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広告 西洋医学

国家試験対策~公衆衛生学~

2024-04-19

🌟公衆衛生学の意義

公衆衛生学とは、「個人」ではなく「集団」に対して健康の維持・増進を図る学問です。

医療や看護が個人への対応を重視するのに対し、公衆衛生は人々の生活環境・行動・社会的背景全体に目を向け、病気を未然に防ぎ、健康的な社会をつくることを目的とします。

この分野は、歴史的にも多くの先人たちの功績によって発展してきました。

特に感染症の予防と制圧、衛生的な環境整備、ワクチンの開発などが大きな柱となっています。

著名人とその功績

人名事項
E.ジェンナー種痘法を創始。天然痘予防の基礎を築いた。
R.コッホ細菌の発見者。炭疽菌・結核菌・コレラ菌を特定し、感染症の病因論を確立。
L.パスツール予防接種を開発し、ワクチン理論を科学的に確立。
A.フレミングペニシリンの発見により、細菌感染症の治療革命をもたらした。
A.イェルサン
北里柴三郎
ペスト菌を発見し、疫病制圧の足がかりを築いた。

こうした人物たちの研究と行動は、現代の公衆衛生活動における基本概念の確立に寄与しました。

特に感染症との戦いにおいて、予防接種の普及や抗菌薬の使用などは、多くの人命を救ってきました。

憲章・宣言とその意義

憲章・宣言事項
WHO憲章「健康は身体的・精神的・社会的に良好な状態をいう」と定義。単なる病気の有無ではなく、人間全体の幸福を重要視する。
ジュネーブ宣言医の倫理に関する誓いであり、現代の「ヒポクラテスの誓い」とされる。
ヘルシンキ宣言人を対象とする医学研究において倫理的原則を提示。「インフォームド・コンセント」が重要項目。
※人体実験をするときは説明と同意を取ろうヘルシンキ
アルマ・アタ宣言「プライマリーヘルスケア」の理念を提唱。地域住民が主体となり健康づくりに参加するという視点が強調されている。
※アル=プラ(アルマ・アタ→プライマリーヘルス)
オワタ憲章ヘルスプロモーション(健康増進)を提唱。健康は病気を治すのではなく、予防し育むものという観点から生活全体の質の向上を目指す。
※オタクがヘルスをプロモーション

これらの宣言・憲章は、国際的な医療倫理や保健行動の指針として、今なお世界中で引用されています。

国家試験においても重要頻出項目ですので、語呂合わせも活用しながら確実に覚えましょう。

公衆衛生の本質は「予防」にあります。

つまり、病気を治療するのではなく、病気にならない社会をつくることが最大の使命なのです。

個人の努力だけでなく、社会制度や教育、インフラ整備も含めて幅広い視点が求められます。

第1回-3

WHOの健康の考え方について正しいのはどれか。

  1. 病気がない状態をいう。
  2. 健康はすべての人の権利である。
  3. 自ら健康と思えば健康である。
  4. 肉体的に健康である状態をいう。

第15回-3

WHOによる健康の定義に含まれないのはどれか。

  1. 個人的に良い状態
  2. 身体的に良い状態
  3. 社会的に良い状態
  4. 精神的に良い状態

第25回-11

WHOの主な活動はどれか。

  1. 保健統計の刊行
  2. 労働条件の改善
  3. 地域紛争の解決
  4. 難民の救済援助

第10回-3

公衆衛生的活動でないのはどれか。

  1. 治療薬の開発
  2. 健康増進
  3. 疾病予防
  4. 疾病の早期発見

第13回-3

プライマリーヘルスケアの要素に含まれないのはどれか。

  1. 身近な医療
  2. 継続的な管理
  3. 専門的な医療
  4. 全人的把握

第18回-3

プライマリヘルスケアに関して誤っているのはどれか。

  1. 住民参加
  2. アルマ・アタ宣言
  3. 高度医療
  4. 包括的保健システム

第23回-5

WHOのアルマ・アタ宣言で示されたのはどれか

  1. プライマリ・ヘルス・ケア
  2. ヒトを対象とする医学研究の倫理的原則
  3. インフオームド・コンセント
  4. ヘルスプロモーション

第24回-11

我が国の保険医療分野の国際協力について正しいのはどれか。

  1. 非政府組織(NGO)による医療協力は実施していない。
  2. 二国間協力の実施機関は国際協力機構(JICA)である。
  3. 日本はWHOの南東アジア事務局に属している。
  4. 政府開発援助(ODA)は無償資金協力を行っていない。

第28回-3

ヒトを対象とした医学研究の倫理について定めたのはどれか。

  1. アルマ・アタ宣言
  2. 患者の権利宣言
  3. ヘルシンキ宣言
  4. ジュネーブ宣言

第28回-9

1994年の国際人口開発会議(カイロ会議)で提唱された性と生殖に関する概念はどれか。

  1. リプロダクティブ・ヘルス/ライツ
  2. プライマリ・ヘルス・ケア
  3. ヘルスプロモーション
  4. ファミリー・プランニング

🌟健康の保持増進と疾病予防

現代医療の重要なテーマの一つが「予防」です。医療の進歩により多くの病気が治療可能となった一方で、生活習慣病や精神疾患、感染症などの課題は依然として存在しています。そこで注目されているのが、「病気になってから治す」医療から「病気にならないようにする」予防医学への転換です。

疾病予防は、目的と介入のタイミングにより第一次予防・第二次予防・第三次予防の3段階に分類されます。この三段階モデルは、国家試験でも頻出の重要ポイントです。

予防の三段階モデル

予防レベル内容具体例
第一次予防健康増進
特異的予防
予防接種
禁煙などの危険因子の除去
安全な水の供給
事故防止
健康教育
栄養指導
検疫
第二次予防早期発見
早期治療
健康診断
検査診断
人間ドック
がん検診
第三次予防悪化予防
医療及びリハビリテーション
社会復帰
作業療法
リハビリテーション
後遺症予防
社会復帰促進
職場復帰後の適性配置

第一次予防は「そもそも病気にかからないようにする」ことを目的とし、ワクチン接種や生活習慣の改善、健康教育などが含まれます。

次に、第二次予防では「病気を早期に発見し、進行を防ぐ」ことを目的として健康診断やがん検診が行われます。

最後の第三次予防では「発症後の悪化を防ぎ、社会復帰を支援する」ことに重点が置かれ、リハビリや職場復帰支援が該当します。

このように、健康維持と病気の予防には多角的なアプローチが必要です。それぞれの段階での的確な対応が、健康寿命の延伸や医療費の削減にもつながります。

保健所と保健センターの役割の違い

地域における健康支援の拠点として重要なのが「保健所」と「保健センター」です。

両者は地域保健法に基づいて設置されていますが、役割や機能に違いがあります。以下の表で比較してみましょう。

保健所保健センター
役割疾病の予防・健康増進・環境衛生などの公衆衛生活動地域住民に対人サービスを総合的に行う拠点
根拠法令地域保健法地域保健法
設置地域保健法施行令で定める市で必置市町村
所長原則医師医師である必要はなし
業務食品衛生・環境衛生・医療機関・薬事などの監視・指導監督的機能はない

保健所は主に「監督・指導」を担う機関であり、専門性が高く、所長は原則として医師である必要があります。

一方、保健センターは住民との接点が近く、乳幼児健診や健康相談など「対人サービス」に重きを置いています。

両者の役割を理解することは、地域包括ケアの実践や多職種連携において非常に重要です。

国家試験でもよく問われる分野ですので、役割・根拠法・設置主体の違いをしっかりと押さえておきましょう。

第1回-4

保健所の健康管理の対象者で正しいのはどれか。

  1. 幼稚園児
  2. 教職員
  3. 雇用者
  4. 自営業者

第8回-4

保健所の業務内容でないのはどれか。

  1. 人口動態統計
  2. 労働衛生
  3. 保健婦(士)の活動
  4. 衛生検査

第23回-7

保健所の役割はどれか。

  1. 食品衛生の監視
  2. 生活保護の認定
  3. 車の排ガス測定
  4. 医療訴訟の受付

第30回-8

保健所について誤っているのはどれか。

  1. 栄養の改善および食品衛生に関する業務を行う。
  2. 地域保健法で規定される。
  3. 地域保健に係る統計に関する業務を行う。
  4. 保健所長は医師である必要がある。

第26回-4

市町村保健センターの役割はどれか。

  1. 食品衛生に関する業務
  2. 乳幼児健診
  3. 環境衛生に関する業務
  4. エイズに関する相談

第7回-10

医療従事者数で最も多いのはどれか。

  1. あん摩マッサージ指圧師
  2. 看護婦(士)
  3. はり師・きゅう師
  4. 医師

第10回-4

喫煙が危険因子となる疾患はどれか。

  1. 結腸癌
  2. 乳癌
  3. 食道癌
  4. 白血病

第19回-10

食道がんの危険因子はどれか。

  1. 果実
  2. 緑黄色野莱
  3. アルコール飲料
  4. 大豆製品

第11回-7

発がん性の強いのはどれか。

  1. タバコ
  2. 生野菜
  3. 煮魚
  4. コーヒー

第10回-4

我が国の医療保障について誤っている記述はどれか。

  1. 老人保健法の医療給付の対象は60歳以上である。
  2. 医療保険は現物給付方式である。
  3. 結核で知事の命により入院させる場合には公費医療が適用される。
  4. 国民健康保険は市町村が保険者である。

第12回-5

生活保護制度に直接関与するのはどれか。

  1. 民生委員
  2. 介護支援専門員
  3. 保健師
  4. ホームヘルパー

第14回-3

運動の効果について誤っているのはどれか。

  1. HDLコレステロール値を下げる。
  2. ストレスを減らす。
  3. 体重を減らす。
  4. 血糖値を下げる。

第25回-3

公費医療の対象とならないのはどれか。

  1. 母子保健法による養育医療
  2. 労働基準法による業務上疾病の治療
  3. 精神保健及び精神障害者福祉に関する法律による措置入院
  4. 生活保護法による医療扶助

第29回-3

地域医療計画の策定における第三次医療圏の圏域に相当するのはどれか。

  1. 広域都道府県単位
  2. 都道府県単位
  3. 広域市町村単位
  4. 市町村単位

第24回-5

一次予防はどれか。

  1. リハビリテーション
  2. 生活環境改善
  3. 社会復帰
  4. がん検診

第9回-4

第一次予防でないのはどれか。

  1. 健康診査
  2. 安全な水の供給
  3. 予防接種
  4. 健康教育

第11回-5

第一次予防でないのはどれか。

  1. 禁煙
  2. 予防接種
  3. 健康診断
  4. 健康教育

第19回-6

二次予防はどれか。

  1. 禁煙
  2. 機能訓練
  3. 予防接種
  4. 健康診断

第27回-7

二次予防はどれか。

  1. 健康診断
  2. 検疫
  3. 栄養指導
  4. 後遺症予防

第23回-8

疾病予防のうち二次予防はどれか。

  1. 予防接種
  2. 健康診断
  3. 健康教育
  4. 作業療法

第31回-5

疾病予防の段階について、二次予防に分類されるのはどれか。

  1. 遺伝相談
  2. 発がん物質対策
  3. 感染経路対策
  4. スクリーニング検査

第13回-4

第三次予防はどれか。

  1. 予防接種
  2. 禁煙
  3. がん検診
  4. リハビリテーション

第20回-3

三次予防はどれか。

  1. 事故防止
  2. がん検診
  3. 適正配置
  4. 安全な水の供給

第28回-4

疾病の三次予防はどれか。

  1. 予防接種
  2. リハビリテーション
  3. 健康診査
  4. 健康教育

第3回-8

予防保健と対策との組合せで正しいのはどれか。

  1. 第三次予防 ─── 職業病対策
  2. 第二次予防 ─── 事故防止
  3. 健康増進 ──── 職業訓練
  4. 第一次予防 ─── 予防接種

第8回-3

公衆衛生について誤っている組合せはどれか。

  1. 第一次予防 ─── 健康増進
  2. 包括保健 ──── 総合的保健
  3. 第二次予防 ─── 予防接種
  4. 第三次予防 ─── 社会復帰

第8回-8

疾患と第一次予防との組合せで効果のないのはどれか。

  1. 糖尿病 ──── 適度の運動
  2. 肺癌 ───── 禁煙
  3. 脳梗塞 ──── 動物性脂肪の摂取
  4. 心筋梗塞 ─── ストレスの回避

第16回-6

予防について正しい組合せはどれか。

  1. がん検診 ──────── 第一次予防
  2. 予防接種 ──────── 第二次予防
  3. リハビリテーション ─── 第三次予防
  4. 禁酒 ────────── 第二次予防

第30回-5

疾病予防について、ハイリスクアプローチはどれか。

  1. 市民対象のウォーキング大会の実施
  2. 食習慣改善のための広報活動
  3. 喫煙者に対する禁煙指導の実施
  4. 受動喫煙を減らすための法整備

🌟ライフスタイルと健康

現代社会では、日々の生活習慣や食生活が私たちの健康に大きな影響を及ぼしています。

特に「食の安全」「栄養のバランス」「生活環境の質」は、疾病予防や健康維持の土台といえます。

この章では、食中毒・食事摂取基準・ビタミン欠乏症について、国家試験対策として整理しておきましょう。

食中毒の分類と特徴

食中毒は、原因によって細菌性・ウイルス性・自然毒などに分類されます。

ここでは国家試験で頻出する細菌性と自然毒性の主なパターンを押さえておきましょう。

細菌性食中毒

感染型
食中毒とその原因キーワード
腸炎ビブリオ魚介類に多い/夏に多い/60℃で死滅
サルモネラ菌十分な加熱/人畜共通感染症/ネズミ・ハエ対策が必要
病原性大腸菌O157など/加熱が有効/乳幼児は重症化しやすい
毒素型
食中毒とその原因キーワード
ブドウ球菌耐熱性エンテロトキシン/潜伏期が短い(1〜5時間)
ボツリヌス菌強力な神経毒/運動神経麻痺→呼吸筋麻痺/死亡率高い/四類感染症

自然毒による食中毒

食中毒とその原因キーワード
ふぐ毒テトロドトキシン/加熱・冷凍で分解されない/呼吸麻痺・死亡リスク高い
毒キノコ胃腸型・脳症型・コレラ様型など多様な症状を呈する

ポイント:細菌性の食中毒は「加熱」が対策の基本。毒素型は「毒素そのもの」に対して耐熱性があるため、加熱しても無害化できない場合があります。

食事摂取基準の用語と意味

健康的な食生活を実践する上で欠かせないのが「食事摂取基準」です。

これは、厚生労働省が5年ごとに策定している指標で、各栄養素の適切な摂取量を示しています。

以下の表に主な用語を整理しました。

用語定義
推定エネルギー必要量1日に必要とされるエネルギー量
推定平均必要量50%の人が欠乏しないとされる栄養素の量
推奨量ほとんどの人(97〜98%)が必要量を満たす量
目安量データが不足している栄養素について、おおよその必要量
目標量生活習慣病の予防や改善を目的とする摂取量
耐容上限量健康被害が生じないと考えられる最大摂取量

この分類は、特に「ビタミン・ミネラルの評価」や「ダイエット・肥満対策」などで活用されるため、国家試験にも頻出です。

ビタミン欠乏症と症状

ビタミンは微量ながら、体内の代謝や機能維持に欠かせない栄養素です。

欠乏すると様々な症状が現れます。

国家試験では、栄養素→症状の対応を問う出題が多く見られます。

栄養素効果欠乏症
タンパク質免疫力向上、身体作り発育不全/栄養失調/免疫低下
カルシウム骨・歯・筋肉の発達に必須骨粗しょう症
ビタミンA視力や成長促進に関与夜盲症
ビタミンB1糖代謝に関与脚気(末梢神経障害)
ビタミンB2エネルギー代謝に関与口角炎、皮膚炎
ビタミンCコラーゲン合成に必須壊血病(歯肉出血など)
ビタミンDカルシウム吸収を助けるくる病(小児)/骨軟化症(成人)
ビタミンK血液凝固因子の合成出血傾向
ビタミンE抗酸化作用新生児貧血/不妊・老化促進

覚え方のヒント:「A→目、B1→神経、B2→皮膚、C→血管、D→骨、K→血液、E→若さ」と、働きを体の部位に紐づけて覚えると整理しやすいです。

第1回-5

食中毒で正しいのはどれか。

  1. サルモネラ食中毒は食品の水洗いで防止できる。
  2. 腸炎ビブリオは60℃ぐらいで死滅する。
  3. ボツリヌス菌食中毒の毒素は熱に強い。
  4. ブドウ球菌食中毒の毒素は加熱すれば破壊される。

第14回-8

食中毒について正しい組合せはどれか。

  1. ブドウ球菌 ──── 魚介類
  2. 腸炎ビブリオ ─── ネズミ
  3. ノロウイルス ─── 貝類
  4. サルモネラ属 ─── 手指の化膿創

第20回-4

腸炎ビブリオ食中毒について正しい記述はどれか。

  1. 予防には加熱が有効である。
  2. 冬季に多い。
  3. 原因菌は大腸菌群に分類される。
  4. 潜伏期は平均20時間前後である。

第4回-6

食事後最も短時間で発症する食中毒の原因菌はどれか。

  1. 腸炎ビブリオ
  2. サルモネラ
  3. ブドウ球菌
  4. 病原大腸菌

第9回-7

感染型細菌性食中毒の原因菌でないのはどれか。

  1. 腸炎ビブリオ
  2. カンピロバクター
  3. サルモネラ菌
  4. ボツリヌス菌

第17回-6

自家製の飯ずしを食べた者が呼吸困難と神経麻痺を起こした。病原体はどれか。

  1. ノロウイルス
  2. サルモネラ属
  3. ボツリヌス菌
  4. ブドウ球菌

第26回-8

アニサキス症の主症状はどれか。

  1. 血尿
  2. 発熱
  3. 下痢
  4. 腹痛

第6回-3

食中毒の予防対策でないのはどれか。

  1. 水質検査
  2. 加熱調理
  3. 患者の隔離
  4. 手洗いの励行

第29回-5

2019年の食中毒統計において食中毒の発生件数が最も多いのはどれか。

  1. 病院
  2. 飲食店
  3. 学校
  4. 家庭

第2回-5

我が国の食生活でとりすぎが最も問題となる栄養素はどれか。

  1. 食塩
  2. 動物性脂肪
  3. 糖質
  4. ビタミンC

第28回-8

日本人の食生活について過剰摂取となっている栄養素はどれか。

  1. ナトリウム
  2. カルシウム
  3. 亜鉛
  4. 食物繊維

第4回-10

最近の我が国における栄養摂取状況で誤っているのはどれか。

  1. 炭水化物は横ばい
  2. 食塩は増加傾向
  3. カルシウムは充足
  4. 動物性脂肪は増加傾向

第12回-8

栄養素とその欠乏症との組合せで正しいのはどれか。

  1. ビタミンD ─── 骨軟化症
  2. ビタミンK ─── ぺラグラ
  3. カルシウム ─── 脚気
  4. 蛋白質 ───── 夜盲症

第8回-5

肥満の判定基準でないのはどれか。

  1. カウプ指数
  2. ローレル指数
  3. ブローカ指数
  4. 生活活動指数

第21回-3

栄養素で推定平均必要量が算出できない場合に用いる指標はどれか。

  1. 耐用上限量
  2. 目安量
  3. 推奨量
  4. 目標量

第22回-6

高齢者の医療の確保に関する法律に基づく特定保健指導において、積極的支援の対象者の判定に用いない検査項目はどれか。

  1. 肝機能
  2. 血糖
  3. 血圧
  4. HDLコレステロール

第23回-10

健康の保持・増進のために好ましくない生活習慣はどれか。

  1. 1日500gの野菜摂取
  2. 1日1万歩の歩行
  3. 1日5gの塩分摂取
  4. 1日100gのアルコール摂取

第24回-6

2000年に策定された食生活指針で誤っているのはどれか。

  1. 穀類は少ない方がよい。
  2. 日々の活動に見合った食事量をとる。
  3. 食事のバランスをとる。
  4. 規則正しく食事する。

第30回-9

運動により減少することが期待されるのはどれか。

  1. 心拍出量
  2. 末梢血管抵抗
  3. インスリン感受性
  4. 最大酸素摂取量

🌟環境と健康

私たちの健康は、食事や運動などの個人的な習慣だけでなく、住環境・大気・水質・気候といった自然環境や生活環境にも大きく左右されます。

環境の悪化は、感染症の拡大や慢性疾患の増加、公害病の発生など、重大な健康被害を引き起こします。

本章では、国家試験でよく出題される「地球環境問題」「水質・空気の管理基準」「公害」について、わかりやすく整理していきます。

環境問題と健康影響

  • 地球温暖化の原因物質:二酸化炭素(CO₂)、水蒸気、メタン、フロン、一酸化窒素
  • 酸性雨の原因物質:イオウ酸化物(SOx)、窒素酸化物(NOx)
  • ダイオキシン:塩化ビニールやプラスチックの不完全燃焼で発生。発がん性あり。
  • 四大公害病:

     ・水俣病…メチル水銀(熊本県)

     ・イタイイタイ病…カドミウム(富山県)

     ・四日市喘息…硫黄酸化物(SOx)(三重県)

     ・新潟水俣病…メチル水銀(新潟県)
  • 典型七公害:大気汚染、水質汚濁、土壌汚染、騒音、振動、地盤沈下、悪臭

こうした環境問題は、個人の努力では防げないため、行政レベルでの法整備や技術対策が不可欠です。

特にダイオキシンなどの有害物質は、ごく微量でも健康に悪影響を及ぼすため、発生源対策と廃棄物管理が重要です。

水質と下水処理の基準

清潔な水の供給と適切な下水処理は、感染症や慢性疾患の予防に直結します。

以下に水関連の国家試験頻出ポイントをまとめます。

水質管理と処理法

  • 上水道の普及率:98.1%
  • 下水道の普及率:79.7%
  • 水道水の消毒法:塩素消毒法(残留塩素0.1mg/L以上)
  • 下水処理法:活性汚泥法(好気性菌による有機物分解)
  • 水質検査:

     ・DO(溶存酸素):低いほど水が汚れている

     ・BOD(生物化学的酸素要求量):高いほど有機物が多く汚染されている

     ・COD(化学的酸素要求量):高いほど水の汚染が進行

水の清浄度を表す指標として重要なのが DO・BOD・COD の3つです。

特にBODは、微生物が水中の有機物を分解するのに必要な酸素量を示し、水の汚れを判断する代表的な数値です。

建築環境と室内衛生

室内環境と消毒

  • ビル管理基準:室内の二酸化炭素濃度は1,000ppm以下
  • 室内消毒法:

     ・石炭酸水/クレゾール水:物品消毒や環境清拭用

     ・ホルマリン(ホルムアルデヒド):室内空間消毒(殺菌・殺ウイルス)

オフィスビルや医療施設では、適切な換気と衛生管理が求められます。

密閉空間での空気汚染は、感染症リスクを高めるだけでなく、シックハウス症候群などの健康障害を引き起こすこともあります。

補足:ホルマリンは強力な消毒剤ですが、取り扱いには注意が必要です。

人体に対して毒性があるため、使用後の換気や取り扱い基準を守る必要があります。

このように、「環境と健康」は個人の予防努力だけでなく、行政・地域・職場が一体となって取り組むべき公衆衛生の核心的テーマです。

国家試験では、用語・数値・因果関係の整理が求められるため、暗記だけでなく理解も深めておきましょう。

第2回-9

毒性が最も弱い気体はどれか。

  1. 二酸化炭素
  2. 二酸化窒素
  3. 一酸化炭素
  4. 二酸化硫黄

第2回-10

室内環境条件として誤っているのはどれか。

  1. 一酸化炭素濃度100ppm以下
  2. 二酸化炭素濃度0.1%以下
  3. 湿度40~70%
  4. 温度範囲17~28℃

第3回-7

室内環境測定の指標として最も有用なのはどれか。

  1. オゾン
  2. 二酸化炭素
  3. 悪臭
  4. ハウスダスト

第4回-7

地球温暖化に関係している物質はどれか。

  1. 二酸化炭素
  2. 一酸化炭素
  3. 二酸化硫黄
  4. 二酸化窒素

第11回-9

地球温暖化の原因となっているのはどれか。

  1. 酸素
  2. 二酸化炭素
  3. 水素
  4. 窒素

第5回-4

上水道の消毒方法はどれか。

  1. 煮沸
  2. 過酸化水素水
  3. トリハロメタン
  4. 塩素

第7回-4

水道水の消毒に使われている方法はどれか。

  1. トリハロメタン法
  2. 塩素消毒
  3. 活性炭ろ過
  4. 紫外線消毒

第10回-6

好気性菌を用いる下水処理法はどれか。

  1. 触媒法
  2. 活性汚泥法
  3. 土壌脱臭法
  4. 吸着法

第11回-10

水道法に定める上水道水の要件でないのはどれか。

  1. 酸素の含有量
  2. 無色透明度
  3. 臭味の度合
  4. pH

第22回-3

我が国の下水道行政について正しいのはどれか。

  1. 流域下水道は汚染された河川の水を処理する。
  2. 公共下水道は都道府県が管理する。
  3. 全国民の9割以上が下水道を利用している。
  4. 都市下水路は雨水の排除を目的とする。

第31回-6

上水道の水質基準で「検出されないこと」と決められているのはどれか。

  1. 大腸菌
  2. 総トリハロメタン
  3. 水銀
  4. ヒ素

第5回-5

環境基本法で典型7公害に含まれないのはどれか。

  1. 大気汚染
  2. 水質汚濁
  3. 放射能汚染
  4. 悪臭

第6回-5

オゾン層の破壊と関係ないのはどれか。

  1. 有害紫外線
  2. 皮膚癌
  3. フロンガス
  4. 二酸化炭素

第6回-6

ダイオキシンと関連のないのはどれか。

  1. ゴミ焼却
  2. 塩素消毒
  3. 塩化ビニール
  4. 発癌作用

第14回-4

光化学スモッグの原因物質はどれか。

  1. オキシダント
  2. 一酸化炭素
  3. イオウ酸化物
  4. ダイオキシン

第15回-5

排出によって酸性雨を起こす物質はどれか。

  1. メタンガス
  2. 二酸化硫黄
  3. 一酸化炭素
  4. ダイオキシン

第9回-3

健康被害とその原因との組合せで誤っているのはどれか。

  1. カネミ油症 ────── PCB
  2. ダイオキシン汚染 ─── 塩素系ごみの不完全燃焼
  3. イタイイタイ病 ──── ヒ素
  4. 水俣病 ──────── 有機水銀

第10回-5

疾患と危険因子との組合せで正しいのはどれか。

  1. 水俣病 ──── 有機水銀
  2. 脚気 ───── 肥満
  3. コレラ ──── アルコール飲料
  4. 先天奇形 ─── カドミウム

第9回-9

我が国のごみ処理方法のうち最も処理量の多いのはどれか。

  1. 資源化
  2. 堆肥化
  3. 焼却
  4. 埋め立て

第10回-7

衣服の衛生的条件の組合せで誤っているのはどれか。

  1. 身体の活動 ───── 伸縮性のある材料
  2. 身体の保護 ───── 弾力性のある材料
  3. 皮膚の清潔保持 ─── 吸水性の低い下着
  4. 体温の調節 ───── 通気性の高い材料

第10回-8

公害の特徴でないのはどれか。

  1. 生態系への影響がある。
  2. 人為的災害である。
  3. 被害は短期間で終息する。
  4. 生活環境が汚染される。

第12回-10

我が国の廃棄物処理の現状で誤っている記述はどれか。

  1. 産業廃棄物の処理は市町村が責任者となる。
  2. し尿の水洗化処理は人口の約80%を占める。
  3. ごみ処理に最も多く使われている方法は焼却である。
  4. 廃棄物の量を減らすことが重要な目標である。

第16回-4

非電離放射線はどれか。

  1. エックス線
  2. ガンマ線
  3. 中性子線
  4. 紫外線

第18回-5

紫外線が原因となるのはどれか。

  1. 熱射病
  2. 電気性眼炎
  3. 緑内障
  4. 皮膚血管腫

第16回-5

地球環境の変化について誤っているのはどれか。

  1. 生物種の増加
  2. 熱滞雨林の減少
  3. 酸性雨の増加
  4. 砂漠の増加

第19回-3

汚染が少ないほど測定値が高くなる指標はどれか。

  1. DO(溶存酸素量)
  2. COD(化学的酸素要求量)
  3. BOD(生物学的酸素要求量)
  4. pH(水素イオン濃度)

第21回-8

耳に痛みを感じ始める騒音レベル(デシベル)はどれか。

  1. 約40
  2. 約130
  3. 約70
  4. 約100

第27回-8

生体内でホルモンの作用に影響を与える外因性物質の総称はどれか。

  1. 揮発性有機化合物
  2. 内分泌撹乱化学物質
  3. 浮遊粒子状物質
  4. 大気汚染物質

第27回-8

白内障の原因になりにくいのはどれか。

  1. マイクロ波
  2. 可視光線
  3. 赤外線
  4. 紫外線

第29回-8

生体に照射してもイオン化しない放射線はどれか。

  1. 赤外線
  2. エックス線
  3. 陽子線
  4. 中性子線

🌟産業保健・精神保健

働く人の健康を守る「産業保健」と、こころの健康を支える「精神保健」は、いずれも現代社会で非常に重要な課題です。

長時間労働、ストレス社会、情報機器の発達などにより、身体・精神に不調をきたす労働者が増加しており、公衆衛生の観点からも対策が求められています。

この章では、国家試験に頻出するキーワードや法律的ポイントを整理しながら、産業保健と精神保健の基礎を学んでいきましょう。

産業保健:働く人を守る制度と知識

  • VDT症候群:「テクノストレス眼症」とも呼ばれる。パソコン作業等による目の疲れ、視力低下、首・肩・手指の不調、集中力低下が特徴。
  • 潜函病(減圧症):高圧環境から急激に減圧されることで、体内の窒素が気泡化し、関節痛や神経症状を引き起こす。別名「潜水病」。
  • 労働衛生の三管理:

     ①作業環境管理:有害物質や騒音などの物理的・化学的因子の除去・改善

     ②作業管理:作業時間の調整、保護具の使用、姿勢の工夫など

     ③健康管理:健康診断、健康相談、職場復帰支援など
  • 有害業務従事者:有機溶剤・鉛・放射線などに従事する労働者は、「特殊健康診断」が義務(6か月に1回以上)。

産業保健は、予防医学の実践の場ともいえます。

特に作業環境管理と作業管理を組み合わせることで、労災や職業病の発生を未然に防ぐことができます。

国家試験では、三管理の具体的な内容を問う問題がよく出題されますので、キーワードごとに整理して覚えておきましょう。

精神保健:こころの健康と制度

精神保健のポイント

  • 統合失調症:日本で最も入院患者数が多い精神疾患。幻覚や妄想、思考障害などが特徴。
  • 気分障害:主にうつ病・双極性障害など。外来通院が多く、自殺リスクとも関連。
  • 医療保護入院:精神保健指定医の診察と、家族等の同意が必要。本人の同意がなくても入院できる。

精神保健では、病気そのものだけでなく、患者の人権や生活支援も重要です。

そのため、精神保健福祉法に基づき、入院形態や支援体制の整備が図られています。

特に、医療保護入院は、本人の判断能力が著しく損なわれている場合に必要な制度で、家族や指定医の判断に基づいて安全確保と治療を行うものです。

国家試験では「診断に必要な医師の条件」や「誰の同意が必要か」などが問われます。

また、産業領域でもメンタルヘルス対策が重要視されており、ストレスチェック制度やカウンセリング体制などが企業に義務付けられています。

こころの健康なくして、真の労働安全は成り立ちません。

以上のように、「産業保健」と「精神保健」は、現代社会を支える重要な保健分野です。

試験対策としては、症例に即した用語の整理、法的な仕組みの理解を中心に学習しておくことが大切です。

第2回-7

誤っている組合せはどれか。

  1. 労働者災害補償保険法 ─── 職業病
  2. 事務所衛生基準 ────── 一連続作業時間
  3. 労働基準法 ──────── 労働時間
  4. 労働安全衛生法 ────── 衛生管理者

第1回-7

誤っているのはどれか。

  1. 神経症は精神病の一種である。
  2. 保健所の事業の中に精神衛生に関する事項が含まれている。
  3. 精神発達遅滞は知能の著しく劣っているのをいう。
  4. 精神病患者の人権は尊重されなくてはならない。

第1回-9

労働衛生と関係しないのはどれか。

  1. 総括衛生管理者
  2. 衛生管理者
  3. 産業医
  4. 公害防止管理者

第2回-6

職業との関係が明確でない病態はどれか。

  1. 頸肩腕障害
  2. 局所振動障害
  3. 三叉神経痛
  4. じん肺

第5回-3

VDT作業による症状で適切でないのはどれか。

  1. 騒音性難聴
  2. 手・指・腕のだるさ
  3. 集中力低下
  4. 目の疲れ

第6回-8

産業保健の健康問題のうち最近増えたのはどれか。

  1. 頸肩腕障害
  2. 局所振動障害
  3. じん肺症
  4. VDT作業による目の疲労

第7回-3

職業病でないのはどれか。

  1. じん肺
  2. 局所振動障害
  3. 頸肩腕障害
  4. 四日市ぜん息

第13回-6

疾病とその原因となる作業との組合せで誤っているのはどれか。

  1. 潜函病 ──── 溶接作業
  2. 難聴 ───── 騒音下での作業
  3. じん肺 ──── トンネル掘削作業
  4. 眼精疲労 ─── VDT作業

第14回-5

産業衛生領域における管理に含まれないのはどれか。

  1. 健康管理
  2. 作業管理
  3. 作業環境管理
  4. 人事管理

第19回-4

労働安全衛生法による特殊健康診断の対象となる業務はどれか。

  1. 過重労働
  2. 放射線業務
  3. VDT作業
  4. 重量物運搬作業

第24回-10

我が国の産業保健に関して誤っているのはどれか。

  1. 有害業務の特殊健康診断は6か月に1回実施しなければならない。
  2. 50人以上働く事業所は産業医を置かなければならない。
  3. 最も多く認定される業務上疾病は腰痛症である。
  4. 環境モニタリングは作業管理である。

第25回-4

我が国の平成26年の業務上疾病で最も多いのはどれか。

  1. 化学物質による疾病
  2. 物理的因子による疾病
  3. じん肺および合併症
  4. 災害性腰痛

第27回-4

我が国の2016年に発生した業務上疾病で最も多いのはどれか。

  1. 腰痛
  2. じん肺
  3. 心疾患
  4. 酸素欠乏症

第30回-10

産業衛生管理のうち作業管理はどれか。

  1. 作業環境測定の実施
  2. 防塵マスクの使用
  3. 作業場の換気
  4. 定期健康診断の実施

第26回-9

精神保健について正しいのはどれか。

  1. 統合失調症は脳の器質的疾患である。
  2. うつ病では見当識障害を生じやすい。
  3. 認知症では夜間せん妄を生じやすい。
  4. 適応障害の主症状は幻聴である。

第28回-5

精神保健について誤っているのはどれか。

  1. 長期に社会的入院をしている患者に退院促進支援事業を行う。
  2. ハローワークで就労支援を行う。
  3. 地域医療計画に精神疾患が加えられた。
  4. 精神保健福祉センターは各市町村に置かれる。

第25回-5

精神障害について正しいのはどれか。

  1. 適応障害は脳の器質的障害が原因である。
  2. 認知症は知能が生来低下している状態である。
  3. てんかん発作は一時的な意識消失を伴う。
  4. 抑うつは意識レベルの程度を表している。

第8回-10

精神障害者の医療に含まれないのはどれか。

  1. 通院医療
  2. 措置入院
  3. 養育医療
  4. 任意入院

第17回-7

最近の患者調査で精神障害による入院患者数が最も多いのはどれか。

  1. うつ病
  2. てんかん
  3. 統合失調症
  4. アルツハイマー病

第5回-9

精神障害者の入院について本人の同意により行われるのはどれか。

  1. 医療保護入院
  2. 応急入院
  3. 措置入院
  4. 任意入院

第20回-10

我が国における精神障害の入院形態で最初に検討すべき形態はどれか。

  1. 医療保護入院
  2. 応急入院
  3. 措置入院
  4. 任意入院

第27回-9

我が国の2014年の患者調査で精神障害による入院患者が最も多いのはどれか。

  1. 神経症性障害
  2. てんかん
  3. 統合失調症
  4. 気分障害

第18回-6

最近の患者調査で精神障害者の外来受診者数が最も多いのはどれか。

  1. 統合失調症
  2. アルツハイマー病
  3. てんかん
  4. 気分障害( 躁うつ病を含む)

第24回-7

適応障害でよくみられるのはどれか。

  1. 夜間せん妄
  2. 不安
  3. 見当識障害
  4. けいれん発作

🌟生活習慣病・母子保健・老人保健

私たちの人生の各ステージ—出生から老年期まで—において、健康を守るための対策や制度が存在しています。

生活習慣病の予防、妊産婦・乳児への支援、高齢者への保健サービスなど、幅広い公衆衛生活動が展開されています。

この章では、国家試験に頻出の「生活習慣病」「母子保健」「高齢者保健」について体系的に学んでいきましょう。

生活習慣病の予防と現状

生活習慣病とは、偏った食事・運動不足・喫煙・過度な飲酒・ストレスなどの生活習慣が主な要因となって発症する慢性疾患の総称です。

代表的な疾患には、糖尿病、高血圧、脂質異常症、虚血性心疾患、脳血管疾患などがあります。

生活習慣病は「一次予防(発症予防)」「二次予防(早期発見)」「三次予防(重症化・再発防止)」が重要です。

特に健康診断・特定健診の受診率向上が国の施策でも推奨されています。

母子保健:新生児・乳児期の支援

母子保健とは、妊娠・出産・育児の過程で、母親と子どもの健康を守るための施策を指します。

出産前からのサポートが非常に重要で、国家試験では各時期の定義や母子手帳、死亡要因などが問われます。

用語と制度の整理

  • 早期新生児:生後1週未満(0〜6日)
  • 新生児:生後4週未満(0〜27日)
  • 乳児:生後1年未満
  • 母子手帳:市町村が交付。妊娠届け出時に発行され、健康診査・予防接種などの記録に用いる。
  • 乳児死亡原因:主に先天奇形。例:アザラシ肢症(サリドマイド薬害)
  • 遺伝性疾患:フェニルケトン尿症・メイプルシロップ尿症・筋ジストロフィーなど

フェニルケトン尿症やメイプルシロップ尿症などの遺伝性疾患は、新生児マススクリーニングにより早期発見が可能となっています。

母子手帳による定期的な健診管理が、それらの疾患の早期介入に役立ちます。

また、乳児死亡率の低下は国の公衆衛生水準を表す重要指標であり、母子保健サービスの充実がその改善に貢献しています。

高齢者保健:健康寿命をのばす支援

日本は超高齢社会に突入しており、65歳以上の人口は全体の28%を超えています。

その中で、高齢者ができる限り自立し、地域社会で健やかに過ごせるよう支援する「高齢者保健」はますます重要になっています。

高齢者保健の基本

  • 死因順位(厚労省統計):

    ①悪性新生物(がん)

    ②心疾患(虚血性心疾患など)

    ③老衰

    ④脳血管疾患
  • 後期高齢者医療制度:75歳以上を対象とする公的医療保険制度
  • 介護予防:転倒予防・口腔ケア・栄養指導・認知症予防などが含まれる

がんや心疾患といった生活習慣病は、老年期に発症・進行しやすくなるため、早期の予防が重要です。

また、要介護状態をできる限り防ぎ、自立した生活を送るために、日頃からの運動習慣や地域との関わりが重要とされています。

国家試験では、死因順位や年齢区分、医療保険制度、介護予防活動などの正確な理解が問われるため、表や語呂などを活用しながら覚えましょう。

第3回-9

母子健康手帳を交付するのは誰か。

  1. 都道府県知事
  2. 市町村長
  3. 保健所長
  4. 厚生大臣

第6回-4

妊娠初期に最も注意しなければならないのはどれか。

  1. 高血圧
  2. 貧血
  3. 風疹
  4. 蛋白尿

第13回-10

乳児死亡について正しいのはどれか。

  1. 生後4週未満の死亡
  2. 生後1週未満の死亡
  3. 生後5年未満の死亡
  4. 生後1年未満の死亡

第20回-5

乳児死亡について正しい記述はどれか。

  1. 生後1週未満の死亡を早期新生児死亡という。
  2. 新生児死亡数より早期新生児死亡数のほうが多い。
  3. 乳児死亡の原因で最も多いのは乳幼児突然死症候群である。
  4. 生後6週未満の死亡を新生児死亡という。

第17回-5

最近の乳児死亡率が最も低い国はどれか。

  1. 日本
  2. アメリカ合衆国
  3. スウェーデン
  4. イギリス

第19回-7

我が国の人口動態統計で乳児死亡の原因として最も多いのはどれか。

  1. 先天異常
  2. 窒息
  3. 転落
  4. 乳幼児突然死症候群

第24回-8

我が国における平成24年の乳児死亡の原因で最も多いのはどれか。

  1. 不慮の事故
  2. 乳幼児突然死症候群
  3. 悪性新生物
  4. 先天奇形

第23回-4

母乳栄養について誤っているのはどれか。

  1. 乳児の感染症予防に役立つ。
  2. 乳児の心理的発育によい影響がある。
  3. 母乳と人工乳は同じ成分である。
  4. 人工乳よりも経済的負担は少ない。

第25回-6

遺伝する疾患はどれか。

  1. 先天性風疹症候群
  2. ハンセン病
  3. フェニルケトン尿症
  4. アザラシ肢症

第27回-5

虐待を受けたと思われる児童を発見した者が通告する施設はどれか。

  1. 地域包括ケアセンター
  2. 市町村保健センター
  3. 保健所
  4. 児童相談所

第29回-9

地域の衛生状態や生活水準の影響を最も反映しやすい母子保健統計の指標はどれか。

  1. 乳児死亡率
  2. 死産率
  3. 周産期死亡率
  4. 妊産婦死亡率

🌟成人・高齢者保健

成人期から高齢期にかけては、生活習慣病や加齢に伴う疾患のリスクが高まる時期です。

そのため、個人の健康管理だけでなく、社会全体での支援体制が重要となります。

特に、定期的な健診や介護予防、医療制度の活用は、健康寿命を延ばすために不可欠です。

この章では、成人・高齢者保健における主要な死因、予防活動、保健制度の基本について整理します。

国家試験でも頻出の内容ですので、優先的に押さえておきましょう。

日本人の死因順位(最新統計より)

主要死因ランキング

  • 悪性新生物(がん)
  • 心疾患(虚血性心疾患、心不全など)
  • 老衰(近年増加)
  • 脳血管疾患(脳梗塞、脳出血など)

ポイント:がんと心疾患は常に上位を占める死因です。がんの中でも特に多いのが肺がん・大腸がん・胃がんであり、検診・禁煙・栄養管理が予防の柱となります。老衰による死亡は高齢化とともに割合が増加しており、生活機能の維持や尊厳死の議論も進んでいます。

成人保健の主な取り組み

成人期では、働き盛り世代の健康支援が中心となります。

生活習慣病の早期発見・早期介入が重要で、特定健康診査(メタボ健診)や保健指導が活用されます。

  • 特定健康診査:40〜74歳を対象。内臓脂肪型肥満を中心に血圧・脂質・血糖をチェック。
  • 特定保健指導:健診結果に基づき、生活習慣の改善を指導。
  • がん検診:肺・大腸・胃・乳・子宮頸がんなど、年齢や性別に応じた実施。
  • 健康教育:禁煙支援、飲酒指導、運動習慣の促進など。

これらの取り組みはすべて、「発症の予防」と「重症化予防」を目的とした二次予防活動に該当します。

特定健診はメタボリックシンドロームのリスクを見極めるうえで重要です。

高齢者保健の実際

75歳以上の後期高齢者が急増している中、高齢者医療・介護の持続可能性が課題となっています。

その対策として、以下のような制度や取り組みが整備されています。

  • 後期高齢者医療制度:75歳以上を対象とした公的医療保険制度。自己負担は原則1〜3割。
  • 介護予防事業:地域包括支援センターが中心となり、運動・栄養・口腔・認知症対策を実施。
  • 地域包括ケアシステム:医療・介護・住まい・生活支援を包括的に提供する体制。

国家試験対策:死因順位や健診の対象年齢、保健事業の名称など、具体的な数字や制度の名称がよく問われます。

例えば、「特定健診は何歳以上?」などの設問に即答できるようにしておきましょう。

成人期の健康管理と高齢期の介護予防は、連続した保健活動であり、切れ目のない支援体制が求められています。

健康寿命の延伸は、個人のQOL(生活の質)向上にも直結します。

第5回-10

我が国の死亡原因で最も多いのはどれか。

  1. 感染症
  2. 妊産婦および乳児の疾患
  3. 外因死
  4. 成人病

第4回-8

死亡率が増加している疾患はどれか。

  1. 肺癌
  2. 胃癌
  3. 白血病
  4. 子宮癌

第9回-8

我が国の最近の癌死亡率で著しく減少しているのはどれか。

  1. 肝癌
  2. 大腸癌
  3. 胃癌
  4. 肺癌

第17回-8

欧米と比較して日本人の死亡率が高いのはどれか。

  1. 大腸がん
  2. 肺がん
  3. 胃がん
  4. 乳がん

第9回-5

生活習慣病はどれか。

  1. 肺炎
  2. ウイルス性肝炎
  3. エイズ
  4. 糖尿病

第12回-4

生活習慣病でないのはどれか。

  1. 肺癌
  2. 高血圧症
  3. 結核
  4. 歯周病

第18回-4

生活習慣病の予防に関連しないのはどれか。

  1. 運動
  2. 予防接種
  3. 食生活
  4. 健康診査

第6回-7

高血圧症の一般的な危険因子(リスク要因)はどれか。

  1. 睡眠と休養
  2. 運動と労働
  3. 肥満と食塩摂取
  4. 飲酒と夜ふかし

第16回-9

介護保険による在宅サービスに含まれないのはどれか。

  1. 往診治療
  2. 在宅改装
  3. 訪問看護
  4. デイケア

第19回-5

高齢者の医療の確保に関する法律による特定健診の一次検査項目はどれか。

  1. 胸部エックス線検査
  2. 眼底検査
  3. 心電図検査
  4. 腹囲測定

第20回-9

がんと危険因子との組合せで正しいのはどれか。

  1. 子宮頸がん ─── ヒトパピローマウイルス
  2. 乳がん ───── 授乳
  3. 胃がん ───── 高蛋白食
  4. 肺がん ───── 肥満

第23回-3

介護保険制度の内容として正しいのはどれか。

  1. 市町村および特別区が保険者である。
  2. 65歳以上は第2号被保険者である。
  3. 財源の80%は保険料による。
  4. 介護を要する状態の予防は給付対象外である。

第29回-4

介護保険制度について正しいのはどれか。

  1. 被保険者は75歳以上の者である。
  2. 介護保険料は全国一律である。
  3. 地域包括支援センターは都道府県が設置する。
  4. 要介護認定の申請は市区町村に対して行う。

第26回-6

平成25年の国民生活基礎調査において、高齢者が要介護となる原因として最も頻度が高いのはどれか。

  1. 関節疾患
  2. 高齢による衰弱
  3. 骨折・転倒
  4. 脳血管疾患

第27回-6

我が国の2014年の患者調査で医療機関を受診している総患者数が最も多いのはどれか。

  1. 糖尿病
  2. 脳血管疾患
  3. 悪性新生物
  4. 高血圧性疾患

第28回-7

高齢者の医療の確保に関する法律に基づいて実施されるのはどれか。

  1. 特定健康診査
  2. 肝炎ウイルス検診
  3. がん検診
  4. 骨粗鬆症検診

第31回-9

特定健康診査・特定保健指導について正しいのはどれか。

  1. 実施主体は医療保険者である。
  2. がん検診のことである。
  3. 75歳以上が対象となる。
  4. 健康増進法に基づいて実施される。

🌟感染症・消毒法

病原体の種類

細菌コレラ、百日咳、破傷風、ボツリヌス、ジフテリア、結核
ウイルスヘルペス、日本脳炎、ポリオ、狂犬病、麻疹、風疹、エイズ
真菌カンジタ、白癬菌
原虫マラリア、トキソプラズマ
リケッチアツツガムシ、発疹チフス
クラミジアオウム病、トラコーマ
スピロヘータ梅毒トレポネーマ

ワクチンの種類

種類適用疾患
生ワクチン結核(BCG)、麻疹、風疹、水痘
不活性ワクチン四種混合(ジフテリア、百日咳、破傷風、ポリオ)、肺炎球菌、日本脳炎、ヒトパピローマウイルス、B型肝炎、インフルエンザ
トキソイドワクチンジフテリア、破傷風

感染様式

感染様式疾患
接触感染梅毒、HIV、皮膚白癬
飛沫感染風疹、インフルエンザ、ジフテリア
飛沫核感染麻疹、水痘、結核
創傷感染破傷風、ガス壊疽
経胎盤感染HIV、B型肝炎
産道感染淋病、性病クラミジア、HIV、B・C型肝炎
母乳感染成人T細胞白血病、HIV
経口感染赤痢、腸チフス、パラチフス、コレラ、A型肝炎、E型肝炎、ポリオ
媒介動物による感染蚊:マラリア・日本脳炎・黄熱・デング熱
ダニ:ツツガムシ病・日本紅斑熱
ノミ:ペスト・発疹熱
シラミ:発疹チフス
ネズミ:トキソプラズマ

感染症法

分類疾患
第1類エボラ出血熱、クリミア・コンゴ熱、南米出血熱、マールブルグ病、ラッサ熱、ペスト、痘瘡
第2類結核、急性灰白髄炎、SARS、ジフテリア、MERS、鳥インフルエンザ(H5N1・H7N9)
第3類コレラ、細菌性赤痢、腸管出血性大腸菌、腸チフス、パラチフス
第4類黄熱、Q熱、オウム病、日本脳炎、マラリア
第5類アメーバ赤痢、風疹、麻疹、梅毒、破傷風、百日咳、エイズ
  • 第2類:飛沫・飛沫核感染症
  • 第3類:経口感染・消化器感染症
  • 第4類:動物や虫から人へ
  • 第5類:人から人へ
  • 痘瘡は1980年にWHOが根絶宣言

その他

院内感染MRSA、VRE
再興感染症結核、コレラ、マラリア
新興感染症エイズ、鳥インフルエンザ、SARS、エボラ出血熱

第3回-5

水系流行による感染症でないのはどれか。

  1. コレラ
  2. ワイル病
  3. 結核
  4. ポリオ

第5回-7

血液を介して感染する疾患はどれか。

  1. 赤痢
  2. インフルエンザ
  3. 結核
  4. C型肝炎

第6回-9

ウイルスが原因となる疾病はどれか。

  1. 淋病
  2. ジフテリア
  3. 発疹チフス
  4. エイズ

第17回-9

ウイルスによる感染症はどれか。

  1. エボラ出血熱
  2. オウム病
  3. マラリア
  4. 百日咳

第8回-9

DNAウイルスはどれか。

  1. 風疹ウイルス
  2. B型肝炎ウイルス
  3. エイズウイルス(HIV)
  4. 麻疹ウイルス

第7回-5

疾病と感染経路との組合せで誤っているのはどれか。

  1. 風疹 ──────── 胎盤感染
  2. エイズ ─────── 性行為感染
  3. 破傷風 ─────── 経口感染
  4. インフルエンザ ─── 飛沫感染

第8回-6

蚊が媒介する感染症はどれか。

  1. 腸チフス
  2. ペスト
  3. エイズ
  4. 日本脳炎

第11回-8

蚊が媒介する感染症はどれか。

  1. マラリア
  2. 赤痢
  3. 麻疹
  4. コレラ

第10回-9

新興感染症はどれか。

  1. マラリア
  2. コレラ
  3. 結核
  4. エイズ

第12回-7

病原微生物が関与する癌はどれか。

  1. 乳癌
  2. 肝細胞癌
  3. 肺癌
  4. 食道癌

第13回-7

感染症について正しい組合せはどれか。

  1. 百日咳 ──── ウイルス
  2. 狂犬病 ──── リケッチア
  3. 日本脳炎 ─── 細菌
  4. コレラ ──── 細菌

第14回-6

性行為感染症でないのはどれか。

  1. クラミジア感染症
  2. A型肝炎
  3. 尖圭コンジローマ
  4. エイズ

第19回-8

感染症法(感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律)で1類感染症はどれか。

  1. 重症急性呼吸器症候群(SARS)
  2. コレラ
  3. エボラ出血熱
  4. 後天性免疫不全症候群(AIDS)

第15回-8

予防接種法による二類疾病はどれか。

  1. 風疹
  2. 破傷風
  3. 日本脳炎
  4. インフルエンザ

第14回-7

4類感染症はどれか。

  1. 狂犬病
  2. コレラ
  3. 細菌性赤痢
  4. 腸管出血性大腸菌感染症

第22回-8

五類感染症はどれか。

  1. ジフテリア
  2. 後天性免不全症候群
  3. 腸管出血性大腸菌感染症
  4. 急性灰白髄炎

第14回-65

努力義務とされていない予防接種はどれか。

  1. ジフテリア
  2. 破傷風
  3. 流行性耳下腺炎
  4. 百日咳

第15回-4

ウイルス性の経口感染症はどれか。

  1. 赤痢
  2. ポリオ
  3. 麻疹
  4. コレラ

第15回-9

垂直感染を起こさないのはどれか。

  1. B型肝炎
  2. A型肝炎
  3. エイズ
  4. トキソプラズマ症

第16回-3

エイズについて誤っている記述はどれか。

  1. 感染症法の対象疾患である。
  2. 世界では北アメリカ地域の患者数が最も多い。
  3. 感染はウイルスによる。
  4. 我が国の患者数は増加している。

第16回-7

人畜共通感染症(人獣感染症)でないのはどれか。

  1. 日本脳炎
  2. 結核
  3. 狂犬病
  4. ポリオ

第16回-10

予防接種に生菌ワクチンが使用されているのはどれか。

  1. 破傷風
  2. インフルエンザ
  3. 麻疹
  4. ジフテリア

第25回-9

予防接種に生ワクチンを使用するのはどれか。

  1. 百日咳
  2. 肺炎球菌
  3. 麻疹
  4. 日本脳炎

第18回-7

ウイルスと疾病との組合せで誤っているのはどれか。

  1. ノロウイルス ───── 食中毒
  2. ヘルペスウイルス ─── 帯状疱疹
  3. アデノウイルス ──── 流行性角膜炎
  4. ライノウイルス ──── 手足口病

第20回-6

後天性免疫不全症候群は感染症法(感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律)で何類に分類されているか。

  1. 5類
  2. 3類
  3. 4類
  4. 2類

第21回-5

後天性免疫不全症候群について感染の危険性があるのはどれか。

  1. 母乳
  2. 唾液

第22回-4

ダニ以外で媒介される疾患はどれか。

  1. 日本脳炎
  2. 重症熱性血小板減少症候群
  3. ツツガムシ病
  4. 日本紅斑熱

第22回-9

体液を介して感染する疾患はどれか。

  1. 破傷風
  2. 腸チフス
  3. B型肝炎
  4. コレラ

第22回-10

我が国で予防接種が行われていないのはどれか。

  1. 結核
  2. 水痘
  3. 後天性免疫不全症候群
  4. 麻疹

第23回-11

我が国の院内感染で問題となっている病原体はどれか。

  1. 鳥インフルエンザウイルス
  2. 破傷風菌
  3. 日本脳炎ウイルス
  4. MRSA

第24回-9

細菌感染症はどれか。

  1. デング熱
  2. マラリア
  3. SARS
  4. ハンセン病

第25回-8

地球上から根絶された感染症はどれか。

  1. ポリオ
  2. 痘そう
  3. コレラ
  4. 破傷風

第26回-10

リケッチア感染症はどれか。

  1. 梅毒
  2. ツツガムシ病
  3. ジフテリア
  4. デング熱

第27回-10

再興感染症はどれか。

  1. エボラ出血熱
  2. 結核
  3. ウエストナイル熱
  4. SARS

第28回-10

感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律(感染症法)に定められた感染症で致命率が最も高いのはどれか。

  1. デング熱
  2. 腸管出血性大腸菌感染症
  3. 中東呼吸器症候群(MERS)
  4. エボラ出血熱

第29回-10

空気感染対策が有効なのはどれか。

  1. ポリオ
  2. 赤痢
  3. 結核
  4. コレラ

第30回-65

感染症と媒介生物の組合せで正しいのはどれか。

  1. 発疹チフス ―――――― ダニ
  2. トキソプラズマ症 ――― シラミ
  3. デング熱 ――――――― 蚊
  4. 日本脳炎 ――――――― ネズミ

第31回-7

結核対策で早期発見を目的とするのはどれか。

  1. 定期健康診断
  2. 家庭訪問指導
  3. 定期予防接種
  4. 結核登録

🌟消毒法

部位と消毒法

部位消毒法
手指エタノール、逆性石鹸(塩化ベンザルコニウム)、グルコン酸クロルヘキシジン、ポピドンヨード
汚物グルタールアルデヒド、クレゾール石鹸水
粘膜ポピドンヨード、逆性石鹸(塩化ベンザルコニウム)
室内ホルムアルデヒド(ホルマリン)、紫外線

理学的消毒法

種類特徴およびキーワード
日光消毒赤外線や紫外線を利用
寝具など
不確実
紫外線殺菌法表面のみ
滅菌保存や食品消毒
皮膚に有害
乾熱滅菌法耐高温素材の器具
低温殺菌ビタミンを破壊しない
牛乳など熱に弱い液体
高圧蒸気滅菌法(オートクレーブ)121℃、20分間
すべての微生物を死滅させる
医療器具など
煮沸消毒法100℃の沸騰水中で15分以上

化学的消毒法

種類特徴およびキーワード
逆性石鹸手指洗浄
結核菌や芽胞に無効
グルコン酸クロルヘキシジン手指洗浄
結核菌や芽胞に無効
エタノール手指・皮膚の迅速消毒
芽胞・真菌に無効
クレゾール石鹸水排泄物の消毒
結核菌に有効
芽胞に無効
エチレンオキサイドディスポ製品
全てに有効
残留ガスあり

第1回-8

消毒法で誤っているのはどれか。

  1. クレゾール消毒はにおいも弱く手指の消毒に多用されている。
  2. 逆性石けんは手指の消毒に用いられる。
  3. 紫外線消毒は照射された表面だけに効果がある。
  4. 消毒法には理学的方法と化学的方法とがある。

第2回-4

施術者の手指の消毒で誤っている記述はどれか。

  1. 機械的と化学的との二つの消毒法の組合せがよい。
  2. 刺鍼の場合は法律で規定されている。
  3. 逆性石けんを用いる。
  4. エタノールを用いる場合は非乾燥状態がよい。

第3回-6

鍼の消毒に適さないのはどれか。

  1. 高圧蒸気
  2. エチレンオキサイドガス(EOG)
  3. エタノール
  4. 逆性石けん

第4回-3

施術の消毒で誤っている記述はどれか。

  1. 鍼は物理的消毒を行う。
  2. 刺鍼部位の消毒は辺縁部から中心部に向かって行う。
  3. 鍼のエチレンオキサイドガス(EOG)滅菌は消毒効果が長い。
  4. 刺鍼部位のアルコール綿での清拭は脱脂効果がある。

第6回-10

消毒法について正しい組合せはどれか。

  1. 低温消毒 ─── 衣服
  2. 煮沸 ───── ガラス器具
  3. 日光 ───── カテーテル
  4. 紫外線 ──── 牛乳

第7回-6

ウイルスに対する効力が弱い消毒剤はどれか。

  1. 消毒用エタノール
  2. ポビドンヨード(イソジン)
  3. グルコン酸クロルヘキシジン(ヒビテン)
  4. 次亜塩素酸ソーダ

第7回-7

紫外線消毒の対象として適切でないのはどれか。

  1. 生鮮食料品
  2. シーツ
  3. 患者の皮膚

第8回-7

クレゾール石けん水について誤っている記述はどれか。

  1. 喀痰の消毒に使用する。
  2. 同じ濃度では石炭酸より殺菌力が強い。
  3. 臭気が強い。
  4. 数日放置しても殺菌力は保たれる。

第9回-10

理学的消毒法でないのはどれか。

  1. 日光消毒
  2. 逆性石けんによる消毒
  3. 煮沸消毒
  4. 乾熱滅菌

第10回-10

消毒薬とその対象との組合せで正しいのはどれか。

  1. グルコン酸クロルヘキシジン ─── 手指
  2. オキシドール ────────── 金属器具
  3. 消毒用エタノール ──────── 排泄物
  4. ヨードチンキ ────────── 白衣

第13回-9

皮膚の消毒について適切でないのはどれか。

  1. エタノール
  2. ヨードチンキ
  3. 逆性石けん
  4. ホルマリン

第29回-6

皮膚の消毒に用いないのはどれか。

  1. 塩素系消毒剤
  2. ビグアナイド系消毒剤
  3. ヨウ素系消毒剤
  4. アルコール類

第17回-10

結核の排菌患者が使用した食器の消毒で最も適切なのはどれか。

  1. クロルヘキシジン
  2. 次亜塩素酸ナトリウム
  3. 低温殺菌
  4. 煮沸消毒

第18回-8

院内感染防止のために医療者がすべきことで最も重要なのはどれか。

  1. 白衣着用
  2. 手洗い
  3. マスク着用
  4. うがい

第18回-9

芽胞の消毒に有効でないのはどれか。

  1. 次亜塩素酸ナトリウム
  2. エタノール
  3. ホルムアルデヒド
  4. エチレンオキサイド

第23回-6

施術所における白衣着用にあてはまるのはどれか。

  1. 労働衛生教育
  2. 健康管理
  3. 作業環境管理
  4. 作業管理

第26回-11

滅菌に用いられるのはどれか。

  1. アルコール
  2. 高圧蒸気
  3. 塩素ガス
  4. 紫外線

第27回-11

滅菌に用いられるのはどれか。

  1. ポビドンヨード
  2. グルタールアルデヒド(グルタラール)
  3. オートクレーブ
  4. 逆性石けん

🌟疫学・保健統計・国際保健

公衆衛生の現場では、疫学的視点と統計の理解が不可欠です。

疾病の発生要因や分布を明らかにすることで、効果的な対策立案や資源配分が可能になります。

また、国際的な健康課題への対応も重要です。

ここでは、国家試験対策として頻出の内容を整理しました。

疫学の種類

  • 記述疫学:疾病の発生・分布を「時間」「場所」「人」に着目して明らかにする。例:特定地域におけるインフルエンザ発生状況の調査。
  • 分析疫学:記述疫学で得られた仮説を数量的に検証。2つの研究手法がある:
    • 症例対照研究(後向き):発症群と非発症群を比較し、過去の曝露因子を調査。
    • コホート研究(前向き):曝露群・非曝露群を追跡し、発症率を比較。

保健統計

  • 人口動態統計(厚生労働省):出生・死亡・死産・婚姻・離婚など「人口の変動」に関わる指標。
  • 人口静態統計(総務省・国勢調査):年齢・性別・就業状況など「ある時点の状態」を調査。
  • 標準化死亡比(SMR):実際の死亡数 ÷ 期待死亡数 × 100。基準集団と比較して死亡リスクの高低を示す。
  • 有病率:ある時点における全患者数 ÷ 総人口。慢性疾患の把握に有効。
  • 罹患率:一定期間内に新たに発生した患者数 ÷ リスクのある集団。感染症の流行を把握する際に重要。

国際保健

  • WHO(世界保健機関):1948年設立。国際的な健康課題の調査・対策、感染症対策、SDGs推進などを担う。
  • ユニセフ(UNICEF):子どもの健康・教育支援。予防接種や母子保健の普及活動など。
  • 国際協力機構(JICA):開発途上国における医療支援・人材育成を実施。日本のODAの一環。
  • 国際的課題:エイズ・結核・マラリアなどの三大感染症、保健人材の不足、ワクチン接種率の格差。

公衆衛生活動においては、疫学・統計・国際協力の知識が不可欠です。

国家試験では記述疫学と分析疫学の違い、統計指標の定義、SMRの計算方法などが頻出項目。

各指標の意味をしっかり理解しておきましょう。

第12回-6

疫学について誤っている組合せはどれか

  1. コホート研究 ───────── 分析疫学
  2. 患者・対照研究 ──────── 記述疫学
  3. 介入研究 ─────────── 実験疫学
  4. ランダム化比較試験(RTC) ─── 臨床疫学

第19回-9

症例対照研究の利点はどれか。

  1. 罹患率を求められる
  2. 交絡因子の影響を受けない
  3. 情報の正確性が高い
  4. まれな疾病にも対応できる

第17回-4

喫煙群と非喫煙群とを10年間観察し、肺がんの発生率を比較した研究はどれか。

  1. コホート研究
  2. 介入研究
  3. 患者対照研究
  4. ランダム化比較試験

第21回-4

年末の登録結核患者数を分子とし人口を分母とする指標はどれか。

  1. 受療率
  2. 有病率
  3. 受診率
  4. 罹患率

第21回-7

コホート研究で正しいのはどれか。

  1. まれな疾患を効率的に研究できる。
  2. 症例対照研究より研究期間が短い。
  3. 後ろ向き研究である。
  4. 罹患率を求めることができる。

第21回-10

乳児死亡率を表す式はどれか。

  1. (生後1年未満の死亡数の合計)÷(人口)×1000
  2. (死産後の合計)÷(生後1年未満の死亡数の合計)×1000
  3. (生後1年未満の死亡数の合計)÷(その年の出産数の合計)×1000
  4. (生後1年未満の死亡数の合計)÷(その年の出生数の合計)×1000

第22回-5

分母が人口でないのはどれか。

  1. 出生率
  2. 婚姻率
  3. 離婚率
  4. 乳児死亡率

第2回-8

人口動態統計で人口を分母としないのはどれか。

  1. 死亡率
  2. 有病率
  3. 周産期死亡率
  4. 出生率

第24回-4

疫学について正しいのはどれか。

  1. 有病率はある期間内の疾病の発生の率である。
  2. 国勢調査は7年に1回行われる。
  3. 合計特殊出生率は1人の女性が一生の間に産む子供の数の指標である。
  4. 罹患率はある時点のその疾病の有無の率である。

第28回-11

曝露群が非曝露群に比べて何倍疾病に罹りやすいかを示す疫学指標はどれか。

  1. 相対危険
  2. 寄与危険
  3. 集団寄与危険
  4. 寄与危険割合

第30回-7

疫学指標について、横断調査により明らかになるのはどれか。

  1. 有病率
  2. 罹患率
  3. 致命率
  4. 死亡

第3回-10

我が国の衛生統計で正しい記述はどれか。

  1. 出生率は年々低下している。
  2. 有訴者の90%以上が通院している。
  3. 自然死産は人工死産よりも多い。
  4. 感染症による死亡が総死亡の中で最も多い。

第11回-3

女性の平均寿命が最も長い国はどれか。

  1. カナダ
  2. 日本
  3. フランス
  4. アメリカ合衆国

第11回-4

我が国の最近の保健統計で正しい記述はどれか。

  1. 人口は減少し始めた。
  2. 人口は男性よりも女性の方が多い。
  3. 死亡率は低下している。
  4. 出生率は世界で高い方である。

第12回-3

全国民を調査対象とするのはどれか。

  1. 国民栄養調査
  2. 感染症発生動向調査
  3. 国勢調査
  4. 国民生活基礎調査

第14回-9

合計特殊出生率について誤っている記述はどれか。

  1. 将来の人口の増減を予測する指標である。
  2. 我が国では減少傾向を示している。
  3. 合計特殊出生率は粗出生率より高い。
  4. 15~49歳女性の年齢別出生率を合計し、1人当たりにした値である。

第15回-6

人口ピラミッドの類型で最も人口の減少が予測されるのはどれか。

  1. ピラミッド型
  2. つぼ型
  3. はこ型
  4. 富士山型

第15回-10

我が国の人口指数で最も高いのはどれか。

  1. 老年人口指数
  2. 年少人口指数
  3. 従属人口指数
  4. 老年化指数

第18回-10

調査した日の通院患者数がわかるのはどれか。

  1. 国民健康・栄養調査
  2. 国民生活基礎調査
  3. 人口動態調査
  4. 国勢調査

第21回-6

我が国の2010年の老年人口割合で正しいのはどれか。

  1. 約28%
  2. 約23%
  3. 約14%
  4. 約19%

第25回-10

我が国の人口統計について正しいのはどれか。

  1. 国勢調査は人口動態統計である。
  2. 死亡診断書は死因統計の基礎データとなる。
  3. 死因統計はICFに従って分類される。
  4. 生後4週未満の死亡統計から乳児死亡率を算出できる。

第26回-7

人口静態統計で調べる項目はどれか。

  1. 死亡
  2. 出生
  3. 結婚
  4. 人口

第29回-7

総務省が実施する調査はどれか。

  1. 国民生活基礎調査
  2. 国民健康・栄養調査
  3. 国勢調査
  4. 人口動態調査

第30回-6

2019年度学校保健統計調査において中学生・高校生で被患率が最も高いのはどれか。

  1. 裸眼視力1.0未満
  2. 鼻・副鼻腔疾患
  3. ぜん息
  4. むし歯

第31回-8

我が国の国民の1日平均歩数に関する公的統計を公表している調査はどれか。

  1. 国民健康・栄養調査
  2. 人口動態調査
  3. 国勢調査
  4. 国民生活基礎調査

第31回-10

人口動態統計で示される指標はどれか。

  1. 通院者数
  2. 離婚件数
  3. 健康寿命
  4. 有訴者率

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