という選択肢と、その現実
ではどうするか?
保険請求ができる鍼灸院と業務委託契約を結べば、自分の施術も保険扱いにできる可能性があります。
実際、鍼灸業界ではこのような委託業務が多く存在します。
ただし、その報酬体系は厳しく、施術費の3割前後を会社に差し引かれることが一般的。
また、保険請求代行という形で収益を得ている業者もあり、なかにはグレーな体制も……。
そんな中、信頼できる鍼灸院に出会い、「きらぼし」の活動と提携して、保険請求ができる方法を模索して確認ができたので、保健所などへの届け出が完了すれば正式にKagayaの治療で保険使えるようになりなす。
訪問看護との連携はどうか?
鍼灸と並行して、訪問看護事業所との提携も考えました。
ただ、こちらでも苦い経験をしました。
ある事業所に相談をしたところ、初めから断るつもりだったのか、わざわざ電話で時間を取らせたうえで、イヤミのような対応をされました。
事業所としてのリスクや諸々のデメリットを考えると、簡単に提携を受け入れてもらえるとは思ってないし、メールで断わってくれた方がお互いのためではないか?
「そういうこと、当社ではやってませんから」といった言い方に、心底がっかりしました。
色々な働き方ができると謳っておいて。。
さらに、「当社にメリットがない」とも言われました。
そりゃ、そうだろけれども?
でも、本当にメリットがないのでしょうか?
たとえば、報酬の何割かをステーション側の売上として計上することで、経済的な利益を生むことが可能です。
また、看護師が不足していて訪問に回れないときには、Kagayaのような人材がピンチヒッターとして役立つこともあるはずです。
そうした体制を整えれば、Win-Winな関係を築くことができると思っています。
交渉次第で道は開けるはずなのに、最初から「メリットがない」と切り捨てられてしまったことに、非常に残念な気持ちになりました。
そもそも「メリット」のことしか考えられない組織に、柔軟で融通のきく訪問はできるのか──そんな疑問すら感じてしまいました。
Kagaya自身、一人の看護師としてその事業所に就職することも考えていたのですが、その対応を見て「ここでは働けない」と直感的に感じました。
結局、自分の所属する訪問看護ステーションに相談し、理解を得る方向で話を進めています。
たどりついた原点と、今後の方針
こうして改めて振り返ってみると──「きらぼし」で保険適応の治療を行うためには、さまざまな手続きをクリアしないといけないことがわかりました。
でも、それができるようになれば、医療機関や福祉施設、相談員への営業もしやすくなります。
安心して利用していただけるサービスとして、しっかりと社会に届けられるはずです。
そしてなによりも、鍼灸と看護のハイブリッドケアを、必要な人に正当に届けたい。
そのために、Kagayaは一つずつ準備を進めていきます。
ここまで読んでくださって、ありがとうございます。
「きらぼし」が再び、原点に立ち返って、必要な人のために必要なケアを届けられるよう、これからも精一杯取り組んでまいります。