
2年の前期試験が終わり、卒業まであと1年と半分です。
学校では「卒業後どうする?」という話をチラチラとしています。
高校から入学した学生は、まだ国家試験のことも実感がなく、将来のビジョンもふんわりしていますが、社会人学生である私は授業が難しい今、逆に未来の働き方を現実的に考えるようになってきました。
実際、授業のテストは落としても国家試験は何とかなるだろうという謎の自信もあり(笑)、それよりも自分が「卒業後にどう働くのか」を真剣に描きたい気持ちが強くなっています。
鍼灸学校には社会人経験者が多く、会社員はもちろん、個人事業主、フリーランス、自営業など多様なバックグラウンドの人たちがいて、それぞれの働き方や考え方を知ることができるのはとても貴重な学びです。
実技のペアワークで話を聞くたび、「へぇ!そんな生き方あるんだ!」と驚かされ、自分の視野が広がっていくのを感じています。
とくに印象的だったのは、「開業看護師」という言葉でした。
「看護師って開業できるの?」と思いましたが、実は自費診療の健康相談所、訪問型のアロマケア、さらには看護師による保険外サービスなど、法人でなくても看護を活かして自立している人が実際にいるそうです。
今までは「フリーランス看護師」といえば派遣や単発のアルバイトというイメージでしたが、実際はもっと自由度の高い「個人事業主」として、看護の力を活かせる場が広がっていることに気づきました。
もちろん、訪問看護ステーションやデイサービスのように法人格が求められる分野もありますが、自費サービスであれば1人でも始められるものもあります。
そして、ふと思いました。「個人事業主って、複数の仕事を同時にできるってこと?」と。
実際、クラスメイトにはフリーのイラストレーターをしながら、週末は鍼灸、という人もいます。
看護も鍼灸も、昔あきらめた夢も、ひとつの肩書きに縛られない“自分らしい働き方”として実現できるのではないか。
そんな希望が見えてきたのです。
🌟事業を考える上での強み
Kagayaは、履歴書だけを見ると「すごく多彩なキャリアの持ち主」と思われるような、たくさんの職場経験があります。
でもその実態は、ひとつひとつの職場歴が短く、いわゆる“ジプシーナース”と呼ばれるような経歴。
どこか落ち着かず、転々としてきた人生だったとも言えます。
人によっては「続かない人」「忍耐がない人」と見るかもしれません。
でも、それって本当に“マイナス”なのでしょうか?
結婚歴でいえば❌が何個ついてるの?って言われそうなほどの転職歴。
でもある人がこう言ってくれたのです。
「たくさんの職場を見てきた人は、それだけたくさんの価値観と現場を知ってるってこと。むしろ武器になるよ。」
その言葉に救われました。
たくさんの施設、病院、事業所で働いた経験が、今のKagayaを形づくっています。
特に、重症心身障がい児(者)に関する支援の現場においては、Kagaya自身が在宅ケア、訪問介護、ショートステイ、通所、学校支援、放課後デイ、卒後支援と、さまざまな現場に立ち会ってきました。
小児病棟での勤務経験こそありませんが、そのぶん家庭と地域、つまり「生活の中での支援」に深く関わってきたのがKagayaの強みです。
医療職としての看護の視点、発達支援としての療育的視点、そして今まさに学んでいる鍼灸の東洋的視点。この三つの視点を掛け合わせて、“支援”というより“伴走”に近い新しいサービスが作れるのではないかと思っています。
正直、この道のロールモデルはあまりいません。
でも、いないからこそやる価値があるし、自分の経験すべてが誰かの役に立つかもしれない。
Kagayaはこれから、自分にしかできない支援のかたちを「看護×療育×鍼灸」でつくっていこうと考えています。
🌟やりたい事業
障がい児(者)支援をしていきたいと思っています。
障がい児(者)専門のお店!といっても、テナントではなく、訪問や自費サービスの中でできることから始めます。
具体的に、Kagayaがやりたいことをいくつか紹介します。1人でやるには限界があるかもしれませんが、夢を描くのは自由です。
ちなみに、看護師が3人集まれば訪問看護ステーションや放課後等デイサービスを開設することが可能です。
しかし「一緒にやりたい」と思える看護師がいるかどうか……これが一番のハードルかもしれません。
「理想論ばかりで現実が見えていない」「現場経験が乏しい」「私は看護師です!」そんなオーラを放つ看護師さんとは、Kagayaは一緒に働けません。
正直、今の気持ちは「やっぱり1人で気楽にやるのがいいな」です。
訪問鍼灸
障がい児(者)は外出が難しい方も多いため、訪問による鍼灸サービスはとても理にかなっています。
しかも訪問であれば、事務所を自宅として登録可能なので、家賃の負担がありません。
それに、正直に言うと、Kagayは掃除が大の苦手。
自宅の掃除すらイヤなのに、店舗の掃除まで……なんて考えたら、店舗を構える気はまったく起きません(笑)。
だからこそ、訪問中心で活動しつつ、必要があればシェアサロンやレンタルスペースで施術する形が合っていると思っています。
「自宅に来てほしくない」という声にも対応しつつ、鍼と私があればどこでも施術できる。
これがKagayの理想のスタイルです。
移動支援
障がい者福祉サービスの中には「移動支援」がありますが、地域による格差がとても大きいと感じています。
たとえば、重症心身障がい児には移動支援が出ない一方で、軽度の障がいで電車や自転車での移動が可能な人には支給されていたり……。
制度として存在していても、必要な人に届いていない現実があります。
そこで自費の移動支援を取り入れたいと思っています。たとえば:
- 夏休みに遊園地に行きたい
- 月に1回、近所を散歩したい
- 映画や食べ放題に行ってみたい
- 学校の遠足や修学旅行の付き添い
こうしたニーズは多いのに、公費では対応しきれません。
自費であれば時間・内容・エリアなどの制約をなくし、その人にとっての“幸せな外出”を叶えることができます。
60分:3,000円
医療行為加算:1項目500円
交通費:別途
半日プランや宿泊支援となると、また別料金設定が必要ですが、まずは“日常のちょっとした外出”から支援したいと思っています。
卒後夕方支援(日中一時支援)
卒業後の生活介護は、帰宅時間が早くなるのが現実です。
在学中は放課後デイサービスを利用して18時帰宅できていたのに、卒業後は16時には家に着いてしまう。
その2時間の差が、保護者の就労にとって大きな壁となっています。
就労継続を断念する家庭も少なくありません。
そんな背景から、「卒後夕方支援=自費型日中一時支援」を考えました。
事業所が少なく、ヘルパーも足りない今、“つなぎ”として自費サービスで補えることがあると考えています。
レンタルハウスを使えば、少人数のお預かりが可能です。
施術や療育も取り入れながら、単なる預かり以上の時間を提供します。
60分:2,000円
医療行為加算:1項目500円
他利用費:別途
これは一時保育の相場(1,500~3,000円)とも比較して現実的な価格です。
自費だからこそ、介助や施術に制限がなく、その方に合ったケアが可能になります。
🌟やりたくないこと
大学時代の教授が、あるときKagayにこう言ってくれました。
「やりたくないことは、やらなくていい」と。
その言葉は、今のKagayaの働き方の原点になっています。
でも、実際にはどうでしょうか?
看護師として働いていたとき、kagayaは「やりたくないこと」だらけの日々を過ごしていました。
望まない配属、合わない上司、患者さんとの関係性、休日出勤、夜勤……。
看護という仕事はそれなりに好きなのに、その環境や働き方にストレスを感じていたのです。
自分をすり減らして働いている実感が常にありました。
だからこそ、今こうして「個人事業主としての働き方改革」にチャレンジしています。
やりたいことを大切にして、やりたくないことはやらないという選択ができるようになったのです。
たとえば、高齢者へのマッサージ業務。
これは鍼灸の国家資格なのに職場で求められる場面もありますが、Kagayaは絶対にやりたくありません。
理由はシンプル。
「自分の仕事ではないから」です。
高齢者との関わりが苦手なのではなく、自分の支援がもっと活かせる対象が別にあると感じているからです。
また、一つの建物内に何時間もこもりきりという働き方も向いていません。
Kagayは空間に縛られるのが苦手なタイプで、場所を変えて働けるほうがパフォーマンスが上がります。
そして何より、横柄で治療やケアに非協力的な方には、無理にサービスを提供したくありません。
相手にとってもKagayにとっても、苦痛な時間になってしまうからです。
Kagayaは自由人で、空気は読まないタイプです。
いえ、正確には「空気は読むものではなく、吸うもの」だと思っています(笑)。
Kagayaは、自分らしく、無理せず、ストレスフリーで働くことを目指します。
そのためには、「どんな仕事をするか」よりも「誰と仕事をするか」が大切です。
価値観が合い、クセの強いKagayaを気に入ってくれる方と、長く丁寧なお付き合いをしていきたいと思っています。
自分がストレスに感じることはやらない。
無理はしない。
人に雇われていないからこそ、自分で仕事を選ぶ。
それが、Kagayaの働き方です。
イヤだと思うことに時間を費やすことほど、人生にとって無駄なことはない。
そう胸を張って言えるような働き方を、これからもしていきたいと思います。
🌟屋号について
「屋号」とは、個人事業主が使う“お店の名前”のようなものです。
はじめは「療育鍼灸院 きらぼし(仮)」という名前を考えていました。
障がい児療育を意識した鍼灸院というイメージで、親しみやすく、やさしい響きを大切にしていました。
しかし、訪問鍼灸のみの活動では、「鍼灸院」という表現が法的にグレーになりがちだと知りました。
「院」を名乗るには施術所の届出・構造基準のクリアなどが必要な場合があり、訪問専門だと難しいという話を聞いたのです。
ただし、個人事業主であれば施術所登録の有無にかかわらず屋号は自由に決めることが可能です。
「院」という言葉を使うことに慎重になりつつも、「きらぼし」という部分だけはどうしても残したいと思いました。
「きらぼし」という言葉には思い入れがあります。
夜空に一つだけ光る星のように、誰かの心のよりどころになれたらという願いが込められています。
そこで、もう少し柔らかく、かつ活動内容が伝わるようにした結果、「訪問キュア&ケアステーション きらぼし(仮)」という屋号を思いつきました。
「キュア(Cure)」は治療、「ケア(Care)」は癒し・支援という意味です。
昔、新人研修で言われた言葉が忘れられません。
「キュアよりケアを大切に」。
病気を治すだけではなく、そこに付随する悩みや生活の苦しさに寄り添うことこそが、私たちの仕事だと。
そして「ステーション(station)」という単語には、駅のように人が集まり、そこからそれぞれの目的地へ向かうという意味を込めています。
事務所が“駅”となり、必要な支援を届ける出発点になるという発想です。
「訪問鍼灸リハビリ看護ステーション きらぼし(仮)」という案も考えました。
確かにわかりやすく、内容がそのまま伝わる屋号です。
ただ、長くなりすぎるのと、実際には法的な基準を満たしていないため、公的には使いにくい可能性もあります。
そのため、今のところは「訪問キュア&ケアステーション きらぼし(仮)」を第一候補としています。
わかりやすさと親しみやすさ、そして活動の本質が伝わる名前だと信じています。
正式に名乗るには、開業届やサイト表記などにも配慮が必要ですが、「名前に魂を込める」という意味では、もうこの屋号は私にとってすでに「仲間」のような存在です。
もし役所に「紛らわしい」と言われたら?……そのときは、その理由をしっかり聞いて、また工夫していきます。
でもKagayaは、「きらぼし」という名と共に、訪問で癒しと支援を届ける仕事を形にしていきたいと心から思っています。
🌟まとめ
「個人事業主として働く」ということは、まだまだわからないことも多いけれど、少なくとも一つ言えるのは、「今までにない新しいサービスを、自分の想いで形にできる働き方」だということです。
これまで、看護師なら看護の仕事、鍼灸師なら鍼灸の施術——そんなふうに、資格や職種に縛られて働くのが当たり前だと思っていました。
でも本当は、どちらも「Kagay」であって、看護も鍼灸も、それぞれの経験や視点を持っているからこそできる支援があります。
看護師として10年以上働いてきたキャリアに加え、障がい児教育に携わり、今まさに鍼灸師としての道を歩んでいる自分。
この三本柱——看護 × 療育 × 鍼灸——を活かして、ほかの誰にもマネできない“Kagayaスタイル”を確立したいと考えています。
ある意味、Kagayは「自分自身を商品」として世の中に出していくことになります。
「Kagayをいくらで買いますか?」と聞いたらドキッとするかもしれませんが、これは自分の価値を信じて価格をつけるという、個人事業主として当たり前の発想です。
自分が提供できるサービスに値段をつけて、それを必要としてくれる人に届ける。
お互いが納得して契約する——それが、ビジネスであり、人と人との信頼関係です。
だからKagayaは、「ジプシーナース」ではなく、これからは「ハイブリッド鍼灸師」として生きていきたい。
重症心身障がい児(者)とそのご家族が、地域で孤立せず、自分らしく生きていけるように。
そのためにどんな支援ができるか、一緒に考え、歩んでいきたい。
その第一歩が、Kagaya自身の「働き方」を変えることから始まっています。
このブログを読んでくださったあなたに、もし感じるものがあれば、ぜひ思いを聞かせてください。
「こんなサービスがあったら嬉しい」「こういうこと困ってる」など、小さな声こそが、これからのKagayaの活動のヒントになります。
あなたの声が、未来の「きらぼし」を照らします。
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訪問鍼灸や療育支援を本格的に進めるなら、実績のある道具と教材が強い味方になります。
以下の3点は現場でも定評のあるアイテムです。
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