
🌟鍼灸院でスヌーズレン?心と身体を癒す新しいアプローチ
こんにちは。
プライマリ・ケアサポート きらぼし、鍼灸師・看護師のKagayaです。
Kagayaの事業所では、今後「スヌーズレン」を取り入れた施術空間の提供を予定しています。
スヌーズレンはまだ日本ではあまり知られていない言葉かもしれませんが、重度知的障がいのある子どもたちのために1970年代のオランダで開発された感覚統合療法の一種です。
スヌーズレン(Snoezelen)という言葉自体は、オランダ語の「スヌーフェレン(snuffelen:匂いをかぐ)」と「ドーゼレン(doezelen:うとうとする)」という2つの言葉が合わさってできた造語で、「心地よく感覚を刺激しながら、深いリラクゼーション状態に導く」ことを目的としています。
このアプローチは、視覚・聴覚・嗅覚・触覚・前庭覚(バランス)など五感をやさしく刺激することで、脳に安心感や心地よい興奮を与え、ストレスを軽減し、情緒を安定させる効果があるとされています。
当初は重度知的障がい児の施設から導入が始まりましたが、その効果が評価され、現在では発達障がい、重症心身障がい、精神疾患(うつ・PTSDなど)、高齢者(特に認知症)など、さまざまなニーズを持つ方々に対してスヌーズレン空間が活用されるようになってきました。
日本でも少しずつ認知が広がっており、特別支援学校や福祉施設の一部では導入が進んでいますが、鍼灸院で本格的にスヌーズレン空間を取り入れている例はまだ少なく、非常に珍しい取り組みです。
Kagayaがこのスヌーズレンに注目した理由は、東洋医学でも重視されている「心身一如(しんしんいちにょ)」という考え方と通じるものがあるからです。
心と身体は密接につながっていて、どちらかが乱れるともう一方にも影響を与えます。
ストレスや不安によって交感神経が優位な状態が続くと、筋肉が緊張し、血流が悪化し、消化や免疫の働きも低下してしまいます。
そんなとき、スヌーズレン空間でやさしく感覚に働きかけると、副交感神経が優位になり、自然と身体がリラックスモードに切り替わっていきます。
このような状態で施術を行えば、鍼灸や手技療法の効果もより引き出されやすくなります。
まさに「場の力」と「治療の力」が相乗効果をもたらす新しいかたちのケアです。
また、スヌーズレンの特徴は「誰でも利用できる」という点にもあります。
障がいの有無に関係なく、子どもから高齢者まで、安心して過ごせる癒しの場として機能します。
たとえば、自閉スペクトラム症のあるお子さんが感覚過敏を緩和したり、不安や緊張が強い方が施術前に心を落ち着けたりするためにも活用できます。
鍼灸とスヌーズレン。
どちらも古くて新しい“人にやさしい”アプローチ。
Kagayaはこの2つを融合させることで、より深い癒しと安心感を提供できると信じています。
対象 | 期待される効果 |
---|---|
重度知的障がい | 情緒安定・安心感の提供 |
発達障がい | 感覚過敏・鈍麻への調整支援 |
精神疾患(うつ・PTSD) | ストレス軽減・集中力の回復 |
高齢者(認知症) | 安心空間・記憶想起支援 |
🌟夢のスヌーズレン部屋作りに欲しい物
Kagayaは将来的には、テナント開業を視野に入れており、その際には「6畳程度のスヌーズレン専用空間」を設ける計画です。
スヌーズレンは五感にやさしく働きかけ、心身をリラックス状態へと導いてくれるため、鍼灸や手技療法ととても相性がよいと考えています。
中でも、光や音、振動、触感といった感覚刺激を最大限に活かすためには、専用のスヌーズレン機材の導入が不可欠です。
今回は、スヌーズレングッズを多数取り扱っているスヌーズレンshopさんから、Kagayaが実際に「導入したい!」と感じたアイテムをご紹介します。
スヌーズレンDOME
スヌーズレンshopより
まずひとつ目は、空間そのものを包み込む「スヌーズレンDOME」。
これはドーム状の簡易テントのような構造になっており、直径1.5mと3mの2種類があります。
3mタイプはおよそ4.5畳分の広さをカバーでき、6畳のスヌーズレン部屋にちょうどよいサイズ感です。
部屋全体をスヌーズレン仕様にするのも魅力的ですが、ドーム内に入ることで「特別な空間に包まれている」という非日常の感覚がより強まり、没入感が高まるのが特徴です。
中に光るアイテムや香り、音を配置して、自分だけの癒し空間を作ることができます。
リラックスした状態で鍼灸施術を受けてもらうためにも、このドームは非常に有効だと考えています。
お値段は36,700円ほどで、コスト的にも導入しやすいのが嬉しいポイントです。
光の惑星「ジュピター」
スヌーズレンshopより
部屋全体をスヌーズレン部屋にするのもいいですが、DOMEの中に入るという非日常的な感覚がまたいいのではないかと思います。
次にご紹介したいのが、感覚的な好奇心をくすぐる光の球体「ジュピター」。
サイズは30cm~60cmまであり、叩いたり音に反応することで色が変化するギミック付き。
子どもだけでなく、大人の方もその幻想的な光に引き込まれること間違いなしです。
スヌーズレンといえば「光の球体」は外せないアイテム。
部屋に1つあるだけで視覚刺激の中心になります。
ただし、サイズによって価格は45,400円~90,000円と少しお高め。
空間の広さやバランスを考慮し、最適なサイズを1~2個ほど選ぶのが現実的かもしれません。
4つ全部そろえたらとても幻想的ですが、狭い空間ではやや強刺激になってしまう可能性もあるため、「少数精鋭で配置バランスを整える」のがプロの工夫だと思います。
バブルチューブ
スヌーズレンshopより
そして、スヌーズレン空間に欠かせないもう一つのアイテムが「バブルチューブ」。
透明な筒の中を気泡がゆらゆらと立ち上る仕掛けで、視覚だけでなく「微細な振動音」も含めた聴覚刺激が楽しめます。
ストレスの軽減や情緒安定の効果が期待でき、長く見ていたくなる癒しアイテムです。
Kagayaとしては、部屋の対角線上に2本設置したいなと考えています。
泡の動きが部屋全体にやさしいリズムを生み出し、スヌーズレンの核になる存在。
見た目も美しく、子どもたちにも大人気になること間違いなしです。
こちらは21万7,000円と高額ですが、耐久性・存在感ともに申し分ないクオリティです。
本格的に「五感に訴える空間」を目指すなら、ぜひ導入したい逸品です。
🌟Yogibo(ヨギボー)でつくる安心ポジショニング空間
Yogibo公式ホームページより
「人をダメにするソファ」として一時期話題になったYogibo(ヨギボー)は、実は感覚統合や療育の現場でも高く評価されているアイテムです。
Kagayaの事業所では、施術ベッドの代替や補助的なポジショニングツールとしてYogiboを活用したスヌーズレン空間の構築を考えています。
Yogiboの最大の魅力は、「全身が包まれるような安心感」です。
中に入っている特殊なビーズが身体の形にしっかりフィットし、まるで浮かんでいるかのような感覚をもたらします。
リラックスした状態で副交感神経が優位になり、心も身体もゆるむ理想的なポジションが自然に得られるのです。
また、療育現場や訪問リハビリの分野では、Yogiboを「腹臥位(うつぶせ寝)」のマットとして代用するケースもあります。
特に重症心身障がい児(者)において、クッション性が高く姿勢が崩れにくいため、理学療法士や作業療法士からも一定の支持を得ています。
Yogiboに身を預けながら、やさしいヒーリング音楽や香り、光の球体(光刺激)を加えることで、まさに五感に心地よい刺激を届ける「スヌーズレン空間」が完成します。
特別な機器がなくても、このクッションひとつで空間の質を大きく底上げできる点も魅力です。
とくに発達障がいや感覚処理障がい(SPD)を持つお子さんにとって、身体に触れる素材や形はとても重要です。
Yogiboはビニールやプラスチック素材では得られない「柔らかくて包み込まれる感触」を提供してくれるため、過敏傾向のある子でも安心して使用できるケースが多いです。
施術時にはこの上で耳鍼やお灸を行ったり、ご家族が一緒に座っていただくリラックススペースとしても活用できます。
触れた瞬間から「わあ、気持ちいい!」という声が漏れるほど、誰にとっても心地よい存在感を持つアイテムです。
Yogiboの価格はサイズにもよりますが、人気の「Yogibo Max」は約34,800円(税込)。
見た目もおしゃれでカラー展開も豊富なので、スヌーズレン空間の雰囲気に合わせてコーディネートするのも楽しみのひとつです。
持ち運びも意外と簡単で、訪問施術やイベントにも持ち出しやすい点もポイントです。
Yogiboが1つあるだけで、空間全体が「安心・やすらぎ」に包まれる、そんな存在になってくれるでしょう。
🌟リーズナブルにできるスヌーズレングッズ
「スヌーズレンに興味はあるけれど、高額な専用機器をそろえるのはちょっと…」という方もご安心ください。
Kagaya個人は、リーズナブルなアイテムで工夫してスヌーズレン的な空間を演出しています。
100円ショップやAmazon、雑貨屋などで手軽に手に入るグッズを上手に活用することで、五感にやさしく働きかける環境を整えることは十分に可能です。
以下に、Kagayaが実際に活用している or おすすめする簡易スヌーズレングッズをご紹介します。
「光るおもちゃ」「LEDキャンドル」
動きに反応して光るおもちゃは、子どもたちが驚きと安心を感じやすいアイテムです。
LEDキャンドルは火を使わず「ゆらぎ」を感じることができます。
小さなアイテムでも、複数を組み合わせて点在させることで、空間全体がふんわりと明るくなり、癒しの演出ができます。
コンセント不要で使えるため、訪問施術先でも活躍しています。
光るおもちゃはキャンドルはダイソーでも購入できます。
月ライトやプラネタリウム
お手頃価格で本格的なスヌーズレン系グッズです。
たとえば、月の形をしたLEDライトや、部屋全体を星空にする家庭用プラネタリウムなどは大人にも人気です。
Kagayaも夜の施術の際に「月ライト」をよく使っています。
やさしい光が身体を包み込み、特に女性の方はリラックスしやすくなると好評です。
月ライトはUSB充電式で持ち運びもしやすく、訪問にも便利です。
音楽と連動するタイプもあり、ヒーリング音楽と光刺激を組み合わせることで、よりスヌーズレンらしい空間を演出できます。
おうちにあるクッションやカーテンも活用
実はスヌーズレンの基本は「やわらかい」「あたたかい」「包まれる」感覚を満たすことにあります。
ですので、おうちにあるクッションや毛布、遮光カーテンなどを活用するだけでも、それらしい雰囲気を作ることができます。
たとえば、遮光カーテンで部屋を暗くし、LEDライトを点灯。
ふわふわの毛布で身体を包んであげれば、それだけで心と身体が落ち着く空間が完成します。
大切なのは、環境を「安全・安心」に整えることです。
無理に高価な機器を買う必要はありません。
できることから始めて、「感覚に寄り添う空間づくり」を一緒に楽しんでいきましょう。
スヌーズレン作りの予算
スヌーズレンを取り入れた空間を鍼灸院に設置するにあたって、最も現実的な課題はやはり「予算」です。
Kagayaが訪問鍼灸で行うスヌーズレン的アプローチは、比較的リーズナブルなアイテムを活用しており、持ち運びのしやすさと安全性を重視しています。
光るボールやLEDキャンドル、月ライトや星空プロジェクターなどを組み合わせて、「持ち運びできるスヌーズレン空間」を構築できます。
これらのアイテムはどれも1,000円以下から数千円程度で手に入り、予算にやさしい選択肢です。
しかし、テナント開業後に鍼灸院として本格的なスヌーズレン部屋を作る場合は、話が変わってきます。
お客様が安心して入室し、心からくつろげる空間を提供するには、ある程度の品質と耐久性、そして安全性が担保された機器が必要です。
スヌーズレンshopで扱われているような、スヌーズレンDOME(約36,700円)、バブルチューブ(約217,000円)、光る球体ジュピター(約45,000円~)、Yogibo Max(約34,800円)などを取り入れていくと、合計で400,000円〜500,000円規模の設備投資になります。
そのほかにも、遮光カーテンの設置、配線・照明工事、施術スペースとの間仕切りなど、実際の空間づくりには細かなコストもかかります。
全体として見積もると、最低でも40万円前後、理想的な環境を整えるには50〜60万円ほどを見込んでおく必要があります。
もちろん、一気にすべてを揃えるのは現実的ではないかもしれません。
Kagayaとしても、まずは必要最低限のアイテムからスタートし、お客様の反応や導入効果を見ながら少しずつ充実させていく方針です。
初期導入は約20万円を目安に、段階的に設備投資を進めていく予定です。
テナント開業に向けては、こうした設備資金も含めて計画的に準備を進めています。
必要であれば補助金制度の活用や、クラウドファンディングの活用も視野に入れて、スヌーズレンを誰でも体験できる鍼灸院を実現させたいと考えています。
訪問では手軽に、テナントでは本格的に。
予算に合わせたスヌーズレンの形を模索しながら、Kagayaのケア空間づくりは日々進化しています。
🌟Kagaya式スヌーズレン施術の流れ(訪問版)
- ①カーテンを閉め、照明を落とします
- ②LED球体やプラネタリウムを投影
- ③Yogiboや柔らかい座布団で姿勢調整
- ④静かな音楽や528Hzヒーリングミュージックを流す
- ⑤必要に応じて耳鍼や手技療法を組み合わせ
子どもから大人まで、感覚に寄り添った癒しのケアを提供しています🌱
🌟まとめ:癒し空間づくりは心をつなぐ第一歩
スヌーズレンは、特別な人だけのものではありません。
障がいや年齢に関係なく、誰もが「安心して自分らしく過ごせる空間」を求めています。
Kagayaが目指すのは、そんな空間を鍼灸や看護ケアと組み合わせて提供することです。
高額な設備がなくても、身近なアイテムを工夫することで、スヌーズレンの魅力を活かすことはできます。
そして、訪問施術の場でも、テナント型の鍼灸院でも、五感をやさしく包む空間を届けることができるのです。
今後、きらぼしのスヌーズレン部屋は少しずつ整っていく予定です。
お子さんも大人も、ただ「ほっとできる」時間を過ごしに、ぜひお立ち寄りください。
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