
🌟臓腑の分類
東洋医学における「臓腑(ぞうふ)」とは、人体の内臓の機能を体系的に分類した重要な概念です。
これは解剖学的な形態ではなく、気・血・津液(しんえき)など生命活動に関わる要素の運行や調和をベースにした分類法です。
臓腑は大きく分けて、「臓(五臓+心包)」と「腑(六腑)」、そして「奇恒の腑(きこうのふ)」の3つに区分されます。
臓は、精気を貯蔵し、気血を生成・調節するなど、身体の内部を守り、維持する働きがあります。
一方、腑は、消化・排泄など、外から取り入れたものを処理・運搬する役割を担います。
奇恒の腑はこの両者の性質を合わせ持つ、特殊な構造と機能を持つ器官群です。
分類 | 構成要素 | 補足説明 |
臓 | 肝・心・脾・肺・腎・心包 | 実質臓器 / 精気の貯蔵 / 生命活動の中枢 |
腑 | 胆・小腸・胃・大腸・膀胱・三焦 | 中空器官 / 水穀の運搬と消化 |
奇恒の腑 | 脳・骨・随・脈・胆・女子胞 | 形態は腑、機能は臓に似ている |
臓とは?
臓とは「肝・心・脾・肺・腎・心包」の6つから構成され、体内に必要な精気(せいき)を蓄え、気血津液の生成・代謝・運行を管理する中心的な役割を担っています。
これらは五臓とも呼ばれ、五行や情志・感覚器官との関係性も強く、心は神を蔵し、肺は気を主るなど、それぞれに明確な役割があります。
腑とは?
腑は「胆・小腸・胃・大腸・膀胱・三焦」の6つで構成され、いずれも中空構造で、飲食物を受け入れ、消化・吸収・排泄を行う通路的な役割を持っています。
例えば、胃は水穀(すいこく)を納め、腐熟を行い、小腸で清濁に分けられ、大腸・膀胱へと流れていきます。
また、三焦は上中下の3部位に分かれた水分の通路として、体内の水液代謝や体温調節を司ります。
奇恒の腑とは?
奇恒の腑とは、「脳・骨・随・脈・胆・女子胞」であり、形は腑のように中空だが、機能は臓に近く、精気を蓄えるという特徴を持っています。
例えば、脳は「髄海」とも称され、精を基礎として成り立ち、神志活動に深く関わります。
女子胞は、女性の月経・妊娠・出産に関与する器官で、腎・肝・脾との関係が非常に強いとされます。
💡補足ポイント
「胆」は六腑の一つでありながら、奇恒の腑にも分類される唯一の器官。胆は決断力を主る精神活動とも関係があり、国家試験でも頻出の要注意項目です。
このように、臓腑の分類は、東洋医学における生理・病理を理解するうえでの土台です。
🌟五臓の生理機能と特徴
東洋医学では、人体の機能を五つの中心的な臓器「五臓(肝・心・脾・肺・腎)」を基盤として理解します。
これらはただの物理的な内臓ではなく、それぞれが生命活動全体のバランスを維持するための機能単位として捉えられています。
各臓には「官職」に例えられる役割があり、たとえば肝は「将軍の官」、心は「君主の官」と呼ばれ、それぞれが身体を統治する役割を担っています。
また、五臓にはそれぞれが司る精神活動(神志)・組織器官・感覚器官・体液・感情などが対応づけられており、病証の判断材料として非常に重要です。
臓 | 官職 | 主な機能 | 神志 | 主る組織 | 表れる部位 | 開竅(感覚器) | 体液 | 感情 |
肝 | 将軍の官 | 疏泄・蔵血・精神活動・昇発条達 | 魂 | 筋 | 爪 | 目 | 涙 | 怒 |
心 | 君主の官 | 主血・蔵神・全身の陽気を主る | 神 | 血脈 | 面色 | 舌 | 汗 | 喜 |
脾 | 倉廩の官 | 運化・昇清・統血・営を蔵す・津液の生成 | 意 | 肌肉 | 唇 | 口 | 涎 | 思 |
肺 | 相傅の官 | 気・呼吸・宣発・粛降・百脈を朝す | 魄 | 皮毛 | 毛 | 鼻 | 涕 | 憂 |
腎 | 作強の官 | 水・精を蔵し原気をつくる・納気 | 志 | 骨 | 髪 | 耳 | 唾 | 恐 |
心包 | 臣使の官 | 心を守る・邪気から身を護る | - | - | - | - | - | - |
以下に、各臓の特徴をかんたんに解説します。
- 肝:疏泄(気の流れを調える)・蔵血の作用があり、精神的なストレスや自律神経の調整と深く関わります。感情では「怒」に対応し、目・爪・筋にも影響。
- 心:「神(しん)」を蔵し、血の循環を主る中枢的臓器。感情では「喜」に対応し、不眠・動悸などと関係します。
- 脾:後天の本とも呼ばれ、食物からの栄養(気血)生成を担う。口・唇・肌肉に変化が現れ、「思い悩む」ことで脾は傷つきます。
- 肺:気の出入り(呼吸)と水の調節を主る。「憂・悲」といった感情や、鼻・皮毛・呼吸器系と関係が深い。
- 腎:生命力の源である精を蔵し、水分・生殖・成長・老化に深く関与します。感情では「恐れ」に関係し、耳・骨・髪の異常とつながります。
- 心包:心を守る膜のような臓で、精神面に影響する邪気から「心」を防御します。臨床では心と一体として扱われることが多いです。
🌟国家試験対策ポイント
五臓の「五志」「五官」「五体」「五液」「五色」「五声」などの対応関係は穴埋め問題で頻出!色体表とあわせて丸暗記しておきましょう。
以上が五臓の基礎的な生理と特徴です。これらを理解することが、病証の分類(実証・虚証)や弁証論治へとつながっていきます。
🌟腑の生理
東洋医学における「腑(ふ)」とは、五臓に対する六腑のことで、胆・小腸・胃・大腸・膀胱・三焦の6つを指します。
腑は主に「水穀(飲食物)の運搬・消化・排泄」を担当する中空の器官とされ、その働きは動的であり、食べ物や水分など外界から取り入れたものを処理する通路的役割を果たします。
また、各腑はそれぞれ対応する「五臓」とペアになっており、例えば「胆」は「肝」、「胃」は「脾」との関係が深く、臓腑間のバランスが保たれていることが、健康の維持には重要です。
以下は各腑の生理機能と特徴をまとめたものです。
腑 | 官職 | 主な働き |
胆 | 中正の官 | 決断を主る/胆汁を貯える/奇恒の腑でもある/第10胸椎に付着(胆兪) |
小腸 | 受盛の官 | 胃から送られてきた水穀を受け取り、清濁を分けて吸収と排泄に分配する/第1仙椎に付着(小腸兪) |
胃 | 倉廩の官・水穀の海 | 水穀を受納・腐熟し、脾へ送る/第12胸椎に付着(胃兪) |
大腸 | 伝導の官 | 糟粕(消化残渣)を体外に排泄する/第4腰椎に付着(大腸兪) |
膀胱 | 州都の官 | 津液を集めて尿として貯え、排出を主る/第2仙椎に付着(膀胱兪) |
三焦 | 決瀆の官 | 気血津液の通路/水液の運行・体温調節/上中下の三焦に分かれる/第1腰椎に付着(三焦兪) |
六腑の中でも特に特徴的なのが「胆」と「三焦」です。
胆は中空の構造でありながら、胆汁を貯え精神面(決断力)にも関与することから、奇恒の腑にも分類される特別な腑です。
また、三焦は実体を持たない「機能的臓腑」として知られ、上焦(心肺)・中焦(脾胃)・下焦(腎膀胱)に分かれ、気・水の通路や体温調節を担います。
✅国家試験の要点
腑の役割を問う問題では、各腑の官職名・主な働き・附属する兪穴(背部兪穴)が頻出です。特に「三焦の働き」「胆が奇恒の腑である理由」などは穴埋め・選択形式でよく問われます。
このように、腑は臓と連携しながら、体内外の物質代謝の一翼を担っています。
🌟肝の病証
肝は「将軍の官」と称されるように、身体の機能をスムーズに指揮・調整する役割を担っています。
主に「疏泄作用(気血の流れを整える)」と「蔵血作用(血液の貯蔵と調整)」の2つが中心機能であり、自律神経や情志(感情)、月経機能、筋・目の健康とも密接に関係します。
肝に異常が生じると、以下のような部位・症状に現れやすいのが特徴です。
- 精神的:抑うつ・イライラ・怒りっぽい(情志異常)
- 身体的:頭頂部・眼・脇肋部・乳房部・少腹部・陰部の異常感
- 経絡的:肝経の走行部に沿った痛みや異常
🌿ポイント
肝は「魂」を宿し、「筋」「目」「爪」に関係します。特に女性の月経トラブルやストレス性の症状に肝の病証が多く関わる点は国家試験でも頻出です。
実証(肝の機能が過剰または停滞)
肝鬱気滞(かんうつきたい)
肝の疏泄作用が停滞し、気の流れが悪くなった状態です。
- 情志失調:抑うつ・イライラ・怒りやすい・情緒不安定
- 脹痛:胸脇部・乳房・少腹部の張るような痛み
- 月経異常:無月経・月経痛・月経周期の乱れ
- その他:ため息が多い・食欲不振・お腹が張る
肝火上炎(かんかじょうえん)
ストレスや怒りが積もって肝に熱がこもり、熱が上に昇った状態です。
- 頭痛・目の充血・顔面紅潮
- 口渇・口苦・怒りっぽい
- 耳鳴り・難聴
- 尿が黄色く少ない・便秘傾向
- 舌質紅・脈弦数(緊張感のある速い脈)
虚証(肝の機能が不足)
肝血虚(かんけっきょ)
肝に貯蔵される血が不足した状態です。全身の滋養不足や筋・目への影響が出ます。
- 視力低下・目の乾き・夜盲症
- 筋肉のけいれん・しびれ・こむら返り
- 爪がもろい・爪の色が淡白
- 月経量減少・月経遅延・無月経
- 舌質淡・脈細
肝陰虚(かんいんきょ)
肝の陰液(栄養・潤い)が不足して、熱(虚熱)が生じている状態です。
- 目の乾き・かすみ目
- 筋のけいれん・しびれ
- 口の乾燥・頬のほてり・不眠傾向
- 舌紅・無苔・脈細数
本虚表実証(肝陰虚や腎陰虚+実熱)
肝陽上亢(かんようじょうこう)
肝陰や腎陰の不足により、抑えられていた肝陽が上へ突き上がるように暴れる状態です。
- めまい・耳鳴り・頭痛・のぼせ・顔のほてり
- 腰膝のだるさ・耳の閉塞感
- 精神興奮・怒りっぽさ・寝付きの悪さ
- 舌紅・脈弦細数
💡試験対策のポイント
「肝鬱気滞」「肝火上炎」「肝血虚」「肝陽上亢」など、肝は実証・虚証ともに頻出!
主症状のパターンと、情志・月経・目・筋への影響を軸に整理しておきましょう。
🌟心の病証
心は「君主の官」と呼ばれ、五臓六腑の中でも中枢的な役割を果たします。
主な機能は「血を主る・神を蔵す」の2つであり、心の状態は精神活動(意識・感情・思考)や睡眠、脈、舌、血の運行に大きな影響を及ぼします。
東洋医学では、「心の異常」はただの循環器の問題だけではなく、精神症状や不眠、顔色、舌の変化、汗の異常など幅広い臨床像を生みます。
特に心悸(動悸)は心の病証における最も重要なサインの一つとされます。
- 共通症状:動悸(心悸)・息切れ
- 心が病んでいるときに現れる主症状:不眠・多夢・健忘・心煩・心痛
- 身体所見:胸部の圧迫感、顔色の変化、汗の異常、舌質変化
- 経絡の関連:手の少陰心経の走行(上肢内側の痛み・しびれ)
✅ポイント
心の病証では「神志(精神活動)」の異常と、「脈・舌・汗・顔色・胸部痛」などの情報を組み合わせて弁証するのが重要です。
実証(過剰・実熱・血瘀)
心火亢盛(しんかこうせい)
心に熱がこもり過剰になった状態。神志(意識)に異常が現れやすく、精神的興奮や睡眠障害を伴う。
- 心悸・心煩・不眠・多夢
- 顔面紅潮・身熱・口渇・尿が赤い
- 舌質紅・舌苔黄・脈数有力
心血瘀阻(しんけつおそ)
心の血流が停滞し、血瘀(けつお)の症状が現れる状態。痛みが固定性・刺痛であることが特徴。
- 心悸・胸部の刺痛・息苦しさ
- 痛みが夜間に悪化しやすい
- 舌質紫暗・脈濇(ざらついた脈)
虚証(気虚・陽虚・血虚・陰虚)
心気虚(しんききょ)
心の気が不足し、心の動きが弱まった状態。心悸や息切れなどが現れる。
- 心悸・息切れ・倦怠感・無力感
- 脈弱・精神疲労
心陽虚(しんようきょ)
心の陽気(温める力)が不足し、寒証の特徴が現れる。
- 心悸・心痛(冷えによる痛み)
- 寒がり・四肢の冷え・顔色の蒼白
- 脈弱・脈遅
心血虚(しんけっきょ)
心を滋養する血が不足して、神志が不安定になり、精神的な不調が現れる。
- 不眠・健忘・夢が多い
- 顔色萎黄・舌質淡・脈細
心陰虚(しんいんきょ)
心の陰液が不足し、虚熱の症状が加わる。
- 心悸・不眠・健忘・寝汗・精神不安
- 五心煩熱・舌紅・脈細数
💡国家試験対策まとめ
「心気虚」「心血虚」「心陰虚」は頻出。不眠の質(入眠困難/夢が多い/中途覚醒)や、顔色・舌・脈・汗の変化をセットで覚えましょう。
🌟脾の病証
脾は「倉廩(そうりん)の官」と呼ばれ、飲食物を気血に変える「運化(うんか)」の働きを担う要の臓器です。
東洋医学において、脾は消化吸収の中心であり、また後天の本・気血生化の源ともされます。
また、脾は「統血(血を脈中に留める)」「昇清(清らかな気を上へ持ち上げる)」の働きも持ち、全身の組織・臓器を支える力として不可欠です。
以下のような症状が脾の異常を疑うポイントになります。
- 消化器系の不調:食欲不振、腹脹、軟便、下痢
- 全身倦怠感:気虚に伴う疲れやすさ、四肢の重だるさ
- 湿の停滞:痰飲、浮腫、重だるさ、舌苔厚膩
- 出血傾向:不正出血、血便、血尿、皮下出血(統血失調)
- 精神面:思慮過度で脾を傷る(考えすぎることで脾気が傷む)
🔍覚え方のコツ
「脾は運化を主る・気血生化の源・統血・昇清」のキーワードを覚えよう!特に「思い悩む」と脾を傷める、という情志との関係も国家試験で狙われやすいポイント。
本虚表実証(脾虚+外邪・湿邪)
脾虚湿盛(ひきょしっせい)
脾気が虚して運化機能が低下し、水湿が停滞した病証。脾と胃に湿がたまり、内湿・重だるさ・痰飲などを生じます。
- 病位:脾胃/病態:気虚+内湿停滞
- 症状:食欲不振、腹脹、軟便・下痢、四肢倦怠
- 湿:舌苔厚膩、浮腫、頭重感、体が重だるい
- 脈:緩・滑または濡(ねばるような緩い脈)
虚証(脾の機能低下)
脾気虚(ひききょ)
脾の運化機能が低下し、気血の生化が不十分な状態。最も基本的な脾の虚証。
- 病位:脾/病態:気虚
- 消化不良:食欲不振、食後の腹脹、軟便・下痢
- 全身症状:疲労倦怠、息切れ、無力感、顔色が淡い
- 舌・脈:舌苔薄・脈濡または脈虚
脾陽虚(ひようきょ)
脾気虚がさらに進行し、脾陽の不足により温煦作用が弱まり、寒証を伴う虚証。水湿の停滞や冷えが加わります。
- 病位:脾/病態:陽虚・寒証
- 症状:腹脹・食欲不振・腹痛(温めると改善)
- 便:大便溏薄(泥状便)・完穀不化
- 全身:寒がり・四肢の冷え・疲労感・無力感
- 舌:舌質淡・舌苔白・脈細弱
📘試験対策メモ
「脾虚湿盛」「脾陽虚」の違いは「寒証の有無」と「湿の影響の強さ」!完穀不化・浮腫・舌苔厚膩の有無を見て判断しましょう。
🌟肺の病証
肺は「相傅の官」とされ、呼吸・気の調節・水分代謝・免疫バリア(衛気)に関わる重要な臓腑です。
東洋医学では「肺は気を主り、宣発と粛降をつかさどる」とされ、気の出入りや、全身への気・津液の巡らせ方に深く関わっています。
また、肺は「皮毛(肌や体表)」と密接に関係しており、風寒・風熱などの外邪が侵入しやすい臓でもあります。
そのため、咳・喘息・鼻症状・汗・浮腫・風邪にかかりやすい体質など、肺の病証は日常の臨床でも非常に頻度が高いです。
- 主な共通症状:咳嗽・喘息・息切れ・胸悶・鼻づまり・声のかすれ
- 肺の失調による代表的な病態:
- 宣発粛降の失調:呼吸異常、咳嗽、喘息
- 宗気不足:声が弱い、疲れやすい、呼吸無力
- 通調水道の失調:浮腫、尿量減少、痰飲
- 百脈を朝める失調:動悸、気逆感
- 関係する部位:鼻、皮毛、咽喉、涕(鼻汁)、憂悲(情志)
📌ポイント
「肺は嬌臓(きょうぞう)」と呼ばれるほどデリケートな臓器。外邪に侵されやすく、風邪の初期症状=肺の病証と捉えられる。
実証(風邪・痰湿など外邪の侵入)
風寒犯肺(ふうかんはんはい)
外から風寒の邪が侵入し、肺の宣発粛降作用を妨げた状態。いわゆる風邪の初期にあたります。
- 頭痛・悪寒・発熱・無汗または微汗
- 咳嗽(痰は白く希薄)・鼻閉・水様鼻汁・鼻声・咽のかゆみ
- 舌苔薄白・脈浮緊
風熱犯肺(ふうねつはんはい)
風熱の邪が肺に侵入し、宣発粛降が失調した状態。
- 発熱・軽度の悪風・咳嗽(痰は黄で粘い)
- 鼻閉・黄色い鼻汁・咽頭の腫れと痛み
- 舌尖紅・脈浮数
痰湿阻肺(たんしつそはい)
痰湿が肺に滞り、宣発粛降が妨げられた状態。呼吸器疾患の慢性期に見られるタイプ。
- 咳嗽・胸悶・痰が多く、白く粘性
- 痰が出ると咳が楽になる
- 舌苔白膩・脈滑
虚証(肺の機能低下・陰液不足)
肺気虚(はいききょ)
肺の気が不足して、呼吸機能や免疫機能が低下した状態。
- 息切れ・咳が弱い・倦怠・無力感
- 声が小さい・話すのが疲れる
- 浮腫・痰飲(通調水道の失調)
- 風邪をひきやすい・自汗が出やすい(衛外不固)
- 舌質淡・脈弱
肺陰虚(はいいんきょ)
肺の陰液が不足して、乾燥や虚熱が現れた状態。
- 乾いた咳・喉の乾燥・声のかすれ
- 五心煩熱・寝汗・舌紅・舌苔少
- 脈細数
✅試験対策ポイント
「肺気虚」と「肺陰虚」は頻出問題!
気虚は風邪に弱くなる・咳が無力、陰虚は乾いた咳・虚熱症状がポイントです。
🌟腎の病証
腎は「先天の本(せんてんのもと)」と称され、生命力や成長、生殖、老化、水分代謝を司る重要な臓腑です。
東洋医学において腎は精(生命の源)を蔵し、骨・髪・歯・耳・脳・膀胱などと密接に関係しているとされます。
腎の機能が低下すると、「腰のだるさ」「尿の異常」「生殖機能の低下」などが顕著に現れます。
また、腎は呼吸機能の補助も担っており、特に高齢者に多い呼吸困難(呼多吸少)も腎虚によるものと考えられます。
- 主な共通症状:腰痛・膝のだるさ・尿量異常・性機能低下・聴力低下・脱毛
- 蔵精不足:発育障害・生殖能力低下・記憶力低下・めまい・骨弱化
- 主水障害:尿量減少・浮腫・夜間尿・痰飲
- 納気障害:息切れ・吸気困難・動作で悪化
- 関連器官:耳・歯・髪・腰・膝・二陰(尿道・肛門)
📌ポイント
「腎は二陰を司る」と言われ、排尿・生殖器機能に関わる病証が多くみられます。虚証が中心のため、年齢や慢性病との関連を意識しましょう。
虚証(腎の機能が低下した状態)
腎精不足
腎に蔵される「精」が不足して、成長・発育・生殖・脳・骨に影響を与える病証。
- 腰膝のだるさ・耳鳴り・脱毛・健忘
- 骨や歯の弱化・歯の動揺・発育遅延・性機能低下(陽萎・閉経・不妊)
- 難聴・めまい・舌質淡・尺脈無力
腎気虚
腎の気が不足し、腎の固摂作用(排尿・生殖のコントロール)や呼吸の納気機能が低下した状態。
- 腎気不固:滑精・早泄・遺尿・尿失禁・流産傾向
- 腎不納気:呼吸困難・呼多吸少・運動で増悪
- 腰痛・倦怠感・精神疲労・舌質淡・脈沈弱
腎陽虚(命門火衰)
腎の陽気が不足し、温煦・気化・生殖機能が低下して虚寒の症状が現れる。
- 寒がり・四肢の冷え・顔色白・浮腫
- 性欲低下・陽萎・不妊・下痢傾向
- 腰膝の冷えと痛み・尿少・舌質淡・脈沈弱
腎陰虚
腎陰が不足して、体液の滋養が行き届かず、虚熱症状が現れる状態。
- 五心煩熱・盗汗・口乾・不眠
- 腰膝のだるさ・耳鳴り・舌紅少苔・脈細数
- 精血髄の不足による:めまい・脱毛・健忘・性機能低下
精血髄の不足
腎精とともに生成される血や髄が不足して、脳・骨髄・耳・髪などに影響。
- 耳鳴り・難聴・めまい・健忘・脱毛・歯がもろくなる
- 性機能低下・精力減退・不妊・早産・滑精
- 舌質淡・脈沈細
その他、腎の失調によって二便(大小便)にも影響が出ることがあります:
- 小便黄(腎陰虚)・小便不利(腎陽虚)
- 大便秘結(腎陰虚)・大便溏薄(腎陽虚)
✅試験対策ポイント
腎は「精」「陽」「陰」「気」それぞれが虚することで異なる病証を生みます。
「腰膝のだるさ+○○」で分類するのが解答のカギです!
🌟心包・三焦・奇恒の腑の病証
心包(しんぽう)・三焦(さんしょう)・奇恒の腑(きこうのふ)は、五臓六腑とは異なる特別な役割を持つ臓腑です。
国家試験ではややマイナーながら、頻出テーマの1つとして注意が必要です。
心包の役割と病証
心包とは「心の外郭」であり、外邪から心を守るバリアのような存在です。
また、心と密接に関わる感情・神志の不調にも関与します。
- 五臓に含まれる(心と同格)
- 熱邪によって心神をかき乱すと「心包熱」の症状が現れる
- 舌・意識障害・高熱・昏睡・うわごとなどの症状
心包熱(心包実熱):
- 高熱・昏睡・舌質紅・舌苔黄燥・狂言・譫語(せんご)
- 神志の異常(意識障害・せん妄・うわごと)
- 身熱・手足煩熱・脈数
📌臨床イメージ
感染による高熱や意識障害(インフルエンザ脳症など)に例えられる。
三焦の役割と病証
三焦とは「上焦・中焦・下焦」の3つの機能的空間を指します。
経絡としての三焦経も存在し、体内の気・水の通路を整える役割があります。
- 上焦:呼吸(肺・心)
- 中焦:消化(脾・胃)
- 下焦:排泄・生殖(腎・膀胱・小腸)
- 津液代謝・水道の通調に関わる
三焦の病証は他の臓腑と連動する形で現れるため、単独病証としては出題されにくいですが、「水液代謝異常」「体温調節」などに関連づけて理解する必要があります。
- 尿量異常・浮腫
- 全身のむくみ・体温調節障害
- 三焦経の走行に沿った肩・耳・側頭部の症状(中耳炎・耳鳴りなど)
✅ワンポイント
「三焦は腑であるが実体がない」=機能的な通路や空間のこと。肝胆・肺腎の橋渡し役として水液調整に重要。
奇恒の腑(きこうのふ)
奇恒の腑は「形は腑だが、機能は臓のような特別な器官」です。
五臓六腑には含まれないが、非常に重要な役割を果たします。
- 脳:髄海。精神活動・記憶・意識・運動調節(腎精と関係)
- 髄:骨髄。骨や脳に通じる
- 骨:髄を蓄える・支持機能
- 脈:血を全身に運ぶ通路
- 胆:腑でありながら清を蔵する特殊性(臓のような腑)
- 女子胞(子宮):経血・妊娠・出産を司る(腎・肝・任脈・衝脈と連携)
奇恒の腑に関する国家試験での出題傾向:
- 「五臓六腑の分類に含まれないものはどれか?」
- 「形は腑、性は臓に似るもの」
- 「女子胞に関係の深い臓腑」など
🎯出題パターン
「奇恒の腑に属するものを選べ」「胆の特徴は?」「女子胞と関係の深い臓腑は?」といった知識整理が重要。
🌟ポイント
東洋医学における「五臓六腑」の生理・病理は、国家試験の中でも最頻出領域です。
なかでも五臓(肝・心・脾・肺・腎)は、病証パターンとあわせて必ず1問以上出題されることが多く、出題形式は「症候の組み合わせ」「臓腑の生理」「弁証分類」など多岐にわたります。
✅まず覚えておきたいポイント
五臓の証を理解するには「五行の色体表」や「五志」「五主」「五官」「五液」とセットで暗記するのが効率的です。
- 五臓の生理は国家試験でほぼ毎年出題
- 肝・腎の証は出題率が非常に高い
- 五行との対応(色・季節・情志など)とセットで覚える
- 各臓の症状は、西洋医学の臓器との類似を参考にすると理解が深まる
💡肝のポイント
情志のコントロール・自律神経・血流の調整に関与するため、肝の病証では「イライラ」「うつ傾向」「高血圧」「月経異常」などがよく出ます。
- 疏泄失調:情志の不調・胸脇苦満
- 血虚:爪の異常・眼精疲労・しびれ
- 陰虚・陽亢:のぼせ・めまい・耳鳴り
💡心のポイント
心は血脈と神志を司るため、「循環器症状+精神神経症状」がセットで出てくることが多いです。
不眠や動悸、不整脈といった症状が頻出です。
- 心火亢盛:不眠・顔面紅潮・舌質紅
- 心血虚:健忘・動悸・舌質淡
- 心陰虚:不眠・五心煩熱・盗汗
💡脾のポイント
消化吸収を司り、気血の生化に関与するため、「倦怠感・腹脹・食欲不振・下痢・出血傾向」などが出題されます。
- 脾気虚:倦怠・息切れ・下痢
- 脾陽虚:寒がり・四肢冷・完穀不化
- 統血失調:皮下出血・月経過多・血尿
💡肺のポイント
呼吸・水液代謝・衛気の管理に関与し、「咳」「喘息」「感冒」が主な臨床症状です。
皮毛・鼻・悲しみとの関連も問われます。
- 肺気虚:息切れ・風邪をひきやすい・自汗
- 肺陰虚:乾いた咳・口渇・舌紅
- 風寒・風熱:急性呼吸器疾患に似た症状
💡腎のポイント
成長・発育・生殖・老化・水代謝を管理するため、尿の異常・耳鳴・不妊・発育遅延・腰痛などが出題されます。
- 腎精不足:発育遅延・性機能低下・脱毛・健忘
- 腎陰虚:ほてり・寝汗・舌紅・耳鳴り
- 腎陽虚:冷え・尿量異常・不妊・腰膝酸軟
🌸まとめ
五臓の証は東洋医学を学ぶ上での土台です。各臓腑の症候と西洋的な病態を照らし合わせて覚えることで、国家試験対策だけでなく、臨床的な洞察力にもつながります。
🌟鍼灸国家試験過去問
第29回-97
五臓とそれが蔵すものの組合せで正しいのはどれか。
- 肝 ─── 精
- 脾 ─── 営 〇
- 心 ─── 血
- 腎 ─── 魂
第17回-93
臓腑とその生理作用について正しい組合せはどれか。
- 胃 ───── 糟粕を伝化する。
- 胆 ───── 清濁を分別する。
- 心包 ──── 血を蔵す。
- 肺 ───── 治節を主る。〇
第22回-93
臓腑とその作用との組合せで正しいのはどれか。
- 膀胱 ──── 糟粕を伝化する。
- 大腸 ──── 清濁を分別する。
- 脾 ───── 昇清を主る。 〇
- 肝 ───── 納気を主る。
第10回-97
臓腑とその生理作用との組合せで正しいのはどれか。
- 心 ─── 血を蔵す。
- 胆 ─── 営を蔵す。
- 肝 ─── 神を蔵す。
- 腎 ─── 精を蔵す。〇
第28回-93
五臓と生理作用の組合せで正しいのはどれか。
- 肝 ─── 封蔵
- 脾 ─── 昇清 〇
- 心 ─── 蔵血
- 腎 ─── 治節
第23回-91
臓腑の働きと五華の組合せで正しいのはどれか。
- 神を蔵する ――― 毛
- 血を蔵する ――― 面色
- 営を蔵する ――― 唇 〇
- 精を蔵する ――― 爪
第12回-101
臓腑と開竅部との組合わせで正しいのはどれか。
- 脾 ─── 耳
- 肝 ─── 口唇
- 腎 ─── 目
- 心 ─── 舌〇
第11回-101
五臓とその役割りとの組合せで正しいのはどれか。
- 腎 ─── 中正の官
- 脾 ─── 伝導の官
- 心 ─── 臣使の官
- 肺 ─── 相傅の官〇
第14回-106
五臓とその症状との組合せで誤っているのはどれか。
- 肺 ─── 体臭が生臭い。
- 肝 ─── 汗をよくかく。
- 脾 ─── 肌肉がやせる。
- 心 ─── 顔色が赤い。〇
第11回-102
五臓の生理機能について誤っている記述はどれか。
- 脾は運化を主る。
- 心は血脈を主る。
- 肺は統血を主る。〇
- 肝は筋を主る。
第15回-95
臓腑について誤っている組合せはどれか。
- 胆 ─── 作強の官である。〇
- 胃 ─── 腐熟を主る。
- 肺 ─── 水道を主る。
- 腎 ─── 二陰に開竅する。
第16回-101
五臓の病証で誤っている組合せはどれか。
- 肺 ─── 陽萎 〇
- 心 ─── 譫語
- 腎 ─── 五更泄瀉
- 脾 ─── 脱肛
第15回-99
臓腑と病因との組み合わせで誤っているのはどれか。
- 心 ─── 炎天下で農作業をした。
- 脾 ─── 受験のためにイライラした。 〇
- 腎 ─── 不審者に追いかけられた。
- 肝 ─── 扇風機をかけたまま眠った。
第24回-96
病証と症状の組合せで正しいのはどれか。
- 肝血虚 ――― 目の充血
- 心陽虚 ――― 盗汗
- 脾気虚 ――― 内臓下垂 〇
- 肺陰虚 ――― 壮熱
第1回-97
誤っているのはどれか。
- 胆は州都の官である。〇
- 大腸は伝導の官である。
- 小腸は受盛の官である。
- 胃は水穀の海である。
第1回-102
誤っているのはどれか。
- 憂は肺を傷る。
- 恐は肝を傷る。〇
- 思は脾を傷る。
- 喜は心を傷る。
肝の問題
11回-103
肝について正しいのはどれか。
- 魂を蔵す。 〇
- 体温調節を行う。
- 第5胸椎に付着する。
- 鼻に開竅する。
第4回-100
肝の臓の生理作用はどれか。
- 運化を主る。
- 神を蔵す。
- 納気を主る。
- 血を蔵す。〇
第2回-101
魂を蔵し、判断力や計画性などの精神活動を支配する臓腑はどれか。
- 胆
- 心
- 肝 〇
- 腎
第6回-100
疏泄を主る臓はどれか。
- 腎
- 脾
- 肺
- 肝〇
第4回-102
肝の病証に含まれるのはどれか。
- 下痢
- 頭痛 〇
- 喘鳴
- 動悸
第6回-106
肝の病証に属するのはどれか。
- 頻尿
- 手足の冷え
- のどのつかえ 〇
- 息切れ
第12回-106
次の文で示す病証に関係する臓はどれか。 「手足の筋のひきつれ、季肋部痛、めまいや目の乾燥がある。」
- 肝 〇
- 腎
- 心
- 肺
第30回-96
気機を上昇させる特性をもつ五志に損傷されやすい臓の症状はどれか。
- 不整脈
- 歯のぐらつき
- 目のかすみ 〇
- 皮膚の乾燥
第14回-103
四肢のふるえとめまいとが共にみられる病証はどれか。
- 肝血虚 〇
- 肺陰虚
- 腎陽虚
- 脾血虚
心の問題
第8回-98
神を蔵し君主の官といわれるのはどれか。
- 肺
- 腎
- 心 〇
- 肝
第14回-98
心について正しいのはどれか。
- 決断を主る。
- 営を蔵する。
- 君主の官である。〇
- 四肢を主る。
第1回-100
心の臓の生理・病理について誤っているのはどれか。
- 心は舌に開竅する。
- 心は神を蔵す。
- 心は血脈をつかさどる。
- 心は疏泄をつかさどる。〇
第5回-102
心を傷る七情はどれか。
- 憂い
- 怒り
- 喜び〇
- 悲しみ
第6回-105
心の病証に属さないのはどれか。
- 言語障害
- 不眠
- 難聴 〇
- 健忘
第17回-99
四肢の冷え、胸痛、畏寒を示す病証はどれか。
- 腎陰虚
- 心陽虚 〇
- 脾陽虚
- 肝陰虚
第18回-95
次の文で示す患者の病証として適切なのはどれか。 「38歳の男性。半年前の失職以来、不安と不眠がある。起立時のめまいと軽度の動悸とを訴えている。」
- 脾陽虚証
- 肝陰虚証
- 腎気虚証
- 心血虚証〇
第22回-99
心気虚、心陽虚に共通する症状はどれか。
- 回転性めまい
- 無汗
- 四肢の冷え
- 心悸〇
第27回-100
心火亢盛証でみられないのはどれか。
- 舌尖紅
- 口渇
- 結脈 〇
- 不眠
脾の問題
第27回-94
気血を化生する臓はどれか。
- 心
- 肝
- 腎
- 脾〇
第4回-99
営(栄)気を蔵するのはどれか。
- 肺
- 胆
- 脾 〇
- 心
第13回-102
昇清を主るのはどれか。
- 肝
- 心
- 脾
- 肺
第21回-96
脾の生理機能はどれか。
- 精を蔵す。
- 液は汗である。
- 目に開竅する。
- 運化を主る。〇
第3回-100
脾の生理作用で正しい記述はどれか。
- 肌肉を主る。 〇
- 飲食物を清と濁に分ける。
- 目に開竅する。
- 血を蔵す。
第14回-96
臓腑とその付着部で正しい組合せはどれか。
- 胃 ─── 第9胸椎
- 胆 ─── 第12胸椎
- 肝 ─── 第10胸椎
- 脾 ─── 第11胸椎〇
第22回-94
中焦の生理機能と関係の深いのはどれか。
- 腎
- 脾 〇
- 肝
- 肺
第5回-101
脾虚の症状はどれか。
- 筋けいれん
- 咳嗽
- 健忘
- 内臓下垂〇
第8回-103
脾の病証でみられる症状はどれか。
- 性欲減退
- 胸脇苦満
- 腹部膨満感〇
- 心悸亢進
第10回-101
脾の病証として適切でないのはどれか。
- 性欲減退 〇
- 消化不良
- 全身倦怠感
- 腹部膨満感
第12回-107
次の文で示す是動病の経脈はどれか。 「食するともどし、胃部が痛み、腹が張る。よくおくびし、放屁すればすっきりする。全身が重く感じる。」
- 胃経
- 肺経
- 大腸経
- 脾経〇
第16回-95
腹痛、喜按、畏寒、四肢の冷えがみられる脾の病証はどれか。
- 脾胃湿熱
- 脾陰虚
- 脾陽虚 〇
- 脾気虚
第18回-96
脾の病証でみられないのはどれか。
- 崩漏
- 咽喉の閉塞感 〇
- 全身倦怠感
- 軟便
第19回-94
脾虚の症状はどれか。
- 陽萎
- 軟便下痢 〇
- 咳嗽
- 目のかすみ
第27回-101
次の文で示す患者の治療方針で最も適切なのはどれか。 「27歳の女性。月経過多に悩む。食欲不振で大便溏薄、臍部に力がなく、四肢が冷える。面色委黄。」
- 腎精を補う
- 脾気を補う 〇
- 痰湿を除く
- 胃熱を除く
肺の問題
第25回-92
水の上源といわれる臓腑はどれか。
- 腎
- 膀胱
- 肺〇
- 脾
第9回-97
肺の生理作用はどれか。
- 統血
- 納気
- 疏泄
- 宣散〇
第16回-97
鼻に開竅する臓の作用で正しいのはどれか。
- 納気を主る。
- 昇清を主る。
- 清濁を分ける。
- 治節を主る。〇
第29回-92
陽中の陰の臓が剋する臓の生理作用はどれか。
- 疏泄を主る。〇
- 運化を主る。
- 水を主る。
- 血を主る。
第30回-93
気血を化生する臓が剋する臓について正しいのはどれか。
- 耳に開竅する。〇
- 発汗を調節する。
- 血を主る。
- 魂を蔵する。
第13回-100
肺の臓について正しいのはどれか。
- 統血を主る。
- 口唇に開竅する。
- 作強の官である。
- 第3胸椎に付く。 〇
第18回-93
肺の生理作用で誤っているのはどれか。
- 皮毛を主る。
- 宣発を主る。
- 納気を主る。 〇
- 気を主る。
第7回-101
肺の病証でみられるのはどれか。
- 腰痛
- 耳鳴り
- 不眠
- 咳嗽〇
第21回-102
肺の病症でみられるのはどれか。
- 臓腑が下垂する。
- よくため息が出る。
- 暑くなくても汗が出る。〇
- 腹痛のない下痢が起こる。
第15回-101
肺の病証にみられないのはどれか。
- 梅核気 〇
- 無汗
- 湿疹
- 短気
第31回-95
肺が外邪の侵襲を防ぎ、臓腑を保護することを示すのはどれか。
- 粛降
- 華蓋〇
- 嬌臓
- 宣発
腎の問題
第24回-92
五神の志を蔵すのはどれか。
- 肺
- 脾
- 肝
- 腎〇
第6回-97
腎の臓の作用で正しいのはどれか。
- 筋を主る。
- 運化を主る。
- 精を蔵す。〇
- 血脈を主る。
第1回-99
臓腑の生理作用のうち骨と髄の生長発育に関係し、耳と二陰に開竅するのはどれか。
- 心
- 肺
- 肝
- 腎〇
第3回-103
精を蔵すのはどれか。
- 肺
- 腎 〇
- 脾
- 心
第2回-100
腎について正しい記述はどれか。
- 骨を主る。〇
- 第3腰椎に付く。
- 将軍の官である。
- 神を蔵する。
第16回-96
呼吸に関与しているのはどれか。
- 脾
- 腎 〇
- 肝
- 心
第7回-99
腎が主るのはどれか。
- 疏泄
- 宣散
- 血脈
- 納気〇
条達作用をもつ臓腑と相生関係にある臓腑の作用はどれか。
- 陰陽の根本 〇
- 気血の源
- 水の上源
- 水穀の海
第4回-103
次の文で示す患者の病証はどれか。 「顔に精気が感じられず、いつも腰がだるいという。小腹部は力がなくフワフワしている。最近、耳が聞こえにくくなった。」
- 脾の病証
- 心の病証
- 腎の病証 〇
- 肝の病証
第24回-95
腎陽虚証の症状はどれか。
- 口渇
- 浮腫 〇
- 不眠
- 煩熱
第11回-106
腎の症状として誤っているのはどれか。
- 耳鳴り
- 性欲減退
- 四肢の冷え
- 目の充血〇
第3回-99
腎の症状はどれか。
- 難聴 〇
- 血便
- 脇痛
- 胸痛
第30回-99
次の文で示す患者の病証の病理で正しいのはどれか。 「82歳の男性。半年前に誤嚥性肺炎で1か月間入院した。退院後から腰の痛み、耳鳴り、手足のほてりが出現し寝汗をかくようになった。」
- 運化の失調
- 肝火の上炎
- 疏泄の失調
- 腎陰の不足〇
第9回-101
次の病証を示す臓腑はどれか。 「発育の遅れ、難聴、不眠、内臓下垂」
- 肝
- 腎 〇
- 肺
- 胃
🌟腑の問題
第12回-102
臓腑と生理作用との組合わせで正しいのはどれか。
- 腎 ───── 統血
- 胆 ───── 水穀の受納
- 小腸 ──── 清濁の分別〇
- 肺 ───── 運化
第7回-98
臓腑について正しい組合せはどれか。
- 肺 ───── 作強の官
- 胆 ───── 中正の官〇
- 心 ───── 将軍の官
- 小腸 ──── 伝導の官
第15回-96
飲食物の伝化・排泄に直接関与しないのはどれか。
- 三焦
- 胃
- 胆〇
- 小腸
第27回-92
臓腑と生理作用の組合せで正しいのはどれか。
- 胆 ―――― 腐熟
- 大腸 ――― 化物
- 胃 ―――― 降濁 〇
- 小腸 ――― 受納
胆の問題
第29回-96
決断を主る臓腑と表裏関係にある臓腑の生理作用はどれか。
- 気を主る。
- 血流量を調節する。 〇
- 全身の陽気を主る。
- 水分代謝を調節する。
第6回-98
胆の腑の作用で正しいのはどれか。
- 決断を主る。 〇
- 津液の生成を主る。
- 栄養の吸収を主る。
- 大便の排泄を主る。
第21回-97
胆と表裏関係にある臓の生理作用はどれか。
- 血を蔵す。 〇
- 気を主る。
- 水を主る。
- 腐熟を主る。
小腸の問題
第14回-97
小腸について誤っているのはどれか。
- 中焦に属する。〇
- 清濁を分ける。
- 闌門で大腸に連なる。
- 受盛の官である。
胃の問題
第14回-102
胃熱による症状はどれか。
- 消穀善飢 〇
- 五更泄瀉
- 梅核気
- 心下痞
小腸の問題
第31回-96
降濁作用の補助を受けている作用はどれか。
- 疏泄
- 化物
- 粛降
- 伝化〇
第15回-102
次の文で示す臓腑の病証はどれか。 「食後の腹脹、下痢、腹鳴がある。」
- 胆
- 小腸 〇
- 膀胱
- 三焦
第30回-94
全身の陽気を主る臓腑と表裏関係にある臓腑の生理作用はどれか。
- 治節
- 降濁
- 納気
- 受盛〇
三焦の問題
第13回-103
三焦について正しいのはどれか。
- 第12胸椎に付着する。
- 気血津液を調整する。〇
- 納気を主る。
- 伝導の官である。
第15回-97
三焦について誤っているのはどれか。
- 体温を調節する。
- 体液を心へ運搬する。 〇
- 衛気を全身にめぐらせる。
- 皮膚に潤いを与える。
奇恒の腑の問題
第11回-100
奇恒の腑に属するのはどれか。
- 大腸
- 胃
- 小腸
- 肝〇
第1回-101
奇恒の腑に属するのはどれか。
- 心包・三焦
- 脾・胃
- 肝・腎
- 脳・子宮〇
第17回-95
奇恒の腑に属するのはどれか。
- 肉
- 筋
- 骨 〇
- 皮
第7回-104
奇恒の腑でないのはどれか。
- 女子胞
- 三焦 〇
- 胆
- 髄
第22回-95
奇恒の腑はどれか。
- 胆 〇
- 脾
- 肝
- 胃
第28回-92
六腑に属する奇恒の腑が、剋する腑の生理作用はどれか。
- 昇清を主る。
- 決断を主る。
- 受納を主る。〇
- 貯尿を主る。
病証の問題
第31回-101
五心煩熱や盗汗がみられるのはどれか。
- 心肝火旺
- 心脾両虚
- 心腎不交 〇
- 肝脾不和
第23回-98
次の文で示す患者の病証で適切なのはどれか。 「16歳の男子。試験前になると食欲不振、腹部膨満感が起こる。腹鳴や腹痛を伴う下痢を頻発する。」
- 肝腎の陰虚
- 肝脾の不調 〇
- 脾腎の陽虚
- 脾胃の湿熱
第26回-97
病証と病因の組合せで正しいのはどれか。
- 腎陰虚 ―――― 腎気虚が進行し気の温煦作用が低下したもの
- 心火亢盛 ――― 心陰が亢進したもの
- 肝胆湿熱 ――― 肝血虚が胆火に波及したもの
- 脾胃湿熱 ――― 湿が脾胃に長く影響し化熱したもの〇