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広告 東洋医学

国家試験対策~生理物質と神~

2024-03-08

🌟生理物質とは?

東洋医学における生理物質とは、人の生命を支える基礎的な物質であり、主に気・血・津液・精を指します。

これらは体を構成し、生命活動を維持するために不可欠であり、五臓六腑と密接な関係を持っています。

生理物質は、東洋医学の診断・治療において非常に重要な概念で、病証を見極める際の基準にもなります。

  • 生理物質を陰陽に分けると、血・津液・精は「陰」に、は「陽」に分類されます。

この分類は、体のバランスを陰陽の観点から理解し、病態を読み解くうえで重要な手がかりとなります。

🌟精(せい)の生理

は、生理物質の中でも生命活動の根本となる最も重要な物質とされます。

  • 精には、両親から授かった先天の精と、飲食物(主に脾・胃の働き)から得られる後天の精(水穀の精)の2種類があります。
  • 精はに貯蔵され、「腎精」とも呼ばれます。腎はこの精を基に成長・発育・生殖を司ります。
  • 精の主な作用は以下の通りです:

    • 生殖(男女の生殖器・発育に関与)

    • 滋養(全身の臓腑・器官を潤す)

    • 血への化生(精から血が作られる)

    • 気への化生(気の一部として働く)

    • 神の維持(精神・意識・活動の根源を支える)

  • この精が不足した状態を精虚(腎精不足)といい、老化や発育障害、不妊など様々な病態の原因となります。
  • 精虚の主な症状には以下があります:
    • 発育不良、性成熟の遅れ、不妊
    • 耳鳴り・難聴・健忘・虚労・めまい
    • 早老・白髪・脱毛・腰や膝のだるさ
    • 歯や骨の弱化、尿漏れ、遺精

つまり、精は身体の「貯蓄エネルギー」であり、使い過ぎると老化が加速したり、成長が妨げられることになります。

現代の視点では、ホルモンや遺伝情報、再生能力に近いイメージといえるでしょう。

国家試験の出題ポイント
  • 先天の精・後天の精の違いを問う
  • 腎が精を蔵す理由と関係する働き
  • 精虚の症状と、他の生理物質との関係性

第21回-94

生体の活力として働く気の類に含まれるのはどれか。

第21回-101

腎精の不足が最も疑われるのはどれか。

  1. 食欲不振
  2. 不妊
  3. 息切れ
  4. 目のかすみ

🌟気の生理

は、東洋医学において生命活動の原動力とされる極めて重要な生理物質です。

気は体の構成や機能を支えるエネルギーであり、血・津液・精・神と密接に関連しながら、各臓腑の生理活動を調節・促進します。

  • 気には、先天の精から化生された「原気」と、後天の精から化生された「宗気・営気・衛気」があります。

つまり、先天の気=生命の源後天の気=日々の栄養源として、相互に補い合いながら人体を支えています。

🔋先天の気(原気)

  • 腎に貯蔵された先天の精から生じる。
  • 生命活動の原動力となり、五臓六腑の機能を発揮させる。
  • 三焦を通じて全身に分布し、臍下丹田に集まる。

🍚後天の気(宗気・営気・衛気)

  • 飲食物から得られた「水穀の精気(後天の精)」に、空気中の清気(酸素)が加わることで生成。
  • 主に脾胃と肺の働きによって生産される。
気の分類と特徴
分類生産材料主な働き存在部位
原気先天の精生命活動の源、成長・発育を推動腎中・三焦経由で全身
宗気水穀の精+清気呼吸・血液循環・発声胸中(肺・心)
営気水穀の精血を構成し、全身に栄養を届ける脈中
衛気水穀の悍気体表防御・体温調節・発汗制御脈外(体表)

⚙️気の主な生理作用

  • 推動作用:臓腑・器官の活動を促進(成長・代謝)
  • 温煦作用:身体を温め、体温を維持
  • 防御作用:外邪の侵入から体を守る
  • 固摂作用:血・津液・汗・尿などの漏出を防ぐ
  • 気化作用:物質変化(血や津液を生む、尿・汗を排出)

🩺気の病理:虚と実の違い

  • 気虚:気の不足。倦怠感・息切れ・声が小さいなど。
  • 気陥:気虚が進行し、気の上昇作用が弱まり内臓下垂など。
  • 気脱:極度の気虚で意識消失・冷汗・虚脱状態。
  • 気滞(気鬱):気の巡りが悪化し、張った痛みや抑うつ感。
  • 気逆:気が本来の方向に流れず、吐き気・動悸・頭痛など。
国家試験に出やすいポイント
  • 気の分類(宗気・営気・衛気・原気)とその働きの違い
  • 気の作用5つを正しく覚える
  • 気虚・気陥・気脱・気滞・気逆の違いと症状

第27回-89

気について正しいのはどれか。

  1. 宗気は臍下丹田に集まる。
  2. 衛気は臓腑を温める。
  3. 営気は呼吸を推動する。
  4. 原気は津液を血に変化させる。

第13回-97

気について誤っている記述はどれか。

  1. 衛気は水穀の精気のことをいう。
  2. 宗気は胸中に集まる。
  3. 真気は温煦作用を持つ。
  4. 営気は血とともに脈中を流れる。

第23回-92

元気の説明で正しいのはどれか。

  1. 夜間に人体の陰の部を二十五周する。
  2. 清気とも言う。
  3. 血とともに脈中を行く。
  4. 先天の精が変化生成したものである。

第1回-98

胸中に宿る気はどれか。

  1. 衛気
  2. 宗気
  3. 元気

第11回-99

宗気について適切なのはどれか。

  1. 栄養を主る。
  2. 脈外をめぐる。
  3. 経絡の機能を維持する。
  4. 胸中に宿る。

第24回-91

肺に作用して発声・呼吸を推動するのはどれか。

  1. 元気
  2. 宗気
  3. 衛気
  4. 営気

第16回-94

衛気について誤っているのはどれか。

  1. 分肉を温める。
  2. 陰性の気である。
  3. 脈外をめぐる。
  4. 腠理を開闔する。

第23回-90

後天の精から得られた水穀の悍気はどれか。

  1. 営気
  2. 衛気
  3. 胃気
  4. 宗気

第2回-98

脈外をめぐる気はどれか。

  1. 衛気
  2. 宗気
  3. 営気
  4. 経気

第12回-99

外邪に対する防御的役割をするのはどれか。

  1. 衛気
  2. 経気
  3. 営気
  4. 宗気

第7回-97

衛気について誤っているのはどれか。

  1. 先天の精から得られる。
  2. 腠理の開闔を行う。
  3. 水穀の悍気のことをいう。
  4. 脈外をめぐる。

第31回-93

三焦を通って臓腑の気になるのはどれか。

  1. 営気
  2. 宗気
  3. 原気
  4. 衛気

第25回-91

三焦を通って全身に分布する気はどれか。

  1. 衛気
  2. 営気
  3. 原気
  4. 宗気

第7回-102

気滞の症状でないのはどれか。

  1. 胸苦しい
  2. イライラ
  3. 腹部の脹った痛み
  4. 息切れ

第11回-105

気滞の症状はどれか。

  1. 目のかすみ
  2. 出血
  3. 脹痛
  4. 手足のしびれ

第30回-104

次の文で示す患者の病証で最も適切なのはどれか。 「46歳の男性。主訴は肩こり。1年以上テレワークで外出機会が減少し、ストレスを感じている。胸肋部痛と喉のつかえ感を伴う。」

  1. 湿熱
  2. 気滞
  3. 血虚
  4. 陰虚

🌟血の生理

血(けつ)とは、東洋医学において全身を滋養する赤色の体液であり、「気」とともに人体の生理活動を支える重要な生理物質です。

西洋医学の「血液」に似た側面を持ちながらも、単に物質的な液体としてだけでなく、精神活動(神)との関係や、気との相互作用が強調されます。

血は主に「脈中(血管)」を流れ、五臓六腑・経絡・四肢百骸を滋養し潤す役割を担っています。

🩸血の生成と循環

  • 血の原料:飲食物から得られる「水穀の精微」+「清気(酸素)+営気」
  • 生成臓腑:脾胃が消化吸収し、肺を通って心へ→心で営気が血に変化
  • 貯蔵・調節:肝が血を貯え(蔵血作用)、必要に応じて供給

心が血脈を主り、肝が血を蔵し、脾が血を生む。この「心・肝・脾」が血に深く関わる三臓です。

🛠️血の主な作用

  • 滋養作用:血液中の豊富な栄養素が、五臓六腑・筋肉・皮膚・眼などを滋養・潤す
  • 神の維持:精神活動の物質的基礎となり、意識・思考・感情を安定させる

このため、血が不足すると「肌が乾燥する」「目がかすむ」「眠れない」「情緒不安定」といった精神・身体両面に症状が現れます。

🩺血の病理:虚と実の違い

  • 血虚(けっきょ):血の量または質の不足により、栄養が行き届かなくなる病証
  • 主な症状:顔色が白い・目の乾燥・爪の変形・不眠・めまい・動悸・記憶力の低下・月経量減少
  • 血瘀(けつお):血の運行が滞る状態。慢性的な瘀血(うっけつ)を指し、痛みや腫れ、色素沈着などが見られる
  • 主な症状:刺すような痛み・しこり・舌の紫斑・月経血が暗い・経行不順
  • 血熱(けつねつ):熱邪や内熱により血が煮詰まり、暴走してしまう状態
  • 主な症状:出血傾向(鼻血・皮下出血)・発疹・精神不安・夢が多い・便秘・舌が紅くなる
国家試験でよく出るポイント
  • 血の生成と関係する臓腑(心・肝・脾)を整理する
  • 血の生理的作用「滋養・神の維持」を覚える
  • 血虚・血瘀・血熱の違いを症状ごとに整理

第10回-98

血について誤っているのはどれか。

  1. 営気と共に脈中を流れる。
  2. 肝、心との関係が深い。
  3. 体表部を潤し体温調節に関与する。
  4. 後天の精から造られる。

第15回-94

血について誤っている記述はどれか。

  1. 心によって推動される。
  2. 脾が各器官に配分する。
  3. 営気とともに脈中をめぐる。
  4. 肝に貯蔵される。

第22回-92

血の説明で正しいのはどれか。

  1. 温煦作用により循環する。
  2. 生成に営気が関与する。
  3. 量は脾が調節する。
  4. 衛気と共に脈中を流れる。

第8回-101

血を生成し、血とともに脈中をめぐる気はどれか。

  1. 衛気
  2. 営気
  3. 清気
  4. 臓気

第28回-91

脈中を行き、血をめぐらすのはどれか。

  1. 宗気
  2. 営気
  3. 原気
  4. 衛気

第8回-99

血を脈外に漏らさないようにするのはどれか。

  1. 温煦作用
  2. 固摂作用
  3. 防御作用
  4. 推動作用

第21回-93

血を脈外に漏らさないようにするのはどれか。

  1. 気化作用
  2. 推動作用
  3. 温煦作用
  4. 固摂作用

第30回-92

血瘀の症状はどれか。

  1. 筋けいれん
  2. 色素沈着
  3. 視力減退
  4. 顔面蒼白

第19回-97

「55歳の女性。皮下出血しやすく、皮膚はかさつき、腹が脹る。月経時に血塊を伴う。」 最も考えられる病証はどれか。

  1. 気逆
  2. 水滞
  3. 瘀血
  4. 血虚

🌟津液の生理

津液(しんえき)とは、東洋医学において体内の正常な水分全般を指す言葉です。

飲食物を消化・吸収する過程で得られる「水穀の精微」が変化したもので、という2種類の性質の異なる水液を合わせて「津液」と呼びます。

この津液は、全身の組織・器官に潤いと栄養を与えるだけでなく、血と共に働いて生理活動を円滑に保つ重要な存在です。

💧津液の分類と特徴

  • 津(しん)
    • 性質:さらさらしていて薄く、流動性が高い
    • 分布:皮膚・筋肉・粘膜・体表・体腔など
    • 働き:皮膚や粘膜を潤し、汗・涙・唾液・尿などに変化する
  • 液(えき)
    • 性質:粘性があり濃く、ゆっくり流れる
    • 分布:関節・脊髄・骨髄・内臓深部など
    • 働き:関節を潤滑し、骨・髄・脳・臓腑を滋養

このように、津と液は作用や分布が異なるものの、互いに補完し合いながら体内の水分バランスを保っています。

🔁津液の生成・運行・排泄

  • 生成:脾胃で飲食物から水穀の精微を抽出
  • 運行:肺が全身に散布し、腎が再吸収・再分布を担当
  • 排泄:余剰分は膀胱から尿として排出される

この過程において、三焦・肺・脾・腎・膀胱などの臓腑が連携し、水分代謝を司ります。

🛠️津液の主な作用

  • 滋潤作用:皮膚・筋・関節・髪・眼などを潤す
  • 濡養作用:臓腑や骨・脳・髄などの組織を養い、柔軟性と栄養を与える
  • 血脈を満たす:血と共に脈中を満たし、血の構成を助ける

津液は、気・血・精と並ぶ基礎物質の一つであり、乾燥や過労・熱邪などによって損傷されやすい特徴があります。

🩺津液の病理

  • 津液不足(陰虚)
    • 皮膚や粘膜の乾燥、口渇、便秘、盗汗、寝汗、痩せるなど
    • 原因:熱邪・慢性病・老化・虚労など
  • 水湿・痰飲(津液の停滞)
    • 体内に余分な水分が溜まり、むくみ・重だるさ・痰・めまいなどを引き起こす
    • 原因:脾虚・腎虚・運化障害など
国家試験での出題ポイント
  • 津と液の違い(性質・分布・機能)を整理して覚える
  • 津液の作用「滋潤・濡養・血脈の補助」を正確に暗記
  • 津液の病理(不足 vs 停滞)の症状パターンを区別

第6回-99

津液について誤っているのはどれか。

  1. 骨に潤いを与える。
  2. 脈中を流れる。
  3. 脳髄を養う。
  4. 皮膚に潤いを与える。

第12回-100

津液について誤っているのはどれか。

  1. 皮膚を潤す。
  2. 心により代謝が促進される。
  3. 水穀から分離される。
  4. 体温調節に関与する。

第20回-93

津液について正しい記述はどれか。

  1. 津液は腎と膀胱で生成される。
  2. 津液が停滞する病理変化を津傷という。
  3. 津液の代謝機能を三焦気化という。
  4. 津液は経脈を通じて全身に流れる。

第2回-102

津液の代謝に関係しない臓腑はどれか。

  1. 脾・胃
  2. 腎・膀胱
  3. 肺・大腸
  4. 肝・胆

第29回-95

津液の停滞による症状はどれか。

  1. 口渇
  2. しびれ
  3. 盗汗
  4. 下痢

第19回-99

津液の不足による症状はどれか。

  1. 小便自利
  2. 目眩
  3. 口渇
  4. 自汗

第22回-97

運行が失調すると鼓脹を認めるのはどれか。

  1. 衛気
  2. 営気
  3. 津液

🌟神(しん)

神(しん)とは、東洋医学において生命活動全体の総称を意味する重要な概念です。

西洋医学における「精神」や「意識」とはやや異なり、意識・思考・感情・感覚・行動・生命力などを総合して表現する広義の言葉です。

「神」は精・気・血・津液の充実を基盤とし、特に心(五臓の「心」)に宿るとされ、「神明(しんめい)」「神志(しんし)」などの形で表現されます。

🌟神の構成と分類

  • 心神(しんしん)
    • 意識・思考・精神活動の中心
    • 心に蔵され、「神明(しんめい)」として現れる
  • 神志(しんし)
    • 精神活動の具体的表れ
    • 感情・記憶・集中力・睡眠など
  • 五神
    • 東洋医学では、心(神)・肝(魂)・脾(意)・肺(魄)・腎(志)にそれぞれ宿る「五神」理論がある

💎三宝:精・気・神

「精・気・神」は、人体を構成する基本的三要素として三宝(さんぽう)と呼ばれます。

  • 精:生命の源。親から授かる「先天の精」と、食物から得られる「後天の精」がある。
  • 気:生理活動のエネルギー源であり、臓腑や器官を働かせる推進力。
  • 神:精神・意識・思考・生命力の表現。精と気の充実によって養われる。

この三者は相互に依存しており、特に「精充ち、気盛んであれば、神明は安らか」とされます。

🛠️神の主な生理的働き

  • 精神活動の調節:思考・記憶・意識・感情を制御
  • 感覚と反応の制御:外界刺激への反応、注意力・判断力
  • 睡眠と覚醒:心神の安定が睡眠の質を左右する
  • 顔貌・言動への反映:神が充実していると、目に光があり、言語明瞭・顔色も良い

🩺神の異常とその症状

  • 神不安(心神不寧):心の神が安定せず、不安感・不眠・多夢・動悸が生じる
  • 神昏(しんこん):意識障害、昏睡状態など。神明が乱れる重篤な状態
  • 精神抑鬱:肝気鬱結などによる気血の停滞が神に影響する
国家試験で出るポイント
  • 「神」の定義=生命活動の総称と理解する
  • 心神・神志・五神の分類を押さえる
  • 「精・気・神」の三宝関係を整理する
  • 神の異常=精神症状(不安・不眠・錯乱)との結びつきを覚える

第31回-92

成長や生殖活動を行うもととなる基本的な物質の生理作用で最も適切なのはどれか。

  1. 体温を一定に保つ。
  2. 神を維持する。
  3. 血脈を満たす。
  4. 呼吸を推動する。

第1回-102

誤っているのはどれか。

  1. 思は脾を傷る。
  2. 喜は心を傷る。
  3. 恐は肝を傷る。
  4. 憂は肺を傷る。

第4回-98

五志に含まれない七情はどれか。

第10回-103

肝を傷る七情はどれか。

第12回-104

七情で腎を傷るのはどれか。

第30回-96

気機を上昇させる特性をもつ五志に損傷されやすい臓の症状はどれか。

  1. 目のかすみ
  2. 歯のぐらつき
  3. 皮膚の乾燥
  4. 不整脈

🌟まとめ:生理物質と神

東洋医学では、人間の生命と健康を維持するために必要な構成要素として、気・血・津液・精・神という「生理物質と神」の概念が重視されます。

これらは単なる物質ではなく、機能とエネルギーを含んだ「生きた存在」として理解され、それぞれが密接に関連しながら心身のバランスを保っています。

🔑各生理物質の関係性と役割

  • 気:生理活動のエネルギー源で、推動・温煦・防御・固摂・気化作用などを担う
  • 血:栄養に富む赤色の液体で、身体を滋養し精神を安定させる(神の母)
  • 津液:体内水分を統括し、臓腑や器官を潤すことで活動を支える
  • 精:生命の源であり、成長・生殖・発育を促す物質。腎に貯蔵される
  • 神:生命活動全体の統合的存在で、意識・思考・精神活動に関わる

これらは個別に機能するだけでなく、「気は血を生じ、血は気を載せ、精は神を養い、神は気血を統率する」といったように、相互に依存・補完し合っています。

📝国家試験で狙われるポイント

よく問われるテーマ
  • 気・血・津液・精の区別と機能
  • 「神」はどの臓に宿るか、何を意味するか
  • 三宝:精・気・神の相関関係
  • 各病証の違い(例:気虚・気逆・血虚・血瘀・津液不足など)

生理物質や神に関する問題は、用語の定義を暗記するだけでなく、「どれとどれが関係しているか」「病証の原因と症状は何か」といった、相関的な理解が問われます。

たとえば「血虚が進むと神の不安定化(心神不寧)につながる」や、「腎精が不足すると成長障害や耳鳴りが出る」など、理論と症状をリンクして覚えることが、国家試験では高得点への近道です。

また、実際の臨床においてもこれらの理解は重要で、不眠・情緒不安定・発育障害・疲労感・月経異常などの症状と「気血津液精神」との関係を読み解くことで、東洋医学的な診断・治療に活かせます。

💡覚え方のコツ

  • 語呂合わせ:「気で動かし 血で潤し 津液で守る 精で育み 神でまとめる」
  • 三宝はセットで暗記:「精→気→神」の順に影響する
  • 図解で整理:五臓との関係、病証の流れを図で理解すると記憶定着しやすい

暗記に頼るだけでなく、流れ・因果・つながりを意識することが、東洋医学の「生理物質と神」を深く理解する最大のポイントです。

今後の学習では、これらの知識をもとに病理や証の理解へとつなげ、臨床応用できる力を育てていきましょう。

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